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2009/12



花  濫 20
夢想原人 12/30(水) 14:49:00 No.20091230144900 削除
妻が惚れた



一日おきに続いた冴子とラサールの交媾も、さすがに一月を過ぎると間が開くようになった。それに引き替えて他の留学生の来宅が増え
ていった。毎夜のように誰かが来ていた

惣太郎が相手しなくても彼らは少しの気後れもせず、冴子を相手に酒を飲んだり喋ったりして帰っていく。そうした中でも劉の来訪がことに
多かった。台湾の中国人で、父も台湾大学で日本語を教える教授である。
 
彼の言葉は、田舎から上京した日本の学生より確かである。台湾では数少ないインテリの一家に育った劉は、他の留学生と一線を画す
程に品があり紳士だった。彼自身台湾大学の助教授で、この留学生アパートの寮長を政府から任される信頼ぶりは、三十歳という年齢か
らもきている。
 
他の留学生も彼には一目をおいて、酒を飲んでつい冴子の前で淫らな話になって冴子が困り果てたときなど、彼の一喝があ
ると一同はどんなに酔っていても慌てて口を噤むほどだった。

みんなでやって来ても、大抵劉が最後に一人残った。冴子の劉を見送りに出る時間がしだいに長くなっているのに惣太郎が気付いたのは、
つい最近である。

ある夜、劉と妻がリビングから消えて十五分以上かかっているのを惣太郎は発見した。
 玄関のドアの音がしないから彼らはまだ家の中にいる筈だった。リビングから廊下を玄関に向かうと、右側がトイレや風呂があり左側に和室
の四畳半、応接室となっている。

二人がいるのは玄関にいちばん近い応接のようだった。惣太郎はその時間にはいつも二階の一番奥の自分の書斎に閉じ込もっているのだが、
その夜に限って、喉の乾きを覚えて階下に降りようとしたのだった。二階からの階段は玄関のロビーに続いていたので、奥から出てきた二人が
すっと応接に消えたのが見えた。

惣太郎は仕事を止めて、二階の階段に近い寝室に入って灯を消した。階下はしんと静まって物音一つ聴こえては来なかったが、丁度十五分経っ
た頃ドアの音がして劉が帰って行った。

寝室に入ってきた冴子は妙に息を弾ませている。どうしたのかい、と訊くと、
「今ね、初めて劉さんに抱き締められたの」
と上気して言った。劉を見送り玄関のロビーで別れようとした折り、劉は 「さようなら」 といってからいきなり振り向いて抱きついてきた。
冴子は突然なのでびっくりしたが劉が非常に熱情的だったので、かえって嬉しくなり、そっと応接室のドアをあけて中へ導いたと言う。抱擁され
たまま当然接吻されるものと期待押していた冴子は、劉の唇がいきなり冴子の首筋に押し付けられて驚いた。噛み付くように激しく吸い付いたま
ま数分を過ごしてから、劉はやっと冴子の躯を放して、
先生に済まない、先生に申し訳ない」と何度も言って帰って行ったという。
冴子は話し終えてから
「これ、みて」と寝巻きの襟を肌けて見せた。
 
スタンドの光にこの頃めっきり脂の乗った白い咽喉首の付け根に今付けたばかりの真っ赤なキスマークが歯形まで付いて血を滲ませていた。
次の夜もやってきた劉が十二時近くまで冴子を相手に酒を飲んで、帰りに当然のように昨夜と同じ場所で冴子を抱擁した。冴子の報告では、昨
夜と同じ首筋を吸おうとするので、
「そこはういや、見つかるから」
と眼をつぶって唇を差し出すようにすると、劉は「奥さん」といって激しく唇を重ねてきた。初めて唇を許した喜びで冴子はうっとりとしてしま
い、ただ相手の吸うに任したと言う。

寝床に入ってからの冴子は、興奮から醒めきらず、
「ねえ、とうとうキスしてくれたのよ……ああ、やっとキスですものね」
うっとりとした表情で言った跡、夫の身体に燃え狂うような情熱でいどんでいった。
それから三日後にやってきた劉が、帰りぎわに冴子と玄関のロビーから消えるのを惣太郎はそっと二階の階段の上から覗いていた。その日は応
接室に入らず隣の四畳半に二人は入って行った。

後からの冴子の報告では、接吻の時間が日を追って長くなり舌を吸い続けられるので苦しくなり呻き声が出るまでになったので、次第に立って
いることも困難になり和室に変えたということだった。
「最後の一線はまだ越えていないのよ」

畳の上でお互いに横臥の姿勢で抱擁や接吻を繰り返すのだから、当然乳房や陰部へのペッテングぐくらいまで行っていると思って訊ねると、
「興奮するとお尻を強く抑えたり、太腿を手で押し揉んだりすることはあっても、まだ直接肌に触れられたことはないわ」
と冴子は当然のように言うが、その様相には明らかに期待が裏切られて焦りが滲み出ていた。
「そうしようと思えばいくらでも出来るのに、パンティーの中にはどうしても手を入れてこないの、そしてお洋服の上からあたしのそこに彼のもの
をぐっと押し付けてくるだけなの……あの人童貞かしらね」

「馬鹿、男が三十にもなって童貞ということがあるかい……思い切ってお前の方から誘ってみればいいんだよ」
「女のあたしから? ……こんなにラサールなんかと遊んでいる躯なのにね……やっぱりあなたに遠慮しているんだわ」
「そんなに劉にさせたいのか?」
冴子は夫の胸に顔を埋めて、
「だって、彼紳士だし……一途にあたしのことをおもっているんだもの…… 」 といって頷いた。

新しい政府がつくった町田市の留学生のアパートの説明会や劉の父親の訪日があったりして、劉が二日顔を見せず冴子をさんざん寂しがらせた。
三日目、きっちり八時にやってきた劉を見た冴子が急に生き生きとした様子に惣太郎は思わずほっとすると同時に微かな嫉妬まで覚えた。
すき焼きや中国の老酒で夕餉をとっていると、冴子のなんとも楽しげな様子が、惣太郎の酔眼にも映ってくる。

冴子が劉の持ってきた中国の饅頭のセロハンを剥そうとしているのを、
「違うよ、そこじゃない。ほら……」
睦まじそうにより添った劉が、いつもの礼儀正しさを忘れて不用意に洩らした無遠慮な言葉遣いに、
「あら、どこ?ねえ、わからない……」

惣太郎がびっくりするような甘ったるい声音で妻が答えていた。すき焼きなので八畳の和室を使って炬燵の上でしていたが、その時劉が炬燵の中
でぐいと冴子の膝を押したのが惣太郎にははっきり判った。すると妻が「えっ」となつかしさを篭めた眼差しで優しく頷いた。惣太郎が深酔いを装
っているのをいいことに、ふたりは惣太郎の眼の前で幾度か何か絡み合うような大胆さで眼と眼を絡み合わせては頬笑み合っていた。

十二時になると劉はいつものように帰る様子で立ち上がった。
「送るわ」
と冴子も一緒に立ったが、部屋を出る時、
「あなた寝ていらして」
と見返った顔が何 ───許して───といっているように惣太郎には思えた。

寝床に入って耳を澄ますと、時折、階下の部屋から啜り泣くような妻の声が聴こえたように惣太郎には思えたが空耳かも知れなかった。冴子が室に
戻ったのは四十分ぐらい後だった。

入ってきた妻の様子を見て惣太郎は驚いた。妻のパーマの髪がセットの後も判らないほど崩れ、頭の後などは毛の束がぶらりとぶら下がっている。
胸も肌け太腿が覗けるほど裾を乱し、そこから強い肌の匂いと女の体液の匂いが部屋の中に熱い体温を含んで流れてきた下着一枚になって布団に潜
り込んできた冴子に、
「おい、とうとう劉にさせたのか」
惣太郎が興奮した口調で言うと、妻は物憂げにいやいやをしながら、
「ううん、まだ、それはまだなの……でも、みて」

そういって冴子は、自分で胸を開くと、乳房をぶるんと出して見せた。スタンドの灯にもどきっとするような真っ白い豊かな乳房の丘に鮮やかなキスマ
ークが二つ血を滲ませていた。そして小さ目の乳暈と乳首がいかにもいま吸われたというように紅く大きく突起しているのだった。
「お前おっぱいを吸わせたのかい」
冴子は夫を見て、べそをかくような笑みを浮かべてこくりと頷いた。

「おい、お前がそれで我慢できる筈がないじゃないか」
乳首を吸われると阿呆のように抵抗力を失ってしまう彼女の躯は、冴子自身がいちばんよく識っている筈だった。冴子はとろんとした眼を開いて夫を
見ると、
「だから、だから今日はパンティーの中に手が入ってきて……」
「触らせたんだな」
「……そうよ、やっぱりお部屋にお布団いれといたのがあの人をその気にさせたのね。いきなり押し倒してあたしの胸を開いて、はっつと思ったとき
にはおっぱい吸われていたの」

「パンティーを脱がされたのかい」
「脱がなくったって手は入るわ、でも、脱いでしまえばよかった……あたしが思わず、いや! っていったらあわてて手を引っ込めるんですもの、今度
はあたしがその手を掴んで『いいのよ、好きにして』っていったら指を入れたりしてまた弄って来たけど、どうしてもそれ以上はして来ないの……なん
だか必死で最後の線を堪えているみたいなの……好きにしてってあたし何度もいったんだけれど」
「今日の冴子はどうしても劉にやらせたかったんだね」
「……うん、そう思わないこともなかった。別れるとき堪らなそうにあたしの乳房に噛み付いてきたんだけど、跡が付いたのを見て先生に隠してくれっ
て泣きそうになっているんですもの……」
「ね、……」

冴子は切なそうに腰をもじらせて夫の胸にすがりつくと、
「あたしいやよ、このままじゃいや、女ってそんなものよ。あたしの恥ずかしいところまで触って、あたしを恋い焦がれていながらしないなんて……あた
しの躯をあの人のものにして、あの人の身体もあたしのものにするの」

必死に想いを込めてかき口説く冴子の濡れた柔らかな躯を、惣太郎はいじらいくなって強く抱きしめた。
しかし冴子が劉と完全に結ばれるにはそれほど日数はかからなかった。

それは惣太郎が学期末に突然の予定外に出張があった日だった。翌日夕刻帰宅した惣太郎は、玄関に迎えに出ら妻の様子が妙に華やいで生
き生きしているのにすぐ気がついた思いなしか頬の血色もよく爽やかな微笑が絶えずその頬上がるようすだった。

着替えの手伝いに部屋に付いてきた妻に惣太郎が、
「おい、ずいぶん嬉しそうにしているけど、何かあったのかい」
というと、冴子はぼっと赧くなって、
「あら、やっぱり判る?……後でおはなしするわ」
「今は言えないのか」
「ううん、言えないことはないけど」
と冴子は小首を傾げて夫の着替えを持って後ろに廻り、着物と一緒にそのまま夫の肩に捕まるとその背中にぴったり頬を押し付けて、

「あたしね……あたし昨夜とうとう……あの人と出来ちゃったの」
「あの人って劉のこと?」
「ええ、劉さんととうとう」
「劉としたというのか」
惣太郎は着替えも忘れて妻を正面から肩を掴んで引き寄せると、
「冴子、劉と完全にしたというんだね」
と念を押して訊いた。妻は照れもせずじっと夫の顔を見返すと、

「したわよ、できちゃったのよ……あたしとうとうあの人のものになっちゃったわ」
「でも劉は俺の留守には絶対にこなかったじゃないか」
「それが昨夜はあなたの出張を識らないできたの。そしてねえ、あなたが居ないのを知って帰ろうとしたのをあたしが引き留めて……そしてお酒を
出して、昨夜はあたしも呑んだわ……一二時になって帰るというから、しばらくお炬燵で抱き合っていたんだけど、どうしても我慢ならなくなって、
どちらからともなく、今夜一緒に過ごそうって言い合っていたの……そしてあたしが六畳にお布団敷いて……」

「お前の方から誘ったんだね」
「結果的にはそうだけど、でもあの人ももう我慢の限界まできていたみたい。あたしがお布団敷いていたらすぐに上着を脱いでおズボンに手を掛けて
いたわ。あたしも急いで帯を解いて、あの人の前でパンティーを脱いでしまったの。恥ずかしかったわ……だってそうでもしなければあの人とても思
い切ってしてくれないと思ったの……でも、そうしてよかった。素敵な一夜だったわ」
「そんなによかったかい」

冴子は夫を見つめると、うっとりと眼を潤ませていった。
「好きな人にしてもらうって、あんなにいいものなのね……あたし昨夜は嬉しくって泣いたみたい」
「じゃ、何度もさせたんだね」
「ええ、昨夜は三回だったし、今日は五回したわ。二人で寝たのが一時頃で、今朝十時頃一度起きて食事をしたりお風呂に入ったりしてまた寝たの。
十五時間近くも一つ寝してたわけね」

「射精は受けたんだね」
「ええ、受けたわ。だってそれが欲しかったんですもの……」
妻は当然のような顔で答えた。



妻が惚れた



劉が惣太郎の前に現れたのは、その夜の九時頃だった。入ってきた劉の様子を惣太郎は一見していつもの彼とは違っているなと思った。顔面蒼白と
いった感じで表情も緊張で引き吊っているようだった。
冴子が酒肴の用意に台所に行くと、劉はいきなり惣太郎の前に正座し、畳に両手を突いて「先生」と悲痛な声で叫ぶと深々と頭を下げた。
「先生、申し訳ないことをしました。僕は、僕は奥さんを犯しました」
「犯したって冴子を無理に犯したの? 強姦の犯人のようにかね」
「そういわれても仕方ありません。いいえ、その通りです」

妻の冴子が、あれほどまでに劉に熱を上げた理由がやっと惣太郎にも判ってきた。劉は最近では珍しく純情で正義派の青年と認めざるを得なかった。
こんなに純真で素朴な男を妻との情事に利用しようとした自分に惣太郎は嫌悪をもよおしていた。妻は悪くない。妻も自分の悪企に載せられた犠牲者
なのだ。

そして田宮も浩二もそうだ。惣太郎はそう思うそばから、しかし、彼らは何一つ損害を被った訳ではない。美しい人妻を抱くことが出来ただけ幸いと言う
べきではないか。妻の冴子にしてもそうっだ。人の妻の身でありながら、これほど自由に他の男を体験できるなどというのは果報に尽きる。

惣太郎が黙しているのを怒り心頭に達していると劉は読んだのか、深々と畳に擦り突けた顔を上げようともせず、微かに泣き声まで聴こえている。
部屋に入ってきた冴子が、二人の様子に唖然として用意してきた物をそこに置くと、劉の後ろに小さく坐った。惣太郎が眼配せしたのである。感の良い冴
子は演技しなければならないことを悟って、殊更神妙そうにうなだれていた。

「劉君、確かめておきたいんだけど、君は冴子をどう思っているの」
「奥さんが好きです。僕はこんなに女性を好きになったことはありません。奥さんを慕っています」
「冴子、お前は?」
「あたし? あたし劉さん大好きよ」
「それじゃあ、劉君に手篭にされたことは恨んではいないね」
「手篭だなんて……あたしもその気持ちで劉さんを誘たんですもの」

祖太郎は演技をしながらおかしくなってきた。これではまるで芝居ではないか。しかし、劉は外国人である。うっかりすると大変なことになる。この際
大学教授としての威光を光らせておかなければならない。
しかし、既に性の深淵を覗いてしまった者として熾烈な愛情と、特異な性の悦びに没頭しはじめた自分ら夫婦の生きざまを、この若い純情な青年に理解
さすことは無理な相談である。

この際飽くまで教授としての寛容さと惣太郎なりの常識で言い含めるしか方法はないと惣太郎は腹を決めた。
そこで言いたくもない自分と妻の年齢差から起こる冴子の欲求不満の問題を、真実そのままに話し、結果的にこんな問題が起こってもそれは詰めれば惣
太郎自身のふがいなさに帰るものだと説いた。

君のようないい青年なら自分に替わって妻を慰めてもらうことは、自分にとっても有り難いことだから、決して怒りはしないし、かえって今後もこちらから
お願いしたいくらいだと惣太郎は頭を下げた。
そして二人がどんなに情痴に耽ったとしても、十五、六年に亘る自分と冴子の夫婦生活の彩りにこそなれ、こんなことで傷付く自分達夫婦ではないこと
を強調して話してやらなければならなかった。

「それでいいね」
惣太郎が肩の重荷を降ろしたように劉にいうと、
「先生……どんなに先生から激怒されるかと覚悟していましたのに……」
劉は涙を流して歓喜していた。

それから酒になって座がいくらか和らいでくると、それは今までになかった雰囲気になっていった。当然、惣太郎の呑む酒の量は彼等の倍以上になって、
意識的にも惣太郎は泥酔に近い状態になっていった。


公然と許されて二人はもう惣太郎を意識していなかった。冴子が劉の手を取って自分の両手で挟むと、さも愛しそうにそれを頬に当てて音を立てて接吻した
のがはじまりだった。劉は荒い息遣いを抑えようともしないでそうした妻の顔を目指しで見惚れている。冴子も例のくるっとした瞳ですくい上げるように劉の
顔を見返す。自分の前でそうしたはばかりのない二人を見ていると惣太郎の酒の量はつい多くなる。

やがて演技ではなしに本当に酔いが深く廻ってきて惣太郎はふらふらと立ち上がった。
「あら、おトイレ、大丈夫?」
冴子が立って夫を支える。
「寝る。……劉君ゆっくりしていき給え」

劉が訪問するようになって、初めてのことだった。しかし、二人を残して惣太郎が先に座を立つことはこの夜を初めとして、それからは劉の来た日の例になっ
てしまった。
冴子は、惣太郎を二階の寝室まで送ってきて、
「それじゃ、先に休んでいらして、あたしあちらに行くわ」
「今夜もやらせるんだろう」

「ええ、その積もりよ……もう下の六畳にお布団敷いて置いたの」
「手回しがいいんだね、お前はやさしいから」
「だって彼とても欲しがるんだもの、さっきだってお炬燵の中で手を延ばしてきて、もうあたし声が出そうだったわ……判ってた?」
「ああ、お前も劉も眼が血走っていたからね、早く行ってやれ、俺は寝ている」
「あとで来るわ、待っててね」

そういってから冴子はいきなり夫の上に覆いかぶさって短い接吻をすると、きびすを返して急ぎ足に降りて行った。あとには甘い体臭と濡れた女の体液の匂
いが濃く漂っていた。

それから間もなく茶の間続きの六畳から男女のひしめく気配が横になった惣太郎の耳に伝わってきた。妻のあられもない声やどちらかの脚が襖を蹴った鈍い
音から二人が今交わりの最中であることは判ったが、泥酔していた惣太郎は不覚だと思いながらも泥のような眠りに落ちて行った。
なにかとんでもない粗相をしてしまったような焦燥感が、眠りの奥にあった。妻が同じ家の中で他の男に抱かれているという異常の中で、不覚にも眠ってしま
ったことの焦燥が、惣太郎の安眠を妨げていたのだろう。
 
「………あなた」
細い柔らかな妻の声がして、燃えるように温かな裸体を布団の中に入れてきた妻の気配に眼を醒ました。
「劉は帰ったのかい」
「ええ、いま先帰ったところよ。寮は規則がきびしいから寮長でも事前に届けしなくって朝居ない訳にはいかないらしいわ」
「今夜は何回したんだい」
「いま? 今は三回よ……激しかったわ、あたし今夜はお布団の中でさよならしたの、だって起きあがれなくなって」
「遣き過ぎて腰が抜けたというわけか」
妻は含み笑いをしてから、
「ね、する? そうならお風呂に入ってくるわ……だって、そんな元気なかったんですもの」

他の男と性交した直後の妻の躯を惣太郎が抱いたのはこのときが最初ではないが、今夜の妻の秘肉は、馴染み尽くした惣太郎に取って初めて感じた違和感
を持っていた。挿入すると思わず、熱い!と、惣太郎が呟くほど膣は異様に火照っていて膣壁が熱く腫れ上がった感触で尋常でない蠢きを繰り返していた。

なによりも突き入れる度にむず痒く溢れ絡まる膣奥に溜まった寒天状のものが、あきらかにいつもの妻の愛液とははっきり異なったものだった。
 
男の精液も人種や食べ物によって違ってくるのだろうか、劉の放出したものは量が格段に多く匂いも濃いし、最大の違いが粘度の濃いことだった。それが妻の
膣壁と惣太郎の陰茎の間に粘質の膜をつくってさらに違和感を与えているのだった。その違和感は惣太郎に妻の秘肉が他の男に蹂み荒らされて自分だけのも
のではなくなったという憤りのようなものが込み上げてきて、次第にたかぶりが増して凶暴性を帯びてきた。

それが冴子の方にも、夫ではない見知らぬ男に続けて犯されるような錯覚の刺激になったらしく、惣太郎より更に強烈な快感となって燃え盛ったらしい。挿入
した途端に瘧のようになって全身を戦なかせて、
「あっ、どうして?……いや、どうなったの、あ、あっ」
叫ぶのさえ慚くで、直に愛液とも小水とも区別し難い生暖かい淫液を、呆れるほど噴出させて悶絶していった。

後で惣太郎が訊くと、やはり劉との激しい性交の余韻も消えない内に、主人とはいえ別の男が入ってくるという被虐的な悦びが心理的にも異様に冴子を狂わせ
たのだという。そしてその因は、膣や子宮に溜まっていた劉の精液が、惣太郎の抽送する度にまるで媚薬のように物凄い快感を呼ぶ刺激になったのだという。
暁方、惣太郎と冴子は疲れきった躯を互いにいとしみ、いたわり合うようにより添って抱き合っていた。

「冴子、また楽しみ方が一つ増えたみたいだね、冴子を夢中にさせるやり方が……」
「ほんとう、あんなの初めてよ……なんだかあたし病みつきになりそう、いい?」
冴子はそう言って夫の胸に顔を寄せて羞かしそうに笑った。明らかに荒淫の疲労の跡が眼の縁にはっきりと隈をつくっていたが、それはいかにも幸せそうな爽や
かな笑い顔だった。

その夜から茶の間続きの六畳が公然と妻と劉との愛の密室になった。
劉の来訪する時刻になると冴子はまずパンティーを脱いだ。そしていそいそと六畳に布団を敷き延べて待つようになった。パンティーを着けないのはどうやら炬
燵の中での彼の指先のいたずらに応じるためと、人目がないどこででも手を出してくる男への思いやりかららしかった。そして、惣太郎が茶の間から去るのを待
ちかねるようにして冴子を抱くのだった。

抱けば必ず熟れた女体の旨味を心行くまで味あわせてくれる冴子の躯は、若い劉に汲めども尽きない香り高い女体の神秘を惜しみなく探らせているらしく、惣太
郎の眼から見ても夜ごとに爛れるような情痴の限りを尽くしてのめり込んで行く劉の様子が、容易に感じとれるのであった。
「あの人、ほんとうの女の人というものが、あたしで判ってきたのね、夢中になっていくみたい」ツシのあの 冴子は劉を送り出してからの寝物語にそんなことを
満足気に夫に話しかけるようになっていた。三十にもなったいい若者が、女の子の一人や二人知らない筈はないと惣太郎は思うが、若い娘の躯などでは到底想
像もつかない、豊醇な悦びを妻の身体に劉は覚えてしまったのだと思った。

知られたくない遊び26
道明 12/29(火) 17:52:32 No.20091229175232 削除
季節は秋
『神の住む森』と称される一級のゴルフコース
二組の男女がインコースの10番ホールに向かった

理絵が一番籤を引き、レディース・ティグランドに立っている
長い黒髪を後ろで纏め、バイザーで締める
形の良い耳から透き通るような項が、輝く
長めのショートパンツから伸びるしなやかな脚線の先に白のシューズ
クラブを振る女体がしなやかに回転する・・・・・ナイスショット
ピンク色の玉がフェアウェイの中央を転がる


「理絵、ナイスショット」

「ありがとう・・・・・あなた」


次は沙世の番だ
沙世はゴルフレッスンに通い始めてまだ1年
ゴルフコースデビューからまだ半年、ベストスコアは120
第1打は大きくスライスして林の中へ


3番手は飛松
飛松の玉は左のバンカーへ


最後は岩井
岩井はシングルプレイヤーの上級者
やすやすと飛距離たっぷりのフェアウェイのど真ん中へ


4人はカートに乗り込み第2打の地点へ向かう
その間も、岩井と理絵は楽しく語り合い
誰が見ても仲の良い夫婦としか見えない
第3打でグリーンに乗せた岩井に理絵が声をかける


「あなた・・・ナイスショット・・・ほんとに素敵」

「ありがとう・・・理絵」



先にグリーンに向かう理絵の颯爽とした後姿を見つめる岩井


(俺に、俺に・・・・こんな妻がいてくれたら・・・俺は、俺は・・)



夕暮れの18番グリーンのカップにコトンと音をたて、沙世の第6打が吸い込まれる



「ボギーでホールアウトか・・・・まあ、いいっか」

「沙世君、上出来じゃないか・・55だろ?・・・さあ、宿舎に戻って明日に備えようか」

「そうしましょう、飛松さん・・皆さん、お疲れ様でした」

「あなた、お疲れ様・・・・皆さんもお疲れ様」



カートに向かう女性二人の後に、男性二人


「さあ、いよいよ・・・返り討ちの舞台の始まりだね、岩井さん
 それにしても、あなたが入れ込むだけあって・・・いい女だね、理絵さんて」

「・・・・・・・ええ」



「どうしたんだい?越後屋さん・・・少し、元気がないねぇ」

「いや、そんなことはありませんよ・・お代官様・・・・・」

「そうかなぁ・・・いいかい、越後屋さん
 悪党は悪党らしく、最後まで悪党を貫く・・・情に流されて、仏心を出しちゃお仕舞だよ」

知られたくない遊び25
道明 12/29(火) 17:45:32 No.20091229174532 削除
「やぁ・・岩井さん、待たせてしまいましたか?・・・そちらが新妻の理絵さん?」

「いえ、私たちも先ほど着いたところです・・まだ、婚姻届は出せませんので、フィアンセとしておきましょう・・・理絵です」

「届けができない?・・・ああそうか、前のご主人が亡くなられてまだ6ヶ月経たないか
 聞きましたよ、理絵さん・・・岩井さんがお通夜の時にあなたに一目惚れしたとかで
 でも、良く決心されましたねぇ・・・ご主人は私の良き部下でしたし、思い出もあるだろうに
 理絵さん、亡くなられたご主人は何か私のことを話していませんでしたか?」


いきなり、飛松が探りを入れて来た



「いえ、何も・・・主人は家で職場のことは何も話しませんでしたから・・・
 優しい主人でしたが、私自身のこれからのことを思うと・・・逞しい岩井さんのプロポーズをお受けするのが女の幸せかと
 きっと主人も喜んでくれていると思っています」

「そうですか・・・いや、熱い熱い・・それならもうお二人は当然に契り合った関係に?
 いや、はは・・・失礼、失礼・・今日はゴルフを存分に楽しむとしましょうか
 紹介が遅れました・・こちらは、本店の経営戦略室への異動が決まっている我が行の女性のホープ、今泉沙世君です」


沙世が頭を下げた

「あなた、沙世さんと着替えにいっていいかしら」

「ああ、理絵・・・そうしなさい」


男たちを残して、女たちは着替えのために席を立った


「理絵さん・・・あの支店長、無神経で失礼でしょう?職場でも女性にだらしなくて
 私は大嫌いなんですよ・・それで、異動を希望したら、このゴルフに付き合えって」

「そんな人に付いて来て大丈夫?沙世さん・・・・2泊もするゴルフツァーよ」



「勿論、あの人と二人きりなら、OKなんかしないわよ・・・理絵さん達と一緒だと聞いて」

「でも、気をつけなさい・・・悪党だから」



「悪党って?」

「いや、何でもない・・・あなたのような女性を抱きたいと思う男の人って、たくさんいると思うから用心に越した事はないのよ」

「私って・・・魅力があります?自分では思ったこともないんですが・・・」



沙世は、女の理絵から見ても快活で少し天然掛かったヤングレディだ
幼な顔の少女っぽい体つきが、中年男性の色欲を誘うのだろう



「もしも、もしもの時があれば・・・・・私を呼んで・・彼と助けに行くから
 絶対にあんな男に、いいようにされちゃ駄目よ、沙世さん」

「理絵さん・・・何か訳ありのようですね・・・でも有難う、心配してくれて」





花  濫 19
凌辱の期待 12/28(月) 11:55:40 No.20091228115540 削除
凌辱の期待


家に着き、玄関の扉をあけた。
物音を聴いて迎えに出た妻の様子を一瞥して、惣太郎は息を呑む思いをした。
女とは一夜のうちにこんなに変わるのかと思った。茄子紺の結城紬に白地に桔梗の模様の入った真綿紬の帯を締めているが、着物の衿が乱
れているし、帯もゆるんでいる。裾も乱れ赤い帯締めもゆがんでいる。いつもきっちりと着ないと気の済まない妻とも思えない乱れようである。
 
しかし、その乱れ姿は、落魄した印象ではなく、いかにも妖艶で発情の精臭が匂いたっているようななまめかしさである。顔を伏せたままだが、
後ろでまとめた髪が乱れて、額から頬に垂れている。表情は見えないが憔悴し切っている様子が伺えた。
「お帰りなさい」
口の中で呟くように言ったまま妻は顔をあげなかった。しかし顔は俯向いていても首筋まで真赫にしているのが判った。
 
こんなに羞恥のこもった妻の姿態を見るのは新婚の初夜以来である。これが二十七歳になって三人の男を識っている女かと思うほど、妻の羞
恥は新鮮で初々しかった。惣太郎はすべてを了解した。
「おい、ラサールが来たんだね」
というと、冴子はなおも夫の顔を見ないよういにして、こくりと頷いた。そして、
「いや!」
と叫ぶようにいうと、夫に背を向けて部屋の中に走り込んだ。しかしちゃんと心得ていて、玄関からいちばん遠い自分の部屋に飛び込んで行っ
た。惣太郎が追いかけて入っていくと、部屋の隅に妻は背を向けてうなだれて坐っている。俯向いた細い襟足や肩の辺りにげっそりと窶れが見
えるようだった。

「顔をみちゃいや、お願い顔を見ないで」
そう言って必死に顔をそけようとする妻の頬を、惣太郎は両手ではさんで強引に仰向かせると、激しく噛み付くような接吻をした。咽喉の奥で
呻きながら力なく夫の接吻を受けた冴子は、やがてぐったりと夫の腕の中で顔をう仰向けてしまった。
それは惣太郎がはじめて見る妻の顔だった。惣太郎は驚きを隠すことが出来なかった。化粧を施していたが、化粧では隠しきれない荒淫の
後が痛ましかった。

眼の縁が黒ずんで下瞼にはっきりと隈をつくっていたし、頬にも型のいい額にも疲労の後が哀れだった。
いつもきらきらしている黒い瞳がとろんと潤んでいて、白眼にはまだうっすらとピンクの色が残っていた。それは激しい疲労と睡眠不足の証なの
だろうが、、どうしたことか頬を真っ赤に上気させ、とろんと眼を潤ませているのは何を物語っているのだろうか。惣太郎は尋常ではない妻の様子にあっけにとられ
ていた。
 
まるで妖術にでもかけられて、その憑きものが今なお落ちていないような妻の呆然とも朦朧ともとれる様子を見ていると、一体妻はどんな凶暴
な性の餌食にされたのだろうか。しかし、妻の尋常でない表情には、恐怖とか驚愕を体験した後の緊張感はない。眼の潤みや上気した頬の様子は、明らかに徹底し
た快楽に翻弄され続けた跡の、余韻のくすぶりの中にいるということを証明している。

突然惣太郎の身内を駆け回る凶暴な血と、けねげにもそれをやりとげた妻へのいいようのないいとしさとで、彼はいきなり妻の体を畳の上に
押し倒すと、その弛緩してぽってりと骨を抜かれたような女体に覆いかぶさって抱き締めた。

「ラサールとしたんだね。してくれたんだね」
「したわ………あたしもう滅茶苦茶よ」
「何度もしたのかい」
 
冴子はじっと夫の見詰めたまま二、三度頷いて、
「一度がとてもとても長いの、それに何度も何度もよ…………あたしもう駄目、ラサールの悪魔のようなテクニックにすっかり溺れてしまったわ。
何度も失神しては目覚めてまたしたわ。あたし汚れてしまったの」

冴子の充血した眼にみる見る涙があふれて、それは幾筋も眼尻に流れていった。唇も悲しげに震えて、
「中が破れるかと思うほど大きくて、体の奥深くまで達するほど長いの。それに、一体どうなっているのか、する度にものすごい快感が押し寄
せてきて、あたしもう殺されると思ったわ。それがあんなに何度も何度もされて、最後には気絶してしまったわ。それで終わりかと思ったら、気が
つくとまたしてくるの。もう勘弁してと言いながら、不思議にまたあたしも感じてくるのよ。きっと色情狂になってしまったと思ったわ」
「そんなに奴は凄かったのかい」

「激しいとか凄いとか言うのじゃないの………入れられただけで思わず泣き叫んでしまうくらい感じるの……あんな人が本当にいるのね」
「どれ、今の内に見せてご覧、お前がそんなに感じたところを」

着物の裾を割って太腿の間に手を入れると、冴子は腰を振って必死に拒むようにするのだった。
「おい、どうした」
一昨夜までは、浩二との後でも拒まなかったのに、
「………駄目、今駄目、ね、お願い、今はやめて」
「いいんだよ………おれは見てやりたいんだ」
妻の諦めたようなほっと息を抜くような囁きが耳をくすぐった。
 「なんだか、いつもと違うような気がするの。とても大きなのが、昨夜から今先までずっと入っていたでしょう………まだ開いているような
気がするので恥ずかしくて………」

「えっ、彼は今先までいたのか……じゃラサールのがまだ残ってそのままだって言うのかい?」
妻はゆっくり頷くと、
「お風呂にもまだ入っていないんですもの……あとで、あとどんなにでもされましから、いまはそっとしておいて、お願い」
「お前、ラサールが、そんなによかったのかい?」
「そんなじゃないの。そんなんじゃなくって……あ、あ」

惣太郎は無理矢理に妻の躰を押さえつけると裾を捲りあげた。二本の象牙のように白く輝く白い太腿は、やや湿り気を帯びてはいたが別に変わ
ったところはない。捲るにつれて奥の方からかって嗅いだことのないほどの濃い性臭が漂ってきた。
「ここにまだラサールのが入っているんだな」
「………入ってるわ………いっぱい入ってるわ、あたしどうしよう……」
「なにをそんなに興奮しているんだ。浩二のだって田宮のだって………ラサールだけは違うとでも言うのか」
「ちがうわよ……ものすごく多いの……無茶苦茶多いのよ」
「よし、見てやる、さあ、見せるんだ」
「昨日から、ぜんぜん洗ってないのよ……ねえ、驚くから、きっと驚くから」

冴子は諦めたように全身の硬直を解いた。もう拒まないという放棄の姿勢だった。
深紅の腰巻きを更に捲りあげるとぴっちりと肌を包んだ真っ白い絹のスキャンティーが現れたが、一瞬惣太郎は我が眼を疑った。白いなかに
点々と小さなバラの花を散りばめたような紅い染みがあった。急いで股を開かせると、スキャンティーの丁度谷間をつくっている箇所にべっとり
と五、六センチほどの長さに血の滲んでいる跡があった。

「生理じゃないだろう? 冴子、お前こんなにされて………」
「だから驚くといったでしょう……でももう大丈夫よ、もう痛みもないし、癒っているから……ほとんど子宮から出たらしいの」
「もういいでしょう、あたしお風呂に入ってきれいにしたいの。……ねえ、今夜抱いて、お願い」
そういって部屋を出て行きざま、冴子は夫を振り返って淋しげに笑った。

その夜、惣太郎と冴子の閨の営みは、いままでにない激しいものとなった。何よりも惣太郎は自分の妻が、現実にラサールという異人の男
を体験したという実感が、興奮を掻きたて、妻の冴子は、まだほとぼりの覚めないラサールの実感が夫の愛撫によって再び燃え上がり、ふた
りはそれぞれの思惑が興奮の坩堝を溶かし込んでしまたようだった。
それはいつものような差し回した前戯や手管などはもう必要としなかった。ふたりは唸り、呻きながらまるで憎しみ合うように凶暴に奪い合い
求め合って、悶絶するまで貫き貫かれ続けていた。

冴子が惣太郎にラサールとの情事をぽつりぽつりと語りはじめたのは、次の晩からだった。
翌日の授業を風邪を引いたからと休講にし、妻の冴子には急ぎの原稿があるからといって書斎に閉じ込もり、惣太郎はセットしておいたテー
プにイヤホンをつけて朝から聴き入った。
学校から借りてきたテープレコーダーは、何しろ二四時間も録音できる装置だから、カッセットではなくオープンリールの大きな機械である。
これを自分の書斎の押入に置き、マイクのコードを書斎の外の廊下から、妻の部屋に延ばしていた。コードを隠すのに苦労したが、高性能の
 
マイクは妻の部屋の中ならば、どんな微細な音も逃しはしないし、近くのリビングの音もうまくすれば拾うはずだった。
期待に胸を膨らませて惣太郎はレコーダーのスイッチを入れた。すると、いきなり冴子のすすり泣くような声が耳に飛び込んできた。惣太郎
の胸の動悸が思わず高くなった。しかし、その声はさまざまな雑音に混じって余り明瞭な音声ではない。冴子の部屋の小さな置時計が秒を刻
む音が、大きな時計のように大きく明瞭には入っているところを見ると、妻がすすり泣いているのは彼女の和室ではなくリビングらしい。テー
プは自動的にあの日の夕方五時から作動しているのだから、ラサールの訪問は五時より前だったに違いない。

なんといってもラサールと冴子は初交である。やってきてすぐそんなことが出来るわけではない。お茶でも出し話をしている内にそうなったか、
あるいは食事の後かも知れない。しかい、食事にしては時間が早すぎる。五時といえば、まだ夕暮れの薄闇が漂いはじめたばかりである。
惣太郎には、その時間になると見えるリビングの窓の外の茜の空をバックにした梢の様子や、もう暗くなった部屋の隅の電気ポットの使用中を
知らせる赤い小さな光や、テーブルに置かれたシクラメンの赤い花のかげろいまでが正確に思い浮かべられる。そんな光景の中でふたりは一体
何をしていたのだろうか。

「ラサールは何時頃来たんだい?」
「三時頃だったかしら、あたしがそこのストアにお買い物に行って帰ってすぐだったわ」
「それからすぐはじまったのかい?」
「まさか、犬じゃありませんわ。お茶を飲んでお話をしていたの、彼のお国のことや彼のお国での家族のこと、いろいろ話してくれたわ。彼の
家ってとても大きいんですって、お部屋だけでも一五もあるそうよ。とても恵まれた家庭の長男らしいわよ」
「どんなきっかけからはじまったんだ?」
 
「ヨガのお話からよ。ヨガのマッサージがたいへん楽になるからって、肩を揉んでくれたの」
「肩の次が躰になってとうとうっていう訳か、それは何時頃だったんだ」
「四時頃かしら…………ねえ、どうして刑事みたいに、そんなに細かく聴くの?」
「お前と一緒になって、お前の体験を識りたいからさ。できるだけ話してご覧」
「あたしそんなに正確には覚えていないわ。せっかく用意した食事もつくらず、結局も昨日朝までしなかったんですもの」
「飲まず食わずでやたというのか」
「ううん、お酒とつまみはあったわ」
妻の話に偽りはない様子である。一日かかって聴いたテープの内容に合わせて聴いて行けば、惣太郎自身がその場に居合わせたように正
確に微細に妻とラサールの情事が判るのである。



凌辱の期待
    三

「そのマッサージが大変だったの。はじめ肩を揉んでくれていたのだけど、思わず声が出そうなほどとても気持ちがいいの。そのうちに、脊椎
が少し曲がっているから矯正してあげると言って………」

「裸にされたんだな……、一昨日も着物だったのか」
「ええ、裸にはならなかったけど、長襦袢だけにされたの」
「それはリビングでかい?」
「横にならなければならないからって、あたしの部屋に行ったの……」   
 
テープの最初に聴こえた妻のすすり泣きはリビングからであった。話を信じると、妻はラサールがまだ着衣のままマッサージをしていたリビングです
でに発情を開始していたことになる。

廊下を躙む大きな足音がして、次に襖が開き二人が妻の部屋にはいてきたのはマイクが鮮明にとらえている。足音は一つだけだったから、きっと妻
はラサールに抱かれてきたのだろう。

「………布団を敷いてください。畳では膝が擦れて痛いですから……」
ラサールの意外に流暢な日本語が大きく,入っていた。妻の言葉は聴こえなかった。

「着物を脱いでください」
とラサールが言ったときだけ、
「そうしますから、あちらの部屋で待っててね」
いやに柔らで優しい妻の声が聴こえたが、それは既に発情のきざしを思わせる鼻にかかった声だった。

「敷き布団だけ敷いて………。最初はうつ伏せにされて、全身の力を抜けっていうからそうすると、胸と両足に太腿の下に手を入れて思いきり反らさ
れたの。信じられないくらい躰が後ろに反り返って背中の骨が、ぼりぼりと音を立てて鳴ったの、あたし思わず悲鳴をあげちゃったわ。………そした
ら今度は股関節を矯正するって、いきなり両足頸を掴んで思い切り開かせられたの……」
 

惣太郎はテープと妻の話から、ラサールと妻の情事は大体次のように進行したと確信した。

全身の力を抜かなければ骨が折れるかも知れないと、何度もラサールに言われながら、一瞬ではあるが、激しい力で、全身が左右上下に曲げられ折られて、
そのたびに信じられないほどの大きさで骨が鳴った。痛みはなく、終わってしばらくすると、冴子の全身が生き返ったように壮快になってきたのは事実である。
そういう意味でラサールのヨガは、相当修練を積んだ本物であると信じてよかった。 激しい矯正の後、矯正の効果をいっそう高めるためめだと、横たえた妻に
ラサールは優しいマッサージを施した。

冴子はかって田宮から、この種のマッサージを受けたことがあったが、ラサールのは、田宮とは比較も出来ないほどの腕前だった。ゆっくりと全身をラサール
の女と紛うほどの細く長い指が匍いまわっているうちに、冴子は媚薬でも嚥まされたようにいつしか恍惚状態になってしまった。気が付いた時には、すでに長
襦袢は脱がされ一糸まとわぬ素裸にされて、股間にラサールの愛撫を受けていた。

「それが違うのよ……」
「ラサールの触りかたかい? どう違ったんだ」
「いえない………いえないわ」

冴子は夫の肩に必死につかまりながらその顔をこすりつけて夫の胸の中に隠そうとするのだった。惣太郎は妻の顔を両手で挟むと自分の顔の下に引き据え
るようにして、
「冴子、いうんだ、そのためにラサールとさせたんじゃないか、みんな言ってご覧」
冴子は真赧に上気した頬と、うるんだ瞳が童女のようにかわいいと惣太郎には思えた。
「ええ、いうわ……みんな、いうわ」
冴子がごくっと唾を嚥み込むようにして、

「男の人の舌って、大体大きいでしょう、ラサールは一体どんな訓練を受けたのか、その舌を細い筆先のように丸めてしまうことが出来るらしいのよ。それで
ひだひだの隙間から、あそこまで丹念に舐め回すの。なにしろ接点が小さいでしょ、思わない襞の奥や………ほら………あそこなんてたいがい、一度に触ら
れるのに、彼のは下の方から先っちょまで順々に舐あげてくるの、もうかっとなってなにがなんだ判らなくなってしまったわ」

「それで達したのか」
「何度も何度も………余り流れ出るので、もうお布団までびっしょり………。舌だけであんなになるなんて信じられないわ」
たしかにテープに刻まれた妻の声は、もうその頃から嗚咽ではなく完全な嬌声に変わっていた。

「それから入れられたんだな」
「そうじゃないの。ラサールが最初ぜんぶ脱いで裸になって、またあそこを舐なめながら、躰を回して自分のものを、あたしの顔にもってきたの。驚いたわ…
……絶対に入らないと思ったの、それほど彼のって大きいのよ。お口に入らないくらいだもの。あたしのここくらいあったわ………」

冴子は自分の手首を夫に示して言った。冴子が識っている日本の男性のものとは違っていた。あらわな静脈が浮き出し、古褐色のものを見慣れた冴子には、
ラサールのそれが、逞しさの象徴のような焦げ茶色と、途方もない太さと、静脈を表面に浮かさない硬質の皮で、特に亀頭のえらの張りと盛り上がりが、野
生の若雄の動物のような壮絶さに見えたという。

「だから出血したんだな。堅さはどうだった」
「かちかち………、もう人間のじゃないみたい。特にあれの後ろ側には中心から左右に太く筋肉のようなものが盛り上がってるの」

冴子はラサールの巨根を見て狼狽えた。反り返って屹立したそれは、毛の多いラサールの臍まで達している。ラサールに手を添えられてそれを掴まされた時
も、ラサールの下腹にくっつくほどの漲りで勃起している巨根は、押し下げるの冴子の細腕では容易ではない。このたけりくるったものが自分に入ったらきっ
と破れてしまうに違いないと冴子はまず恐怖に襲われた。

ラサールが、自分の掌を濡らしている冴子の淫水で、おのれの男根をしごき立てた。中腰になって冴子にあてがて、ゆっくりと押し進めてきた時、冴子は恐
怖にひきつった声で、
「やめて! こわれてしまう」
と叫んでいる。

「楽にして下さい奥さん……。心配入りません」
ラサールの興奮を抑えた猫撫で声が聴こえた直後、ひいっ、いう冴子の悲鳴が聴こえた。
「まるで、すりこぎでえぐられたような痛さだったわ。裂けてしまうと思ったわ、ラサールも無茶をしているわけではなかったの。ゆっくりと時間を掛けて、じ
わじわと入れてくるんだけど、その痛さったらないの」

「それでも彼奴は止めなかったんだね」
「ええ、思わず、裂けるって、何度も何度も叫んだのに……。でも彼は止めてくれなかったわ………、元まで入った時は、子宮がつぶれると思ったし、子宮
からあそこの全部が張り裂けるような痛みに襲われて、力いっぱいラサールの躰を突き除けようとしたわ。でもあの大きな躰でしょ、あたしの力ではびくとも
動かないのよ」

「ひどい奴だ。許せない」
「ラサールが悪いんじゃないわ」
「なんだお前は、ラサールの肩を持つのか」
「そんなんじゃないの、よく聴いて………、躰中いっぱいに押し込められたような彼のが奥まで入ってからは、じっと動かないの。最初は張り裂けるような痛
が全身にあったのが、不思議なことにしだいに変わっていくのよ……いい気持ちに………、そのうち中の彼のが、じっとしたままぴくんぴくんと脈動ていうのか
しら動き始めたの。それが日本の男の人と違って、とても力強いの。腰が上に持ち上げあげられるように感じる程の強さなのよ……あたし、もうそれだけです
っかり感じてしまって、いってしまったわ」

テープに不思議な時があったのは、その時だっったのかと惣太郎は思った。妻の、痛い! 破れる! と喚く声がしだいにおさまってしばらくすると、今度は、
いつのまにか妻は妖しい声をあげはじめた。その声は次第に高くなっていったが、肉と肉がもつれる動きがかもしだす気配もなければ、抽送の音もしない。
ただ妻の声が上がる度に、さっと布団の上をどちらかの肉が滑るかすかな音がするだけで、緊迫した性交の気配は一切感じられないのだった。惣太郎はその
テープを聞きながら、なんとも言えないもどかしさを感じたものだったが、実はそのときが、今妻が告白する状態だったのだろう。


奥深く巨根を沈潜させたまま、それを脈動させるだけで妻は激しく達したというのだから、ラサールの男根が並みのものでないことがよく察しられる。そんな状
態で冴子が何回か達して朦朧としてきたとき、ラサールが抽送を開始した。最初はゆっくりとはじめたらしいが、何しろ膣の中の襞を無理矢理押し広げて挿入
された巨大な陰茎が動くのだから、冴子にとっては強烈な刺激であったに違いない。ラサールに腰を引かれると、女陰ごともがれてしまうような恐怖に駆られ、
を沈められると、胸の方まで突き抜けていくような衝撃が襲った。

痛みは遠の昔に去って、今度はあの痛みに倍する快感が躰中を奔りはじめていた。その快感は浩二や田宮や夫が与えてくれた、甘い陶酔に導かれた快感では
なく、鋭い錐を躰の奥に捻じ込まれでもしているような、大脳の奥まで達するような強烈な刺激の快感だった。テープに録音された冴子の嬌声を聞いて惣太郎
も驚いたのだが、いつも冴子がクライマックスに出す、あ、あっ、あーっ、というような声ではない。

「きゃーっ………あっ……いやっ……あぁーん」
どんな拷問に合わされているのかと紛うほどの絶叫が、息絶え絶えの中で繰り返されて聴こえていた。

「それで、一回目が終わったときに、また驚いちゃたわ。量がものすごいの。子宮が、彼のが出る度に膨れていくのが痛いように判ったもの」
「何回したんだ」
「二度目までは、あたしも意識が割合しっかりしていたの、でもね………」
「三回目の時、失神してしまって、やっと気がついたら、彼のそのまま入ってるの。その後も何回か失神して戻る度にいるのよ。結局朝までそのままにされちゃ
ったの………ずっとそのまま」

「そのままって、なにをそのままに?」
「だから入ったままで………ひとつ躰になったままで、朝を迎えてしまったの」
「なんだ、抜か六をされたんじゃないか、よくよくお前の躰がたまらなかったんだね。それで出血までさせられてしまったんだね」

「出血したのは昨日のお昼なの。だって、彼も何度も何度もいったでしょう。昨日のお昼になったら、いくらしてもいかないから、あたしを上にしたり、立った
まましたり、もう無茶苦茶。二時間以上もし続けたのよ。……そのとき子宮が少し瑕ついたみたい。……だっていくら頼んでも抜いてくれないの、そうしているう
ちに、女って受け身だからいくらでも感じてくるでしょう。もうあたし切なくって悲しくって」

「でもよかったんだろう、堪能したかい」
「今思うとそうかも知れないけど、最中は、このまま悶絶してしまうのではないかと思って恐かったわ」
「でも気は何度も遣ったんだろう」

「………堪忍して、あたしどんなにされても気は遣らない積もりだったのだけど、もう最初から遣り続けよ、いきなり痙攣がきたり失神したりで、昨日の昼間で
き続けって感じにさせられてしまったわ。あたし情けなくって………ラサールが滅法巧い上に長い時間でしょう、どうしようもなかったのよ」
「満足したんだね」
「ラサール?」
「ラサールもお前もさ」

「ラサールはとても満足したようよ、あたしのからだ」
「お前もだね」
「あんなのに馴らされたら、あたし恐いわ。麻薬中毒患者のようにならないかしらと、ちょっぴり心配だけど」
「またラサールとしたいんだろう」

「………ねえ、もう許して、あたしあなたのいうようにしたんだから、もういじめないで」
そいいいながら冴子は、くるっとした眼で、すくい上げるように夫を見ると、
「………あたしね、あなたと一緒になってつくづく幸せだと思ったわ。こんなこと普通の夫婦では絶対に出来ないでしょう。………でも、心配なさらないで、し
てる瞬間は、ラサールの技巧に翻弄させられるけど、やっぱりあなたが最高よ」
とくすりと夫に笑ってみせた。

それから十日ばかりの間に惣太郎は一日置きに外泊した。千葉の大学や東京の学校で深夜になり研究室にある仮眠室に泊まったのだった。勿論そんなに多忙なわ
けではない。冴子は夫が外泊する意図を識ると
「ね、どうして? どうしてそんなに外泊をなさるの………そんなにしてくれなくったっていいのに」
羞らって詰まるようなことをいったが、決して最後まで引き留めることをしなかった。勿論、ラサールはその都度抜け目なく確実に冴子を襲った。
最初の時、あれほどの憔悴をみせた冴子は、二度、三度目からは疲労どころかいかにも自信あり気げな余裕を見せて、明るい笑顔で夫の帰りを迎えるようになっ
た。

外泊しない夜には惣太郎はラサール以外に妻に行為を寄せているラサールと同じシンガポール出身のチェンやタイから来ているヴェンシーを中国の留学生で惣太郎
の学校にでいいりしている劉を招待するついでという名目で夕餉に呼んでいた。妻の冴子がラサールとそういう関係に入っても、冴子はこの他の留学生の面倒もよ
くみた。
意外なことに冴子は中国の劉に好意があるのか、彼に面倒を一番良くみているようであったが、惣太郎のいない夜にラサールが来れなくて、残った三人がやって
きて、風呂に入って帰った時、冴子がチェンの背中を流してやったのだとなにか妖しく上気して報告するようなこともあった。

いずれにしても、このことは後三カ月で仮の寮が閉鎖になり終止符が打たれるという限りがあったから、惣太郎は安心できてことを運んだともいえる。
三月後にも彼らが近くにいるならば、そう易々と妻を与えたりはしなかっただろう。今の妻に短期日の遊びと割り切るだけの余裕はないに違いないが、これもい
ずれ浩二や田宮が帰国
すれば自然に解消するだろうと思っていた。

冴子は夫の外泊が度重なると、
「ね、また外泊なさるの、この前の外泊から二日しか経っていないわ」

「仕事が忙しいんだよ、どうしても今夜中に調べて外国に送らなければならない書類があるんだ」
惣太郎がそのころある研究テーマに取り組んでいるのは事実だったが、それは決して一日を争うほど急を要する仕事ではなかった。
「嘘、あたしに気を遣っていらっしゃるのよ。ラサールにあたしを抱かせようと思って………」

「いいじゃないか。乗りかかった船だよ。今のお前達には一日だってしないでいるのが辛いんじゃないのか」
「……まさか……向こうはそうかも知れないけど、あたしはそれより心配なことがあるの」
妻は顔を染めた。

「ね、初めの話では、一度か二度あたしの躰をラサールに任せたら終わりにする積もりだったのに、あなたにこんなにされるとだんだん深みに入ってしまうわ」
「深みに嵌るのがいやかい」

冴子は夫に羞かしそうに寄り添ってくると、
「ねえ、あたしの躰変わちゃわないかしら、あんな大きいのといつもしていて」
妻の言葉に惣太郎はにじり寄って、妻のスカートを捲り挙げてパンティーをずり下げた。そこには、最近一段と艶を増したぬけるように白い肌に、叢が頼りなげに揺
れていた。

「見て………」
冴子は乱れた夜具に背をあずけ、ゆらゆらと下肢を広げた。惣太郎は指をのばし冴子の柔肉を広げてみる。ここのところの荒淫にも荒れた様子がないのは若さの
せいかと惣太郎は驚く。その珊瑚色は変わりないし、指を差し込んだ膣の狭さにも異常はない。ふるいつきたいほどの内側の粘膜が薄い桜色に湿っている。惣太
郎はゆっくりとそこに唇をつけた。冴子の白い腿が惣太郎の顔を挟みつけてきた。そっと、そしてまたじんわりと締め付けてくる。花芯の核を惣太郎は舌で弄びな
がら指を膣にあてがう。もう濡れはじめている……。妻がはしたなさを捨て手足を大きく開いてきた。

「大丈夫だよ。ちっとも変わってはいないよ。きれいだよ………」
「よかった……だって無茶苦茶にされちゃったって感じでされるのよ……一度入れちゃうと揉むみくちゃにしないと気が済まないんだから………いつもそうなんだ
ら」
「お前の方でも、そうされるのがよくてたまらないんだろう」
「………うん、今は少し馴れたけど、でもやっぱり羞かしくて厭、それにあなたに済まなくて」

「俺のことを考えるのかい」
「考えるわ、いつの時だって………だから切なくってもう止めにしたいと思うの……あんまり深みに嵌らないうちに………でも、二月にはいなくなるのだからって
割り切ることにしたの、それ
までですものね………あなた、それでいいのよね」

四回目のラサールとの一夜を冴子が過ごした翌日の夜だった。いつものように留学生を呼んだ晩餐が終わって、二人がベットに入ったときだった。
いつものように惣太郎が挿入して動きはじめたとき、
「何! これ何?」
喚くような声を上げると冴子は狂ったような悶えぶりを示して、果ては失禁して失神するほどの乱れようだった。性感の受け方が強くなっていたのだ。快感に泣き
喚きのたうち廻る女体を抱き締め押さえつけて惣太郎も巨大な渦の中に吸い込まれていくおうな快感の中に嵌っていた。
 二人はかってない快感の激しさの中に埋没して行った。やっと醒めたのはもう暁方近かった。汗と体液にまみれた躰を寄せ合って、妻は夫の足に自分脚を預け
たままでぽつりと言った。

「ねえ、今までだってあたしたちするとよかったけど、でも、今度のはよさがちがうわ……ね、……どうしてこんなにいいの………ラサールとしたから、あたしがラ
サールとしたからなの?」
「そうだよ、冴子、すばらしい儲け物をしたじゃないかお前がラサールに本当の性を教えてもらったからなんだよ、これは」
「やっぱりそうなのね、……ラサールと寝たのは三晩か四晩だけだったのに……ああ、それがこんなによくなるなんて……思っても見なかったわ」
「三晩か四晩といったって、ひと晩にどれだけするんだい、回数にすれば大変じゃないか」
「ええ、それはそうね、……それにあたし、やっぱりはじめての外国人という感激もあったのね……そこへあの人ものすごいでしょ」
「お前の躰をもっともっとよくしたいな」
妻は含羞んで夫に抱きつきながら言った。

「でも、あたし白人は厭だし、言葉の通じない人も厭よ」
「おれもそうだ。ともかく今の三人で一応外人は卒業だ」
「なによそれ、あの留学生を全部あたしとさせる積もり?」
「そうなってもいいという話だ」
「そんなこと絶対に不可能よ、それに後二月くらいしかないじゃないの」

冴子の白い顔が次第に興奮して朱色に色付くのを惣太郎は見逃さなかった。
女性の性器というものは、これだけの経験をしただけでもその構造まで変化するものなのだろうかと惣太郎は思う。確かに田宮や浩二を識って以来妻の機能は徐
々に増してきたことは疑いもなかったが、妻がラサールと夜を共にするようになってたしか三度目あたりの時だった。素太郎は妻の膣が途中で絶妙な締め方をする
のに気付いた。膣のくびれ方も進入を阻止するかのように急に強力になったのもこの辺りからだった。田宮や浩二が帰国したら必ず気付く筈だ。

花  濫 18
夢想原人 12/23(水) 14:00:30 No.20091223140030 削除
凌辱の期待


惣太郎が妻に抱いた疑念は、それからしばらく彼の脳裏に重く渦巻き続けていた。
静謐で純朴だった妻が、娼婦のテクニックを覚えていたという衝撃は、惣太郎にとって衝撃だった。一体誰が妻にそれを教えたのか。
浩二がそんなテクニックを識っているはずはない。偶然二人が性愛の最中に覚えたということも最初は考えた。そう思えばこの問題は自
分の考え過ぎだと一笑に付せることができるし、案外そんな単純なことかも知れなかった。

しかし、惣太郎の心に巣食ったこの疑念をより大きくしたのは、妻自身の口からだった。
この静かな住宅街に、最近土地の高騰からアパートが増え、なかでも惣太郎の家の、すぐ近所に出来たアパートが、外人留学生のために
国がつくるアパートが完成するまでの半年の間、仮の外人留学生専用アパートとして二軒が国から貸し切られた。二軒とも男子留学生専用
だった。そのことが夫婦の話題になった。夜道でアジア系の留学生らしい青年から声をかけられた近所の娘の話などを妻がした。

「一丁目のある奥さんなんか、バンコクからきている青年と出来ちゃって、毎日ご主人の留守に自分の家に引き入れて大変だっていうし、
向こうの角の……ほら、よくピアノが聞こえてくる家の短大に行っている娘さんは、オランダの留学生とできて、自分の部屋で寝ているところを
お父さんに見つかって、大騒動になっているんですって。ねえ……どうして、外人の男と寝た日本の女の人は、二度と日本の男の人とは駄目
になるの?」寝物語だった。

「誰がそんなことを言ったんだ? 浩二かい?」
「あら、浩二さんがそんなことを言う訳ないじゃないの……」
「じゃ……誰だ」
「向かいの奥さんが、バンコックの青年と出来た一丁目の奥さんはもうご主人とは駄目だっていうの。どうしてですかって聴いたら、そういった
の」

妻の返事は妙に惣太郎の心に引っかかった。ぎこちなく慌てた言い方が気になった。さらに続いてでた妻の言葉が完全に惣太郎を慌てさせた。
「それは西洋人の男の人のことでしょう? アジアの人はそんなことはないわね。だって日本人と少しも変わらないんですものね」
妻の顔に何か屈託がうかがわれた。妻自身が、心の中にこの問題に対する恐れがひそんでいるように思えた。世慣れていない妻は、よく自分を
騙す気で言ったことが、かえって妻の心の襞を露にしているということがあるが、今回もそんな予感がした。

「お前も、誰かアジアの若者と寝たのか?」
「ばかね。あたしがそんなことになったら、あなたに黙っているはずないじゃない」
「だって、お前がいつか下宿させないか、といってきたフィリッピンの青年にお茶を飲ませてやったら、とってもいい青年だったって言ってたじ
ゃないか。買い物の帰りに中国の青年に声をかけられたとも言っていたな? ほら、いつか、あたしって、アジア系の男の人にしか魅力ないの
かしらって、お前自身が言ってたじゃないか。だからお前がその気になれば、相手は何人もいるだろう」

「あら、それは向こうが勝手にそう思い込んでいるだけよ。あたしは今で大万足なの」
「そんなにお前に気のある男がいるのか?」
「あたしが買い物から荷物を抱えて帰ってくると、あそこの坂道のあたりでアパートの窓からそれを見つけてきっと荷物を持ちましょうと走ってく
るフィリッピンの学生がいるの。洗濯を干していても話にくるの。とっても日本語が上手なのよ。フィリッピンの大学を出た航空エンジニアで、
帰国すると軍隊の航空研究所に入るんですって。日本人よりスマートで清潔よ。それからタイの男の子もよく声をかけてくるわ」

「させたいと思ったことはないの?」
「そうね、正直にいうとあんまり欲しそうにされると、ふらっと思うことはあるのよ。でも、いざとなると、とうていそんなことは出来ないわ」
「さあどうかな。本当にせっぱ詰まると躰を開いてしまうのじゃないかな。所詮は女なんだから」
「大丈夫よ、布団を干しているとき来て抱き締められかけたことがあるけど、ちゃんと躱したわ。あなたに隠れてなんか絶対ないし、いまのと
ころ浩二さんだけで充分です。いまはいないけど……」

浩二はその頃半年の予定でロンドンに出張していた。田宮も偶然だがアメリカに一時帰国していて、冴子は孤閨をかこっていた。ここのところ性
に対してにわかに開眼した冴子にとって、突然の男日照りは相当な苦痛であることは惣太郎にもわかっていたが、それをおぎなうほどの力は彼
には残されていなかった。

「浩二もいいが、あんまり片意地張って損をしても知らないぜ。お前がいい青年だと思ったら遠慮なくやってもいいんだぜ。そのかわり後で俺
に正直に話すのは前にも言ったとおり条件だよ」
重ねて言うと妻は率直に頷いてから、惣太郎をじっと見つめて笑った。

惣太郎の悪魔が囁いた。
そうだ、あの連中は日本に滞在する時間は限られていて、やがて遠い母国に帰っていく。それに我が家の近くに入るのは三ヶ月だけだ。考えて
みれば、世間的にも全く絆もない。
その上、選ばれて留学して来ただけに、躯も健全だし頭も良い。

そして異国での生活で女性との接触もほとんどない。きっと性的な欲求不満は健全なだけに限界に違いない。
妻に与えるには、これ以上最適な男はいないだろう。
しかし、その時は惣太郎も自分の妻だけは、若い浩二とのことあり、まあ空想の世界だろうとたかを括っていた。

惣太郎夫婦の推測がいかに甘いものであったかを、それから後になっていやというほど知らされたのであった。
妻の言う‘大丈夫’は、そのあと十日も過ぎないうちに脆くも崩れるときがやってきた。そして結局は、近所の女の誰よりも、激しい爛れるよ
うな愛欲の淵に、妻はその女盛りの躰を沈めることになったのだった。

惣太郎の妻がはじめて女の受難を迎えたのは、以外な時に意外な男によってその幕が開かれたのであった。
十一月半ばの肌寒い夕方だった。惣太郎が千葉の大学に二日間集中講義に行って帰宅すると、冴子が主人の帰宅を待っていたように声をひ
そめて惣太郎に話しかけてきた。惣太郎は何か妻の尋常ではない気配につい引き込まれて、その囁くような声に聴き耳を建てたのだった。
「ねえ、昨夜部屋に入ってきたのよ、留学生が」

「部屋って、お前のところへかい」
「ええ、それも十二時過ぎ。あたしがひと寝入りして夜中に目を醒ましたの。やっぱり何か気配がしていたのね。そしたら真っ暗い中でなかに黒
い男の陰が、あたしの布団と一メートルつ離れていないところであぐらをかいてじっと見ているじゃないですか。あたしびっくりして………」
「それで、どうした?」

惣太郎は思わず妻の肩をつかんで訊いた。
「あたし恐いから寝たふりをして震えていたの、そしたらしばらくしてむっくり立って出て行ったわよく判らなかったけどラサールさんらしいかった
わ。……たしかにラサールさんだったわ」

ラサール!。惣太郎はシンガポール出身の、妻に早くから劣情を抱いていたあの野生的と言うのか、視線のきつい精悍な若い男を思い出した。
それは先日、惣太郎の研究室に出入りしている中国からの留学生が、このアパアートにいるのが判って、彼は台湾の裕福な家庭の長男だったが、
なかには貧困生活を送っている留学生もいると聞き、腹いっぱい飯を食わせてやろうと、この中国からの劉という学生に仲のいい友達を誘ってこ
させたとき一緒に来た一人だった。
その翌日、ラサールが一人で遊びに来た。炬燵の上に酒肴を載せ、その時はどうした訳か惣太郎と冴子が差し向かいになり、ラサールが二人の
間に座ったのだった。

ラサールはたしか二五歳になったばかりの青年で、シンガポールの大きなホテルの社長の息子だといっていた。父親がイギリス人で母親が中国人
というとおり、彫りの深い容貌と屈強な躰付きは父親ゆずりで、黒髪とアジア人特有の黄色い肌は母親ゆずりらしい。日本にきて何がつらいと言っ
ても、女友達がないのが一番辛いと言っていた。シンガポールでは結構大勢の女と交渉があったらしいが、日本の女の人は特に魅力的だが、一
人も恋人になってくれる人がいないと、酔いが回るに連れてそれを繰り返していた。

かなり酒が進んでから、惣太郎は妙なことに気付いた彼が炬燵の中で冴子の掌を握っているらしいのである。
それは妻の照れ臭そうな表情と、ラサールの興奮しきった表情からも容易に判ることだった。惣太郎はわざと酔った振りをして彼等を安心させ、
その成りゆきを娯しんだ。隣り合った彼等の片方ずつの掌は絶対に炬燵の上には上がってこない。そして残った片方の掌不自由そうに酒を飲ん
だり、給仕をしたりしている。惣太郎に命じられて冴子が台所に立つまで、かなりの長い時間それは続いた。

ラサールが帰ってから
「おい、掌を握っていたね」
 惣太郎が妻に訊くと、
「判ったでしょう。判ると思っていたのよ。ラサールって若い割に割合図々しいことやるのね。それともあちらでは、平気なのかしら」
「掌だけかい」
「ううん。最初はあたしの膝を撫でていたの。いい加減にしなさいというようにその掌を払いのけようとしたらその掌をつかまれてしまったの。外国
の人はレディーファーストだなんて言っているけど、それはヨーロッパやアメリカ人だけの話しなのね」

それはお前が魅力的だからだ、と惣太郎は言いたかった。そして妻の魅力は、東洋的なぽっちゃりとした美貌と躰全体から発散する爛熟した女
の美しさである。その上に、妻はいくらつんと澄まして見せても、男からみると容易に近づき安い独特のある暖かさを持っているのだった。
「お前まさか、その掌を握り返さなかっただろうね」

祖太郎が言うと、冴子はけろりとした表情で
「あら、握り返したわよ。いつまでも放してくれないから、こちらから握り締めて放してもらったのよ」
「おいおい、女が握り返すってことは、あなたの思うままになりますと言う、承諾のサインなんだぞ」
「あら、そうなの。困ったわね、ほんとうにそうとっていたら」
「本当だよ。奴は本気でお前に求愛したんだよ。今ごろ有頂天になってお前の躰をものにすることを考えているよ」
「そういえば変なことをしていたわ。あたしの掌を掻くようなことをしたり、小指の尖りをなぶってみたり、おかしなことをする人だわと思ったのよ」
「それが求愛のサインなんだよ。どうする。躰をいただきにくるよ彼はきっと……」
「知らない。知らないわあたし」
「でも、奴は本気だぜ。いつかはお前は襲われるよ」
「明日からは、絶対に彼を近づけないから………。それに浩二さんが帰ってえるし」

「浩二の帰ってくるのは三月後だし、そのころになれば彼等だって、新しいアパートが出来てここからいなくなる。問題は今のことなんだ」
ラサールは明日にでもここにくるだろうと思った。彼だけではない、故国から一人やってきて愛に飢え性に飢えているあの若い獣のような彼等に妻
を晒して置くには妻は美しすぎると惣太郎は思った。そうだこの女盛りの熟れ切った躰がいけないのだ。田宮や浩二に開発されて、いま爛熟の女の
が燃え盛っているこの肉体が、自然に他の男をも吸引するのだ。妻のふくよか過ぎる乳房も、豊かな腰もどんなに彼等のやり場のない欲情を煽り立
てていることか。

「ねえお前」惣太郎は、そのむっちりとした妻の乳房を揉みながら言った。
「………なあに」
冴子の声が甘く潤んでいた。
「ラサール一だけじゃ済みそうもないね。チェンもお前の躰をねらっているし、タイのなんっていったっけ……」
「ヴエンシー?」

冴子のぱっちりとした瞳が、くるっとした感じでいたずらそうに問いかけてくる。
ラサールよりもチェンの方が、むしろお前に執心が強かったのじゃないか」
「ええ、でも昼間だと何とか防げるのよ」
「これも時間の問題だね」
「いやだわ。時間の問題だなんて、まるであたしがそうされるのを待っているみたい」
妻が真剣な表情で問いかけてきた。
「いいじゃないか。アジアの青年達は、きっと性的にも魅力あるし、選ばれてきているだけに、病気や後のわずらわしい問題もない。ラサールやチェ
ンなんか、ヨガのベテランだというから、一体どんな性的エネルギーを秘めているか、またテクニックだってに日本の男では味わえないすごいものを
持っていると思うよ」

冴子は一瞬、はっ、としたように夫の顔を見て息を呑んだ。
「そんな、あなたはそんな……あたしはいやよ。そんなに大勢の男の人とだなんて。………あたしはいやよ。ねえいや」
いや、いやと言いながら、手と足を夫に絡めて激しく抱き縋っていった。それは異様なと思えるほどの、興奮ぶりだった。
しばらくして興奮が醒めてから、冴子は夫にしみじみと言った。
「田宮さんも浩二さんも、今度のことも、あたしがみんないけなかったんだわ。あたしがみんなにあんまり親切にし過ぎたから」
「いいんだよ。お前にそれがいいところなんだ」

「本当にそう思って許してくださる?」
「もうとっくに許しているじゃないか。こちらからも頼んでもいるし」
「あなたっていい人………でもチェンやタイの劉さんのことは少し考えさせて。今はあたしラサールにされる不安で一杯なんだから」
「ラサールにやらせる期待もあるんだろう。あんなに若く頑強な男にされるんだから」
「あら、期待なんて………不安だけ。どうされるかという不安だけよ」
妻は心配そうな表情で寂しそうに笑った。しかし、その目の底に惣太郎は、成熟した女の逞しい淫蕩の光を見たと思った。
 
次の週、千葉の集中講義が済むと、惣太郎は急いで電車に乗った。
妻に内緒で、ラサールを言語を調べたいからと、大学の近所の喫茶店に呼び出し、ついでにバーに誘った。
「君はシンガポールで、相当女あそびをしたらしいね」
「いいえ。ぼくは女遊びはしていません」
「しかし、この間君は、女がいなくて寂しいと言っていたではないか」

「ええ、せっかくの訓練が駄目になると思ったのです。シンガポールの一部の華僑の家では、男の子が青年になる前に、ヨガを習わせま
す。それは躰と心の訓練と、もうひとつ……これは公然の秘密ですが……性教育としてのヨガの訓練があるのです。華僑の金持ちの家の
男は妻の他に数人の女を秘密に持ちます。この女達を性的に満足させるには、特殊な訓練を積んで置かなければ出来ません」
「それが日本では出来ないというんだね」
「やはり習慣と継続しして鍛えなければ、駄目になりますが、日本では相手がおりません。売春組織もありますが、病気を恐れてそれは厳に
禁止されております。だから相手がおりません。それに、やはり女の人はかわいいし、そういう愛する人がいないというのは寂しいですね」

「君は私の妻をどう思うね」
「日本にきてはじめて、すばらしい女に出会ったと思います。美しいし魅力的です」
「もし私が妻と君が関係を持っていいといったらどうする……」
「本当なら、喜んで奥さんをいただきます。………だけどお金は払えません」
「そんな意味で言ったのではない。わたしはもし妻がいいと言うのなら、君ならば貸してあげてもいいといったまでだ」 
「本当ですか?」
「もし君が約束を守れるなら」
「どんな約束ですか」
「一つは、君と今夜話したことは妻にも誰にもいっさい内緒であること。つぎに妻を暴力で犯さず、納得の上でする事。最後に、妻との関
係は、あのアパートが存在する三月以内であって、その後は絶対に近づかない。……これが守れるかい?」
「絶対に守りますから、やらせてください。奥さんは自信を持って納得させます」

千葉にいる間中、もしかするとラサールは昨夜来なかったかも知れないと思ったりもした。自分で妻を唆し、ラサールを唆して、そのお膳
立てをしておきながら、是非そうであれと祈るような気持ちになったりもした。

しかし、あれほど目を輝かせて妻との情交を望んでいたらラサールが、来ない筈がなかった。そうすれば昨夜妻はまちがいなくラサールに
襲われている。襲われれてしまえば、自分も納得の上だし、それにラサールのヨガで鍛えたテクニックがどれほどのものか知らないが、いず
れにしても冴子にとっては、生まれてはじめてのテクニシャンとの交わりであるから、完全に溺れきるに違いない。

もしかするとラサールは昼間の内にやって来たかも知れない。ラサールにも、自分の家を出る時間も帰宅時間も知らせてある。そうなれば
二人の情事は誰はばかることなく遂行されてしまったに違いない。そしてラサールは、日本人の女として、今が女の甘味の絶頂といってもい
い妻の熟れ切った躰を心行くまで味わったのだろうか。妻もラサールの英国と中国の血の混ざった屈強な体を、そして日本人にはない巨大な
陰茎を無事呑み込んだのだろうか。


二人の情事を正確に識るため、惣太郎はリビングと妻の部屋にマイクを仕掛けてきた。普通のテープレコーダーでは時間が短いので、学校
にある二十四時間の長期録音の出来る機械を借りてセットしてある。昨日の夕方五時からテープが回るようにセットしてきたが、もしラサールが
朝から来ておれば、最初は採れていないことになるし、最後も危ない。

妻の白い裸身がラサールの汚辱にまみれて、のたうちまわる有り様を何度も想像しては、ホテルで酒ばかり呑んでいた。電話に何度も手が延び
かけたが、あえてそれを止めた。
こうして想像し期待することに意義があるような気がしたからだ。

いままで妻が犯されることを渇望していた惣太郎だが、いざそれが現実のものになると惣太郎の心はにわかに狼狽え慌てるのだった。いままで
味わったことのない巨根を入れられ、それに神秘のヨガで鍛えたテクニックで責められた妻は無事だろうか。妻がいつか言っていたように、そんな
高度の性技を味わった妻はもう日本の男に興味を失うのだろうか。そう思うと妻のふくよかな肉置きや、小気味よく伸びた胴が、逞しい腰の広が
りがまたと得難い至高の宝のように思われてくるのだった。

しかし、その胸を締め付けるような悲痛な思いとは裏腹に、またしても尾てい骨から腰椎にかけて、ぞくぞくするような、この妖しい悦びは一体
なんなのだろうか。自分はこの異様な悦びのために、あの傍若無人な東洋の混血の若者に妻を与えたのだろうか。惣太郎は千葉から東京への電
車の中で、灼けるような嫉妬と期待と不安でどうすることもできなかった。

花  濫 18
夢想原人 12/23(水) 13:38:47 No.20091223133847 削除
陰陽二つの情事



浩二が、支えていた妻の片足を放した。妻の性器が見えていたところに、浩二のきりりと締まった臀があった。
上向きに寝た妻の白い裸体がその向こうに横たわっている。精悍な幼獣のような浩二の琥珀色の裸体と対比して見る妻の真っ白い躯は、
その腰の線が、いかにも二九歳という、爛熟の頂点にある女のからだのボリュームをものがたり、肉感をかげろわせている。剥き出しの胸
から腹にかけての、皮下脂肪を透かせた白い皮膚が、満ちた光りの中で女らしい柔らかさと優しさに匂い立っていた。                         

先ほどの広げられた妻の性器を見て思った淫靡さは、嘘のようにみじんもない。あれは欲望の受容を中断された、女の業の姿だったのだ
ろうか。中断から、いま、再び男を受け入れようとしている妻の全身は、期待に胸を大きく膨れさせながら、軟弱な情緒を身体全体から滲み
だしている。この柔媚な女のどこに、荒れ狂う野獣の猛々しさが潜んでいるのかと、惣太郎は今更ながら妻の変幻極まりない生態に眼を見
るのだった。

浩二が妻の躯に重なって、再び律動を開始した。惣太郎は、浩二のなめし皮のようなしなやかな幼さの残った脊中線の真直通った背中の
動きと、その浩二の動きを、やさしく包むように下から抱き支えている妻のぽってりした躯の対比を眺めている内に、惣太郎は、先ほど見た、
ふてぶてしいまでに爛熟と貪欲さを露わにしたように妻の性器が見えた理由がわかったきがしてきた。
それは浩二の幼さを残した背中の動きを眺めていた時にひらめいたものだった。まだ堅さの残った浩二の身体に比較して、妻の躯は、女の
生涯で一番美しく咲き開いた時を迎え、背にも腹にも、白いぬめぬめと光るような脂肪がついていて、熟した果実のように、そこにあるだけで
芳香を放ち、自分から崩れそうに匂い立っている。                                

終末に近づいたのか、ふたりは正常位になって激しく揉み合っていた。全身に緊張しきった筋肉のみなぎりをみせて、全身で妻の躯を叩き
つけるように打ちふるわせている浩二を、下から抱き止めるようにしながら、愉悦にのたうっている妻は、全身で浩二をいとおしそうに包み込
んでいる。しかし、よく見ると自らも巧みに尻を動かせて、一図に突き込んでくる陰茎を自分の一番感じる位置に挿入するように調節している
のがわかる。尻の動かせ方だけではない。浩二の唇の受け方も、耳の辺りを愛撫していたのを、自然の動作のように見せかけながら、自分
の敏感な部分である耳から頚にかけての辺りに巧みに導いている。無意識の自己快感受容調節とでもいうのだろうか。                  

あくまで受動的に見える妻の女らしいやさしさに満ちた態度も、注意深く観察すると、実は、自分がより強烈な快感を貪欲に求めるために、
自ら男の動きを励まし、調節し、抑制しているのである。                  

惣太郎の腰掛けている側に、絡んだふたりの脚があった。いまは妻の両脚が二つに折り曲げられて、臀が大きく持ち上げられ、局部が上
を向き、そこに上から男根が突き刺さっているから、惣太郎からもふたりの結合部分がはっきりと見える。だらだらと体液をほとぼらせて、男
根を啣え込んでいる冴子の性器は、いまや深紅に充血し、満開の紅薔薇のようである。その薔薇は、大きく開いて男根を吸い込み切ると、
思わぬ敏捷さで、きゅと強烈な強さでその男根を締め付けている。その度に浩二に快感がはしるらしく、思わず呻き声をあげさせている。  

ああ、これだ。先ほどから妻の性器に淫蕩と貪婪さを視た原因はこれだった。惣太郎はそう思った。かっての妻が男を受容する時は、す
べて受身だった。妻には男を弄する技巧も、快楽をコントロールする沈着さも全くなかった。ただ男によって堀り起こされる刺激に、自分の
躯が思わぬ反応を示し、自分でもどうにもならない快感に驚嘆しながら溺れていくという、無垢な躯だったのだ。

それが今は、自らが貪欲に快楽を需めて能動的にうごめいている。妻は変わった。一人前の女になったとでもいうのだろうか。性交に慣れ
たというのだろうか。 しかし、惣太郎にとって、これはかならずしもよい結果とはいい難い。彼にとって妻は常に新鮮で清純でなければなら
なった。自分の愛玩する宝は、他人の手垢に染まってはならない。掌中の秘というものは、自分の手垢しか染まってはならないのだ。自分
だけのものでなければならないのだ。他人に触れさせるのは、その宝が、いかに貴重なものであるがの確認のために他人に曝して、価値を
確認したいからなのだ。他人がその宝に触れて魅了されれば、すぐ引っ込めて、また、そっとしまい込む。それが掌中の秘というものだ。             

自分の妻も掌中の秘として、他の男に触れさせ、その男が妻に魅了されることによって、妻の女としての魅力を再確認し、さらに自分の性
的能力を越える力を持った男と妻が接することによって、さらに妻に磨きがかかる。これが目的で自分は妻を他の男に与えたのだ。                      
その妻が、自分という存在を無視して、みずから他の男の手垢を需め、かつその男に奉仕しようなどということは、宝が光を喪失し、そこ
らあたりにあるがらくた同然になるということに他ならない。                 

浩二は妻の躯に未知の魅力を失ってしまったのではだろうか。妻の躯の隅々まで知りつくし、いまでは若夫婦の交わりのように、ただ生理
的な欲求だけで交わっているとすれば、惣太郎にとって、自分の宝物をただの道具にされたのと同じである。また妻も、浩二に若い男の身
体という未知の驚異による感動と刺激を失って、いまや男の愛を失うまいと男に奉仕するようになってしまったとすれば、これもまた妻という
宝が、ただの浮気妻に落魄してしまったことになる。   

たしかに浩二は、男として成熟してもいないし、性的技巧に長けているというわけでもない。あるのは若いエネルギッシュな肉体というこ
とだけである。田宮には、まだ中年男の慣れた女のあづかい方と、特殊な技巧の持ち主としての価値があった。もし妻が、田宮との情交の
あった頃、もっと女として成熟しておれば、どんなに浩二が若く強靭な身体の持ち主であったとしても、田宮から離れられなかった筈だ。                              
そこまで考えて、惣太郎はある疑念に思わず息を呑んだ。

目の前で、浩二の巨根を呑んでいる妻の性器が、一途に上下運動を繰り返し
ている浩二の陰茎を、臀を巧みに動かせて突き入れる方向を調節したり、思わぬ動作で締め付けたりしているのは、もしかすると浩二との
性交で覚えた技ではなく、田宮から教え込まれたものではないのだろうかということだった。。              

妻が声放ちはじめた。浩二の激しい抽送運動に突き上げられながら、全身が淫らに上下に動かされれている。それにつれて絨毯に流れ
た長い髪も揺れていた。時々、耐えられなくなるのか、いやいやをするように顔を左右に激しく振ると、惣太郎のところまで、妻の髪の湿っ
た淫靡な匂いが漂ってくる。もう妻は完全に無我の境地にあるのだろう。正常位で男に組み敷かれ、男の下肢が入った股間が大きく左右
に開かれ、男の動きに合わせて揺れていたが、やがて、自らその足を挙げて男の腰にしっかりと巻き付けた。両の踵を男の腰で組んで離
れないようにして、自分も下から腰をゆすりはじめた。激しく突き入れる浩二の動きに、どこかで神経が連動しているような巧みさで、妻の
腰がな妻の腰が持ち上がり、微妙な動作で左右に振られる。それは次第の早さを増す浩二の動きに、一瞬の狂いもなく追従していた。

惣太郎が驚いたのは、終焉を迎えた浩二が、
「ママ……いく………」
呻くようにいって、狂気のように腰を打ち震わせたときだった。
「いやよ……もっとよ………。ね……。少し休んで……」
妻が諭すように浩二の耳元で囁きながら、それまで浩二の腰の動きに応じていた自分の腰の動きを止め、すいと臀を持ち上げて、浩二
が上下運動を出来ないようにしてしまったと思うと、次の瞬間、すっと腰を引いて浩二の陰茎を抜き放った。そればかりではない、浩二の
肩を抱きしめていた両腕も解いて、一方の掌があっという早さで浩二の股間に延び、放出寸前の浩二の怒張し切った陰茎の根元を指先で
きゅっと絞めた。

「あっ……またやられた」
浩二が苦笑いをしながら言った。静かに横たわった妻の股間に、根元を絞められた自分の陰茎に掌を添えて、ゆっくりとまた挿入した。
爆発の一瞬が牽制されて、浩二はまた幾分の平静さを取り戻して、ゆっくりと抽送をはじめた。今度は妻の方が早く昇りはじめた。浩二の
抽送の快感を一瞬も逃さない貪欲さで、巧みに腰を振り自分の最適の場所に突きいるように調整しながら、懸命に昇り詰めていく。再び
腰を浩二の腰に巻き付けて、下から激しく腰を振っている。真っ赤な口が大きくあけられ、眉根の皺が一段と深くなり、あらんかぎりの力
で浩二にしがみついて嬌声を放っている。一度、中断された浩二は、まだ昇り詰めるところまで達していないらしく、夢中でそうなろうと躍
動させている。壮絶な男と女の絡みが目前に展開していた。

先ほど妻が見せた昇り詰める男の一瞬をとらえて牽制をかけるという、あのテクニックを妻は一体どこで覚えたのだろうか。昔、娼婦が
このテクニックを使って男の気のいくのを延ばし、より長い快感を男に持続させて人気を得たという話を聴いたことがあるが、経験したこ
ともないし見たこともなかった。まさかそれを自分の妻が識っているなど考えも及ばない。先ほどの妻の掌の動きは、まるで熟練された者
のみが持つ自然な動きだった。あれほどまでに落ちついて、男のインサートの一瞬前を巧みに牽制できということは、今までに何度もこの
手法を使っていたということになる。現に浩二も、また……と言ったではないか。

惣太郎の胸の中に、どろどろとした疑惑が渦巻はじめた。いま、もう目前で、男のすべてを呑みとりながら、喜悦の快感に身を焦がし
ている自分の妻が、もう自分から遠く離れてしまった他人のように思われた。

知られたくない遊び24
道明 12/22(火) 19:43:46 No.20091222194346 削除
木々に囲まれたゴルフクラブに、白のスポーツカーが滑り込んでくる
夫婦らしき男女は、車のキーを預けクラブハウスの中へと進む


「理絵さん、飛松が現れた時からは理絵と呼びますよ」

「はい、オーナー・・・・私は、あなたとお呼びします」


岩井の話はこうだ

飛松支店長はお気に入りの女性行員に、再三モーションをかけては断られている
独身の若い行員だそうで、美人だが潔癖な性格で飛松の邪まな思いを跳ね返しているという
その女性行員を飛松が権力を嵩に、無理矢理に交渉を迫るところを記録し、パワーハラスメント及び、セクシャルハラスメントで訴え、銀行の今の地位から引き摺り落とすというのが岩井の仇討ち作戦だ
しかし、その場面に同席するために、岩井は飛松に嘘をついて信用させたという
飛松に恨みを持っていると思われている元部下の妻であった理絵
その理絵が、岩井の妻となり最早、亡夫のことなど如何でもよくなっていると言ったのだ
ならば、そのことを確めたいと飛松は言ったという
それで、2泊3日のゴルフツアーがセッティングされたのである



第1日目は、午後からの薄暮プレーである
プレーのスタート時刻にはまだ若干時間の余裕があった


「理絵さん・・飛松は用心深い男、まだ信用していないはず、奴を引き摺り落とす証拠を握るまでは
 私を亡くなったご主人と思って夫婦に成りきるんだ・・・・いいね」

「はい・・」



「飛松が連れてくる女性に、私とあなたが仲の良い夫婦と思わせることができれば・・・こっちのもんだ、あとは奴さんからボロを出す」

「ええ・・・」



「それで・・・理絵さん、その・・・なんだ、できる限り私がリードをするが・・あなたの方からもその・・腕を組むとか」

「はい、心得ています・・・・全ては証拠を押さえるまでの辛抱ですから」



「辛抱?・・・遺憾、遺憾、理絵さん、辛抱と思っていては、相手に悟られてしまう・・
 それに、飛松は何を言い出すかわからない・・・少し予行演習をしておきましょうか」

「予行演習?」

「そうだ、彼等が来るまでには時間がある・・・そう、スキンシップの馴れの演習だよ
 いきなり私があなたに触れたら、違和感を感じるだろう?馴れだよ、馴れ」



理絵の顔にパァッと赤みが射す

(なんと、俺を痺れさせる初心な女なんだ・・・・・俯きやがった)


そんな理絵の様子にお構いなく、岩井は理絵の肩に手を回していく
そして、女の華奢な上半身を岩井は自分の腕の中へと引き摺り込む
すると首をイヤイヤと振りながら理絵が顔をあげた


「人前で、べたべたしている夫婦が必ずしも良き夫婦とは思いません
 肉体の接触よりも、相手を思いやる配慮が感じられる方がより理想の夫婦関係かと
 ・・・・ですから・・・飛松支店長の前でも、そのようにした方が信用されるのでは?」

「なるほど伴侶への思いやりか・・・流石だ、理絵さん・・・それで行こう」



岩井の変わり身は天下一品、相手に自分の本心を悟らせない
この男は決して、深追いはしない・・・・・だが、離れ際に女の芳しい匂いを嗅ぐことも忘れない


ようやく二人の前に、若い女性を伴った飛松が現れた

知られたくない遊び23
道明 12/21(月) 19:30:53 No.20091221193053 削除
こちらは大手銀行の支店長室
飛松は部下の行員に、大事な商談をするので余人を通すなと命じていた


「飛松さん・・・この前の趣向、お気に召しましたでしょうか?」

「ええ、私もこの道では相当なものと自負しておりましたが・・・岩井さん、とてもあなたには及びませんよ」

二人は、同時にくっくっと笑う



「ところで、お願いの件・・・よろしいですね」

「ああ・・お願いされるというより、今度も私を楽しい遊びに誘っていただける
 全く岩井さんというお人は・・・・・ワクワクしますよ
 私を悪代官に仕立て、あだ討ちに来る美しい未亡人を返り討ちにするなんてこと
 良くも思いつくもんだ、そんなシナリオ・・・・・ほんとうに」



「何を仰るお代官様!・・・・共に脛に傷を持つ仲間、互いに助け合ってこその世渡り」

「ははははっは・・・しかし、岩井さん、あなたがそこまで熱くなれるなんて
 さぞ、美しい女性なんでしょうな」



「はあ・・・ご主人のお通夜式という場所柄と雰囲気もあって、見初めてしまったというか
 主人を慕う貞淑な妻の姿に痺れたというか・・・
 私は女遊びが過ぎて家内に逃げられ、ヤンチャな生活を続けていましたから」

「でも、岩井さん・・・一度覚えた麻薬のような女遊び・・抜け出せますかな?」



「さあ、それは・・・・今度の女性が私の探し求めている女なら・・・・・」

「ほぅぅ・・・・・互いに自分に合った最高の女を探し求めて遊びを続けている同志
 大当たりを願ってますよ・・・・はっははは
 そんなに純な男心の恋のキューピット役・・・・お任せ下さい、少々私流になりますがね・・・乞う、ご期待としておきましょう」



支店長室に若い女性行員が、来客に飲み物を持って入って来た



「岩井さん、紹介しておきましょう・・・・今泉沙世君です」

「よろしく・・・・今泉さん」

「こちらこそ、よろしくお願いします」


そう言って、珈琲をテーブルに差し出すと沙世は部屋から出て行く



「いい娘でしょう?あの沙世君は・・・悪代官に目をつけられた庄屋の生娘ってとこかな」

「へぇーお代官様、それは嫌、嫌と逆らいながらも・・・強いものには従わがわざるを得なくなる生娘?」

「そうだよ、岩井さん・・・それを、美しい未亡人が体を張ってあなたを相手に、男女の手本を見せるという成り行きに」


悪党達の妄想はどんどんと限りなく広がっていく


(倅よ、もうすぐだ・・・お前を受け入れて、あの理絵が狂う様・・・ああ、痺れる)

知られたくない遊び22
道明 12/20(日) 16:57:41 No.20091220165741 削除
「行ってらっしゃいませ、オーナー」

「じゃ、行ってきます・・・・・・今夜、早く帰って昨日の件をお話します」


吉沢理絵の新しい生活が始っている
午前10時、遅い朝食を済ませた岩井を今、理絵は屋敷から見送ったところだ


理絵は、会社の経理を引き受けることとなったのだが、オーナーの吉井は店の巡回等で忙殺されて、経理の報告する時期が帰宅後の夜遅くしかない
そんなことが続き、岩井の勧めもあって、屋敷の一部屋で寝泊りするようになっていた


理絵は部屋を借りる代りにと、翔子がやっていた屋敷の家事全般を自分がすることを申し出た
そのため松田翔子は夫、哲平と高級純喫茶「飛翔」の運営を任され、夫婦で働くようになったのである


岩井を送り出したあと、食卓の水洗いを済ませ、理絵は岩井の寝室の掃除をする
ベッドの白いシーツの上に男のちじれた陰毛に目が止まる
ふと、今朝の情景がフラッシュバックして身体の芯が熱くなった

――――――――――――――――――――――――――――――――――

朝食の用意が整った理絵は、まだ起きてこない岩井を起こしに寝室に入った
昨夜の岩井は酩酊状態になるほどアルコールに酔い上機嫌で帰宅した


「理絵さん・・漸く、飛松支店長と接触できる機会ができましたよ
 奴さん、亡くなった吉沢課長の奥方の理絵さんが私のところに居るときいて
 顔が青ざめていましたよ・・・・・はははは、詳しくは明日にでも・・・」


そのまま、寝室へ入ってしまって朝を迎えたのである


「オーナー、朝ですよ・・・起きてください」


岩井はベッドの周りに服を脱ぎ捨て、そのまま寝込んでしまったようだった
返事をしない岩井の側でもう一度声をかける



「あっ、もう朝か・・・・理絵さん、おはよう」

「おはようございます・・・朝食の準備ができております」

「有難う・・・・・・じゃ、シャワーを浴びてくるよ」


そう言って、岩井がベッドから起きだした
理絵は驚き、慌てて目を床に落とす
・・・岩井は裸で寝ていたのだ
岩井は裸のまま窓際に進み、大きく背伸びをする
・・・その後姿は筋骨隆々とした上半身に、ゴルフで鍛えあげた下半身、特に臀部と腹筋は鍛え方が凄い、男を嫌でも意識してしまう


岩井は振り向き、俯いて目を閉じている理絵に

「やぁ・・・失礼、驚いたかもしれないが、私は何も着ないで寝る習慣なんだ
 なーに、気の知れたあなたと二人きり・・・・気にしないで・・・じゃ」

と言って、バスローブを羽織り、部屋を出て行く



しかし、理絵はまだ顔を上げれない
臍にまで反り返った黒くて大きな男の怒張・・それを見てしまって、混乱している
夫との夫婦生活の中でも、これほど男という存在を意識したことはない・・・・
自分の中で、何かがはじけた瞬間だった


シャワー室でその怒張に岩井は冷水を浴びせている

(倅よ、見たか・・・お前を見て驚いた理絵の顔
 もう暫くの我慢、我慢・・・待てば待つほど、具は煮詰る
 効いているようだよ・・・・女盛りの未亡人に男の裸を見せる媚薬が
 ワクワクするなぁ・・貞淑な理絵が自ら股を広げ、お前を求め愉悦にのたうつ様か)



この獣男にしては、回りくどいやり方だ
柿が熟して自ら堕ちてくるのをただ、ただ待っている
毎晩、自ら珈琲を点て、理絵に振舞う・・・その男が下着を着けていない

(今夜から・・嫌でも俺の倅を嫌でも意識するだろう・・・)

花  濫 17
夢想原人 12/19(土) 10:18:57 No.20091219101857 削除
陰陽二つの情事



寝室のカーテンの隙間からさしこんだ真夏の強烈な日光が、漆喰塗りの壁に黄金の光る一本の線のようになって輝いていた。
クーラーがきいているので寝室の中は快適な温度に保たれているが、さしこむその光の強さに、外はもうきびしい暑さであることが推察される。
窓の外の庭から、冴子の陽気で華やかな笑い声と、浩二のなにかどなっているような大きな声が聞こえて来る。散水の水音が二人の声の合間
に聞こえている。庭に水でも撒いているのだろう。まるで子供が遊んでいるような騒がしさである。

もう十時近かった。昨夜、明日が締めきりの原稿を一時頃までかかって書き上げた時には、浩二はまだ帰っていなかった。十時過ぎに浩二か
ら電話があり、パリ支社と緊急の連絡があって、時差の関係から深夜になるので、場合によっては会社に泊まって、朝帰るという連絡が冴子に
入っているのを、書斎で聞いていた。

「会社って休む部屋があるの? ……えっ………椅子を並べて寝るって……風邪ひくわよ……あすは日曜日だし、終わったら帰ってきて………」
冴子の声には媚びがあると、惣太郎は翻訳作業を中断して煙草に火を付けながら思った。毎週、土曜の夜冴子は浩二の部屋で寝る。
いつの間にか三人の間で成立した暗黙の了解である。

田宮は、以前と変わりなくこの家にはよくやってきたが、冴子と接触をもつということは滅多にない。冴子と田宮の間に亀裂が生じたわけでもなけ
れば、惣太郎との間が気まずくなったわけでもない。
浩二が帰国した夜の乱媾の翌日、浩二と冴子が、ただならぬ仲になり、それを惣太郎が黙認したということを田宮が伝えた。田宮は浩二に惣太
郎の意図を伝えた。田宮が冴子と関係を持ったことは田宮は浩二に伝えてはいない。

田宮にはやはり教師としてのプライドのようなものがあって、純粋な浩二に、自分も冴子と関係していたとは言えなかったに違いない。もちろん、
冴子も田宮との関係は内緒にしているし、惣太郎にはっきりと、浩二の方がいいと言い切ったように、浩二の不在に田宮が誘っても冴子は応なく
なったと惣太郎は思っていた。田宮はそれを恨んだりもせず、自分と同じ立場にあるように立ち振舞って、一向に気にしていないように惣太郎に
は見えた。

冴子の態度も、田宮には全く気がないかというとそうでもなく、適当に田宮と接している。躯の関係だけがなくなって、親しい知人同志のような
関係だけになったと、一時は惣太郎も思った。そんな田宮と冴子の関係に疑念が生じたのは、浩二が大阪に出張した、つい最近の事である。

惣太郎もその日は一晩泊まりで札幌に出張するはずであったが、学校に急用が生じて、その出張を取りやめた。ある教室の教授がなくなって、そ
の補充に新しい教授を決める教授会が尾を引いたためだった。その教室の教授候補が二人いて、それぞれ学内の有力な教授の推薦があって、
夜になっても意見は二つに割れて難行した。結局、深夜におよんで決選投票が行われてやっと結論を得たわけである。

その後、恒例の新任教授を囲む宴会が開かれ、惣太郎が帰宅したのは一一時過ぎだった。タクシーを降りて自分の家の玄関に立った時、惣太郎は
いつもと違う家の様子に思わず立ち止まった。門灯はついているが、家の窓は、どの部屋からも灯が漏れていない。
自分も浩二も出張で、冴子一人だから、早く休んでしまったのかもしれないと、呼び鈴を押そうとした時、後ろで車の停る音がした。振り向くと、
止まったタクシーから、真っ白のタンクトップ姿の冴子が降り立った。
あら! あなた………」
驚いて惣太郎を見上げた冴子の瞳が、いつになくきらきらと空の星のように潤んで輝いていた。

その時は、上京してきた女学校の同窓生とホテルで食事をして話し込んでいたら、遅くなってしまったと冴子はいっていたが、惣太郎の求めに応じ
て茶ずけの支度をしてくれる妻が、惣太郎にはなぜかまぶしくてしかたなかった。
実家から送ってきた鯛の浜焼きがあります。あけましょうか」

冴子が情事の後、かならずそうなる鼻にかかった甘い声でいった。やや上目で惣太郎を見る瞳も潤んでいる。惣太郎は妻の目を見て思わず茶づけ
の箸を止めた。妻の瞼の周囲がかすかに充血しており、頬の血の氣にほんのりと染まった色艶といい、妻が立ち上がったとき、匂い立つ甘酸っぱ
い体臭などは、妻が性交の後の特徴的な生理現象がすべて現れている。冴子が情事をもってきたことは疑う余地もなかった。                              

冴子に新しい男が出来たとは思えない。思い当たるのは田宮である。田宮は今日は学校がない。助教授であるから、深夜までの会議にも出る必要
がない。直感的に惣太郎が、冴子は何処かのホテルで田宮と情事を持ってきたに違いないと結論づけた時、田宮から電話があった。
隣室の電話に出た冴子が、パパ出張に行かなかったの……あっ、そうね知ってたの、といってから急に声を潜めて、………大丈夫よ……心配
ないってば……嘘のつけない冴子との会話に、きっと受話器を握った田宮は肝を冷やしているだろうと、惣太郎は苦笑した。

田宮がなぜ拒否することのない惣太郎に隠れて冴子を誘い出したのだろうか。夫の視線や策略からのがれて、自由に冴子を抱きたいという田宮の気
持ちも判らないことはない。二人で共通の秘密を持つことも情事の刺激を高める一つの技巧である。情事に馴れた田宮が、酒でも飲んでいて、急に
自分も浩二も不在で、冴子が一人留守をしているのを思い出し、にわかに冴子が欲しくなって呼び出したと惣太郎は結論づけた。
田宮は、酒を飲むとよく衝動的なことをする性格である。
「田宮君も誘ったのか」
ああ、あたしが外出しようと思ったとき、田宮さんが見えたからお誘いしたの」
冴子の顔に動揺がおこり、無理に作った硬い笑顔を伏せていった。

それで、友達と別れてから、そのホテルで田宮と寝たというわけか、惣太郎はいいかけてその大人げなさに口をつぐんだ。
いまさら田宮に嫉妬してもはじまらないし、田宮が酒を飲んで衝動的に冴子が欲しくなるように仕向けてきたのも自分である。きっと、彼は情交が終
わってから、自分の了解もなしに冴子を連れ出したことに気付いて、どう冴子を口説いたかは判らないが、あわてて口止めをしたのだろう。

自分が今夜家にいるのを知って、今は仰天しているだろう。誰にも干渉されないホテルの一室で、あのテクニシャンの田宮が、一体どんなテクニック
を使って妻を翻弄したのだろうか。また、世間ではホテルの情事は常識であるが、生まれて初めて体験する冴子は、どんなに興奮し乱れたことだろう。

浩二との性交が、日常茶飯事になって、田宮と初めていった伊香保の夜や、浩二の帰国の夜のような刺激の少なくなった最近では、思いがけない刺
激だったにちがいない。疲れていなければ、その場に冴子を押し倒して抱き締めたやりたい衝動を、惣太郎は辛うじて押さえた。
あわてることはない。自分の知らない場所で、妻が男に抱かれる。そこには自分の保護も力も及ばない。世間も体験もすくない世慣れていない妻は、
そこで一体どんな衝撃をおぼえ、どんな新しい快楽を得たのだろうか。そんな体験を通して、妻はきっとまた、自分の知らない新しい女に生まれ変わる
に違いない。

あの夜の冴子の相手が田宮であることははっきりしているが、もし、これが、自分の知らない全く別の男だったらどうだろう。
最近、惣太郎は、ふとした時に、そう思うことがある。現実的ではないが、冴子が、ある日、買物にでた町で、見知らぬ若い男に誘惑されたと仮定し
ょう。その青年は、有名大学の学生で、清潔で、貴公子のような容貌で、スポーツで鍛えた躰の持ち主で、若い男として一点の否もない青年だったと
したら、自分は、それを迎合するだろうか。答えは否だった。

彼が望むのは、必ず自分が主役となって妻と、妻と交渉を持つ男を支配しなければならない。妻を愛するあまりに、より妻を美しく新鮮にするために、
他の男と交媾させるのだから、その愛する妻が、万が一にも自分以外の男に奪われる危険や、妻自身が自分からはなれて行くような危険は冒せない。
たとえ妻が自分より若く逞しい男と交わることによって、果てしない官能に溺れ込もうとも、妻を狂わす男は自分の分身でなければならない。
結果的には、自分が様々な手段により妻を、より深い快楽に導きく主役でなければならない。
本来なら人に見せたくない愛玩する秘宝をあえて人前に展覧して、その秘宝を見て驚嘆する他人から、尚一層の価値を見い出したりするのに似た心理
である。

田宮なら、自分の支配下にある。その安心感が、今度の事件にも惣太郎を鷹揚にさせる原因となったのだろう。
浩二と冴子の日常には、当初ほどの刺激はなくなったとしても、まだまだ汲み尽くせぬ、さまざまな悦びと刺激が残されていると、惣太郎は思ってい
る。

昨夜は、たまたま浩二の帰りが遅かったので、惣太郎は寝てしまったが、夢の中で、風呂場のタイルに反響する冴子の嬌声を聞いたような気がする。
遅く帰った浩二が入った風呂場へ、寝巻でも届けた冴子が捕まって、風呂の中で痴態を演じていたのか、それとも、浩二の部屋での交わりの後の入浴
で、またまたもよおしての媾合だったのか、いまでは詮索しなくても、起き出て二人に訊けば、二人は素直に答えるまでに教育が出来ている。                

今聞こえる二人の華やいだ声だけでからも、惣太郎には、昨夜二人が堪能するまで交わり合ったことが察しられる。                  
先週の土曜日の深夜など、浩二の部屋に居るとばかり思っていた冴子の声が、庭から聞こえるのに仰天した惣太郎が、雨戸をめくってみると、庭の椿
園の中の小さな四阿のなかで、腰掛けた浩二が膝に冴子を横座りに載せていた。

浩二は上半身は裸で、下はバーミューダーパンツを穿いただけでだった。木綿の茄紺の模様の浴衣姿の冴子は、前も裾もはだけられたしどけない格好
で、浩二にしがみ付き、やや顔を上向きにして浩二の接吻を受けていた。黒々と繁った椿の梢の上の一三夜の月の光が四阿にさし込んでふたりを照して
いた。
暗い四阿の奥に、抱擁した男女の等身大の塑像のように、月光を受けて白く浮かび出した二人の姿は、体温を持った生身とは思えないほど、夏の夜の
庭園の中で、幻想的な雰囲気をかもし出していた。                

惣太郎が近づいても、その塑像は、ぴたりとよりそったまま動こうともしない。もっと近づいて見ると、横向きに見える冴子は、浴衣の胸がはだけられ豊
かな乳房がこぼれ出ており、腰紐で一旦締めらた下も、裾が大きく割れて、ほとんど腰の辺りまで露わになり、格好のよい二本の脚が、浩二の膝の上で
膝を折り曲げた格好で開かれていた。
浩二の掌がその中心に埋もれて、せわしそうに微動するたびに、月光を浴びて白磁のように輝く脚が、微妙な動きをしている。

二人の向いに腰掛けた惣太郎が、
「涼しいかね」
ばつの悪そうな声をかけると、接吻を止めて、にんまりと笑いながら顔をあげた浩二の額が汗で光っていた。
「なんだ、汗をかいているじゃないか。ここは蚊もこないし、一層のこと裸になったらどうだい。冴子も汗をかくと、この夜風では風邪をひくよ……」
さあ……と、浩二を顔で促すと、浩二は決心したのか、怒ったような表情になって、冴子のはだけた胸から手を入れて一気に冴子の上半身から浴衣を剥
ぎ下ろした。腰紐が、どうほどけたのかわからなかったが、茄紺模様の浴衣は、除幕式のようなすばやさで冴子の躯を滑って闇に溶けた。その瞬間、冴
子の裸身が、自ら発光したかと見まがうように、月光を浴びて白磁に輝いた。

冴子は着やせがするというのか、着物を脱いだ時の方がふくよかに見える。肩にも背にも腕にも、白いぬめぬめと光るような脂肪がついていて、月光を
はじき返している。冴子は片膝をゆるくたてて浩二の膝の上に座り、心持ち小首をかしげ、顎をひいて下をむいている。ふくよかな豊頬も、首や肩のまる
みも、丸く盛り上がった豊かな乳房も、豊かなヴィーナス形の腰のみのりも、いまは青白い月光に照らされて、処女のかたさのように見える。              

冴子の青白さにひきかえ、陽灼けした浩二の硬い線の裸体は、月光を吸収してしまうのか、シルエットの顔も、筋肉が盛り上がった肩も胸も、一層黒々
と照り輝いている。なよなよした冴子の裸体と、その背と腰に太い腕を巻き付けた浩二の姿は、まるで夜叉が女を襲っている浮世絵のように、この世の
すがたとも思えない奇怪な雰囲気をかもし出している。

惣太郎は、すぐにでも立ち去るような雰囲気で言った。
「ぼくも脱ごおっと……」
夜叉が、ぬっと立ち上がり、声だけは若く張りのある響きで言うと、パンツを足元に蹴落とした。

全裸で仁王立ちになった夜叉は、こちらを向いて腰を下ろしている冴子の膝を跨ぐと、いきなり冴子に向かって立ちはだかった。夜叉の腰が女の顔の位
置にあった。隆々と月に向って吠えるように屹立して脈動する男根が、うつむいた冴子の頬を叩いた。膝に置かれていた冴子の白い両腕が、ゆっくりと
浩二の脚を両側から抱くようにして、しだいに足元から腰に向かって上がって行った。

硬く締まった浩二の尻の肉に食い入るように両側から抱きついた冴子は、当然のように浩二の陰茎を含んだ。浩二が、快感に首をうしろにそらせ、眉根
の深い皺を刻ませながら、月に吠える若狼のように呻いた。
四阿の細長い腰掛けに横になった冴子は、片脚を杉皮を張った背もたれに上げ掛け、もう一方を椅子から地面に投げ落としていた。その股間に、中腰に
なった浩二が入り込み挿入を試みている。冴子の脚を広げようとすると臀が椅子から落ちかけて、あわてて冴子があしをすぼめる。

「だめだよママ……動いちゃ……」
「だって……落ちるちゃうじゃないの」
自分が椅子に正面を向いて座り、その膝に冴子を向かい合う格好ですくい上げて、浩二はやっと挿入した。浩二の膝の上に馬乗りの格好で座った冴子の
両足が、狭い椅子の奥行きで、浩二の腰を挟んだまま膝を立てた格好で大きく両側に広げられて搖れている。浩二の太い両腕が、冴子の大きな臀を、両
側から抱えるように抱いて、激しく自分の方に押し付ける動作を繰り返し、その度に、冴子も微妙な円形運動を続けながら上りつめていった。

四阿の暗がりで、身体の所々に月光を浴びて律動するふたりの交わりの姿を、もっと美しく見たいと思った惣太郎が、池の縁に置いていた一畳敷ほどの
木製の涼み台に、毛布をかけてやり、その上でするように二人に命じた。

四阿から池までの、低いつつじと椿が両側に植え込まれた細い庭道を、背の高い逞しいからだつきの夜叉が、股間に隆々とそびえたものもそのままに、
ぐったりとした真っ白い冴子を横だきにして歩いて行く姿や、涼み台の上で、絡み合い激しく動きのたうつふたりに姿が、池の反対側の岸辺にいる惣太郎
からは、黒い硝子を張ったような水面に、くっきりと月光に輝くふたりの若々しい絡んだ肢体が浮かび出ていた。

時折、池の中の鯉がはねる音がすると、二人の姿が乱れ、さざなみだった池の面に、時には荒い油絵のように、時には点画のように、また時には印象
画のように、絡まり合った男女の動きがアブストラクトに躍動する。         
月の光を吸い集めてまばゆくさらされた仰向いた冴子の裸体が、筋骨隆々としたした夜叉に押さえつけられ、思い切りひろげさせられた股間を、夜叉の
巨大な男根が突き通していた。

夜叉の動きがしだいに激しさを増すにつれて、暗い夜庭に、そこだけが冴えた青白さに輝く冴子の脚が、先ほどまで押し広げられたまま台の上に投げ出
されていたのに、いまは夜叉の律動する逞しい腰にしっかりと巻き付けられ、激しく一緒に搖れている。
月光を真上から浴びた夜目にも艶やかな冴子の顔が、閉じた目尻に歓喜の泪を溜め、月光に濡れて、いまにもこぼれそうに見える。息苦しそうに開いた
口を、月の面にむけて、訴えるように、耐えられぬように、せつない絹を引き裂くような喜悦の叫び声を間断なく放っている。  
源氏物語の源氏君と美しい女たちの、夢の世界の交わりのような、この世のものとも思えないあやしい幻想の世界の出来事のように美しくあやしく見えたのは、惣太郎の脳裏に
こびりついて、いまでも消えない。




陰陽二つの情事



ベットを出た惣太郎が、リビングの廊下から庭を見ると、思わず目の奥に痛みがはしるほどの強烈な陽光を反射している芝生のうえで、半ズボンに上半身
裸体の浩二が水道のホースを持って水を撒いている。浩二から数メートル離れて向かい合った冴子は、深紅のミニスカートに紺の横縞の入ったタンクトッ
プのTシャツ姿で、片手に園芸用の小さな如雨露を持って立っていた。
ふたりとも脚は裸足である。

ホースの先を指で押さえて、遠くまで水が飛ぶようにした浩二が、筒先を左右に振って散水している。勢いよく飛ぶ水が、激しい陽の光の中で、白銀の
噴出のような透明感のある銀色に輝いて見えた。

突然、ホースの筒先を浩二がひねって、冴子の脚に水を掛けた。冴子が大げさな悲鳴をあげげながら、掛けられた水の白さとは違った、なまなましいま
ぶしさの二本の脚を飛び跳ねると、水に濡れた白い脚は、若鮎が跳ね上がったような美しいきらめきをみせて輝いた。冴子も負けじと手に持った如雨露を、
浩二に向けて振った。白く細い幾つもの線が弧を描きながら浩二に降り掛かる。浩二が反射的に身構えの姿勢をとると、ホースの筒先が思わぬ方向に向
いて、浩二にだけでなく冴子にも無差別に、水は複雑な曲線を描きながら飛び散った。

「いやんーん。浩二さん!」
頭から水を被った冴子が、両手で顔を拭いながら叫んだ。長い髪も濡れたらしく、先ほどまで敏捷な冴子の動きに軽く踊っていブラウスが、身体や腰にぴ
たりと纏いついて、女の曲線を露わにしていた。浩二も頭からびしょ濡れになったらしく、仔犬のように頭を振ると、白い飛沫が周囲に飛んだ。
「ようし! やったな! どうせ濡れたんだ」
浩二が冴子の足元に向かってホースをかまえた。
「止めて!」

冴子がミニスカートの裾を両手で持ち上げ、夢中で足を跳ねると、股間を隠しただけの小さなスキャンティーがちらりとのぞく。浩二はそれがおもしろいらし
く、次第に筒先を冴子の膝から太股に向ける。冴子が大きな悲鳴を挙げて芝生の上を逃げ回る。
大きく芝生の縁を回るように走っていた冴子が、リビングから見ている惣太郎に気づいたらしく、

「パパ、助けて……」
「燃えてかげろうのたつ芝生を、こちらに向かって冴子が駆けてくる。両腕を曲げて腰の辺りに構え、懸命に走って来る冴子は、濡れた髪を後ろになびか
せ、濡れて身体に張り付き、透明になったタンクトップのTシャツの胸が、くっきりと乳房の丸みが浮き出して搖れている。
締まった腰の下の大きな臀と付け根まであらわな太腿の柔肉が、乳房と違った複雑な動きで搖れ、辺りに若い女の精気を撒き散らしているように匂い立つ。
惣太郎の前まで来ると、廊下の前のガーデンセットの陶器製の椅子に身を投げるようにして座り、息を切らしながら惣太郎を仰ぎ見て、いたずらを見つけられ
た子供のように、てれた表情で、肩をちょっとすぼめながら舌を出した。それは義理に示した媚びだったのか、すぐに、くるりと顔を庭の浩二に向けて、

「浩二さん! パパが起きていらっしゃったからご飯にしましょう」
はしゃいだしぐさで手を振って呼んだ。
「ママ! 水道の栓を締めて……」
浩二がうなずいてホースを捨てると、ホースは狂った蛇のように、あたりかまわず水をはね上げながらのたうち、こちらに向かいかけた浩二の背にも、思いき
り水しぶきを浴びせかけた。驚いた浩二が飛び上がったり、走ったりするのを、声を挙げて囃してから冴子が元栓を締めた。

ガーデンセットの椅子に腰掛けた二人は、照りつける陽射しも気にならないらしく、惣太郎に取ってこさせたジュースを飲みながら談笑している。日焼けした
浩二の琥珀色の肌も、凝脂の浮いた真っ白い艶やかな冴子の肌も、いま濡れたばかりなのに、肌に点々とダイヤモンドの小粒のような水滴をつけただけで、
肌は水をはね返して、若さに匂い立っている。

特に冴子の手や脚が、象牙のように白くなめらかに輝いているのが目立つが、その白い肌は、情事に堪能した後にだけ現れる、皮膚の内から萌え立つ生命
力の自然に開花したような生き生きした生彩が輝いている。           
男の肌には、情事の前後に現れる変化はないと惣太郎は思っているが、それでも、浩二の肌をよく注意してみると、直後の浩二の逞しい肌は、冴子の凝脂
が染みこんだように艶やかに輝いている。                   

「さあ、シャワーを浴びてきなさい、食事にしよう。コーヒーのうまいやつを炒れておくから」                                  
二人がならんで、椿のしげみから、浴室の方に消えるのを見送ってから、惣太郎はキッチンに入ってコーヒーポットを取り出すとのコンセントをつないだ。
コーヒー豆を曵くため、電気のスイッチを入れ、賑やかな音を立てていた時、浴室から、浩二の怒ったような声が聞こえたような気がしてスイッチを切った。 
廊下を隔てた浴室ののれんの奥に、惣太郎は聴き耳を立てた。シャワーの水音に混じって、浩二と冴子のはしゃぐ声が聞こえていたのが、いつのまにか、
シャワーが止められ、浴室の中は森閑としている。耳を澄ますと、なかで人の争うような気配がある。                             

「………だめよ、パパが待ってるじゃないの………」           
「誰がこんなにしたんだ……。ほら、責任とってくれよな」        
「誰が触わらせたの…………」                      
冴子の声が溶けるように生めいている。                 
「あつっ!」                             
冴子の押し殺した叫びが聞こえたあと、しばらく静寂があってから、しだいにあたりはばからない動きの気配が伝わってきた。

やがて、息づかいや、肉のしきみまでが、惣太郎の耳に明瞭に聞こえ出した。              
昨夜自分が寝たのが一時過ぎだから、その後に浩二が帰ってきて、ふたりが交わりを持ったのは確実だと思う。朝までに三回くらいはしたにちがいない
もしかしたら、朝も惣太郎が起きるまでに、一度くらいしたのかもしれない。
それとも、浩二が朝帰りで、出来なかったのだろうか。

いずれにしても、ふたりで躯を洗い合っているうちに、耐えられなくなってきたのだろう。先ほどの冴子の短い悲鳴の時に挿入があったに違いないと惣太
郎は思った。。          
しだいに激しさを増す息づかいと一緒に、ぱんぱんと濡れた肌が打ち合う音が、派手に響いてきたりする。浩二の喘ぎ声と冴子の呻き声と絡み合うようし
て聞こえて来る。ふたりの交わりは、狭い浴室の中で、どんな体位でおこなわれているのだろうか。そう考えると、惣太郎は何かわくわくするような思い
に駆られてきた。

惣太郎は新聞を膝に載せたまま、立ち上がるのをじっと我慢していた。
嫉妬焼きの亭主らしい振舞いをして、どうやら最後の断末魔に行き着こうとしているらしいのに、せっかくの二人の感興を殺いでしまうのも大人げない。
呻き声が一際高まって、叫びとも泣き声ともとれる響きにとなって、暖簾の向こうから伝わってくると、ちょっとおろおろした気持ちになって、思わず新聞
を膝から落として、立ち上がりかけるのだったが、その次は又しんと静まって、心なしか険しい息ずかいの絡み合いになる。

やがて、最後の断末魔が終わったらしく、例の凄愴な情景を思わせる一際高い呻き声や喘ぎのあと、だんだんと気配が静まって、その後、ひっそりした時
間が過ぎていった。その間、例の頬擦りや接吻や抱擁の執拗な愛撫し合や、いたわり合が長々と続いているらしい。       
そのあと、かなりしばらくして、二人は互いにタオルを素肌に巻いただけの格好で、のれんをわけて廊下まで出て来ると、左右に別れて、それぞれの部屋
に着替えにいく気配を示した。。

「まあ、そのままでいいじゃないか。せっかくのコーヒーがさめてしまう」
惣太郎は、沸き上がったポットを持って、二人がついて来ることが当然というようにリビングに入っていった。
リビングも、クーラーが入れていなかったので、庭の芝生を直撃している陽光の反射を受けてむっとする暑さである。
「クーラーよりも扇風機の方が自然でいいだろう」
ふたりのタオルだけ巻き付けた上気した顔を見ながら惣太郎が言った。   

「お顔だけなおしてこなければいけないわ」                
サイドボードから、エッジウッドのコーヒーカップを取り出している惣太郎の背に冴子が羞恥を含んだ声で言った。                    
「その日照った顔がいちばんきれいたよ。なあ、浩二……。昨夜は何時頃帰ったんだい……浩二は……」                       
「三時過ぎです。仕事は一時前に終ったのですが、係長が、どうしても飲もうというので仕方なく、京橋の赤提燈で飲んだんです」 

「そうよ、パパ聞いてちょうだい。浩二さんたら、すっかり酔っちゃって、もう玄関で、げろげろなの………。やっとお風呂場まで連れてって、脱がせた
んだけど、それからがまた大変だったの……」
「ママ頼む……それから後は内緒だよ。もし、言ったら、ただではすまさないよ」
浩二がむきになって言った。                      
「いっちゃおうっと。あのねえ………すっかり酔って……どうにもならないのに……」
冴子のおおげさな悲鳴が突然わきあがり、惣太郎が驚いて振り返ると、並んでソファに腰掛けていた浩二が、冴子のタオルを裾の方からはぎ取ろうとして
いた。
 


陰陽二つの情事




懸命に股間を両手で押さえつけている冴子の躯から、タオルが引っ張られて、むっちりとした艶やややかな太腿やふくらはぎが露わになってい
る。       
あのねえ……どうしても大きくしてくれって………」          
浩二が顔を紅潮してむきになって、今度は冴子の肩の辺りのタオルを力いっぱい引いた。冴子がまたけたたましい悲鳴を揚げた。はらりと、皮が剥げた
ように冴子の滑らかな肩を滑ってタオルが落ち、梨の花のような、白さの中に、うす青みをおびた翳をつくっている上半身が露わになった。乳房だけが、
ほのかな紅をこめてもりあがり、乳首は海棠の花びらのをおしあてたようにみえる。    

「それで結局どうなったんだ?」                    
コーヒーをそれぞれのカップに注ぎ分けながら惣太郎が聴いて、ふと、目を挙げて二人を見ると、浩二が自分はタオルに包まれたままで、冴子の裸身を
き締めて、その肩の接吻していた。

冴子が、萌黄のノースリーブノワンピースに、浩二がジーンズの半ズボンにランイングに着替えて朝食を終え、互いにくつろいで姿勢でソァに落ち着いて
ら惣太郎は昨夜の話を繰り返しはじめた。
「結局、果たせなくって、君達はまだ欲求不満というわけか」         
「あら、あたしは違うわ」                        

冴子が、持っていたジュースのコップを置くと、嬌恥の媚態で、躯をくねらせながら言った。いやいやをする幼女のように、肩と腰を揺すりながら、両手
で顔をかすしぐさでも、昔仕込まれた日本舞踊の型がきまるのか、いかにも女らしい色っぽい優雅さで、惣太郎は、あらためて妻の女らしい姿態をまぶ
しそうに見た。

「浩二、本当かどうか試してごらん」                   
惣太郎がけしかえるように言うと、にやりと、ふてぶてしい表情を作ってから、浩二が怒りを覚えたように顔面を紅潮させながら、やにわに、並んで座った
冴子をうしろから羽交い締めにした。浩二の両腕が冴子の脇の下から躯の前に回り、乳房の裾野の膨らみが見えるほど大きくえぐられた衿から、ぐいと差
入まれた。

浩二の掌が乳房をむんずと掴んだらしい。その瞬間、萌黄色のワンピース一枚の冴子の肩が、波うつように大きく息づいた。浩二の掌が布の中で、乳房
を包むようにくるんで、ゆっくりと揉みしだき、乳首を両掌の中指でころがすようにしている様子がうかがえる。
冴子がいつの間にか酔ったように瞼の周りを朱に染めあげて、もう肩で大きく呼吸しながら喘ぎを隠している。

「おい、おい……君らは、いま済ましたばかりなのだろう? 催していているのは冴子だけかい? 」
「もちろん! いつもそうですよ」                   
浩二が、我が意を得たりと言うように、声をあらげて言った。うつむいた顔を羞恥に染めて、両手で隠した冴子が、片手を顔から離し、おずおずと浩二の
股間に伸ばした。自分だけと言われた抗議のつもりらしい。そこもいつの間にか盛り上がっている。その盛り上がりを冴子の掌がやさしく愛撫した。        

「冴子、浩二が苦しそうだから、解放してやったら?……」         
惣太郎が、浩二にとも冴子にともつかづに言った。乳房を愛撫していた浩二の片手が抜かれて、自分でベルトを外すと、冴子の白い指が物慣れた様子で
チャックを下げた。半ズボンの下には、なにもつけていなかったらしく極度に膨張した浩二の陰茎が、待ちきれないような勢いで飛び出してきた。         

しばらく見ないうちに、浩二の陰茎はまた一回り大きくなったように惣太郎には思えた。亀頭の粘膜も、桃色を帯びた薄い粘膜に覆われていたのが、いま
は日焼けした浩二の頬のように、やや黒味を帯びて健康そうに艶やかに張り切っている。亀頭のくびれもえらが逞しくなって彫りが深くなってきた。
陰茎の皮膚は、前は、薄いピンクの粘膜が張り付いたようになっていて、そこに赤い糸の絡んだような毛細血管が浮き出て見えていたのが、いまでは、ふ
てぶてしい黒さと厚さの皮膚に変わっていて、そこに青黒い血管が怒ったように浮き出ている。


女の体液には、男のものを変色させる成分が含まれているのだろうか。それとも、冴子の粘膜との摩擦が、こうも逞しくしたのだろうか。
中空に向かって吠えるように脈動している浩二の壮健な陰茎を、桑の枝にまつわりつく蚕のような白さと柔らかさで愛撫している冴子のしなやかな五本の指
を見ながら惣太郎は考えていた。 

「君のものと同じように冴子の胸も苦しいがってるし、下の方はもう溢れているんじゃないか? 」                          
惣太郎の言葉に扇動されて、浩二がワンピースの前釦を上から一つづつぎこちない手付きで外していった。最後の釦がとれると、ワンピースが命を失ったよ
うに、はらりと冴子の足元に屑のようになって落ちた。ブラジャーのない冴子の裸身が、庭から射るような強さで差し込む真夏の陽射しを吸い集めて白く輝
いていた。 

冴子の躯も、以前より丸みを帯びてきたような気がする。豊かな乳房が艶をまして張り切り、そこから下腹へ流れる肌や、むっちりした腿の皮膚が、前に
は象牙のように冴えた白い艶に輝いていたのが、今は、ねっとりと湿り気を帯びて、つきたての餅のように色っぽい。             
「浩二、遠慮はいらんよ。さあ、したいならするがいい……」       

これから始めようとする白日夢の性宴に、互いを愛撫し合いながら、しだいに高まって、いまや身内にたぎる情熱の爆発を目前にして、狂いはじめた二人
を見ながら、自分もまるでその情熱に巻き込まれたように、胸の高鳴りを覚えながら惣太郎は二人を凝視していた。                      
浩二が、ズボンを脱ぎ捨て、冴子を自分の膝に、惣太郎の方を向かせて抱き上げた。浅黒い浩二の膝に載った冴子の白い躯が、ゆっくりと開かれ、半透
明の小さなスキャンティーだけの股間が不自然に大きくむき出しになる。

すでにスキャンティーのその部分は、ぐっしょりと濡れて透明になり、黒い翳りの中で蠢く浩二の指までがはっきりと見える。そのスキャンティーを、浩二の
残った掌が、冴子の臀のほうから、ゆっくりと下ろしはじめた。妻が腰をあげてそれを手伝う。太腿の中程まで下がった時、浩二の長い脚がくるしそうに
曲げられたかと思うと、スキャンティーに脚の指がかかり、一気に押し下げられた。         

浩二と冴子は、二人ともこちらに向かって腰掛けの上で重なっていた。冴子の股間の下からのぞいた浩二の陰茎が、ゆっくりと、冴子の割れ目に出し入れ
されている。
惣太郎は、テーブルの上に片肘を突いて、二人の結合部をのぞき込む。
濡れて光った、太い肉柱が出入りしている。
こちらを向いた妻の弓形の部分は左右に押され、皺ばんでそれを呑込んでいる。               

今、浩二の太い部分は、ゆっくりと妻の浅黒い左右のふくらみをめくり上げながら、引き抜かれてくる。太く、浮き上がったあの静脈が、妻の内部の褶曲
を、摩擦して引き出されてくるのだ。尿道のそこだけは柔らかそうに膨らんでいる。妻の鮮烈に赤い肉片様の左右の舌は、右は挟まれ押し付けられひしが
れて妙な形に曲がっている。もう一方は、浩二の若々しく節くれ立った幹に張り付き、今、引きのばされている最中だ。ますます抜き出されていく。妻の色
鮮やかな左の唇は、一杯に引きのばされて、反動で縮んだ。

若者は、先端ぎりぎりまで抜いて待っている。突き入れるタイミングを計っているのだ。             
妻が焦って尻を振る。きしみながら若者が入れていく。ついに全部が没入した。毛の生えた睾丸が妻の陰部全体を覆う。根元まで押し入ってから浩二はとど
めを刺すように膝をぐっとせり上げてさらに突き上げた。            

「あぁ………」     
妻が耐えられないような声を揚げた。
思わず結合部分から視線をあげると、妻はもう、浩二の膝の上で姿勢を立てることも出来ないほどに、官能の極致に追い込まれているらしく、ぐったりと躯
を浩二の胸に預けたまま斜めに倒して、片手をソファに突いて辛うじて支えている。

妻はもうためらわず声をあげた。その声を聞くとふくふくとした可憐な小鳥を締殺しているようなあの残忍な快感と、浩二に今ではゆだねきった姿勢の可憐
な生き物に対する無限のいとしさと、猛烈な嫉妬心がこみあげて、惣太郎は、このままほんとうに、妻を殺してしまいそうな危険さを、ひやっと背のあたりに
感じた。                                  

妻は目もとをぼうっと染め上げたあどけない表情で、目尻に泪を流している。そんな自然な紅の色が映えて、どきっとするほどなまめかしさをそそる。そのく
せ、浩二に貫かれている妻の表情には、何もかもまかせきったという自己放棄の安らかさをたたえ、線という線がゆるみきって、見ている方で泪のこぼれそ
うなほど無邪気にかえっているのでもあった。                 

浩二に腰を抱えられて、上下左右に強く揺り動かされながら、妻がしっかりと浩二をくわえて、円を描いている。肩や腰の肉づきが、汗にまみれて光っている。
浩二が激しく腰を波打たせた。そのたびに、妻の体が浮き上がった。濡れた巨根が、妻の腰の下でチラついた。
浩二と妻の位置が、入れ替わった。二人はソフアに折り重なって倒れ込み、浩二が、妻の脚を肩にかつぐようにして、攻めた。交合の部分が、惣太郎の目に
、はっきりと見えた。見覚えのある妻の局所がはっきり見える。

妻の局所から、体液がほとばしっていた。粘膜が、キュッ、キュッと泣いていた。快楽の嗚咽であった。浩二の腰が猛烈な精悍さで律動を繰り返して、妻の
粘膜をかきまわしていた。                      
「あっ……もう……駄目……」
妻が、溺れでもしたように、浩二の頚に下からしがみつき、声を放ちながら、自ら腰を激しく振る。粘液の音が水っぽさを増し、やがて、漏水のような短い
水音がしたと思うまもなく、妻が、ひぇー、と刺されでもしたような声をあげた。
妻の顔が、苦痛に歪み、額の横に動脈の太い筋が浮かび出る。大きく開かれた唇から、よだれ流れ出ていた。浩二の背中に回された掌の指が、怨念でもあ
るかのように全部曲げられて、爪が浩二の皮膚に食い込んでいる。

傷つけられても怯まず、理性も抑止もなくなく狂人のように、ただ全身を波立たせながら、浩二の腰は蠢動を続ける。腰全体で、妻の股間をたたきつけるよう
に、激しく打ちすえる浩二の逞しい肉体の攻撃に、なよなよとしたきゃしゃな妻の躯は、いまにも壊れるように、激しく揺り動かされ、たえだえの呼吸を荒めな
がらも、なお浩二を奥深く誘い込もうとするように、迎え入れる姿勢を崩さない。

クーラーのない室内で、重なったふたりの上から水でも浴びせかけられたように、全身汗にまみれながら、壮絶な性交が続いていた。浩二が妻の躯に、強烈
な力を込めて自分の身体を叩きつける度に、濡れタオルをたたくような音が、静かな昼前のリビングに木霊し、下腹の股間のあたりからしぶきが散った。
惣太郎は、何時の間にか、ふたりと同じように、自分も、激しい性交をしているような興奮の坩堝に巻き込まれていた。

「少し休んで、汗を拭った方がいいな」
惣太郎が声を掛けた。
「いや………やめないで……」
吐息を吐くような、切実な実感を伴った声で妻が哀願した。その声に羞恥はない。昇り詰めようとしている快感を中断されたくない必死の叫びだった。
惣太郎の言葉に、律動を止めかけた浩二に、惣太郎は、あわててまた声をかけた。
「いいんだ。そのまま続けても……。汗は、俺が拭ってやるとしよう」

祖太郎が、バスタオルをもって立ち上がりかけた時、
「ここ狭いから、汗で身体が滑っておっこちそうだよ」
一旦律動を中止していた浩二が、誰にともなく言うと、ぐいと腰をぬいて、妻から離れた。陰茎が抜ける時、ずぼっ、と音がして、
「いや!」
妻が声をあげた。
浩二が敏捷な動作で立ち上がると、ぐったりと全身の力を抜いて弛緩した妻の裸体を、脇と尻の下に掌を入れて抱き上げようとした浩二が、
「滑って駄目だよ」
嬌笑を上げながら言った。
「ママ立ってよ」
浩二が言ったが、妻は返事もなく、弛緩した躰を横たえたまま荒い呼吸をしている。

浩二が、もう一度妻を抱き上げにかかった。
やっと抱き上げると、ソフアから、広い絨毯の上に移るつもりらしく、ゆっくりと妻を横抱きにしたまま歩いていった。ふたりが去ったソフアの上には、水を
流したような痕跡がついていた。

「あっ……いやー……」
妻の悲鳴に惣太郎が顔を上げると、丁度、部屋のまん中辺りまでやってきた浩二が、掌が滑ったらしく、妻の裸身の上半身が絨毯に落ち、片足だけが浩二
の手で持ち上げられていた。妻の股間が窓側に向かって大きく広げられていて、強烈な真夏の光に照らし出されていた。
妻の股間は、太股の付け根の辺りから、体液とも汗とも判別出来ないが、ぐっしょりと濡れそぼり、大陰唇が開いて、奥の摺曲した薄紅の粘膜がのぞきいて
いた。その妻の女陰は、ひどく淫猥で好色で貪欲な落魄した中年女のもののように惣太郎に映った。

こんな感じに妻の性器が見えたのははじめてである。こっそりと、叢の隅に羞恥を含んで咲いた野の花のように可憐だった妻が、何時の間に、そうなったの
だろうか。いま、強い光に隈なく照らし出された妻の性器は、たっぷりと露を含んで咲き切った薔薇野ように、淫蕩な妖気を漂わせている。執拗に虫を誘い
込もうとする虫食植物の奇怪な花にも似ていると思った。
そう思うと、濡れて全身をてらてらと光らせている妻の躰の線にも、かっての初々しい可憐な曲線が消えて、丸くふっくらとした肉感的な曲線が艶っぽい。 




花  濫 16
夢想原人 12/18(金) 10:25:22 No.20091218102522 削除
公認の情事




若やいだ鮮やかな山吹色の七分袖のワンピース姿の妻は、夫からはじめての女に出会ったように下からまじまじと見られて、妻は思わず顔を上気させて
いった。酒に酔ったように白い肌の底から、一度に血の色が広がり、夫に見つめられて、羞恥と困惑と恐れの表情を交互に現していた。

「今朝まで何処にいたんだ? この悪い女房は……」 惣太郎が妻に冗談とも本気ともとれように言ってから妻の手を捕って自分の上に引いた。
妻は軟体動物のような柔らかさと重さで、彼の胸の上に崩れ落ちてきた。崩れながら妻は、そうするのが当然のように、顔を夫の顔に寄せてきて、いきな
り唇を合わせた。
それは夫婦だけに通じる、容赦の願いであり、報告だった。

上から唇を押し付けている妻を抱き止めながら、惣太郎は妻の躯が、いつもより柔らかくなっているような気がした。片手をワンピースの裾に這わせて、
スカートの奥に手を入れた。つるつるとした化繊の下着の奥に隠された、小さなスキャンティーの上から豊満な妻の尻を愛撫した。

田宮や浩二が食卓に向かって待っているのだから、当然拒否すると思ったが、妻は小さく、あっ、と言ったまま、待っていたように一層躱を柔かくして惣
太郎の上に崩れ落ちた。思い切ってスキャンティーの端を掴むと、尻の方から一気に剥ぎとりはじめた。
太腿の中程まで剥いでから、掌を股間に進めた。臀の割れ目の辺りから、もうじっとりとした溢流が感じられ、さらに掌を差し込むと、そこはなま暖かい体
液が満ち溢れている。陰唇は、もう溶けてでもいるように柔らかくなっていて、惣太郎の指奥に誘い込むようにうごめいている。膣の内部は、ぬるりとした
体液が溜っていて、惣太郎の指を伝って流れ出た。

「すんだら、ちゃんときれいにしなければ駄目だよ。浩二君のは、さすがに若いね………、量も多いしねばっこいよ………。………浩二とどうだたんだ?…
…ちゃんと報告するはずだろう」
膣に挿入した指を、すこしいたずらっぽく動かして、惣太郎は妻の耳元でささやいた。

「あっ……。とても敏感になっているの………、もう感じちゃう………」
妻は惣太郎の上で身を揉みながら、もう目尻に皺をよせて、あえいだ。
「貴方と田宮さんに挟まれていたのは覚えているの…………」
「それは昨夜のことだろう?」
「ええ、それから一体どうなったのかしら。目が醒めて驚いたわ。だって、真裸で和室に寝ているでしょう………、それに………浩二さんがわたしの中にい
たのよ………」

惣太郎がワンピースを下から捲りあげようとするのを、自分で胸の釦を外し腕から脱ぎながら言った。
ワンピースの下から、いきなり豊かな胸が露わになってとびだした。下着を着ていると思ったのは、股の付け根くらいまでしかない短い、スカートのような下
着だった。
冴子は惣太郎の浴衣の胸を押し広げて、自分の乳房を押し付けながら甘えるような声を出した。

「あなたの策略だとすぐ判ったわ………。だからあたし…………」
冴子が惣太郎の股間に掌を伸ばして、まさぐりはじめた。
「どうして、俺が仕組んだと思ったんだ?」
「枕元の、あの水差しは、茶タンスの上の段から出したでしょう? あそこに水差しが入っているのを知っているのは貴方だけだし、それに、貴方以外の人が、
浩二さんの寝ているところに私を寝さす筈がありませんもの……」
「それでお前は、安心して浩二を頂いたわけか」
「違うわ! 前に言ったように、私が気が付いたらもう浩二さんが………」
「入っていたというのか」
「そうよ、びっくりして抵抗したのだけれど、浩二さんがすごい力で押さえつけて来るし、それに…………」

「……それに、どうしたというんだ」
「浩二さんがねえ………、あたしが自分で浩二さんの所にきたと思い込んでいるらしく、ママありがとう、ありがとうって、何度も言うのよ。まさか、主人が
こうしたのよともいえないでしょう?」
妻はまさぐっていたものが勃起したのを知って、上から自分の中に当然のように挿入して吐息をついた。惣太郎は妻の内部は、まだ浩二の放出した物が溢れて
いて滑らかだが、惣太郎を包んだ膣壁が、いつもより強く圧して来るのを感じていた。乱淫のために膣壁が腫れているに違いなかった。

「………それで、やったのか………。浩二はどうだった?………」
惣太郎は耐えきれなくなって腰を突き上げた。妻がうめき声を発した。
「なんといっても若いでしょう。ものすごいの……」
妻はそこまで言って、何を思い出したのか、
「いや!」
と叫ぶようにいうと、夫の胸に顔を埋めた。膣がきゅんと痙攣しているのは、よほどの刺激を受けたに違いないと惣太郎は思った。

「そんなによかたのか!」
惣太郎は、むらむらと沸き起こる嫉妬と被虐の陶酔に身を灼かれるような思いで、胸に打ち伏した妻の顔を両手に挟んで強引に上げると惣太は夢中で妻の唇を
むさぼっていた。
「うっ」
咽喉の奥で呻きながら接吻をうけると、やがてぐったりとまた胸に顔を埋めた。

惣太郎は上になった妻を、挿入したままゆっくりと横たえた。
松葉を二つ合わせたようなその体位は、惣太郎が疲れた時によく使う格好である。横になり片腕で頭を支えられるその体位は、男にとってとても楽である上、
仰向きになった女の全部を見ることが出来る。
妻の、いつもより濃い化粧の顔が朝の光を浴びて白く輝いていたが、化粧では隠しきれない荒淫の跡が痛ましくかがえる。
目の縁が黒ずんで下瞼にはっきりと隈をつくっていたし、頬にも形のいい額にも疲労の跡が見える。まだ二十代の若さで、これほどの疲労が浮かぶということは、
昨夜からの酒の暴飲と荒淫が、相当なものであったことを物語っていると惣太郎は思った。
惣太郎を見上げる目も、いつものきらきらした光が消えて、とろんと潤んでいて、白目にまだうっすらと充血の跡が残っている。先ほどまで透き通るように白か
った頬が、媾合にはいってからは真っ赤に上気し、とろんとした目が異常に潤んでいるのは、さきほどの浩二との情交の火照りが、再び蘇ってきているのだろう
か。

そう思うと、惣太郎の身内に嫉妬の混じった凶暴な血のたぎりと、健気にも、生まれて初めて三人の男に犯されながら、懸命にそれを受容してきた妻へのいいよ
うのないいとしさとで、惣太郎はいきなり妻の躯から一旦離れると、そのぼってりとした骨を抜かれたような女体に覆いかぶさった。

「何回したんだ?」
「わからないわ………」
「そんなにしたのか………。お前が目が醒めたのは何時頃だ?」
「三時くらいかしら」
「それから寝てないんだな?」
「浩二さんって若いでしょう、何度しても満足することってないみたい」
「その度にいったのか?」
「だってすごいんですもの………。何度も何度もいったわ……。最後は死ぬかと思うくらいいき続けたのよ」
「いま先もしていたじゃないか」
「あれは、一時間ばかり寝てからだったの……寝たというより、あたしが失神したのかも知れない。起きる前にちょとだけしたの………」
「あれがちょっとなら、相当すごかったんだな」
「見てたの?」
「いや、襖の外までおまえの声が響いていた」
「まさか!」

「本当だ。昨日の夜は、田宮と二回、俺ともしたし、一時前に浩二の部屋に行ってからも、田宮と浩二が変わる変わるしていたのは覚えていないのか?」
「そんなの嘘でしょ? 田宮さんと浩二さんの二人に同時にされたなんて……」
「嘘なもんか、嘘だと思うなら田宮に訊いて見ろ」
「あたし……浩二さんとしているところを田宮さんが見ていたというわけ?…………あたし………どうしましょう……もう田宮さんの前に顔を出せないわ」
 
「今朝はまだ田宮に会っていないのか?」
いいえ、いまも茶の間で一緒にお茶を飲んでいたの。……あたしが、昨日は酔ってしまって覚えていないけれども、あれからどうなったのって聞いたら、自分は
すぐ二階に上がってしまたから知らないって言ってたわ」
「せっかく彼がそう言うなら、そっとしといた方がいいよ。お前の事を考えて言ってくれているのだから」

惣太郎の腰の動きが激しくなるにつれて、妻の奥の方から強い男の体液の匂いが漂ってきた。
「ここに、まだ、浩二や田宮のものが入ったままなんだな?」
「………田宮さんのは知らないけど…………浩二さんのはそのままよ……だって、貴方との約束を守らなければ怒るでしょう?」
羞恥に顔を覆った掌の中で妻が言った。                 

性交の跡をそのままにして、一刻も速く惣太郎の所に来ると言うのは、惣太郎が妻に与えた義務だった。
「よし、見てやる」
「一度は拭ったんだけど………今日はいつもと違うの………きっと驚くから」

惣太郎は妻から抜き去ると、思い切り脚を開かせた。妻は拒否しなかった。しだいに現れた陰唇の周囲が赤く腫れていて、性交のすごさを物語っている。
「あのね、浩二さんは、そのままにされちゃうから、もうわたしもむちゃくちゃになってしまうの」
「そのままて、何がそのままなんだ?」
「だから入ったままで………ひとつ躰のままで、何回も何回もいくの。若い男の人ってそうなの?」
「誰でもってことはないけど、そういうのを抜か六っていって、精力の強い男のことを言うんだ。浩二はよょっぽどお前の躰がよかったんだな。あいつ、経験
があったみたいか?」

「わからないわ、夢中だったから」
やはり顔を隠したまま妻が答えた。
「よっからろう、若い男は強くて………」
「それどころではなかったわ。このまま死んでしまうのじゃないかと思うほど感じるんだもの……」
「でも何度もいったんだろう?」
「そんなつもりはないから、最初は拒否していたんだけど、そのうちいきなり痙攣がきて……それが続けざまなの、あたし狂ったかと思ったわ………浩二さん
って、いつまでも続くし、終わってもすぐまたしてくるんですもの」

「満足したか」
「浩二さん?」
「浩二もお前もだ」
「浩二さんとても満足したようよ。ああ、そうだ……こんな経験はじめてです。一生忘れません……って言ってたから……」
「田宮と浩二とどちらがいい」
妻はしばらく答えなかったが、いきなり顔を振って夫の目をのぞき込むようにすると、
「浩二さんよ! だって若くって清潔でしょう」
「浩二は後悔していないんだな」
「やっぱり浩二さんは若い今頃の人よ。一夜あたしと一緒に、なにかスポーツをしたみたいに、さばさばした感じで、パパのお許しが出れば、またお願いし
ますだって…………」
「………で、お前はなんていったんだ………」
「主人は、たぶん何もいわないと思うわ。だけど、秘密にすると叱られるっていっておいたの」
「そこまで言ってしまったのか」


公認の情事




惣太郎は、あまりにもあっけなく事が運んだのと、妻の素直というか無知というか、その素直さに、今は感謝したくなった。田宮も浩二も、結局は、冴子の
この素直さに好意を抱き、安心して妻を抱いたのだろう。
そうするとふたりは自分の立場を一体どう思っているのだろうかと、惣太郎はにわかな疑念に思わず息を止め、顔の血の気が失せていくのがわかるような衝撃
をうけた。
不能の男への憐憫と軽蔑とから、自分を無視した行為だったとしたら、それは惣太郎自身のプライドを著しく傷つけたこととなるばかりでなく、社会的地位まで
もおびやかす大きな問題である。

これは、二人を許せないとか、今後、二人との交際を断絶するという以前に、自分とりかえしのつかない大きな過ちを犯した事になる。
少なくとも田宮は、一般の妻たちが、潜在的に抱いている、夫以外の男に愛されたいという欲望を、背信の情事という歪んだかたちで処理することなく、夫の
諾と理解によって体験させているのだということは理解しているはずである。 

女はひとりでも多くの男に愛されることを望み、その男達から与えられる官能によって新しい女の命が与えられより美しくなる。
夫にとっても、ともすれば自分と同化して、言葉も生活も食べ物も自分と同じ癖がついた妻には、もう別の人格を認めるのも忘れてしまうか、自己嫌悪と同種の
嫌らしさを妻に感じてしまうのが通例である。夫婦は思い思いの魂胆を胸に畳んだまま、むなしく暮らして老いていく……。
自分がめざした怠惰な夫婦生活の打破の方策は、田宮の協力により、今のところ成功したと惣太郎は信じている。

妻の冴子は、田宮に愛されることによって、女としての熟爛を与えられ、素々とした可憐ないつまでも固い少女のようだったのが、羽化した蝶のように、身も心
も華麗変身した。それは、ただ妻を美しくしたばかりでなく、そうした妻に対する自分の気持ちまで変えてしまった。
今では、妻が田宮と交わる度に、妻が自分の知らない何かを田宮から吸い取って変わって行くさまや、自分と田宮の間の、恋仇のような心の葛藤など、一つ一
つが、今までの妻と違った、新しい女のような新鮮さで惣太郎には見える。

「自分も、アメリカに帰ったら、ぜひ先生と同じように、妻を外の男に与えて、いつまでも妻を新鮮な愛の対象としたいと思います」
田宮は、何度も惣太郎に、そう言い続けているのだから、まず心配はあるまい。問題は浩二の方だが、なんといっても浩二はまだ若い。
女の躱も、人生体験も少ない彼に、今の自分の気持ちを説明しても判るはずはない。
しかし、浩二には自分や田宮にはもう失われてしまった純粋さが残っている。

そうだ、その純粋さは、結局は、妻の冴子が持ち続けていた純粋さと同じものではないか。
これが若さというものに違いない。浩二と冴子は、年齢的にいっても同じ次元にある。
そうだとすれば、たとえ、自分を性的弱者と思っていても、彼の若さから見れば、五十代の自分は、もう老人であり、不能であっても少しも不思議ではない。
不能の夫を持った人妻との情事は、純情な彼にとって、冴子への同情とも、いたわりとも、また不能の夫の申し出よる協力とも、こちらの出方しだいで、どうに
でも理由を正当化させることが可能である。若さは、すべてに筋じ道だった理由の明確さを要求し、それが理解さえすれば満足する。
「さあ………二人がお腹をすかせて待ってるわ」
萎えたまま考えこんでいた惣太郎の態度を、やさしくいたわるように冴子が言って起き上がった。

冴子に続いてキッチンに入って行くと、大きな食卓に田宮と浩二が向かい合って腰掛けコーヒーを飲みながら話していたが、まず田宮が、
「おはようございます」
もうスーツに着替えた格好で、挨拶をした。一瞬合った瞳には、なにごとも異常のないという合図が隠されていたが、それは惣太郎以外にはわからない。田宮
の挨拶に惣太郎が入ってきたことを知って振り向いた浩二は、白のニットの薄いセーターに細いズボンという軽装で、ややおびえた表情で惣太郎の顔を見たが、
惣太郎が、
「よく眠れたかい」
にこやかに声を掛けると、緊張した表情が一度に安堵に緩み、微笑を返した。田宮の横の椅子に惣太郎は腰を降ろしてから、改めて二人の顔を見た。

田宮は、いつもとかわらない櫛目の通った髪を撫でつけた頭に後ろから朝日を浴びているので、その表情はよく見えないが、疲労の色は浮かんでいない。
正面の浩二は、田宮と対象的にまだ髪もといていない、乱れた髪のままで、不精髭がのびている。正面から朝日を浴びた顔は、張りのある艶ややかな肌に、薄
い脂を浮かべて、丸い大きな瞳が、熟睡から醒めたように、健康な光沢に輝いている。
先ほどまで、夜を徹して乱媾をほしいままにしてきた疲労や憔悴の後はみじんもない。惣太郎は、改めて浩二の若さに驚嘆した。

「先生は、今朝は講義ですか。私は、講義はないのですが、例の国際会議の主催社である日本新聞の最終スケジュール決定会議がありますので、このまま会場
の国際ホテルに参ります」
「ああ、君は実行委員だったね。日本ではじめての言語国際学会だから大変だろうが、君にとっても、世界の学者に接するいい機会だし、なにしろ君は英語が
堪能だから、主催国の中心人物になってもらわなければならない。
ぼくは今日も、千葉の大学の集中講義だ」
「たしかN大の農学部でしたね」
「ああ、最近農学部も拓殖学科なんかが出来て、海外に農場を持つ企業が多くなって生徒が賣れているらしいいのだが、なにしろ未開国が多くてね。
それで言語学なんかが必修科目になったのは、君も知っての通りだが、ぼくは、未開国に農地を開墾に行く青年に言語学など必要ないと思うんだが……
…」

「あら、むずかしいお話になってしまって……。浩二さん、あたしたちには興味ありませんから、ほかのお話をしましょう」
いつの間にか、パンやタサダを並べ終わった冴子が、浩二の横の自分の椅子に座りながら、華やかな声を立てた。
「浩二は、二、三日ゆっくりすりんだろう?」
惣太郎がパンにバターを塗りながら顔を見ずに言った。

「新しい会社には、来月から出社ですから、まだ二十日くらいありますが、それまでに下宿を決めたり、国にも一度帰ってこようと思いますが、送り返した荷物が、
明後日くらいに着きますので、それを受け取ってからにしたいと思ってます」
「下宿なんか探さなくていいじゃないか。ここから通えばいい。二階の六畳を君の部屋にしよう。冴子とよく相談して決めなさい。もっとも君が、どうしてもこの家
から通うのは厭だというのなら別だが………」
 
「あら、浩二さん、そうしなさいよ。それがいいわよ」
冴子が叫ぶように華やかな声を上げたのを聞いて、惣太郎は思わずバーターナイフを動かす手を止めた。
自分はどうして、いとも簡単に浩二の同居を許可してしまったのだろう。ほんとうにそれでいいのか。これでは浩二と冴子の情事を永久に公認したと同じではないか。
それほどの決心が自分にあったわけではないのに。

「浩二君、そうさせてもらったら……。一番それがいいと思うな僕も……」
田宮の言葉が、重大な判決を下す判事の言葉のように惣太郎には聞こえた。

もうひとつの人生 17
kyo 12/18(金) 00:01:47 No.20091218000147 削除
「およう受難記」という物語をそこまで夢中になって読み進んだ隆則は、まるで胃が締め付けられるような不安感を知覚した。

(これはいわゆる「モデル小説」ではないのか?)

 作者である椿の本業はもちろん画家であるため、この小説めいた代物の文章は概ね稚拙であることは否めない。しかしながらそれぞれの登場人物の感情の動きの描写は迫真性があり、まるで本人から聞き取ったのではないかと思わせるほどだった。

 それはこの小説の登場人物にモデルが存在すると考えると納得出来るのではないか。

 赤毛の女という設定から、おようは明らかに妻の仁美がモデルである。絵師見習いでその後は長崎奉行となった兵吾は作者の椿がモデルだろう。

(そうすると新吉は俺のことか)

 そこまで考えた隆則はあることに気づいて愕然とする。

(おようの娘のお蘭は千鶴ということになる。お蘭は新吉が娘として育てているが実は兵吾の娘だ)

 すると、千鶴は俺の子ではないということか?

(馬鹿な。そんなはずがない。これは椿の妄想に決まっている)

 隆則は思わず首を振り、物語を読み進める。

 おようの出奔から一年後、ようやく妻を失った痛手から回復したかに見えた新吉は正式に津島屋の養子となり、十兵衛の遠縁の娘であるおりんを後妻に迎え、ほどなく津島屋の跡目を継ぐことになる。

 新吉はそれまでの温和で快活な性格から一変し、無口で陰気な人間になってしまっていた。新吉とおりんの間には程なくして女の子が一人と、男の子が一人生まれる。津島屋にとってはお蘭と合わせて三人の孫が出来たことになるが、その一方で津島屋におけるお蘭の立場は微妙なものになった。

 新吉の二人の子供と津島屋の間にはほとんど血の繋がりはない。一方、お蘭はいうまでもなく津島屋の実の娘であるおようが産んだ子である。

 しかし、お蘭が津島屋の跡目を継ぐことはもともとあり得ない。何しろお蘭は不義の子であるばかりでなく、当時は出島の中でも差別の対象とされた混血児なのである。おようが出奔していなければ話は別だが、津島屋夫婦が後ろ盾になったとしても、お蘭の立場は今後良くなることはないのである。

 出奔するならいっそ、娘まで連れて行ってくれたら良かったのだ。長崎奉行の娘なら、混血児といえど良い目も見れるだろうにと奉公人までが陰で囁くようになったのは、お蘭が十二歳になった頃である。

 微妙な空気の変化を察知したお蘭は自らの居場所を守るために驚くべき手段に出た。いわば義理の父親というべき新吉を誘惑したのである。

 お蘭がこのような大胆な行為に及んだ理由は定かではない。おようの奔放な血を引いたせいなのか、父親として育ててくれた新吉をいつしか男として愛することになったのか。

 新吉にとっても髪の色を除いてはたった独りの愛した女、そして自分を裏切った憎い女であるおようそっくりのお蘭である。西洋人の血を引くお蘭は同年齢の娘に比べてはるかに早熟した肉体を有していた。乳房は十分膨らみ、尻は丸みを帯び、純粋な日本娘の十五、六歳の見かけに相当するほどであった。

 血が繋がっていないことが新吉についに禁忌を踏み越えさせた。新吉は若鮎のようなお蘭の肉体に溺れた。

 ここから「およう受難記」は、延々と新吉とお蘭の疑似的な「近親相姦」の描写が続く。隆則にとってはある意味で胸が悪くなるような叙述だが、あまりの迫力にページを繰る手を止めることが出来なかったのだ。

もうひとつの人生 16
kyo 12/18(金) 00:00:57 No.20091218000057 削除
 おようの出奔は津島屋の平穏な日常を根本から揺るがすものだった。

 原因はお蘭の父親である沢井兵吾が長崎奉行となって赴任してきたことにある。沢井家を継いだ兵吾は、絵師の修行のために長崎に在住したことで同地の事情に通じているだけでなく、清国人とも簡単な会話なら出来ることなどが弱冠二十七歳で異例の抜擢となったのである。

 沢井家を継ぐ際に長兄の未亡人であるで里美を妻に迎え、同じく息子を養子とした兵吾だったが、初恋の相手ともいうべきおようのことを忘れていなかった。兵吾は長崎に赴任早々おように連絡をつけ、文字どおり攫っていったのだ。

 あまりのことに新吉のみならず、津島屋夫婦も呆然とする。津島屋夫婦と新吉にとってさらに衝撃的だったことはおようがこの五年間、兵吾と定期的に文を交わし合っていたことである。新吉も津島屋もおようの別の顔にまったく気づいていなかったのである。

 十兵衛の怒りとお滝の意気消沈ぶりは傍目にも気の毒なほどであった。

 おようは疵物とはいえ腐っても鯛とのたとえがあるように、長崎は出島を代表する貿易商である津島屋の家付き娘である。おようを新吉に嫁がせた後も、十兵衛は新吉に対してそれまでの使用人に接する態度をまったく崩さなかったほどである。

 新吉としては自らの妻とは言え、十兵衛の前ではおように対して今までどおり、主人の娘に対する奉公人という態度をとらなければならない。そういった日常は結果として新吉の奮起を促すこととなり、津島屋の後継者対策にとっては吉と出た。おようが出奔する直前には津島屋は新吉なしには回らなくなっていたほどである。

 新吉自身もまた、おようを嫁にした当時と比べると商売人としての成長は著しく、また津島屋にとっての自分の価値を正確に見定めることが出来るようになっていたのである。

 十兵衛は豪放磊落な性格の反面、極めて小心なところもある。娘として育てて来たおようが裏切りに打ちのめされた十兵衛は新吉にあわせる顔がなかったのである。

 新吉の奮起のもう一つの動機は、おように対する憧憬に近い愛情である。思いがけず妻にすることが出来た主家の娘にたいし、新吉は献身的な愛情を注ぎ、そして自分と血の繋がりもないお蘭をわが子同然に慈しんで来たのである。

 しかしおようはそんな新吉の一途な思いを裏切ったのだ。妻として暮らしたはずのおようの心は、このt年の間まったく自分のところにはなかったのである。「およう受難記」のこのくだりの新吉の絶望と怒りの描写は実に生々しい。

 新吉は言わば寝とられ男であり、この時代の「女敵討ち」の風習から言えば仮に新吉が武士であったら、おようと兵吾を並べて斬り殺す権利すらあるのだ。

 そうでなくても、兵吾が旗本の息子とは言え絵師見習いの三男坊だったならともかく、三千石の当主でありなおかつ長崎奉行ともなると出島有数の豪商である津島屋といえどもさすがに歯が立たない。苦情を持ち込むことが精々であったが、知らぬ存ぜぬと白を切られるだけであった。

 おようの出奔に対して新吉がどれほど悲嘆に暮れ、また怒りを露わにしても、十兵衛とお滝としてはかつての使用人に対してひたすら恐縮するしかなかったのである。

 この事件がきっかけで、ずっと新吉を使用人扱いしていた十兵衛と、それに対して内心では反発していた新吉の立場は徐々に逆転することになった。これにはそれまで緩衝材になっていたお滝が、娘の不貞行為に責任を感じてすっかり憔悴してしまったことも原因となっていた。

もうひとつの人生 15
kyo 12/18(金) 00:00:08 No.20091218000008 削除
 おように未練たっぷりの兵吾だったが、赤毛の娘を二千石の旗本の妻に出来ると考えるほど世間知らずでもないしその度量もない。若い二人が泣きの涙で別れてからしばらく経ってから、おようの母親のお滝は娘が身籠もっていることに気づく。

 お滝は目の前が暗くなったような思いになる。母娘ともども津島屋の世話になっておきながら、それを裏切る結果となったことに憤慨したばかりでなく、もともとは武家の出だという矜持が娘のふしだらな行為を許すことが出来なかったのである。

 お滝はおようを激しく責め立て、腹の中の子供の父親が兵吾がであることを白状させる。

 お滝はおようの腹の子を堕胎させようとするが、母娘の異様な雰囲気に事態を察した十兵衛がそれを止める。もともとはおよう自身が望まれない娘であったところを、自分たちが育てて来たではないか。その時のおように難の罪もなかったように、産まれてくる子供にも罪はないはずだというのである。

 医師の診断も、おようはすでに中絶するには困難な段階に達しているとのことだった。お滝は悩んだ末、たった一人の愛娘を生命の危険に晒すよりは生ませることを選択したのである。

 おようは無事に、母親似の透き通るような白い肌の娘を産んだ。母親との違いは髪が赤くなく、濡れるような黒髪だったことである。娘は十兵衛によっておようの父の母国である「オランダ」にちなんで「蘭」と名付けられる。

 当時としては忌み嫌われる混血、そして私生児というハンデをもっているお蘭だったが、生まれてしまえばしまえば母親似の愛らしさに混血児特有の白い肌は、人の心を引き付けない訳がない。ましてその出生の不幸についてはお蘭自身には責任はないのである。津島屋夫婦は不憫さのゆえに孫のお蘭を溺愛するようになった。

 一方、愛しい兵吾と別れたおようの孤独は深まる一方である。しばらくしておようは十兵衛の指示により津島屋の手代である新吉を婿に取ることとなった。おようが十六歳、新吉が五つ上の二十一歳の時である。丁稚のころから津島屋に奉公している新吉は、おようが赤ん坊の頃に子守をしていたこともあるほどである。

 新吉は確かに仕事熱心で将来有望な奉公人だったが、それはせいぜい長年まじめに勤め上げたあげく、中年を過ぎたころに暖簾分けを許される程度の有望さであり、津島屋の店格からみると本来なら婿になれるような立場ではなかった。

 要するに新吉は混血児であり、かつ「疵物」になったおようと、その娘であるお蘭を娘として引き受けることと引き換えに、津島屋の後継者の地位を手に入れたことになる。津島屋にとってこれはおようのためでもあり、孫のお蘭の将来を案じた故の配慮でもあった。

 その後おようとお蘭は一見平穏でな幸福な生活を送ったといえる。婿の新吉が津島屋の期待どおり、もともと惚れ抜いていたおようと、血は繋がっていないものの髪の色の他はおようにそっくりのお蘭を津島屋夫婦とともに世間の偏見から身体を張って守ったからである。

 五年ほどは平和な生活が続いた。新吉は懸命に仕事に励んだこともあり津島屋の一番番頭の役割を立派にこなすようになる。おようも人妻らしい色気と風格が滲み出てきており、お蘭もまた周囲の偏見にも負けず、明るく可愛らしい娘に育っていた。

 ここまで来れば安心である。新吉とおよう夫婦に店を任せ、自分たちはのんびり隠居生活を送ろうと十兵衛とお滝の津島屋夫婦が考えたその頃、再び一家を暴風が襲う。おようが突然出奔したのである。

もうひとつの人生 14
kyo 12/17(木) 23:58:55 No.20091217235855 削除
 他の五枚も同じような組み合わせだった。仁美そっくりの赤毛の女が様々な姿態をとらされ、そして犯される――その異様な迫力は、まるで仁美自身が隆則の目の前でそういった行為を演じているように見えた。

 どうにか最初の衝撃から立ち直った隆則は、解説本のほかに薄い文庫本の体裁をした小冊子が添付されていることに気づく。それには「椿圭吾作 およう受難記」という表題が付され、小説めいた文章が載せられていた。

 要するに椿が、仁美あるいは仁美に似た女をモデルとして使った一連の作品はある物語――おようという女の半生を描いたものだということらしい。

 この『およう受難記』という物語を簡単に紹介すると以下の通りである。

 物語は江戸時代も終わりに近い1837年(天保8年)に始まる。

 長崎の出島に店を構える津島屋の一人娘のおようは、はっきりした目鼻立ちと燃えるような赤毛という特徴的な風貌をしていた。

 これには理由があり、おようの母親であるお滝はいわゆる「らしゃめん(洋妾)」、つまり出島にやって来るオランダの商人を客に取る娼婦だったのである。

 お滝はもともと武家の出、長崎奉行所で勘定方を勤める沢井源左衛門の娘だったのだが、ある日源左衛門が上司の不正の責任を押し付けられたあげく、腹を切らされたことからその運命は激変した。

 源左衛門の死により気力を喪失した母親は病のとこに伏し、お滝は生きていくために、そして母親の薬代を稼ぐために娼婦に身を落とすほかなかったのである。

 普通の娼婦が忌み嫌う外国人の客を毎日のようにとらされてお滝はいつしか身ごもった。堕胎が間に合わなくなるまで働かされていたお滝を救ったのは、生前の源左衛門と親交のあった津島屋十兵衛である。

 十兵衛は清やオランダの物産を扱う、出島でも五本の指に入る豪商だったが、その名が由来を示すように元々は津島海峡を拠点に活動していた水軍の出である。先祖伝来の侠気がお滝の悲運を見逃すことができなかったのである。

 お滝は病床の母親と共に津島屋に引き取られた。しばらくしてお滝はおようを産み、お滝の母親はまるでそれと入れ替わるように、赤毛の赤子、おようの元気な泣き声を聞きながら息を引き取った。

 妻を早く亡くしていた十兵衛が、お滝を後妻にしたのはそれから間もなくのことである。十兵衛と血の繋がらないおようも、十兵衛の養女として届けられた。

 津島屋の庇護の下で大切に育てられたおようだったが、この国では変わった見かけの人間は例外なく差別の対象となる。津島屋の威光もあっておようのことを表立って悪く言うものは滅多にいなかったが、およう自身は他の子供たちとの外見上の差にかなりの屈託と孤独を感じていたらしい。

 そんなおようが十四歳になった時、恋に落ちることになる。相手は沢井兵吾という二十歳の若者である。

 兵吾は元々は長崎奉行も務めたこともある二千石の旗本、沢井壱岐守の三男坊であったが、生来絵の才能に秀でていたため、長崎には蘭画の修行をするためにやって来ていたのである。

 早熟な兵吾はそこで知ったヨーロッパの印象派の技法を浮世絵に取り入れ、独特のエキゾチックな画法を編み出すことに何とか成功していた。兵吾の絵は芸術性はともかく、出島にやってくるオランダ人が土産にしたがるわかりやすさがあり、なんとか食って行くには十分なほどの報酬を得ることができたのである。

 異国の絵を見慣れた兵吾は、肌が浅黒く身体もずんぐりした日本の娘は物足りない。そんな兵吾にとっては透き通るような白い肌と文字どおり日本人離れしたをしたプロポーションのおようは極めて魅力的に見えたらしい。差別の対象となる燃えるような赤毛も兵吾にとっては情熱の印に映ったのである。

 おようにとってもは初めて自分のことを偏見でをもって見ない相手と巡り合ったと言える。兵吾とおようの間に芽生えた恋はみるみるうちに育ち、あっと言う間に燃え上がる。

 人目を忍ぶ短いが激しい恋愛の後、ある日突然に兵吾に帰国の時がやってくる。江戸を大火が襲い、消火の指揮にあたっていた長兄が焼死したのである。次兄は既に他家の養子に出ており、長兄の息子はいまだ幼く家を継ぐことは出来ない。そこで兵吾が家を継がざるを得なくなったのである。

花  濫 15
夢想原人 12/15(火) 11:08:43 No.20091215110843 削除
公認の情事



夜中に何度夢を見ただろう。すべて妻の夢だった。
広い座敷に田宮と浩二の他にも何人かの男が裸で向こうを向いて座っている。その前には妻が全裸で一段高いところに両足を開いて後ろ手を突
きにこやかに笑っている。
男達の視線が妻の性器に集中している。田宮と浩二以外の男は五人ぐらいで、いずれもボディービルダーのように逞しい筋肉隆々とした躰だ。
妻の性器からは、陰液が流れ出している。一人の青年が、たまりりかねたように妻に近寄り、太い腕で妻の足を掴むと、思いきり押し広げて、惣太郎
の腕ほどもある巨大な陰茎を妻の性器に押し付けた。ああ、妻の性器が破れてしまう、と惣太郎が思わず止めさせようと大声を出そうとしたが、どうした
こと声も出ないし動くこともできない。

どうしようと思った瞬間、その青年が腰を絞って、巨大な陰茎を妻に押し付けた。すると妻の性器は、いともたやすくその巨大な陰茎を呑込んでいる
ではないか。別の青年が妻に走りより、顎を上げて矯声を放っている妻の口にいきり立った巨大な陰茎を押し込んだ。
残った男達が二人の男に貫かれて悶えている妻の真っ白い裸身に詰寄り 、乳房や腹や肩など妻の躰のあらゆる部分に唇や陰茎を押し付けた。
いきにえに群がる野獣のような男達の逞しい裸身に覆われた妻が放つ叫び声に、惣太郎が何か叫ぼうとして眼が醒めた。              

六時前だった。隣の妻のベットは昨夜のまま冷たくベットカバーが掛けられたままだった。ついに昨夜妻は寝室には帰ってこなかったのだ。白々し
い朝の光の中で、皺一つなくかけられたベットカバーのままの妻のベットを眺めながら、惣太郎は、心の中まで何か冷え冷えしてくるのを覚えていた。

妻はまだ浩二と隣の和室に寝ているのだろうか。いつもなら妻はもう起きている筈である。普通なら朝飯の準備をしていて台所から、包丁のまな板
を叩く音や、食器の触れる音が聞こえて来る時間であるが、今朝はことりとも音がしない。惣
太郎はゆっくりと起き上がると、ドアを音を立てないように開いた。
隣の和室の襖はぴたりと閉ざされている。二人はまだ昨夜の悪魔の性宴に疲れはてて眠っているのだろうか。

そう思った時、部屋の中で人の蠢くような気配を感じて惣太郎は思わず息を詰めた。明瞭ではないが、爽快な朝の静寂とは無縁の陰湿なねばっこい
ざわめきのようなものが、かすかに肌に直接伝わって来る。部屋に近づくにしたがって、襖の向こうでは、すでに二人は起きていて、無言のままなにか
激しく争っているようすが、直接耳に聴こえて来る。              

惣太郎は、思い切って二枚襖の閉じたれた合わせ目に耳を付けてみた。映画館の扉を押して入り込むと、暗い室内に突如、いま自分がを置いてい
た現実とは全く違う世界が熱っぽく進行しているように、実態は判らないが、激しくもつれ合う熱気が伝わってきた。
それはあきらかに男と女の睦み合の息づかいや肉のきしみであった。                             

昨夜といっても今朝の二時過ぎまで、あれほど酔いあれほど激しい性交を繰り返していたのに、もう若い二人は再び交わりをはじめているのだ。
浩二はともかくとして、妻は昨夜三人の男に翻弄され、合計すれば十回におよぶ性交をしているというのに。
惣太郎は若さというものの恐ろしいまでの強健さに改めて、いいようのない嫉妬を感じていた。

妻の猫の首をしめたような声がくぐもって聴え、それにつづいて浩二の呻きとも言葉とも判じにくい声が、きれぎれに聴こえてきた。
何か判らなかった妻の発する単語が繰り返し叫ばれている内に、惣太郎にもその言葉は媾合の最後にささやかれる睦言の男への訴えかける種類
のものであることがわかってきた。その妻の声は次第に高くなり、やがてそれはうわ言のようになった。                               

浩二の低い喘ぎ声と妻の嬌声との絡み合いが、激しい息遣いと一緒に高くなったり低くなったり、途切れたり、時には長く続いたりして、いつまでもと
めどなく続くのを襖の外で聴きながら、惣太郎は、まるで自分が限りない力で妻を攻めているような心の高揚をしだいに覚えていた。
襖を注意して見ると、家が旧いためか、柱と襖の間がわずかに開いている。上の方はぴたりと締まっているが、柱の傾きで下の方は二センチばかり
開いていて、もし惣太郎がその気になれば、伏せてそこに眼を押し当てれば、部屋の中が見えるに違いない。

そんな衝動に駆られるを押さえて、惣太郎は廊下に立ったまま襖にじっと耳を寄せていた。思い切って襖を開けたら中の二人は一体どうするだろうか。
妻の冴子は、昨夜の事を少しでも覚えていれば、それほどの動揺はないかも知れないが、浩二にとっては大変な衝撃であるに違いない。何も今浩二を
驚かせることはない。そのうち自然に自分が黙認していることを知らせ、やがて田宮と同じように、何かの機会に、妻を共有するように仕向ければいいの
だ。      

妻の声がしだいに辺りはばからぬ大きさになって、ついには叫びに変わってきた。どうやら二人は最後の断末魔に行き着こうとしているらしい。
浩二の低い呻き声も聴こえた。妻が最後を迎えて発する普段聴き慣れた嬌声とは違って、尋常ではないいまにも狂ってしまうのではないかと思えるよう
な、腹の底から絞り出す息たえだえの叫び声に、惣太郎は襖の外でおろおろするばかりだった。   
一体妻は今どんな格好にされ、どんな表情で浩二を受け入れているのだろうか。

襖の外の惣太郎がいたたまれない焦燥に駆られていると、断末魔を迎えたとばかり思っていたの、つぎの瞬間には又しんと部屋の中は静まって、心な
しか 険しい息ずかいの絡み合いと、襖や障子や畳の軋めきだけになる。やがて、最後の断末魔が終わったらしく、例の凄愴な情景を思わせる一際高い
呻き声や喘ぎのあと、だんだんと気配が静まって、その後、ひっそりした時間が過ぎていった。

その間、頬擦りや接吻や抱擁の執拗な愛撫や、いたわり合が長々と続いているらしい。 
中の二人が立ち上がる気配に惣太郎は慌てて自分の寝室に逃げ込んだ。いたずらっ子のかくれんぼうのように、寝室に逃げ込むと惣太郎はドアを細く
開けて外の様子を覗き見ていた。
かなりしばらくして、襖が開いて妻だけが出て来た。長い髪が顔にかかって乱れたまま、ちらと惣太郎のいる寝室の方を見てから洗面所へ入って行った。
瞬間だが妻の顔は、いつもより青ざめていて眼だけが泣いたように潤んでいのを見た。

惣太郎はもう一度ベットに入って靜かに眼を閉じた。自分が性交を終えたような疲労感があった。
一体妻はこの時間までこの寝室に帰ってこないような思い切ったことをどうして実行してしまったのだろうか。自分がもう起きていることは充分承知してい
るはずである。                      

昨夜の妻は、自分と田宮の強引な術策の罠に落ち入り、意識不明の酔いの中で、赤裸々な本能のおもむくままに、三人の男と交わったわけで、それ
は妻の所業というわけにはいかない。もし誰かに昨夜のただれた性宴を責められるとすれば、それは自分であって、妻はあわれな犠牲者ということに
なる。裁判でも、酒に酔ったり意識不明で犯した犯罪は、本人の意志ではないので裁くことは出来ない。
昨夜の妻は、酒の酔いに羞恥と理性のベールを取り去られて、本能のおもむくままに、悦楽の深淵を味わったわけだが、たとえそれが妻が潜在的に
望んでいた行為だったとしても、責めることはできない。               

浩二にしても、あれほど酔いしれながら、必死に最後の理性に耐えていたのを、馬の鼻先に人参をぶら下げるように、妻を与えたのも自分であるから、
浩二を責めることはできない。
むしろ健康な若い男としては当然の行為と言わざるを得ない。自分に荷担した田宮はどうだろう。たしかに惣太郎一人では、昨夜の悪魔じみた謀略
を実行することは出来なかっただろう。田宮が惣太郎を唆したことは事実であるから、田宮は共犯者ということになる。              

しかし、どんなに田宮が自分を教唆したとしても、自分がそれを拒否すればこんな事態に陥ることはなかったはずだ。
第一、田宮が悪魔の狂宴に荷担したのは、あきらかに自分の願望を実現するために、協力したに過ぎない。田宮の心中は、案外昨夜の行為に嫌悪の
情を抱いていたかも知れない。先輩の美しい妻と、たとえ承諾の中とうあいえ、情交の関係にあるという負目が、やむなく自分の願望に荷担せざるを得な
かったというのが真実だったとも考えられる。        

やはり終局的には、昨夜の悪魔は自分自身であったことを惣太郎は、肯定せざるを得ないと思った。                          
それにしても今朝の妻の行為はどう解釈したらいいのだろう。       
昨夜から一睡もすることなく浩二との情交が続いていて、朝になっていることに気付かなかったということが一番に考えられる。だが、それにしては、さ
さきほど垣間見た妻の凄艶な顔には、おびえや恐れの表情はみじんもなく、朝日を受けて洗面所に向かって歩いている妻の表情には、新婚の初夜の翌
朝のように、男によって与えられた肉体の変調に、かすかに羞恥と悦びの入り交じった微笑さえ浮かんでいた。               
惣太郎は、いつもの物静かなつつましい妻を、遠い過去の女を思い返すような気持ちで思い浮かべていた。
妻は夫のいる家で、夫を無視して朝から若い男と狂うような放埓な女ではなかった筈だ。



公認の情事

 二

浩二の若い身体にどんなに魅了されたとしても、それで狂ってしまい、家庭も自分の立場も放棄してしまうほどの思慮分別のない女でもない。        
自分がいつか田宮との事がはじまった時、悩んでいる妻に、お前が若い男と交わることで、より一層女らしく美しくなることが、自分にとっても限りない悦
びなのだ、と教えた通り、今度も浩二と交わることが、自分を愛している証拠のように信じ切っているのであろうか。
田舎育ちの純真無垢の妻は、自分の示唆したことを素直に信じて、その後は、田宮との情事も、あたかも、それがあたりまえのように、わびれることなく
続けてけている。                  

「今日の田宮さん、とてもいやなのよ………。真昼間だというのに、窓のカーテンを明け放って、お日様の照っているところへ私を連れてって思い切
り開い見るの………。あたしもうはずかしくって身の置き場もなかったわ」    
田宮との情事の後は、どんな微細なことでも漏らさずに報告するように仕向けるまでには、羞恥に顔を染めるだけの妻に、根堀り歯堀り質問攻めを、
ひつっこく繰り返さなければならなかったが、最近では、妻の告白を訊くことで異常に興奮し、今までとは違って、まるで青年のような猛々しさで、その場
に妻を押し倒してしまう自分の行動を期待して、自ら詳細な報告をするようになった。

それでも言葉であらわせないような、淫らなことを告白しかけて、言葉につまり、全身に羞恥を浮かべながら、自分の胸に顔を埋める妻が、なんともいじ
らしく、夢中で抱き締めている内に、そのまま媾交に移るのが最近の夫婦の習慣になっている。 

田宮とのことは、それでいいのだが、浩二とのことについては、たしかに内心、浩二のあの若々しい獣のような肉体を妻に与えたら、どんなに妻が悶
え狂うだろうかと、あられもない想像をこらえきれずに、昨夜の行動を実行したわけだが、妻には、まだ、一言も浩二との情交の許可を与えてはいない。        
妻が、浩二と交わることを夫が喜ぶと信じて、自発的に実行したとしても、自分の許可もなく、妻が平気で他の男と情を交わすということは、実に重大な
事態だと、惣太郎はベットの上で、天井から下がっている堤燈を模した照明器具を睨みながら考えていた。                   

むかし、遊廓に賣られてきた娘を、一人前の娼婦に育てる第一歩は、まず、男に対する羞恥を取り除くことだと、本で読んだ事がある。
そのためには、毎日毎日違う男と情交させて貞操観念を払拭し、男と交わることが、日常の生活行動として当り前のようにしつけることらしい。
それでも馴染まない女は、娼館の中では、真昼間も着衣一つ着せず全裸のまま過ごさせ、同じ娼婦の先輩に卑猥な言動を浴びさせ、時には、大勢の
面前で不特定の男に犯させる。こんな生活をしばらく続けさせると、たいていの女は、性に対する羞恥とか貞操観念を失ってしまうという。
もともと性に無知で無垢の妻が、もし、他の男と寝ることで、自分の夫が悦ぶということを、どこの家庭でも、秘密裏に実行していると信じてしまっている
としたら、今後がそら恐ろしくなってくる。              

惣太郎は、自分の妻の冴子が、そこまで初心で無垢だとは思わない。そうだとすれば、妻は、自分の異常な性癖を、巧みに利用し、普通の人妻で
は思いもよらない悦楽を、堂々と臆面もなく実行している悪女の典型ということになる。  
しかし、鄙びた田舎で、父と二人だけの静謐な生活を送り、結婚して東京に来てからも、自分と二人だけの家に閉じ篭り気味で、滅多に外出もせず、
ましてや他の男との密会など考えもできない自分の妻が、それほどの悪女に変身することは、どんなことがあっても考えられない。

この疑念を、惣太郎はすぐに打ち消したつもりだったが、心の隅に何か小さな引っかかりが残った。         
それは妻の冴子が、潜在的に好色な性癖を持っていたのではないかということだった。娘時代の彼女の生活は、あまりにも静謐で清潔であったため、
彼女の胎内にあった好色の種は休眠状態にあった。

結婚してからもそれは変わらなかった。しかし、昨年の冬、田宮というまだ若い精力的な男との交わりによって触発された眠っていた淫逸な種は、時
期到来とばかりに芽生えはじめた。
二八歳という女として熟爛期の肉体は、ひとたび萌えはじめると、とどまるところを知らない。
幸いなことに、夫の理解というまたとない恵まれた土壌も、淫逸の芽の発芽や成長を促進された。今の妻は、昨年までの彼女とは異なった淫逸な女
に変身してしまったのではなかろうか。                         
 
病苦に苦しむ患者に内緒で医師が麻薬を注射して、いつのまにか患者は恐ろしい麻薬中毒に陥っているのに、それを知らぬ患者は、麻薬を注射さ
れる度に健康が快復していると信じて悦びに震えているのと同じよいに、妻もまた自分が淫蕩の泥沼に落ち込んだとも知らずに、この世こにんな悦楽
の花園があったのを発見して、歓喜に打ち震えているのではあるまいか。
もしそうだとすると、一体どうしたらいいのだろうか。

一旦知った悦楽の果実はイブのようにもう生涯忘れることは出来ない。田宮も浩二も、この家に出入り禁止にしたとしても、昔通りの静謐で清潔な生
活を妻と一緒に送ることが可能だとは思えない。
自分はもはやこの歳になって、清冽な流れを友として生きることは簡単であるけれども、やっと女としての成熟期を迎えた妻がはじめて知った官能の
逸楽の甘味は、そう簡単に忘れ去ることは出来まい。                         

また、自分としても、この異常とも思える行為に踏み切ってみて、他の男に犯される妻が、まるで初めて知った女のように新鮮に見えてきた。
田宮に突き通されて悶える妻は、さらに惣太郎の見たことのない妖艶な魅力を秘めていて、これが自分の見慣れた妻かと疑うほどだった。
また、妻を責め続ける田宮の鋼鉄のような筋肉のたわみや、妻を貫く憤怒の形相で屹立した逞しい男根の躍動に、田宮は自分の身代りのような錯覚
を覚えて、あたかも自分に再び壮絶な力が与えらえられ、思いきり妻をさいなんでいるような悦楽を感じるのだった。

さらに、妻が他の男との媾交に喜悦の悦びを上げのたうつ姿を見て、青年のような欲情に身を灼き、その直後、まだ情交の余韻を充分に残した妻の
汗と体液に濡れた熱い肢体を抱き、男の残留物がまだふつふつと溢れ出ている妻の体内をまさぐって、思わぬ嫉妬と被虐の激情に駆られながら交わ
る快感は、禁断の木ノ実をむさぼり食うような、この世のものとも思えない悦楽である。              

惣太郎自身、妻と同じに重症の中毒患者になっていることも否めない。自分自身が、もうこのはじめて知った悦楽を手離す気がないのを惣太郎は知っ
た。そうである以上は、いかにして、このタイトロープを渡るような危険な遊戯を、怪我や障害もなく遂行するかが問題なのだ。
どんな危険なサーカスも、細心の注意と決断と勇敢な実行力さえあればどうということはない。
すでに手綱は放たれたのだ。後は、どううまく怪我なく進めて行くかである。            

ここまで考えて、惣太郎は、全身に満ち溢れるような力のみなぎって来るのを感じた。この世に、これほど刺激的で悦楽に満ちた遊戯はあるまい。
ふとした偶然からそれを知ったからには、徹底的に地獄の底まで見てやろう。
こんな異常な生活を体験する夫婦もそうざらにはあるまい。こんな背徳の果てに一体どんな結果が待ちかまえているかは知らないが、毒くわば皿まで
である。決して自暴自棄になったわけではないが、これほどの悦楽を味わった後には、それに相応の因果が待っているような気もする。
  
しかし、いま、それを案じてもはじまらない。案外、人並以上の体験をしただけに、もっと卓越した人生が広がるかも知れないではないか。                               
そうすると、先ず、浩二と妻を、どのようにして公認のかたちにもっていくかである。
田宮の場合と違って、まだ純真な浩二に、いきなり真相を打ち明けるのは危険である。彼には田宮のような如才はない。
浩二がロンドンに行く前に、何かの話から不倫の事が話題になり、自分は妻の冴子を他の男に与えてもいいようなことを話したことがある。
その時、浩二がみせた不愉快な表情を惣太郎は今も忘れない。

当分の間、浩二と妻の不倫を許しておいていいのか判断出来ないでいる。
自分が参加しなければただ妻の浮気を容認するのと変わりないことになる。            
浩二に気付かれずにそれを実行するには、妻にすべてを報告させるか盗み見しかない。
要するに妻の心と躰を媒介として惣太郎が参加することになるのだ。

このためには妻を充分説得しておかなければならない。妻が田宮と同じ考えで浩二と接しているならそれも問題ないが、年齢も近いことだし、
万一、浩二の純粋さに妻が同調するような事があれば、問題は複雑になって来る。一度、妻とゆっくり話し合う機会をつくらなければ…………。
そう思いながら惣太郎はいつの間にかまどろんでいた。

「あなた遅くなってすみません。ご飯の用意が出来ました」        
いつもより若々しい妻の機嫌のよい声と顔が、目覚めた惣太郎のすぐ上で微笑むえんでいた。                           
妻の白い顔は寝不足と疲労のせいだろう、顔の肌を青白く透きとおらせ、目の下にややたるんだ袋が出来ているが、丸い目がぬれぬれと
輝いて、快楽の余韻が隠しようもなく滲みでている。
髪は急いで整えたのだろうが、どこかいつもはない崩れが凄艶に感じられるし、気のせいか、前髪の額にかかったあたりに、性愛の名残のよう
な体液の生臭い匂いが溜っているようだ。
見おろす妻の瞳が、今、水から掬いあげられた黒曜石のように、濡れ濡れと輝いていた。       

(こんな駄作をながながと書いていいのでしょうか。)

隣-1
ど素人 12/13(日) 01:42:11 No.20091213014211 削除

4LDKの一戸建の前に一台のワンボックスカーが無造作に
置かれている。

午後8時。
夕食を食べ終えビールを片手にリビングへ・・・

妻の由紀はキッチンで洗物の真っ最中。
チラッと横目に見ながらソファーへ腰を降ろす。

自慢の大型液晶テレビの前でバラエティー番組を眺める。
特に笑うわけでもなくぼんやり眺めている。

やがて洗物を終えた由紀がビールを持ってリビングに来た。
ソファーを背もたれの様にしてカーペットの上に座り込む。
いつもの場所・・・

クスクスと笑いながらテレビを見ている。
愛しさを込めて由紀の後ろ髪をチョンッと引っ張る・・・

もう!

怒っているのではない。
甘えている。
私もクスクス笑う。
由紀もクスクス笑う。
私のビールが空になりキッチンに次のビールを取りに行く。
冷蔵庫を開けるとヒヤッとした冷気が私を迎えた・・・

同時に足元にもひんやりとした空気を感じる。
廊下からか・・・気になり戸締りを確認しに玄関へ。
鍵は閉まっている。OK
念のため玄関横の小窓も・・・少し開いている。
換気のためか閉め忘れたのだろう。
鍵を掛けリビングに戻る。
相変わらずテレビを見ながら笑っている。

結婚して5年目。
由紀は子供を産んでないせいかスタイルは崩れていない。
取り立てて美人ではないが人並みよりやや上・・・
と私は思っている。

シャープな顎のラインと小さめの口・目は大きくはないが
やや気の強そうな切れ長・鼻は高い。
身長は160cm42kgの自慢のEカップ・・・自称

かなり着やせするのでよく周りから細いね〜
痩せすぎなどと言われるらしが、以外にムチッとしている。
このムチムチ感を知っているのは私と過去に由紀を抱いた
男達だけだろう。




花 濫 14
夢想原人 12/12(土) 14:58:51 No.20091212145851 削除
悪魔の宴



惣太郎が廊下に出てみると、二人は恋人同志のように互い抱き合って、隣の和室の襖を開けるところだった。浩二が片手を冴子の腰に回した
まま、もう一方の手で乱暴に襖を引き開けると、暗い中に冴子を片手に抱いたまま突っ込むように倒れ入った。
真っ暗な部屋の中で暫く身をもみ合うような気配がしていたが、やがてどちらかの脚が襖を蹴ったり、躯が壁に当たる重く鈍い音が断続的に二、
三度したと思うと、その後はしんと静まり返ってしまった。
廊下の弱い照明に照らされてやや黄味を帯びて見える襖の開かれた奥の暗闇が、近づいてはならない淫魔の巣窟のように惣太郎には感じら
れた。

廊下に立ったまま、部屋の様子を窺っていた二人の耳に、冴子の呻くような息使いと、何か訴えるようにささやいている浩二の低い声が聴こえて
きたのは、十分もたってからであろうか。
冴子の荒い息使いに混じって聴こえる鼻声は、明らかに性的興奮状態にのみ彼女が漏らす声である。
それも乳房の愛撫くらいで出す声ではない。浩二は既に冴子の局部を愛撫しているのだろうか。もしかすると若い浩二の事である、既に冴子の
中に挿入を終えてしまったのだろうか。惣太郎は、身の置き場のない焦燥感に襲われながら、暗い部屋の奥を凝視していた。

突然、静寂を破って、
「浩二君、もう僕たちも寝ますよ! 先生は先にもう休まれたし、僕も眠くなったから、二階に上がりますよ! 」
「田宮は大きな声でそれだけ言うと、足音を忍ばせて、開いた襖の所まで行き、どういうわけか、思いきり荒々しく大きな音をたてて襖を締めた。      
「あのくらい大きな音を立てないと、酔っている二人には気が付きませんからね」
惣太郎の方に帰ってきながら田宮は言った。未練がましくまだ聴き耳をたてている惣太郎の背に掌をかけて、応接に帰るように促した。
 
応接の入口で、何を考えているのか、田宮は後ろを振り返って、
「浩二さん、本当に寝ますよ……。いいですね………先生はもう寝ましたからね……いいですね?………おやすみなさい」
何度も執拗に襖の向こうの浩二に呼びかけた。
しばらくすると、部屋に電気が点いたのが、襖の隙間から見えて、
「判りました………おやすみなさい……」
浩二のわざとらしい大きな声がした。その声に、
「ああ、おやすみ」

大きな声で言ってから、田宮は惣太郎の背を押して応接間に入ると、ドアの横にあるスイッチを押して、応接間の灯を消した。主灯を消して、豆
電球だけのフロアスタンドの淡い照明だけになって、元のソファに腰を下ろした惣太郎からは、向いの椅子に腰掛けた田宮の顔も定かに見えなか
った。
一旦腰を下ろした田宮が、暫くうつむいて何か考えているようであったが、椅子から立ち上がると、
「廊下の電気を消しましょう。それから私はちょっと二階に行ってきます」
と言い残して部屋を出て行った。部屋を出る時、田宮が作意的にドアを大きく開けたままにしたのを、惣太郎は敏感に感じていた。
 
仄昏い室内に一人残されて、惣太郎は所在なささに、残っていたブランディーグラスを取り上げた。
その時、廊下の向こうでスイッチを切る音がして、廊下の灯が消えた。いったい田宮は何を企んでいるのだろうかという疑念を抱きながら、惣太郎
はドアの外の真っ暗な廊下に眼を据えて考えた。

森閑とした物音一つしない家の中に、田宮がトイレを使ったらしい水道の水の流れる音が一時聴こえたきり、隣の部屋からも物音は聴こえない。こ
の静寂に包まれた家の中は、陰湿な重さの中に、なにか激情の熱気と淫靡な霧が渦巻いているような澱んだ空気が漂っているように思えた。                           

口を付けたブランディーが苦いと思った時、突然隣の部屋から、どすんと、畳に身体が落ちたような鈍い音がしたと思うと、
「あっ……浩二さん!……いやぁ……」
妻の絶え入るような声が聴こえてきた。惣太郎は飲みかけたブランディーグラスを慌ててテーブルに戻して、聞き耳を立てた。
最初はささやくような小さな声だったが、次第に声が大きくなり、ママ……ママ……という浩二のせっぱ詰まったような大きな声がして、それに答応
するような妻の短い悲鳴のような声が響いた。浩二が挿入した瞬間に違いないと惣太郎は思わず掌を握りしめた。

その後は、断続的に冴子の苦しげな短い嬌声と浩二の荒い呼吸音だけが断続的に聴こえてきた。声が途切れ、静寂だけが残された時間が、惣
太郎にはとてつもなく恐ろしい時に思えた。突然肌を打ち合う派手な音がびっくりするように大きく聴こえてきたり、切なげな妻の吐息が聞き取れるの
は、すでに妻が達しつつあることを如実に証明している。

ついに妻は浩二と交わったという、感嘆の底に、暗い奈落の底に落ちて行くような恐怖を惣太郎は味わっていた。二階に上がった田宮はまだ降
りてこない。惣太郎は、しだいに妻の短い叫ぶ声の間隔が短くなり、ときどき浩二に何か訴えるような泣き声が混じりはじめている。
惣太郎は思い切って廊下に出た。暗い廊下の磨かれた板に、隣室の襖の隙間から漏れる明りが斜めに筋を引いている。襖の隙間からは、声だけ
でなく、二人が交わり合っている肌の擦れ合う音や、一定のリズムに合わせて呼吸している二人も荒い呼吸から、激しいもみ合いにきしむ床の音まで
が、掌に取るように聴こえていた。

惣太郎は襖の前に立つと、思い切ってすこし襖を開けて中を覗いた。
燦々と灯の点いた室内の畳の上で、まず浩二の激しく律動する汗に光った背中が眼に飛び込んできた。つぎに二つに折り曲げられて組敷かれ、
ふくらはぎを浩二の胸のあたりから左右に突き出した妻の脚が、天井に脚の裏を見せて浩二の動きに激しく揺さぶられているのが眼に入った。
妻の顔も躯も浩二の身体に覆われていて見えない。
浩二の腰に圧せられて折り曲がった妻の太腿が白いむっちりとした内側を上にみせて搖れているのが、生きのよい魚が屈服して白い腹を見せてい
るように思えた。

眼を凝らせて、浩二のくりくり動く臀の下の、結合部分を覗いて、惣太郎は思わず眼を剥いた。壮大としかいいようのない程の太さと長さの浩二の男
根が、信じられない勢いで妻の中に突き入っている。
田宮の陰茎も相当の大きさだと思って驚嘆したものだが、いま妻を貫いている浩二のはそれより更に巨大である。色はきれいな肉色でういういしい
が、惣太郎にいま見せている陰茎の裏側は、筋肉が捻ったような硬さを見せ、その筋肉と表面の皮膚の間に青い血管が憤怒の様相で浮き上がってい
る。
 
その巨根を、経験のすくない妻が苦もなく呑込んでいる。
浩二の陰茎にいっぱいに押し広げられて醜く歪んだ妻の陰唇は、周囲から粘液をほとばしらせながら、せいっぱい開き切ってはいるが、果敢に浩
二をさらに奥深くまで呑込もうとして、ときどき激しい収縮運動までしているではないか。妻がその痙攣のような収縮運動をすると、隙間がなさそうに見
える挿入された陰茎と陰唇の隙間から、滲み出るように濃い愛液が溢れ出て、てらてらと光っている陰唇と菊門の間の狭い肉溝をゆっくりと流れ落ち
ている。

妻の身体を二つ折りにして妻の左右の膝の内側を両手で押え握って、オールで船を漕ぐ調子で揺すりながら、妻の耳の辺りに顔を落としていた浩
二が、頭を上げ、今度は妻の片方の脚を逆さに抱いて腰を振りはじめた。         
妻の苦痛に耐えているような、眉根に深い縦皺を刻んだ顔が室内灯に照らし出された。布団もない畳にホームコートの前を広げたあられもない格好
で仰向きにされて、顎を上に突き出していたのが、浩二に片足を抱えられると、少し身体全体を右斜めに傾げた。化粧は落としていたはずなのに、唇
が妙に赤く見えた。
その小さく開けた口の顎の辺りには、接吻の時に溢れたらしいの唾液が流れて光っている。畳に這った長い髪が、別の生き物のように複雑に搖れて
いた。

浩二が抱えていた妻の脚を離して、羽ばたくときの鳥の羽の格好に大きく脚を広げ、それがすぼまないように妻の脚の曲がった両膝の内側に腕を杭
のように立て、自らは蛙の飛び跳ねる直前のような格好で腰を懸命に揺すり始めた。
この格好では結合部は見えなくなったが、そのかわり妻のうねる姿態が充分に見える。
妻はときどき感に耐えられなくなるのか顔をいやいやするように左右に激しく振って乱れ続けている。はりつめた頚筋に静脈が蒼く透けて見え、それ
が妻の身体のきわまりを思わせた。

浩二の透明な脂を塗ったような若い琥珀色の艶やかな肌と、妻の真っ白い肌の若々しい対比や、浩二の大人にはない敏捷な動き方や、それに応じ
て身悶える妻のいつにない大仰な身振りや、ふたりが没我になって放つ嬌声の艶のある若さが、田宮や自分との媾交にはない華やかで健康な情緒
を部屋いっぱいに散らしていると惣太郎は思った。
 
「ママもう駄目だ………」
浩二が気がくるったように腰を動かしながら、妻の上に覆い被さった。待っていたように妻が浩二の背中を抱き止め、両足を浩二の腰に強く巻き付け
た。より深く妻の体内に突き入るかのように、浩二が陰茎を強く押し入れたので、妻の尻がせりあがり、後ろからみているそう太郎の前に結合部があらわ
になった。激しくせめぎ合うように逞しい浩二の男根が、妻の身体が壊れるのではないかと思うほどの圧倒的な硬度と膨張感をみなぎらせて、妻の躯
を席巻していた。
浩二が全身の力を込めて妻の中に押し入り、汗に濡れ輝きながら身をふりしぼって妻の躯のすべてを感じ取ろうとしている必死の様相と、その浩二
の激しい抽送を体中でむさぼり捕ろうと、髪を漣立って震わせ、全身を痙攣させながら、官能の極に悶えている妻とが、いま歓喜の極致に達して、官能
の限りない陶酔にしっかりと互いの?にむしゃぶりついたまま、叫び、泣き、呻き合ながら狂気の中で、互いに奪い合っている。


悪魔の宴


(続き)



「ひぇー」
冴子が辺りはばからぬ叫びをあげた。激しい抽送を繰り返していた浩二の陰茎が、冴子の中へ潜り込むような勢いで差し込まれたまま幾度も
悶えた後、突然命を失ったように二人はぐったりとなった。崩れるように妻の上に全身をかぶせたまま浩二は荒い呼吸をしていた。
妻がしばらく余震におびえるように躯を間欠的に痙攣させていたが、やがて浩二の腰の上で組んでいた両足が力なく解け、浩二の背に爪を立
てていた腕も、するりと浩二の肩を滑って畳の上に落ちた。

浩二がよろけるように躯を転わして妻の横に落ちた。妻の股間から、待ちかねていたように、白い体液がどっと溢れ出て臀に流れた。
「やっぱり若いものにはかないませんね。」
放心したように呆然と二人を見おろしている惣太郎の後ろで田宮の声が突然した。いつから来ていたのであろうか。夢中で二人の壮絶な性交
に見入っていた惣太郎は少しも気付かなかった。

「視ていて涙が出るほどきれいでしたね。やはり若さというか、純粋さというか、今ほど性というものが、自然な行為で、神聖で、美しいと思
ったことは有りません」
田宮が感動を込めて惣太郎に訴えるよういに言う声が、余りに大きいので、惣太郎は思わず口に指を当ててそれを制した。
「大丈夫ですよ。二人は完全に酔ってます。私たちでしたら、もう正体もなく眠りこけているでしょうが、二人は若いから夢の中でもああして交
わることが可能なんですね」

「本気で君は、この二人が意識の外であれだけの交わりをもったというのかね?」
惣太郎は田宮の虚言に抗議する口調で言った。
「これだけしゃべっていても、二人とも気付かないでしょう。これがなによりの証拠です。お疑いでしたら、中に入ってみましょうか?」
田宮は惣太郎の返辞も待たずに、襖を入れるだけ開けた。部屋にこもっていた浩二と妻の躯中からしぼり出された汗と体液と妻の香水の濃密な
匂いが、惣太郎の鼻腔を刺激した。

田宮が惣太郎の横をすり抜けるようにして先に部屋の中に入り、眠っている二人の横に胡座をかいた。
「こりゃひどい汗だ。先生このままでは風邪を引いてしまいます。早く拭ってやりましょう。すみませんがタオルを持ってきて下さいませんか」
先ほどまでの冷淡さとは打って変わった優しそうな声をかけた。
惣太郎が風呂場からタオルを持って引き返してみると、田宮が冴子の上半身を自分の膝の上に抱え挙げて着衣を脱がせていた。田宮の膝の上で、
前を全部開いた妻の裸身が、ぐったりとなっていた。

上に向いた形のいい乳房だけが起きているように灯を集めて搖れていた。
「汗で濡れてなかなか脱がせられないんです。すみませんが私がこうして躯を支えていますから、その間に片方ずつ袖を抜いてくれませんか」
田宮が妻の背で皺になったぼろ屑のような着衣と肌の間に掌を差入れて、斜めに起こした。惣太郎は妻を抱き起こしている田宮の向こう側に回り、
中腰になって妻の着衣の袖を引っ張ったが、汗にぴったりと肌に纏付いた薄い布は容易には抜けなかった。
「先生、脇のところからめくるようにして脱がして下さい」

妻の肘を無理槍曲げて袖を抜き取りにかかったそう太郎は、突然妻の腕に力が入ったのを感じて、作業を止めた。
「浩二さんいいの……。あたし自分で脱ぐから……」
妻が眼を閉じたままうわごとのように言ったと思うと、急に腕が柔らかくなり、 惣太郎の脱がすのに従順に協力をした。
「私は浩二さんを拭いてやりますから、奥さんはお願いします」

二人の身体をそれぞれ拭っている間にも、浩二も冴子も、惣太郎と田宮の存在には気が付かなかった。気が付かなかったというより、混濁した意
識の中で、判断力が欠如しているというのが正確かも知れない。
押入から布団を出して敷き、二人を転がすようにしてその上に寝させた。

二人の体が接触すると、もう浩二の陰茎は勃起しはじめ、手探りで冴子の躯を需めていた。
やっと冴子の躯に掌が触れると、とたんにしがみついて挿入もしていないのに腰を揺する。
冴子の方も浩二の躯が触れただけで、もう奇声を発していた。惣太郎が冴子の乳房を軽く揉むと、冴子は耐えられないといった表情で吐息をつく。
田宮が冴子の股間で方向を見失っている浩二の陰茎をつまんで、まだ濡れて光っている冴子の陰唇に当てがってやると、浩二は自分で見つけたよ
うに、巧みに腰をひねって冴子の中に深々と挿入した。

冴子が静寂を裂いて咆哮した。
惣太郎と田宮は無言のまま二人の狂った性宴を見守っていた。
意識も朦朧とするほど酔いしれているのに、どうして浩二の陰茎はこうも猛々しく屹立しているのだろう。先ほどほど激しい抽送運動ではないが、
完全に勃起した巨根が、確実に冴子の中に出入りしている。冴子も浩二の動きに呼応して、腰を突き上げ身をよじって感じている。
ただ冴子の咆哮が遠慮のない大きさになって、深夜のしじまをつんざくようになって、これでは近所に漏れ聴こえはしまいかと、惣太郎をはらはらさ
せる。

「性の刺激と言うのは脊椎神経が中心だそうです。全身麻酔に患者が、うわごとを言ったりするのもそうらしいですね。だからいまこの二人は、純
粋に官能の悦楽のみを感じているのでしょう。もう我々では、ここまで深酔いしますと、脊椎神経まで麻痺してしまってこうはいきません。羨ましいで
すね、若さというものは………」

浩二が二度目の射精を終えたのは、それから一時間くらいたってからだった。
さすがに前の時のような激しいものではなかったが、冴子の方は、前の時よりも更に乱れた。官能に煽られて、もう身の置き場もないように悶え叫ん
でいた。  
「これで明日目が醒めたら、二人とも何も覚えてはいませんよ。きっと………」
田宮が、さすがに今度は意識不明のように、鼾をかいて寝ている浩二を見ながら言った。浩二が離れても、開いた脚を閉じようともしない冴子の股
間からは、今度も大量の精液が溢流していた。


悪魔の宴


「田宮君、君はどうかね。こんな修羅場を見て我慢できるのかね」
惣太郎が聞いた。                            
「そりゃあもう、かんかんになってます。我慢も限界と言うところです。なにしろ私は奥さんに惚れていましたから、今夜のことも、出来ることな
ら奥さんは、先生は別として、私だけのものにして置きたかった。けれども、先生のためにも奥さんのためにも、やがてアメリカに帰る私より、こ
の浩二さんの方がどれだけいいか知れないし、また、この浩二さんなら、奥さんの後を任せても安心出来るいい青年でと思ったのです。  

そう思って冷静に事を運んだつもりだったのですけど、いざとなると、奥さんが彼に抱かれる現場はどうしても見られない心境で、つい二階に上
がってしまったのですが、やはり気になって………。
でも、見てよかったです。安心しました」

惣太郎の心に、ある満足感がゆっくりとたぎってくるのを感じた。やはり妻は、この男をも魅了していた。この男の、先ほどまでの冷淡な様子は、
冴子を他の男に捕られる苦しみだったのか。
そう思うと、惣太郎はにわかに自分の優勢と自負が体内に満ちてきて、じっと妻の裸身を凝視している田宮の痩身に、なんともいえぬいたわりの
ような情感が湧いて来るのを押さえられなかった。

惣太郎と田宮は、しばらく無言のまま、冴子の白い裸身を食い入るように眺めていた。惣太郎は田宮のすぐにでも妻を抱かせる決心は出来ていた
が、それを言葉にするには、不遜なような情緒が、惣太郎と田宮の間に漂っていた。重苦しい気配が部屋に満ちていた。
冴子は、開いていた脚を閉じて、やや横に重ねていた。上半身は仰向いたままなので、腰のところで躰をひねっていので、腰がとても大きく盛り
上がって見える。
枕に載せた顔は、まだ眉根の縦皺は消えておらず、口も半ば開いていて、時折唇が乾くのか、刺身のように新鮮に見える舌で嘗めている。冴子か
らやや離れて浩二が俯伏せになって、眠っていた。
「冴子が望むなら、やってもいいよ」
言った惣太郎の声がわなないた。

田宮の掌が、妻の乳房にかかったのを見て、惣太郎の血が音を立てて流れはじめた。妻は逆らうどころか、身をよじって、           
「ああ……」                              
と悦楽の声を上げた。目は閉じたままだったが、眉根の皺がにわかに濃くなり、吐息に口を大きく開けた。
田宮が惣太郎に承諾を求める目を向けた。惣太郎の目が凍てついたまま微かに首を立てに振った。
田宮が浴衣をはらりと捨てて、妻により添って横になった。
田宮は妻の乳房を掴んで吸いはじめた。妻が官能の高まりの反応を示して、かすかにもだえはじめる。               

田宮がそっと妻の重ねた脚の上の方を後ろに押しながら、股間に掌を差入れた。
「ああ……いい……」                         
妻が大きな声を出して、自ら両足を大きく開いた。田宮がすかさず顔を押し入れて、妻の性器を吸いはじめると、白い脚が苦しそうに痙攣しはじめ
た。   
「ああっ、浩二さん………」                      
妻の呻きが、まだ浩二の名を呼んだ。                  
「冴子! いまは浩二じゃないよ……田宮君だよ」            
惣太郎は妻の耳元に口を寄せて言った。                 

「いい……いいの……田宮さん」                    
妻は明瞭に反応して、今度は田宮の名を言った。妻は夢の中で性交しているのかも知れないと惣太郎は思った。                     
田宮は妻の股間を責め続けている。妻の呼吸が嵐のように激しくなり、 全身が痙攣をはじめだした。羞恥も、思惑も、虚偽も、虚栄もなく、与
えられている性の快感に純粋に昇華しようとしている妻の汗ばんで魚の白い腹のように銀鱗のぬめりを見せてあがいている姿態が、惣太郎には馴れ
た自分の妻とも思えぬほど美しく見えた。
汗に濡れたほつれ毛を、額から頬にべったりと張りつけて、閉じた長い睫毛を震わせながら官能の恍惚に歪んだ妻の表情が、惣太郎には血が逆流
するほどいとしく思えた。

感情の激流が堰を切ったように昂ぶって、惣太郎は思わず手をのばして妻の乳房を鷲掴みにした。
田宮は妻の股間に顔を埋めたまま、手探りで、片手と脚を上手に使って自分のブリーフを脱いでいる。       
惣太郎は握りつぶす勢いで妻の乳房を掴んだ。淫蕩な幻想の世界を無我になって翔んでいる妻を、乳房の痛みで現実に引き戻したい欲望と、更に
淫楽の愉悦の深淵に突き落としたい感情とが綯混ぜになっていた。             
「冴子、いいのかい?」                        
力を込めて乳房を掴んだのに、脂汗にぬめる乳房は、生ゴムのよな弾力で、惣太郎の指の間から、軟体動物のように滑り逃げる。

官能の極限を浮遊する妻には、乳房に与えられる痛みも、すべて快感に変化するらしく、一層顔をしかめて、恍惚の咆哮をあげるだけだった。
万歳の格好で、顔の両側からあげて、シートを握りしめていた妻の両腕が、惣太郎の浴衣の膝に触れると、麻薬を発見した禁断症状の患者のよう
にいきなり惣太郎の浴衣の下に片手を伸ばして、惣太郎の股間で怒り狂っている男根を探り当てた。                                

「あっつ、冴子……。いましてるのは俺じゃないよ……」
惣太郎が慌てて膝を引っ込めようとしたが、冴子の指がすばやく惣太郎のものを掴んでいた。
「あなたなの……あなたなの………」                  
眼を閉じたまま呟いて、妻は惣太郎の男根を掌に包んだ。         
「いいっ……あなた………」                      
妻は熱病に苦しみ悶える患者のように、全身を流れる汗にまみれて、全身を痙攣させた。                               
 
「どうぞ、お先に、先生」                       
田宮が、妻の股間から顔を上げ、指を妻の奥深くに挿入したまま惣太郎を促した。惣太郎は悪魔の囁きのような田宮のかすれ声に憑かれたように、
浴衣の裾を乱して立ち上がると、下穿を下ろしながら、妻に重なっていった。       
太腿の内側までべったりと濡れた冴子に重なっただけで、ぬめり込むように惣太郎は付け根まで埋没できた。締狭感はなかったが、熱い蜜壷に吸
い込まれたような粘質の快感が脊椎に奔った。

妻が泣き声のような叫びを放って膣を収縮させた。惣太郎は脳髄に突き上げるような快感を味わいながら、ゆっくりと抽送をはじめた。                                
妻の顔の上に田宮がいた。噴怒の様相を呈した自分の屹立したものを妻の口に当てがっていた。妻が吸い込むように大きく口を開けると、何の躊躇
もなくそれを含んだ。                               
惣太郎と田宮の視線が合った。
「天使としているような気分です」                   
田宮が照れた微笑で言った。
「ああ」                               
祖太郎は妻と同じように自分も悦楽の酔いの底に、抵抗できない力でぐいぐいと沈潜していくのを、金縛りにあったような感情の中で感じていた。
どうにでもなれと思った。惣太郎の脳に炎が一度に沸き起こり音を立てて燃え盛った。  

妻の中に突き入った惣太郎は、熱く煮えたぎった沼に包まれたよう頼りなさを感じた。底無し沼のようにどこまでも、ずぼずぼと奥深く進入していくと思
った瞬間、抵抗の全くない沼の泥がにわかに軟体動物のように蠕めいて陰茎に巻き付いた。
最初柔らかく触れるように巻き付いたのが、やがて惣太郎が思わず呻ほどの強さで締め付けはじめた。締め付けながら、奥から多量の灼熱した粘液
を噴き出させて、それが膣の無数の襞の隙間を流れ埋めて潤滑効果となり、やんわりと陰茎にくすぐるような快感を噴き起こしながら締め付けてくる。
 
若い男二人分の精液を何度も注ぎ込まれながら練られ掻き回された膣粘膜が、異常に興奮しているのだった。                              
妻が全身を痙攣させたように弓なりに幾度も反らせて、口に咥えた田宮の男根を吐き出して、尾を尾引くような高い嬌声をあげては、またそうしなけれ
ばいけないと命じられてでもしているように、懸命に咥え直している。       
惣太郎はその締め付ける快感に耐えかねていた。妻が全身に痙攣を起こす度に、微細な無数の快感の矢で亀頭全体を刺されるているような今まで
に感じたことのないしびれを味わって、あっという間に果ててしまった。          

田宮が替わって、妻に重なった。                   
既に二度も放出しているのに、隆々と勃起した田宮の男根は、自分のものとは比較にならないほどの大きさと硬度を保っていた。
青い血管を浮き上がらせたその男根を両手で握って、妻の股間に腰を入れた田宮が、全身の筋肉をしなわせて、妻の中に押し入った。全身に汗をに
じませ、身をふりしぼって、妻の躰のすべてを味わおうとするように、懸命に奥深く挿入しょうと腰を捻った。       

田宮の抽送の仕方は、自分や浩二より繊細で念入りだった。一突き一突きに浅深や円形運動や強弱などの微妙な変化を折り込んでいる。田宮が激し
く突き入れると妻の躰が弓なりに反り、柔らかく優しく入れると妻は誘うように腰を浮かせて需めた。
濡れた田宮の男根が、妻の股間にちらついていた。田宮が妻の片足を抱えるようにして抽送を始めた。交接の部分が惣太郎にはっきりと見えだした。
見慣れた妻の少女のように淡い薄紅の陰唇が、田宮の強壮な男根の抽送に、捻れながら体液をほとばしらせている。                     

「いいっ……いくっ……」                       
田宮が二つに折り曲げて開いた妻の脚を支えていた腕をほどいて、妻に重なり、武者ぶりつくように抱き締めて、腰の律動を早めた。
妻が田宮の頭をかき抱いて嬌声を放った。溶け合って一つになって蠢くふたりの横で、全裸のまま眠っていた浩二が、あまりに大きな妻の声に意識を取
り戻して、ぐらりと妻の方に横向きになると、盲人のように手探りで妻の躰を探していたが、手が妻の胸にかかると、上半身を妻の方に寄せて、田宮に揺
り動かされている乳房にしがみつくように唇をあてた。横に重ねた浩二の脚の間から、勃起した男根が見えた。      

浩二が割り込んできたため、上半身を腕で支えて上体を浮かせる姿勢に変えた田宮が、一気に腰を振る。
熱を孕んだ妻の陰唇が、押し広げられて捻れながら、体液を飛沫のように散らして田宮の股間を濡らしていた。妻が浩二の唇で塞がれた口を振り離して、
半狂乱になって吠えながら、狂ったように腰を振り躰を硬直させた。                                

肉付きのよい白い曲線に満ちた柔らかそうな妻の仰向きの躰に、琥珀色に輝く浩二の身体と、毛深い田宮の痩身が絡み付いて一つの肉塊となって婬な動
きをしていた。
燦々とした灯の下で、健康にはちきれそうな若い男の逞しい身体がふたつ、両側から妻の軟弱な躯を押し包むような格好でに組み敷いていた。
それは、精悍な二頭の若獅子が、いきにえの仔羊むさぼりついているようにも見えた。   

田宮が妻とL字型に結合して律動していた。L字に向かい合っている妻の背面から、浩二が身を乗り出して妻の乳房を両手で揉みながら接吻していた。
妻は激しい絶頂感を繰り返し味わっているらしく、苦しそうな息をつき、下半身を田宮と絡ませ、上半身は反り身の無理な姿勢に曲げて、浩二に預けている。
時々、浩二の執拗な接吻から、必死にもがいて口をはずし、顔を左右に激しく揺すって、乱れた髪を畳みにまき散らし、顎を突き上げるようにして顔を顰め
ては、赤く焼け燗れた口から熱い息をついていた。                   

彼女の顔に眩しそうに射している灯の下に渦巻いた髪の陰で、白い顔に微細に汗の粒が無数に光っていた。高い呻き声が出るのを、必死と堪えてい
る様子だった。クライマックスの発作が、繰り返し起き、それがだんだんと激しい衝撃の連続のようになって、なにか凄愴な感じのものになって来ているの
に、田宮の身体の煽りはますます激しくなるばかりであった。               

三人は何か焦って制御をなくして、ただ暴風雨のような揉み合になっていたが、やがて田宮に限界がきたらしく鋭い獣のような咆哮と一緒に、斜めに結合し
たまま、全身を硬直させ腰を絞るように振って射精した。            
田宮の低い咆哮の声に 妻の笛のような長く尾を引いた嬌声が重なって、深夜の部屋の空気を引き裂いたあとは、乳房の愛撫を続けている浩二に唆された
妻の余韻のような呻声が時々発作を起こしたように断続的に聞こえていた。     
 
浩二が、酔いに麻痺した体を懸命に動かして、冴子にかさなろうとあがいていた。
惣太郎と田宮が、押入から一組の布団を出して敷き、そこへ冴子と浩二を裸のまま寝させた。                            
惣太郎と田宮は隣の応接に戻り、ビールで乾いた喉を潤しながら休息していた。 
「朝になって、冴子はどうするだろうか………」             
惣太郎は妻が朝になって酔いが醒め、一夜に三人の男と交わったことを知って、発狂するのではないかと恐れを感じて田宮に言った。             
「あれだけ酒を飲んでいれば、きっと朝目覚めたときにはなにも覚えてはいませんよ」                                 
 
「あんなに感じたり、声を上げていてもか?」               
「なにか、無茶苦茶性交したということは、意識の奥に残りますし、躱にも痕跡があるでしょうから気付かれると思いますが、ああして浩二君と一つ布団に
寝させて置けば、朝になっても、きっと浩二君との激しい交わりだったと思うに違いありません」                             
田宮を先に風呂に入れてから、惣太郎も風呂で身を清めて応接に戻ったが、全身が溶けて行くような疲労感に襲われ、田宮を残して自分の寝室に行くと、倒
れ込むようにベットに打ち伏したまま深い眠りに落ち込んでいった。
暗い奈落の底に落下していくような睡魔の誘いのなかで、惣太郎は妻が薄い絹をまとっただけの裸身をくねらせ、天女のように宙を舞っている夢を見ていた。  

知られたくない遊び21
道明 12/11(金) 23:12:09 No.20091211231209 削除


岩井と飛松は早速、その裸体を甚振りにかかる

(ほぅぅぅ・・・・これは責め甲斐のある尻肉だ)


トイレに立った哲平は、二人の予想どおり5分経っても戻ってこない
恐らくトイレの中でへたって居る筈だ・・・・そう、お酒の中に睡眠薬



「飛松さん・・・哲平君は頃合いをみて、呼び戻すとして始めましょうよ
 あなたは下の方を・・・・私はオッパイを頂きますよ」

「そうするか岩井さん・・この奥さんのお尻・・・いいねぇ・・堪らないなぁ」

「あぁぁ、うぐっ!」



女が呻いた
岩井が荒々しく乳房を揉むのと同時に、飛松がアナルを弄り始めたのだ



「どうした?気持ちがいいのか?
 いいか、絶対に声は出すなよ・・・好き者の淫乱女の身体だけを見ても分かりはしないが
 声を出せば、ばれてしまうぞ・・・・えー、翔子!」



淫鬼の二人が目配せする



「しかし、岩井さん・・・興奮するなぁ・・・亭主の前で、愛妻を甚振るなんてこと
 奥さん、しっかりとお勤めするんだよ・・・私の責めで声を出さなかった女など今までにいないが
 堪えるんだ・・・旦那が居るんだよ・・・・こりゃ責め甲斐がある」

「うぅーぐぅ・・」

「ほぅぅぅ・・もう覚悟はできているようだね・・・飛松さん、それじゃそろそろ旦那をここへ」



翔子からは下肢の方の様子は見えない
両手両脚を縛られ人の字に広げられている、さらに弄り易いように腰の下には枕が差し込まれている
さあ・・今夜の主人公、酒と睡眠薬で朦朧とした夫の哲平が翔子の下肢の前に座らされた



「どうだい・・・いい女だろ!この太腿の張りがあって柔らかそうな肉付き・・・そして、見てみろよ、むっちりとこの円やかな尻肉を」


「えっ!どうしたんだい・・触りたいのか?・・えっ!奥さんに申し訳ないって?」


「へぇぇ・・今時めずらしいご主人だ・・いや、奥さんに惚れているんだ、そうなんだ哲平君」


「そうか・・そこで見てるだけでいいか?なら、我々は遠慮なく遊ばせてもらうよ
 ほら・・・この手に吸い付いてくる肌の滑らかさ・・・よそ見しないでよく見て
 あら?・・好き者の女だ・・・もう、ここがこんなに涎汁で光っている・・・・」



地獄の苦しみの中で、翔子は耐えた
騙されていることも分からずに、夫にばれない様に必死で口を噤んでいる
何度も絶頂を経験している若妻が、繰り返し襲ってくる快感に歯を食いしばり、声を発しない
そのやるせない女の顔、心とは反対に高まってくる快感に反応してくる女体
そのアンバランスに淫鬼たちの興奮度は増すばかりだ



「岩井さん・・・このあたりで一度、お先に失礼してぴくぴくの穴で抜かしてもらうよ
 さあ、よーく見ておくんだ、哲平君・・・私の一物をほれ、ここに今から・・はははは」

「・・・・うぅぅぐっぅ!」



翔子はもう限界だった・・・・
しかし、声を出しそうになった口には、何時も舐め親しんでいる男の一物が納まっている


それはまるで、上下から淫鬼が生贄を串刺しにして、身体と心を弄び奇声をあげて遊ぶ情景
鬼達の至福の夜は、始ったところだ・・・・・

知られたくない遊び20
道明 12/10(木) 23:54:17 No.20091210235417 削除
ここは高級料亭・・・その玄関の前に翔子の夫、松田哲平が立っている

(俺は・・・・・ほんとに情けない男になってしまった・・・)

昨夜、翔子から、『岩井オーナーが、ご主人の就職祝いの宴を是非とも』と聞かされ、その宴会場所がこの高級料亭である
つまり、哲平は翔子の口利きで岩井の元で働くことができるのである



哲平が案内された部屋には、既に岩井ともう一人恰幅のいい人物が上席に座っていた


「待っていたよ・・・松田君だね・・・まあ、駆けつけ三杯といこうじゃないか」


翔子から岩井オーナーは頭が切れるが、健康はすぐれないと聞かされたことがあったのだが・・・
とても、そのようには見えない



「初めまして、翔子がお世話になり、その上この度は私までも有難うございます」

「まあ、まあ・・・堅苦しいことは抜きだ、翔子君の夫君だ・・間違いない
まあ、飲もう、今夜は目出度い席だ・・・あっ、そうそう、こちらは私が世話になっている大銀行の支店長の飛松さんだ
翔子君を良くご承知で、その夫君の就職祝いをすることを聞かれて、是非にと同席されたんだよ」



「初めまして松田です、これからも宜しくご指導をお願いします」

「そんな堅苦しい・・・わかってますって、この世は皆で助け合わなくちゃ・・ね、岩井さん
 難しく考えたら生きていけない・・・大らかに、そして我慢、我慢・・・」

「そうですね支店長、これからも応援宜しく頼みますよ・・さあさあ、どうぞ」



三人だけの宴会はどんどんと酒が進む
もともと、アルコールに強くない哲平だが、自分の就職を祝う会とあって飲まざるを得ない
岩井と飛松に交互にお酌をされ、哲平は直ぐに限界を超える
そして、二人の話題は下ネタに移って、場は大いに盛り上がる



「哲平君、君の細君は別嬪さんで明るくてスタイルもいい・・・毎晩、やってるんだろ?
 なぁ、岩井さん・・・俺たちならそうだよなぁ」

「はぁ?・・いや・・翔子のやつは、そっちの方はどうも・・」




「うーむ・・翔子君は今確かに仕事に夢中だが・・それとこれは別ですわなぁ、
はははは・・あの肢体の持ち主なんだ、好きなんだと思うがなぁ・・ねぇ、飛松さん」

「えっ?・・・でも、何ヶ月もやってないんです・・・よ・・ほんとうに」

「それじゃ・・哲平君、溜ってるだろう!今から面白い遊びをしようか・・翔子君には内緒だぞ」



もう完全に、哲平は酩酊状態だ・・・ふらふらとトイレに向かった




「岩井さん・・・あなたは、ほんとうにとんでもないことを考えるねぇ」

「何を仰る、飛松さん・・・わたしゃ、あんたには遠く及びませんがな」



岩井が立ち上がり、隣の部屋との襖を開けると
薄明かりの中、朱色の長いテーブルの上に、手足を縛られた白い女体が盛られていた

花  濫 13
夢想原人 12/10(木) 15:08:23 No.20091210150823 削除
悪魔の宴



田宮と惣太郎の、悪魔の打ち合せがおわりかけた頃、浩二が新しいブランデーの瓶と、燗をした銚子を持って入ってきた。乱れたま
ま出て行った浴衣が、着付けでもしたようにきれいに整えられている。誰がみても冴子が着せ直したことが判る。                                  

「ママは、つまみを造ってから着替えてきますって……。この日本酒はパパが今日千葉でもらってきた吟醸酒だそうです」
「ああ、これはねえ、館山の造酒屋がくれたもので、大きな樽で醸造したものを、そのまま上澄をすくってくれたんだ。だから正式には
濁り酒だ。しかし、生地の酒はうまいよ。重かったけど、三本もらってきたから、思いきり呑んでくれ」
惣太郎は、田宮と浩二のどちらにともつかずにいうと、まず田宮に銚子を向けて、促すように銚子をしゃくると、田宮は小さく頭を下げて
猪口を差し出した。

「おまえはコップの方がいいだろう」                   
惣太郎は、浩二の前のコップに、田宮に注いだ残りを全部空けながら、いよいよこれからはじまる悪魔の宴に、自ら飛び込んでいく決
心を、もう一度確認した。                                  

男三人が、最初の酒を毒味でもするように、黙したまま口に含んで 吟味していた時、冴子が、淡い茶色のハウスコート姿で入ってきた。
先ほどの事は忘れたようにに華やかな微笑をたたえてる。手には大きなガラス容器を持っていた。  
「さあ、今日は浩二さんの帰朝のお祝いですから、お刺身をいっぱい造りましたの。そしたらパパが、また気をきかせて、千葉か伊
勢海老をこんなに買ってきたのよ。パパのは全部生きていたの。さあ、浩二さん海老は好物だったでしょう、召し上がれ。ほら、こちら
にあわびもあるわよ。頂く?」

取り箸で、浩二の前の小皿に取り分けてやりながら陽気に冴子が言った。襟もなく、首の周りを丸く裁断しただけのハウスコートは、
薄茶色に濃い茶で木の葉をあしらった模様の木綿地の薄いものだった。
一枚の布を前でちょっと合わせただけのように、上から腰の辺りまでがスナップで止めてあるたよりなさである。手を触れただけで、は
らりと開いてしまいそうな、その頼りなさがなんとも艶っぽい。裾は踝近くまであるが、横は割れていなくて、前合わせのスナップが腰の
上までしかないので、椅子に座ると前が割れて、艶やかな膝小僧から太股の奥までが覗いてしまう。

冴子自身それが気になるのか、前が割れる度に慌てて合わせているのがかえって扇情的で、男心をそそる。普通では他人の前で着
られるものではなく、個室でのナイトガウンである。冴子は夫以外の男の前で自分から、こんなはしたない着衣を冴子が自発的に着るよ
なことは絶対にない。       
実 は今夜は惣太郎が冴子の厭がるのを無理に着るように命じていたのである。下にブラジャーもスリップを着けることも禁じてあった。
下穿も最初は穿かないように要求したが、さすがに、冴子は応じなかった。それでは腰に線の出るものはやめて、小さなスキャンティ
ーを穿くようにいってあったから、きっとそうしているに違いない。

この服は、先週、学園で開かれたバザーで惣太郎が買い求めて来たものである。生活学科の女子生徒が創ったもので、同じスタイル
の色違いを自ら着て賣っていたのをが、惣太郎の目に留まった。
前のスナップの合わせを臍のあたりから下は外して裾を風になびかせていたので、小麦色に日焼けした弾むよう女子学生の太股が妙
に色っぽく惣太郎の目を刺激した。

惣太郎は、ふと、その女子学生を妻に置き換えて眺めてみた。むちむちと熟しきった柔らかそうな躯の、色の白さが、首筋から胸へかけ
ていっそう透き通るよな妻は、肩も腰も腿も、躯のどこをとっても、まるくなめらかで色白だ。その妻がこれを着ればどんなに艶っぽいだろうと、
思った時、惣太郎は、これを着た妻に魅了されて言葉もなく夢中で妻を抱き締めようとしている田宮の姿が忽然とうかんできた。

寵愛する妻は、他の男に対しても限りなく魅力的な存在でなければならない。妻を与えた男が、妻にひれ伏し、魅了され、盲従するか
らこそ夫である自分は優位であるのだ。もし男が不能の男の妻を慰めてやっているのだという立場になると、自分はどんなに惨めだろうか。

幸い田宮は妻に完全に魅了されている。しかし、慣れとは恐ろしいもので、田宮が妻の心と躯になれてしまえば、後者の態度に出ないと
も限らない。そのためには、手を変え品を変えて、妻は田宮の前で、いつも新鮮でなければならない。
惣太郎は買ってくれとせがむ女子学生に、親戚の娘にでもやるか、と照れを隠して買ったのだった。

田宮と浩二の視線は、妻が、ともすれば割れる膝を合わせる度にそこに釘付けにされている。
惣太郎は、恥ずかしい思いをしてまでそれを買ってきたことに満足していた。
「うまいですねこの酒は……。燗もいいけど、原酒は冷やがいいかも知れませんね。奥さんすみませんが、氷と瓶を持ってきてくれませ
んか」
惣太郎は田宮を凝視した。よく冷やした酒は、水を呑むようにすいすいと呑めて、後でどっと酔いがくる。冷静に悪魔の宴を開くべく、着
々と大胆に準備を進めていく田宮に、犯罪馴した凶悪犯にでも押し込まれて、脅されているような恐怖を惣太郎は覚えていた。

田宮は勧め上手だった。一時間もたつと、浩二は英国の歌を、まるで学生の応援団のように高吟しはじめた。酔いの回ってきた証拠であ
る。
やがて、大胆にも惣太郎や田宮の視線も気にせず、冴子がはだけた膝にじかに掌を置いたりするようになった。酩酊してきたのだ。
冴子も田宮が酒を勧めても三度に二度は、酔ってしまうからと受け付けなかったのが、やがて三度に一度しか拒否しなくなり、冴子が酔った
特徴である鼻声になりはじめた頃には、頬も紅をはいたように艶やかで、目がしっとりと潤んで、田宮が差す度に呷るようにして杯を空けるよ
うになった。
冴子は動作も緩慢になり、裾のスナップが外れて、艶やかな膝小僧や太腿が露わになっているのも気付かぬほどに注意力も散漫になっ
ていた。

浩二が大きな声で話ながら、机の下で隠しているつもりで、冴子の露わになった太股に置かれているのが、実は惣太郎からも田宮からも
よく見えたいるのだが、それに冴子も浩二も気付かぬほど酔いが回っている。
ほの昏いフロアスタンドの明りが、そこだけ光を集めているように、艶やかに白く輝く冴子のむっちりとした膝に置かれた浩二の大きな掌は、
膝小僧のあたりにじっと置かれていて、笑いや言葉のはずみに、あたかも、偶然掌が滑ったというようなあどけなさで、膝から太腿の上を、す
っと愛撫している。浩二の女ずれしていない純情さが、その掌の動きにもよくあらわれている。

杯を片手に持って、じっとその掌の動きを眺めていた田宮が、じれたように言った。
「さあ、浩二君、奥さんと踊るかい。もし踊らないなら僕が踊れたいんだが……」
けしかけるような田宮の言い方だった。
「田宮さんは駄目ですよ。ママに悪い事するから。僕が踊りますとも……。僕が帰ったからは奥さんにあんなことさせませんからね。……
ママ……もうだいじょうぶですよ……僕が守って上げますからね……さあ、踊りましょう……」

冴子を抱くようにして、浩二が無理槍立ち上がらせた。冴子の脚が机の下で無理に開いて、前合わせのスナップが飛んで、白い絹のスキャ
ンティーが、股間に食い込んでいるのが見えたが、冴子も酔っているので気付かない。      
冴子の脚がふらついていた。                     
浩二にすがるようにして立ったが踊ることもできない。
「浩二さん、駄目。酔ってしまって踊れないわ……」
冴子は甘えた口調でいいながら、浩二の躯にしがみつくようにして、やっと立っているという状態だった。
「大丈夫だよママ。こうして踊ればいいんだ………」

浩二が冴子の背中に両腕を回して自分に強く引き付けて、足は動かさずに腰だけをゆっくりと左右に動かせた。それを眺めている惣太郎と
田宮からは、冴子の着た薄いコートが、浩二の力で前に手繰り寄せられてしまい、太っても痩せてもいない頃合の冴子の女らしい背中が、正
中線のまっすぐな凹みまではっきり見えていた。腰から臀の隆起も、薄い布地が、まるで冴子の皮膚のように張り付いていて、盛り上がった肉が、
浩二の動きに合わせて、くりくりと動く様子が、直接裸体を見るより扇情的だった。                      

浩二の肩に額を押し付けるようにして顔を埋めているので冴子の表情は見えないが、浩二は冴子の左耳のあたりに顔を擦り付けて、髪の乱
れた首の辺りに唇を押し当てて目を閉じて陶酔の表情で踊っていた。
腰だけ小さく左右に揺らしていた浩二の動きがしだいに大きくなり、左右の運動だけではなく躯全体を、冴子に強く擦り付けるようにして、前
後左右に円でも描くように強く大きく動かせはじめた。ささやくようなCDディスクの音楽の流れの合間に、ぷつんと、聞き取れないほどの小さな
鈍い音で、冴子の着衣のスナップが飛ぶ音が、惣太郎の耳に、心臓に突き刺さるような強さで響いていた。

スナップが外れる度に、冴子の前ははだけられて、浩二はそこに自分を密着しているに違いなかった。            
何度目かにその鈍い音を聴いた時、平静を装えなくなって、身を椅子から乗り出すようにして二人を凝視した。きりりと着直した浩二の浴衣の
胸は、だらしなく肌けられていて、そこに冴子が顔を埋めている。先ほどまでまるで冴子自身の肌のように密着して、臀の丸味から背中の正中
線まではっきりと見せていた冴子の着衣も、くびれた細い腹の辺りが、前で引っ張られているように肌に密着している以外は、余裕たっぷりの着
衣のように躯の線を隠しているということは、前が肌けられて腹のところでわずかに残りのスナップが留まっているだけではないだうか。                               

いま、ふたりの肌は汗ばんで直接密着しているに違いない。冴子は股間に薄いスキャンティーを透して浩二の怒張したものを突き当てられて
を感じているのだろうか。また裸の乳房は浩二の熱い胸に直接触れて押しつぶされているのだろうか。浩二も又、冴子の柔らかい肌を熱い体温
と湿ったような感触を味わいながら陶然となっているのだろうか。惣太郎の狂うような昂ぶりも知らぬ気で、二人はしっかりと密着したまま、声も出
さずに搖れていた。            

「浩二さん……… それ……いやよ……」                 
あとは含み笑いした冴子のささやくような声がして、抱き合った二人が大きく搖れた。
視ると冴子の胴抱き締めていた浩二の腕が、いつのにか解けて、片方が冴子の股間に当てられたらしい。
冴子が腰を浩二から大きく引いたと思うと、急に大きな笑い声をたてながら浩二からはなれて、その場にしゃがみ込んでしまった。                                 

 
「駄目だよママ………」                        

浩二がしゃがんだまま着衣の前を合わせている冴子の斜め後ろから、冴子の両脇に腕を差し込んで抱え上げた。
力が抜けて人形のようにぐったりなった冴子が、足先を残して斜めに引き上げられる時、着衣の前の臍から下がはらりと開いて、スキャンティー
けの、むっちりした下腹やすんなりした脚があらわになって、灯を集めて白く浮かび上がった。
浩二が慌ててはだけた冴子の前を合わせようとしたが、薄い着衣は生き物のように冴子の裸身を包むことを拒否して滑り落ちた。 
浩二が引き擦るようにして冴子を惣太郎が腰を下ろしているソファに坐らせると、冴子は緩慢な動作で自分で前を合わせながら、              
  
「あなた………お水飲みたいわ」                    
しなだれかかりように惣太郎の肩に汗ばんだ顔をもたせかけた。多すぎる髪が惣太郎の顔に触れて、そこから甘酸っぱい女の発情の体臭が
惣太郎の鼻腔に強く匂っていた。      
「浩二君、さあ、この水を飲ませて上げなさい」
落ち着いた抑揚のない田宮の低い言葉に、惣太郎が田宮に視線を移すと、田宮は、大きなコップによく冷えた酒をなみなみと注いで浩二に差
し出すところだった。田宮とは一体どういう男なのだろうと、惣太郎は付き合い慣れた田宮をはじめて視る男のように疑念の眼差しで凝視していた。

たしかに、自分と二人で企んだ悪魔の宴を、彼は忠実に実行しているのだ。
二人が完全に酔えば愛し合うという条件を二人で確認し、そうすることにしたのだ。しかし、二人はまだ完全に酔って理性を失うまでに至ってい
ない。とすればもっと酔わさなければならないのだから、田宮が酒を勧めるのは、しごく当然の約束の履行である。だが、いま、妻は、喉の渇きに
水を欲しているのではないか。
それを酒に換えて騙してまで飲まさなければならないのだろうか。

田宮の先ほどからの冷静すぎる行動は、妻に魅了されつくしている男のとる行動だろうか。
田宮は不能の先輩の妻を、主人の了承の上で味わい、それに飽きた矢先に、馬鹿な主人は、またと見られない若い男と人妻の性交場面を見
たがっている。
この滅多にないチャンスを逃がす手はない。この際、何がなんでもこの人妻と青年を酔わせて、たっぷりとその濡れ場を鑑賞しなければ損だ。
まさかとは思うが、田宮はそんな凶暴な心境で事を進めているのではあるまいかと、惣太郎は疑ったのだ。         
もしそうだとすれば、この宴は中止しなければならない。         

そんなことを考えている間に、何も知らぬ浩二は、気安く田宮からコップを受け取ると、                                
「はい、ママ………」                         
冴子の顔にそのコップを突きつけた。                  
両手でコップを受け取った冴子は、そんな疑惑など全く感じてはいず、酒の冷たさにごまかされて、一気にうまそうに喉を鳴らしながらそれを飲
み干して、  
「ああ、おいしいわ、浩二さん」
と吐息をついた。
 
「そろそろ休みませんか」                       
田宮の声で惣太郎は目を覚ました。目の前の椅子で、田宮がまだ一人で杯を空けていた。その横の椅子では浩二が背もたれに埋まるような
格好で口を開けて鼾をかきながら眠っている。横では冴子が、惣太郎の方に、縮めた脚を向け、頭を向こうの肘掛けに横向きに載せて眠っている。                
「もう何時になった?」                        
惣太郎が聴くと、        
「一時過ぎました」                          
田宮が昏い奥から答えた。

あれから雑談をしながら、田宮が妻と浩二に酒を勧めていた。真っ先に浩二が眠った。田宮が冴子に、自分と妻の出会いの頃の話をさせてい
たのを覚えている。
話は新婚旅行の話から初夜の様子に移り、それが本当にはじめてか、とひつっこく田宮が冴子に聴いていた。何度も、本当にはじめてかと田
宮が聴き、鸚鵡返しで、そうよ、と妻が答えていた。
 
呪文のように、田宮が抑揚のない声で聴き、妻が呪詛にかかったように力なく答えて、その合間に、田宮が巧みに妻に酒を勧めていた。その単
純な催眠術師のような問答は、醒めた田宮が冷静に妻の酔い加減を測定しているのだろうと思いながら惣太郎は聴いていたが、そのうち眠ってし
まったらしい。                      

今一時だとすれば、一時間以上眠ったことになる。その間、田宮は一体何をしていたのだろう。そこまで考えた時、惣太郎の胸に、ある疑念がに
わかに浮かび上がってきた。                              
「君は今の間に冴子と……………」       
惣太郎は田宮に思わず聴いた。聴きながら自分が意志とは無関係に、田宮に随従するように、思わずにんまりと好色らしく笑いかけたのを、
内心苦々しく思った。                                  
「ええ、奥さんの寝乱れ姿が、あまり色っぽくて我慢できなくて…… すみません」                                 
「何も謝ることはない」                        
「ちょっとですけれど……」                     

何がちょっとだと、内心の腹立たしさを押さえて、反射的に冴子の顔を見た。
長い睫毛をしとやかそうに伏せて、妻は眠っていた。顔はやや汗ばんで、ほつれ毛が額に張り付いており、眉と眉の間にわずかに苦悶か快楽
を味わってでもいるような縦皺が刻まれている。
終わった直後でないことはわかるが、妻の表情には、まだ充分に余韻が残っていると惣太郎は思った。               

「ここでしたのかい? それにしては俺も、よく眠っていたものだな」   
惣太郎は平静を装って聞いた。                      
「いえ、そこの絨毯の上です。………途中で、私ではなく浩二さんだと勘違いしたようで……さかんに浩二さんの名を呼んでました」  
「浩二と思っても、別に拒否しなかったというんだな」
「ええ、拒否どころか、かえって興奮して………、応じ方といい、声の出し方といい、それは大変でした……。私との時との較ではありませ
ん」       
「そんなに浩二としていると思って興奮したかね。こいつは、そんなに浩二が好きなんだろうかね」                          

惣太郎は嫉妬ではなく、ある安堵感を抱いて田宮に訊いた。それは、今夜、はっきりと田宮に感じていた恐怖と嫌悪感がそう思わせたのだっ
た。いまの田宮の立場で彼が自分を裏切ることはあり得ない。
自分が田宮を学会で誹謗すれば、彼の言語学者としての社会的地位を喪失差せることも可能である。しかし逆にこんな自分の個人的秘密
を握られたことによって、田宮の無言の圧力と要求に応じなければならなくなることだってあり得る。
現実に田宮は、いまは助教授だが、国内のどこかの大学の教授になって箔をつけてからアメリカへ帰りたいと考えている。自分が推薦すれ
ば、地方の私立大学なら、いますぐにでも教授になれないこともない。要するに田宮は自分達夫婦の性の愛玩物にするには、あまりにも世慣
れすぎていた。                             

それに比較して、浩二は世間も知らない若竹のような素直さで、人を疑うことも知らない。もし、いまの田宮の言葉が本当だとすれば、冴子も
浩二が嫌ではない。浩二が妻にぞっこん惚れていることは、今までに充分証明されている。  
こういう危険な遊戯には、一抹の嫌疑でも感じる人物を交えてはいけない。
惣太郎は、本能的に田宮に危険なものを感じていた。             
そうなると、今夜の機会を逃して、妻と浩二を結び付ける機会がないとはいわないが、それには、また大変な時間と気苦労とエネルギーを費
やさなければならない。そうだ、やはりこの機会に妻と浩二を結び付けて、田宮を遠ざけるのが賢命だと惣太郎は思った。そう心に決めると、気
が楽になった。         

「ほんとうに、こいつは浩二が好きなのかねえ」             
惣太郎は、自分のすぐ傍に、揃えて投げ出されている妻の、薄いマニキュアに貝細工のように美しい爪の輝く足先を愛撫しながら言った。す
んなりとした形のよいふくらはぎを重ねて、膝で折り曲げ、その奥にむっちりとした太股が着衣の奥に蠱惑を秘めて盛り上がっている。
この美しい妻の躯が、いま田宮に犯され、やがて若い浩二の餌食にされるのかと思うと、毒を呷っているような被虐の悦楽感と、臓腑が空にな
るような加虐の昂ぶりと、一夜に二人もの若い男から妻自身が味わう享楽の激しさとの入り交じった倒錯の喜悦に、惣太郎は目舞がするような興
奮を覚えて、思わず、妻の薄い着衣の裾を開いて、その奥まで手を差入れて愛撫した。

「そのままにしてあります………」
田宮が羞恥を含んだ言葉使いで言った。惣太郎は男の体液を受け入れたばかりの妻の熱湯を溜めたような膣を好んだ。
自分より強壮な男を受け入れて、歓喜の絶頂を迎えたばかりの灼熱の余韻がまだふつふつとたぎっている妻の躯は、挿入した瞬間に、再び
燃え狂い、先ほどの若い男との狂乱が、一時中断の後、再び続行されているようで、まるで最初から自分が妻を徹底的に狂わせているような優
越感に浸れたし、また、まだ妻の体内で、体温まで温存して襞の隅々にまでたっぷりと溜っている前の男の精液が、自分の陰茎に纏つくことで、
その妻を犯した男と一体になったような錯覚が生じて、その男を嫉妬したり恨んだりする感情が消え去っていくのだった。                        
 
妻が穿いていたスキャンティーは取り去られていて、なにも着けていなかった。
股間に掌を進めると、太股の内側から臀の割れ目にかけて、二人の体液と汗がべっとりと濡れ付いていて、田宮との情交の後を歴然と示して
いる。
さらに掌を進めると、そこは粘膜が溶けてしまったかと錯覚するほど柔らかくなって、粘質の熱い液が底無し沼のようにたぎっていた。
惣太郎がその沼の奥に指を突き入れようとしたとき、冴子が広げた脚をよじったて、呻き声を上げた。                        
「浩二さん………。浩二さん………」
自分の胸を掻き抱くようにして、冴子が小さく言ったのを惣太郎は確実に聞いて、慌てて掌を引っ込めて、反射的に田宮の顔を見た。

「どうします?……もし実行するなら今がチャンスですが……。これ以上間をおきなすと、二人とも本気で眠ってしまって、朝まで起きません。
酔いが深くなりますから…………」
惣太郎は妻の顔を見てから、椅子にもたれて眠っている浩二を視た。先ほどまで青かった妻の顔に朱がさしていた。前をはだけて、琥珀色の
すべすべした艶のある贅肉のない締まった浩二の躯は、幼さを残した若さに輝いている。     
「どうしますか」
田宮がまた惣太郎に尋ねた。田宮の声が自分の殺生与奪の権利を握っている権者のように惣太郎には聴こえて、畏怖の念を感じた。
惣太郎は声が詰まって、思わず田宮の目をのぞき込むようにしてうなずいた。 

「さあ、もう寝ましょう。…………奥さん寝ましょう」
田宮は 椅子から立ち上がって、それでも起きようとしない冴子を揺り動かした。冴子が目を覚ますらしく、躰を動かしはじめると、田宮は妻の
躰の向きを浩二の方に向けて、ぽんと肩を叩いて、
「さあ、もう寝ようよ」
と言った。冴子が、何に刺激されたのか、慌てて起き上がると、
「あら、もうそんな時間? 困ったわ……あたし……。田宮さんの布団はお二階に用意してますけど、浩二さんのはまだ用意してないわ。すぐ
しますから浩二さん暫く待ってください………。ねえ、あなた……、隣の和室でいいわね、浩二さんが休むのは………」
酔いの回ったたどたどしい言葉で言ったが、立ち上がる気配はなく、裾を乱したままソファに腰を下ろし目を閉じたまま、まだ夢の中のように呆
然としていた。 

「俺が布団敷いてやろう……」
立ち上がりかけた惣太郎を田宮が制しながら、まだ眠り呆けている浩二の肩を強く揺すった。
「おい! 浩二さん、みんなもう寝るんだが、君はどうするんだい……このままここへ寝るのかい? 」
「いいえ、疲れて帰っているんだからちゃんと寝なきゃいけませんわ。すぐ支度しますから………」
冴子がふらふらと立ち上がりかけたが、すぐふらついて部屋の壁に手を突いて支えた。
 
「奥さんが支度してくださるそうだよ。君も早く起きて手伝わなくてはいけないよ。ささ……隣の部屋に行きなさい」
田宮が引き起こすようにして浩二の腕を取って引っ張ると、驚いたように浩二が目を開けて、じばらく周りの様子を窺っていたが、
「僕が自分で布団を敷きますから、ママ布団のあるところだけ教えてくださいよ………さあ、行きましょう……」
冴子に寄り添うと、冴子の肩を抱くようにして部屋を出て行った。それを追いかけるように田宮が追っての悪魔のように後につづいた。                             

花  濫 12
夢想原人 12/10(木) 14:59:23 No.20091210145923 削除
三人の男の前で


惣太郎は、残った田宮と浩二の顔を見た。二人は黙したまま、申し合わせたように下を向いてブランディーを呑んでいた。
瞬間、惣太郎はただならぬ気配を感じ取った。田宮が憤っているのでもなければ、浩二が笑っているわけでもないが、惣太郎は二人の
男の間に、強い電流が流れ合って火花を散らしているような異常な高ぶりを感じた。抗争を秘めた男同士の昂揚した感情だけではない。
むしろ欲情に取り憑かれた雄の発情の炎のたぎりのような、陰湿な激情が混じっていた。

瞬間、惣太郎はいけないと思ったが、次の瞬間に、この逞しい男二人に蹂躙される冴子のみだらな肢体を想像していた。
浩二さえ納得すれば、冴子をこの二人の男達に与えることが出来るかもしれない。浩二の方が若いから、我慢出来なくて先に冴子を貫
くだろう。その間、田宮は、貫かれて激しくもだえるさえこの裸身の上半身を受け持って、乳房を愛撫しているかも知れないし、もしかしたら、
大きく口を開けて喘いでいる冴子に、屹立した自分の男根を含ませるかも知れない。

生まれて初めて、二人の男を相手にする冴子は、とてつもない官能に身を灼かれて、無我の境地でどんな姿態でのたうちまわるだろうか
という、途轍もない妄想が、泥水のねばっこい渦に巻き込まれるように沸き上がってきた。。
う考えると、浩二に両脚を担がれ、激しく貫かれて肌が打ちあたる音や、浩二に揺らされながら、胡座を組んだ田宮の膝に頭を載せて、
勃起した田宮を咥えて、長い髪を田宮の膝いっぱいに散らしている様子までが、現実のことのように思われて、一人激しい鼓動の 高なり
を感じていた。

浩二が椅子から立ち上がった。
[
トイレに行ってきます。水も飲みたいな……………」
独言のように言って部屋を出て行ったが、惣太郎にも田宮にも、そわそわと落ち着きなく出て行った浩二の様子が、冴子の身を案じて出
て行ったということがはっきりと感じられていた。

惣太郎の現実と非現実の入り交じった想念は、浩二が出て行ったことで現実に立ち返った。
浩二は現に冴子と特別な関係があるわけでもなく、どうこうするといってもいまロンドンからはるばる帰ってきたばかりであるし、先ほど見
た田宮と浩二の激しい対抗意識では、二人で一人の女と同衾するなどという、仲のいい友人同志でも、滅多に出来ることのないことが、実
現できるわけはない。

例えこれから幾日か時間をかけても、出来そうには思えなかった。第一冴子が承知するはずがない。
今夜は浩二が寝た後、田宮に冴子を任せれば、いつものとおりに惣太郎が一寝入りしている間だに、二人は激しい性宴を繰り広げるだろ
う。
それを覗き見て自分の性感を高めておけば、官能の炎をまだかき立てたままの冴子が惣太郎の部屋に帰って来る。惣太郎は無駄な精力
を消費しなくても、冴子をいとも容易に狂わせることが出来るし、田宮との交わりで、すっかり練れ溶けた冴子の熱い躯に満足できるのだ。

田宮に今夜の予定を告げようとした時、田宮の眼鏡の奥の眼が、一瞬きらりと光ったのを惣太郎はみた。
田宮が指を自分の唇に当てて、聞き耳を立てるよう無言のままで惣太郎に指示しながら、中腰になって部屋のドアに向い、音を立てない
ように慎重に少し開けると、窺うように首をそっと突き出した。

森閑とした廊下の暗闇に、ガラス戸に人の躯が当たる鈍い音が聞こえた。なにか争っているような気配である。耳に掌を当てて神経を集
中させて聞き入ると、言葉は判らないが、浩二の低い声が冴子に何か訴えているように聴こえ、その合間に冴子の短い声が聴こえた。
二人は風呂場の脱衣場にいる様子である。

しばらく静寂が闇を包んだが、やがて、壁に当たる鈍い音がしたかと思うと、ママ、ママと浩二が何か冴子にせがんでいるような甘えた声が
聴こえ、冷たい空気が淀んだ廊下の向こうで、何かただならぬ事が行われている気配が伝わって来る。
あの二人は好き合っていますね。……実際にどうかは知りませんが、少なくとも感情の上では、互いに憎からず思っていますね。……
先程、僕が余り露骨な態度をとったので、浩二君が逆上したのではないでしょうか」
「妻を責めているのかね」
「わかりませんが、浩二君が奥さんに、何か訴えているのは確かですね」


「君はもし、浩二と妻がそうだったら嫉妬するかね」
「全く嫉妬しないといえば嘘になりますが、先生は怒られるかも知れませんが、もしそうだったら僕は安心しますね」
「安心する? どういう意味かね」
「前に先生ご自身がおっしゃったことですが、奥さんは若いんです。これは私と先生の罪ですが、何も知らなかった奥さんに、性の深淵を
見せてしまいました。
奥さんがふしだらとかいうのではなく、若い躯が異性を需のは人間の本能ですから、いま奥さんは初めて知った官能の業火に魅せられて
しまっています。本来なら、それが夫婦生活で解消するのですが、ここはそうはいきません。

そこで先生は私を代理の夫に選ばれたわけです。そのこと自体は、私も夢のように喜んでいますが、問題は、私がアメリカへ帰った後です。
こうして寝床を共にしていますと、しだいに奥さんの純情さが判ってきたんです。愛情を感じだしたといってもいいでしょう。生涯味わうこと
がなかった筈の歓びを知ってしまった奥さんが、僕が帰ったらいったいどうして、若い躯を処置するかと心配だったんです。
もし浩二君とそうなれば、彼の人柄からしても、妙な方向へ走る心配はないし、いいなあと思ったんです」

「なるほど。俺も、実は、先程、君と同じ事を考えていたんだ」
惣太郎は、この三人の男の中で一番悪魔に魅いらられているのは自分だと思った。
いま風呂場で妻に何かを迫っている浩二にしても、ここにいる田宮にしても、冴子という美しい人妻を、亭主の軟弱さにつけこんで頂いて
やろうというような邪念に満ちた醜行を図っているものは誰もいない。
たしかに冴子という若く美しい人妻の躯に惹かれているのは事実だが、彼らには有り余る精力が備蓄されていて、冴子一人と交わることぐら
い、さして肉体的には問題ではないのだ。

それに引き換え、自分はどうだ。
自分が好きで娶った若い女房すら満足さしてやることが出来ないで、他の男に頼らなければならない。
だが、一方、冴子の方はどうだろう。惣太郎は女にとって愛とはなんだろうかと、いままで冴子の変貌を見ながら考えてきた。
あの清純な心と躯を備えていた冴子が、田宮といとも簡単に関係をもってしまったのである。田宮がどういう過去を持つ人間か、どういう立
場にいる人間か、よく知らないで、田宮に愛情を感じたのであろうか。果してこれは愛といいえるのだろうか。
どう考えても冴子が田宮を愛したとは思えない。食べず嫌いの料理を、ふとした機会に食べて魅了されることがあるのと同じではないか。
ふと魅了されるように、冴子はふと田宮という若い男性の肉を知って、それが若い女である自分にふさわしいと悟り、それにすっかり魅了され
てしまたのであろうか。                

いまではもう夫が自分に田宮という若い男を与えて、性の歓びの本質を知らせてくれたことはわかっているだろう。
彼女にとって、それは目の鱗がとれたような驚嘆だったに違いない。
この世に普通に存在し、たいていの女なら、必ず体験する性の歓びを自分は知らなかったことにたいして、夫が与えた男によって、はじめ
て知らされたことに、いま冴子は夢中になっている。
それが不倫であり、不貞であり、常識を逸脱した異常な行為であることを冴子は充分承知しているが、与えられたものの麻薬のような魅
力には勝てなかったのだ。
夫が与えてくれたという大義名分は、冴子から女特有の責任回避行為として、自己暗示的な正当性理論が成立して、不倫という背徳の
暗い翳を消し去り、素直に夫の従う従順な人妻としての安穏を得ているのだ。

しかし、田宮との交わりは、若い一対の男女としてありうべき行為であるけれども、さらに、もう一人の、それも、まだ二十そこそこの童貞の
青年の情熱にたぎり切った、獣のような向こう見ずの若い男を与えるということは、冴子を性のいきにえにして狂わしてしまうということになり
はしないだろうか。

これから女を識る浩二は、自分が若かった時そうであったように、冴子を識れば、当分の間冴子を需め続けるだろう。それも常軌を逸脱
した執拗さで需め続けるに違いない。
田宮のように節度があって、週に一回とか、月に二回とかいう節度で、冴子を満足さしてくれればいいが、浩二の若さでは、当分連日でも
しなければおさまらない状態が続くのではないか。そして、男と違って需られれば、生理的に応じ、それが、どんなに凄強であっても、強烈
であればあるほど、敢然とそれに呼応していくように創られているのが、健康な若い女の業である。

もし、冴子に浩二を与えた場合、二人は、互いの若さをぶつけ合い、激しい官能の陶酔に、自分も、家庭も、浩二の仕事も忘れ果てて、
とんでもない行動にはしることはないだろうか。浩二の若い熱情に冴子が冒されて、自分から離れていくようなことはないだろうか。惣太郎は、
考えている内に、そら恐ろしくなってきた。

自分は、冴子を可愛そうだと思って、男を与えただけではない。    
田宮とのことで、垣間見た、若い男に貫かれて歓喜にのたうつ妻の白い躯に、初めて知った妻の女らしさ、新しい美しさ、妖艶さ、被虐
と苛虐の甘美さに、自分の妻の体内に眠っていた女の真随の美しさ、可憐さのようなものを識って、まるで識りはじめたばかりの女のように妻
に惚れなおしている。

だから、田宮を与えた後、二人の情交が重なる度に、しだいに官能の甘さに酔って乱れていく妻の姿態が、日毎に女らしさと妖艶さと、
意外なことに、妻の純粋さというような、精神的美しさのようなものまで発見して、自分は、他の男と狂う妻を盗み視ることによって、いやがうえ
に妻に没頭しているのである。
その妻を奪われてはならない。飼犬に掌を噛まれることもある。

「先生が、その気になられたのなら、実行するのは今夜です」
田宮がぼそりといった。
「何を実行するというのだ」
「あの二人を結びつかることです」
惣太郎は思わず息を呑んだ。もともと田宮にはいったい何を考えているか判断に苦しむような所があったが、今の田宮の一言は、惣太郎
の下腹にずしんと響いた。自分が考えていた殺人を見透かされて、手伝いましょうと切り出されたような衝撃でもあり、悪魔のささやきのよう
に痺びれるような蠱惑を秘めてもいた。

「何も急いで今夜しなくてもいいだろう」
惣太郎の声が、厭でもない男に迫られた女のように、拒否とも承諾ともとれる弱さで響いた。
「いや、チャンスというものがあります。そうお望みなら今夜です。任せて下い」
宮が共犯者のつもりが、いつの間にか、自分が共犯を迫られているような心境だった。おびえの底に胸の高鳴りがあった。
 
「任せるって、一体どうしようというんだ………」
惣太郎は、高台から海に飛び込むような気持ちで安全を確かめた。
「酒を呑ませることです」
「酒を?」
田宮は煙草に火を点けて、大きく吸い込みながら、はじめて惣太郎の眼をのぞき込んだ。その眼には、秘めた光が強く感じられた。  
「ただ、酒を呑ませるのです。奥さんも浩二君も酔わせてしまえばいいんです。理性さえなくなれば、二人は好き合っていますから自然と
そうなります。僕も昔、企まれたわけではありませんが、人妻と酔ってそうなったことがあります。朝起きて、一緒に寝ているので驚きましたが、
どうも一晩中交わり合っていたようでした。

浩二君の若さなら、どんなに酔って、意識が朦朧としても、そのことだけは可能です。けしかけもしませんし、誘導もしません。二人とも酔い
さえすれば自然とそうなります」
惣太郎は言葉を失っていた。ただ、胸の鼓動が早打ちして、逃れられない悪魔の言葉を聞いたように、愕然としながらも、既に心では、田宮の
誘いに乗っている自分を見つめていた。

知られたくない遊び19
道明 12/10(木) 13:41:16 No.20091210134116 削除


広い書斎の中に、振り向かせたい美貌の未亡人が目の前にいる
・・・・岩井惣一の口説き芝居の始まりだ


「私は愚かだった・・・妻に逃げられて、覚えたての株式投資に自暴自棄で、のめり込んでいたんです
 恐らく、ご主人は私の執拗な融資依頼に辟易されていたことでしょう
 ご主人がお亡くなりになった日も、私は相変わらずの無理をお願いしていたんですよ
 ご主人は言われました・・・・・岩井さん、人生は何度でもやり直せる、投げ捨ててはいけないと
 見抜いておられました・・・・・私に投資の才はない、生業に励めとね」

「主人がオーナーにそんなことを・・・」



理絵も知りたかった・・夫の最期の日の様子
理絵は自然と、岩井が腰掛けている大きなデスクの前まで歩み寄っていた



「それで・・その他にも夫は何か?」

「ええ・・・それは、私を説得するために話されたのでしょう
 あなたとの幸せな自分の生活のこと、勤めている銀行での悩みなどを率直に話されました
 自暴自棄で執拗な融資を迫る嫌な客・・・・そんな私に対して
 あなたのご主人は自分自身の悩みまで引き合いに出して説得しようとする・・・誠実な人だった
 ・・・・それで、やっと私は自分を取り戻すことができたのですよ
 そうでなければ・・・・・・・・私は今頃どうなっていたか」

「そんなことがあって、オーナーは夫の通夜式に来て下さったのですね・・・」



両手を組み、ぽつぽつと思い出すように話す岩井の目には涙が滲んでいる


「私は、私は・・・残念だ!
 理絵さん・・・・あの精錬潔白な吉沢課長さんに横領の嫌疑などと・・いったい誰が?
 ご主人は嫌疑を晴らす機会も無く亡くなられるなんて!・・・さぞ、無念な
 それに・・こよなく愛していたあなたを残して・・・・・・・うーーん、未練が残る」

「あぁぁぁ・・・仰らないで!」



理絵の目からも涙が溢れる・・・そのことは、理絵もどうしても納得できない同じ思い



「理絵さん、間違いない!!
 あなたのご主人は、上司である飛松支店長に嵌められたんだ
 あなたのご主人は、飛松支店長の不正行為に悩んでおられ
 多分、内部告発をされたのでしょう・・・しかし、権力に優る相手に押さえ込まれた
 あの支店長は、あの大銀行の重役の親戚の贔屓であそこまで出世した男ですから」


飛松支店長の名は、夫の日記帳にも度々登場する
しかし、疑惑の人物ではあるが重役の親戚とは知らなかった


「あぁぁ恨めしい!
 私は、私はどうしても夫の遺恨を晴らしたい・・・でも女の力ではどうしようも」

「理絵さん、助太刀しますよ・・私が!
 このままにはしておけない、敵討ちをするんです・・・・そうでなければ、ご主人は浮ばれません
 一緒に戦いましょう・・・あの傲慢で憎き、飛松と」



岩井は、崩れそうになるからだを支えるように、デスクの上に置かれた理絵のしなやかな白い手を確りと両手で挟みこむ
そして、理絵を引き寄せ耳元で呟いた



「あの男の仕業に間違いないんです・・・
 ほら・・・・・あそこにある金庫、あの中には5000万円の現金が入っています
 あの日、飛松に脅しをかけたんですよ、私
 そうしたら、あっさりと5000万の融資を認めたんですよ・・それも無担保で!
 あの金は、敵討ちの軍資金・・・あなたにお渡しします
 ・・・あなたとご主人に救われた私がと確りとスクラム組んで戦う
 それが・・・・亡くなったあなたのご主人の願いだ!
 だから、いいですね・・・敵は強大です・・・・二人で、理絵さん」


理絵が岩井に接近し、知りたかった最大の疑念

「支店長決裁による岩井への巨額の融資の謎」
その顛末を今聞かされた理絵は・・・・・岩井への疑惑を解き、こっくりと頷く


白く透き通るような項から芳しい香りが漂い、男の鼻を擽る
抱きしめて、唇を奪いたくなる衝動を堪え・・その美しい横顔に岩井は舌で自分の唇を舐める


・・・興奮し、したり顔で眺めていた男の顔が歪んだ



この部屋には、もう一人
・・・・・大きな机の下で、この男の怒張を咥えさせられていた女がいる
その女の唇から、放出された大量の白濁の液が流れ出ていた

花  濫 11
夢想原人 12/9(水) 14:37:14 No.20091209143714 削除
三人の男の前で


すき焼きの鉄鍋が、残り少なくなった具を載せて、ぐつぐつと煮返っていた。締め切ったキッチンルームは、肉と酒の匂いが満ちて、あ
たりには飽食の気分が漂っていたが、男三人は杯を持つ手を下げようとはしなかった。

正面に腰掛けた夫は、大島の着物の前を大きく広げ、胸の肌まで朱に染めて、胡麻白の長い髪を酔ったときの癖で掻きむしるようにし
ている。その隣の田宮は、浴衣の襟をきちんと締めて、まだ酔い足りないらしく、すっくと背を伸ばして端正な姿勢で、ひとりブランディ
ーグラスを気取った格好で嘗めている。
自分と並んで腰掛けている浩二は、浴衣の着方に慣れないらしく、だらしなく前を広げ、並んだ冴子からしか見えないが、膝の辺りは浴
衣が割れて脚がむき出しになっている。袖も肩の辺りまでめくり上げているが、それが若者らしく嫌味なく見えるのは、贔屓目だろうか。

楽しそうに談笑する三人の男達の、ふと、冴子を見るどの視線にも、冴子とその男だけに通じる暗黙の了解がある。それぞれの男の
視線には、肌を合わせ身体を溶け合わせた体験が生む狎れ合の情緒が溢れている。
特に浩二は、若いだけにその態度が露骨で、冴子をひやひやさせる。

「ママ少し肥ったんじゃないの。このあたりなんか肉付きがよくなって、とても女らしくなきれいになったね」
薄いブラウス姿の冴子のむき出しの腕を、二人の男の前もはばからずさすったりする。
「腕だけじゃない、胸も膨らむし、腰周りも大きくなったと思わないか? 」
そんな浩二をけしかけるように夫が言うと、白いブラウスの襟に紺のリボンを垂らした冴子の胸に、つと手を伸ばして触り、悲鳴を上げ
て胸を押さえる冴子より大きな声を出して椅子から飛び上がり、
「うわぁ、セクシー! 」
おどけて騒ぎまわる。

久し振りの日本酒にすっかり酔っての行動だが、若いだけに嫌味がない。夫も田宮も、そうした浩二の悪ふざけに嫌な貌も見せずに
笑っているのが冴子には救いだった。
「浩二さん。長旅で疲れたんでしょう。もうそのくらいにして寝たら……」
冴子が注意すると、
「なーに、へっちゃらですよ。一三時間のうち四時間は飲んでいたし、残りはほとんど寝てましたから……。そうだ、飛行機からかっぱ
らってきたシャンペンがあるんです」
浴衣の前が、ガウンでも着ているように開いて、トランクスだけの裸の前が見えているのも平気で椅子から降りると、ふらつく脚で、二
階に上がろうとする。

「おい浩二、今夜は田宮君が二階に寝るから、お前は下の八畳だ。冴子の部屋の隣だ……お前大丈夫か? 」
「二年ぶりに帰って来きたんです。今夜は楽しくやりますよ」
幾分あやしくなった呂律で、わめきながら部屋を出て行った。
「浩二君はここの二人を本当に肉親のように思っていて、まるで自分の家に帰ったような気分になっているのですね。特に奥さんには、目
がないようですね。憧れの女性といった感じですね」

田宮が煙草を挟んだ手にワイングラスを持って、冴子の貌を横睨しながら意味ありげに言った。紫煙のくすぶりで明瞭ではないが、田宮の
細い瞼の奥で、黒い瞳がきらりと光ったのを冴子は見逃さなかった。しかし利怜な冴子も、まさか先ほどの浩二との濡れ場を視られたとは気
付かず、田宮のするどい直感と思って、胸を突かれたような衝撃を感じていた。

「あら、こんなお婆あさんに、独身の若い子が憧れてくれるなんて光栄ね。でもそんなことってあり得ませんわ」
冴子は冗談めかして笑いながら言って田宮の目をのぞき込んだが、その目は微笑みの中に、冴子の言葉を否定する鈍い光を宿していた。
冴子は発作的に夫の表情を読み取ろうとして視線を夫の移したが、夫は昼間の出張疲れか、椅子の背に斜めに頭を載せて、うとうとと居
眠りをはじめていた。

「さあ、このシャンペンで再会を祝いましょう」
冴子の憂慮も気付かず、浩二が威勢よく、乱れた浴衣の前もそのままに、シャンペンを抱いて帰ってきた。
kou二の勢いに眠っていた夫も目を覚まし、ひとしきりの談笑が続いた後、応接間に部屋を換えた。冴子も、夫の勧めで台所の片付けはそ
のままにして、簡単なオードブルと洋酒を用意して仲間に加わった。               

夫が自慢のステレオ装置のスイッチを入れムード音楽を流した。田宮は相変わらず微笑の絶えない貌で冴子と浩二を交互に眺めながら、
静かにブランデーを嘗めていた。
「そうだ、久しぶりにママと踊ろうかな。ねえ、いいでしょうパパ」
浩二が立ち上がって冴子の前にきて言った。冴子が狼狽しながら前に立った浩二を見上げると、もう両腕を冴子の方に伸ばしている。冴
子はちらりと田宮の目を視てから夫の貌を見た。
「ああ、踊りたまえ。昔は飲むと二人はよく踊ったものだ。こんな老人と二人暮らしだろう。冴子も時には浩二のような若い男性の匂いも嗅ぎ
たいらしく、俺を無視して一晩中踊っていたんだ」
「一晩中はひどいわ」
浩二に引っ張られるようにされて、立ち上がりながら冴子がわざと陽気な声を出した。

八畳ほどの部屋に、応接セットとサイドボードを置いた残りの狭い空間に二人は立って身体を合わせた。
浩二はいつもの癖で最初からチークダンスをするつもりである。冴子の身体をしっかりと抱いて隙間なく身体を密着させた。誰かがスイッチの
スライダーを絞って部屋を暗くした。 余り絞りすぎて一時はすぐ前の浩二の貌も定かに見えなかったが、やがて程よい暗さに調節された。

喘ぐようなアルトサックスの調べが官能を揺するように流れていた。
浴衣の下はブリーフだけの浩二が、ゆっくりと腰をまわすようにして身体を擦り付るようにしてくると、スリップに薄いブラウスだけの着衣を通し
て、浩二の暖かい体温が直に触れているような感じで伝わって来る。
浩二は冴子の頬にぴったりと自分の頬を付けて、熱い息を冴子の耳に吹きかけてくる。この部屋の暗さと、襞の多いフレアスカートなので夫
や田宮に気付かれることはないと思うが、冴子の股間に押し込むようにいれた浩二の脚の付け根の勃起が痛いほどの強さで冴子の下腹を突
き上げている。

冴子は椅子に座っている二人の男の視線の強さを肌で感じて、大きくターンをして自分の背で浩二をかばった。
「今日はいやにおとなしいな。いつものようにチュをしてもいいし、どこに触ってもいいんだよ。田宮君がいるとそうもいかんかね」
夫が浩二をけしかけるように言った。
「僕はいっこうにかまいませんよ。むしろお二人の熱いところを見て、若返りたいくらいです」
 田宮が冴子の狼狽を見越しているように陽気に言った。

冴子には田宮の言葉が、背後から仕掛けられた矢のように突き刺さったが、何も知らない浩二は、鼻で小さく笑うと、声援を得たようににわ
かに大胆になって、冴子の背に回していた片手を離して、二人の密着した身体の間に折り曲げるように差入れて、冴子の乳房を押さえた。ブラ
ジャーのない薄い布を通して浩二は手に直接乳房を掬いとったような触感に、興奮を隠しきれず、思わず大きなため息をついた。      
浩二の大きな掌が、直接触れたように、彼の内部に渦巻く激情の熱のほとばしりを乳房に感じとると、自分の乳首がひとりでに、水を得
た花蕾のように自然に硬く膨らんで行くのを感じて、冴子も思わず身をよじっていた。

浩二の呼吸が荒く喘ぎ始め、初めはそっと置かれていた乳房を包んだ掌が、何時の間にか、ゆっくりと指に力を入れて揉みはじめている。
硬直し敏感になった乳首を浩二の二本の指が捕らえたとき、突き射るような快感が冴子の全身に奔って、思わず声が出そうになり冴子は大きく
息を呑んだ。浩二の唇が、長い冴子の髪をかき分けて耳朶を軽く噛み、冴子の敏感な耳の後ろを嘗めはじめた。
「いやよ浩二さん! 」
耐えられなくなって冴子が声を出した。

「なんだ、まだ未熟だなあ、それでは大人のダンスの見本を示すか」
冴子は背中に田宮の低い声を聴いて、思わず冴子は身を硬直させた。浩二は田宮の声を聴くと、にわかに冴子を解き放ち、何を考えたか陽
気に掌を叩いて、
「さあどうぞ。ゆっくり見せてもらいます」
はだけた裾のまま、どたりと椅子に座り、ブランデーグラスを掌に取ると、まるで水を呑むように干した。
  
「浩二そんな呑み方をして大丈夫かい? お前、酒は強くなかったんじゃないか。それともロンドンで修行してきたのかな? 」
夫がからかうように言うと、
「ええ、パーティーの多い仕事ばかりでして、いつの間にかスコッチの二本ぐらい平気で呑めるようになりました。酒とダンスは上達しまし
たが、何しろ誇り高い英国ではチークダンスなどしようものなら、ほっぺたを引ったたかれるのが落ちでして、チークはこの二年間一度もし
ませんでした。やはりダンスはチークがいいですね………」

浩二の言葉が最後の方で、突然消えた。酔いのためか眠さに勝てず、うとうととまどろみはじめていた惣太郎は、浩二の言葉が消える
と同時に妻の短い鳴咽をきいたような気がして目を開けた。
ほの暗い部屋にかすかにムードミュージックが流れ、すぐ前で、田宮が冴子を抱いて踊っている。いや、それは踊っているのではなく、
立ったまま抱き合っていると言った方がいいだろう。背の高い田宮が背中をまるめるようにして冴子に覆いかぶさるようにして接吻している。


直接愛撫している様子が、薄いスリップの半透明な布地を透して、淫らな指の動きまで見えていた。                      
冴子のブラウスの襟下の釦が、田宮の掌の強さに負けて、小さな音を立てて飛び散った。ほの暗さの中に、冴子の首から胸の肌が白く
浮きだしたように見ていた。田宮の掌が、ゆっくりと乳房を揉みしだいているさまが、豊かな乳房の裾野が、はだけたブラウスの間から、
盛り上がったり引き付けられたりする様子でよく見えた。                               

冴子が、痛みでも感じているように眉根に皺を寄せ、しっかりと眼を閉じて、白い喉を後ろに反らせて、貌を真上に傾けて、田宮の舌を
吸っている。
暗い部屋に真っ白く浮かび上がっている冴子の乳房が、田宮の掌の動きにつれて、別な生き物のようにさまざまに型ちを変えて揺らいで
いる。冴子の両腕は、まるで殉教者のように無抵抗の姿勢で、だらりと両側に垂らしたままだった。
田宮が、さらに背をまるめながら、合わせていた唇を、しだいに耳や頚に移していった。                               
田宮の顔が、肌けられたブラウスの間に埋まって、はっきりとは見えないが、ついに乳首を含んだらしいのが、腰を落とした田宮の姿
勢や、冴子がくぐもった呻き声をあげた様子で、じっと見つめている男二人には判った。       

惣太郎は、冴子の呻き声を聞くと、反射的に頚を曲げて、自分の斜め後ろにいる浩二を視た。
田宮と冴子の婬らな絡みを凝視していた浩二の視線が動いて、惣太郎の視線と絡んだ時、
「こりゃあ凄い! 」
おどけたように浩二が叫んだ。
その声に、冴子は、にわかに我にかえったように、だらしなく垂らしていた両手に力を込めて田宮の肩を強く押しながら、
「もうやめて! 」
哀願するように言って身を引いた。瞬間、肌けたブラウスから、豊満な乳房がこぼれ出たのが、浩二の眼にフラッシュライトに照射され
たように、しばらく残像となって灼き付いた。

「冴子は、突然の田宮君の猛襲に、唖然となったらしいな。それにしても、今のはパンチがあったなあ」
惣太郎が、囃すように言ったが、誰も応じて来ないので、ふと、三人の方に視線を向けた。冴子は、男達の視線から逃れるように背を
向けてしゃがみこんで、空になった食器を盆に載せると、音も立てずに静かに消えるようにドアを開けて部屋を出て行った。




花  濫 10
夢想原人 12/8(火) 10:43:03 No.20091208104303 削除
三人の男の前で                                                                     


 低空飛行の軽飛行機が轟音を頭上を雷鳴のよに轟かせて通り過ぎて、冴子は目覚めた。ダージリンの紅茶を嗅ぎながら、
庭の椿に視線を預けて、今日帰って来る浩二を想っているうちに、少しまどろんだらしい。

うらうらとした初春の陽光が、いつしか西に傾いてて、畳色の枯れ芝に、ひょろりとした葉のない雑木の陰が、縞模様を描
いていた。冴子が想いを断ち切るように、勢いよく立ち上がろうとした時、玄関でチャイムが鳴った。二、三度続けて鳴らす
訪問者が田宮であることは、冴子には手にとるようにわかる。                 
 
夫が今朝早く、千葉の私立大学に集中講義に行ったので、もしかしたら、田宮が来るのではないかという想いはあったけ
れど、田宮も仙台の大学に三週間ばかりの予定で出張していたので、冴子は浩二の帰国のことですっかり忘れていたのだっ
た。浩二のことがなければ、心をときめかして迎えに行くのだが、今日は複雑な心境だった。

 田宮とは、ここ一月以上会っていない。この前田宮が来た時には、丁度冴子が生理の最中で、夫と三人でマージャンをして
帰って行ったし、仙台に行く前日に来た時には、学生の親が来ていた。そんなことで、ここしばらく冴子は孤閨に疼く躯を押え
るのに悶々としていた矢先に浩二の帰国が知らされて、そんな衝動は朝靄のようにいつの間にか消え去っていた。          

 しかし、今日買い物から帰って、あられもなく自分の身体を開いて見たりした行為も、無意識のうちに欲求不満がそうさせた
のも事実である。

 割烹着のまま玄関に向かいながら、今日は駄目と思う一方で、田宮の来たことだけで、躯が甘く溶けていくような情緒にひ
とりでに浸りはじめる自分の肉に驚いていた。期待と拒否の綯混ぜの感情のまま、冴子は精悍なそうな背中を見せて玄関の
敷居に腰を降ろして靴を脱いでいる田宮の後ろに立っていた。               
 
「いらっしゃいませ」                        
 つつましやかだが歯切れのいい張りのある冴子の声を背後で聴くと、田宮は薄絹でふわりと包まれたようなやさしい気分に
なる。振り向くと、昏い玄関の古色然とした欅の床ににっこりと微笑えんでいる白い顔が、灯をともしたように浮き出ていた。

  床に片手をつき、上体をすっくと伸ばした冴子の挙措は、名匠に活けられた花のように稟として隙がないが、反面、今にも
熟れ落ちそうな盛りの花の脆さを含んだ艶がただよっている。
 
 田宮がこれまでに識った女達は、最初彼を魅了した手中の小鳥のような可憐さといとしさが時間と共に失せて、やがて狎れ
と退廃をただよわせながら、飼主に怠惰な表情で抱かれるふてぶてしい老猫のように変貌してくるのが常だが、冴子のよさは
狎れに染まぬ清楚な可憐さだと田宮は思っている。                              

 伊香保温泉の夜から八ヵ月が流れ、普通の貞淑な人妻では想像もつかない淫靡な性宴に翻弄されながらも、彼女が退廃や
卑猥、淫蕩の片鱗さえ見えないのは、彼女が男二人を相手に性交することや、職業女性さえ顔をそむけたくなるような性戯を、
不純な行為とは思わず、これが大人の世界に通常おこなわれている性戯だと一途に信じて疑わなかったからである。
 実際惣太郎も田宮も、冴子を従順にさせるため、そのように教え込んで来た。これが都会育ちの女性ならこうはいかなかった
だろう。

 無垢で一途であるということは、傍眼には大胆ともとれる。自分が快楽を享受する度合いが大きければ大きいほど男性は歓び
奮起し、相手の女性をいとしく思うものだと、教え込まれたし、また実際にそれを体得してみると、そうしろと命じられなくても、から
だがひとりでに官能の深淵を需めて昂ぶり反応していく。 

 そして自分が貪欲に需めれば需める程、男達も歓喜に狂うということも事実であることを知ってからは、冴子は平凡な人生にも、
こんな快楽に満ちた世界があったのだと、春の花園に踊り出たような気分になっていた。だから次第に露骨に卑猥になっていく二
人の男が需める性戯も、それが当然のことと受けとるから、冴子の態度も羞恥に妨げられながらも大胆になる。
 その羞恥の表情でうち顫えながらも大胆に、需められるまま惜し気もなく躯を広げ動き、やがて自ら官能の業火に煽られて、亡我
の喜悦にのたうち まわる姿に、男たちは耐えられない興奮の渦に引き込まれるのだった。                       

 玄関の鴨居にとどきそうな躯体を折るようにして立ち上がった田宮が、冴子を自然な動作で抱いた。                          
 「いやよ。こんなところで……」                    
 背高い田宮の背広に顔を埋め、煙草と体臭が混じった懐かしい匂いを吸い込みながら、くぐもった声で冴子が言ったが、田宮は
それにはとりあわず冴子の顎を掬って仰向かせた。冴子は勢い顔をのけぞらせながら、田宮の視線を眼にとらえ、
 「誰かが入って来たら…………」                    

 最後まで言わないうちに田宮の顔が落ちてきて、口をふさがれた。     
 いつもの田宮の接吻は、日本の男には少ない技巧を備えていて、いつも冴子を悩殺するのだが、今日のは思いがけず荒々しい
ものだった。冴子が予想していた甘美さとはおよそ違う田宮のやり方に、飢えた男の焦りを感じて、冴子はにわかに田宮に対するい
としさが込みあげてきて、思わず両腕を硬い男の頸に回していた。                                  

  「もうすぐ、いつか話したロンドンに行っている浩二さんが帰って来るの」 
  田宮が口を離した一瞬をつかんで、冴子はやっと言った。         
  「ああ、先生の学友の息子さんで、この家に下宿していて、家族同然にしていた坊やだろう……覚えているよ。何時にくるんだ
い?」           

  「今夜ロンドンから着くとしかわからないんですけど…………たしかブリティシュ航空で帰って来ると言ってましたから、今空港に聞
いて見ようと思ってましたの」                                 
  「ああ、その便なら知ってるよ。夜八時半着だよ。この間友人がそれで帰って来たから…… 。だから十分時間はある……………
だから………………」   
  田宮の掌が懇願するように、そっと割烹着の上から冴子の乳房をつかんだ。接吻とは違って、割れ物にでも触るような優しさだっ
た。           

  「仕方の無ない人ね」                         
 冴子は目許をぼうっと染め上げて、あどけない表情で軽く田宮を睨んだ。触れられたことで、反応をはじめた冴子の躯の奥から
染め上げられた自然な紅が映えて、どきっとするほどなまめかしさをそそる。そのくせ、触れられた後の冴子の表情は、何もかも田
宮に任せ切ったという自己放棄のやすらかさをたたえて体重を男に預け切って、それを受止めている田宮は、泪がこぼれそうなほど、
いとしさが込みあげて来る。                          

 立ち眩みかと一瞬錯覚したほどのすばやさで冴子は田宮に抱きあげられていた。
 昏い廊下を運ばれながら、冴子はもう躯の芯からめらめらと紅蓮の炎が立ち昇りはじめているのを振り払う気力も失せて、しだい
に官能の靄にかすんでいく意識の底で、浩二の来る時間にはまだ間があると最後に考えた。

 浩二のことは夫もこの田宮も知らない。生涯心に仕舞い込んでおくつもれいでいる。これだけは年下の浩二のためにも、また自分
の浩二に対するいとしさのためにも大事に心の奥深く仕舞って置くことに決めている。だから今日は奇麗な躯で浩二を迎えるつもりだ
ったが、こうして田宮に抱かれると、生理的に躯が潤んでしまう。やはりこの八ヶ月の間に冴子の躯が覚え込んだ田宮の肉の感触がそう
させるのだろう。
 浩二のために奇麗な躯でおりたいという感情と、しだいに潤んでくる躯の欲求の綯混ぜった感情のまま、冴子は自分の部屋に布団
を敷いていた。 

 ブラウスの釦をはずして乳房を露わにしたのは田宮だったが、スカートと下穿は自分でとった。裸になった田宮の前は、怒張し切っ
ていた。いつも田宮の希望で、どこからも見えないからと、庭の硝子障子のカーテンを開けたまま冴子は田宮を受け入れる習慣だった。
 
 その硝子に全裸で絡んだ自分たちの姿が、薄く映っている。浩二の時もたしか、こんな風に映っていたような気がしていた。
 庭の椿が赤く飾り電球のように見えていたのも、あの時と同じだった。そう夫との新婚時代にもこの椿を見ながらした。                  

 力強く入って来た田宮に、冴子の躯が思わず弓なりにしない、冴子の視野が、官能の火に揺れて霞みはじめていた。                  
  「ああ、いいわ…………」                        
 思わず漏らした冴子の言葉にあおられるように田宮が律動を強めた。冴子はしだいに朦朧として来る意識の中で、今、自分の中に入
っている男が、浩二のような錯覚を感じたが、それは田宮だと、自分に言い聞かせた。
 しかし、何時の間にかまた浩二とのように錯覚してりうのはなぜだろう。冴子の閉じた目に火花が散りはじめ、官能のたかまりに、思わず
声を発する頃には、冴子は薄れる意識の中で、今夜浩二に抱かれようと決心していた。
 そして夫にも身を許そうと思もった。一日に三人の男に抱かれよう。自分も含めて、四人の内の誰一人として、そのために傷つく者はい
ないのだから。

 そう決心すると、冴子は激しく律動をはじめた田宮の腰にしっかりと脚を巻き付け、両腕は田宮の頸をしっかりと抱いて、自ら腰を振り
ながら、官能の業火の中へ踊り込んで行った。               

 気がついた時は、部屋の中にいつの間にか黄昏が忍び込んで、硝子戸を透かして見える椿林の白い花だけが、仄白く浮で見えた。
 横で煙草のくゆる臭いがして、田宮が俯伏になって汗ばんだ脚を絡ませていた。田宮に煽られて、噴出して無数の火玉となって飛び
散る業火に身を灼かれながら絶叫したような気がする。終焉を迎えようとする田宮に牽制の声でねだりながら自分も昇り詰めて、同時に果
てたまではおぼろげながら憶えている。

 その時に絶叫したと思ったが、実は田宮が果てたと思ったのは冴子の錯覚で、技巧に富んだ彼は、
冴子一人を昇り切らせて、自分は力を温存し、小休止の後再び最後の力をふり絞って挑んできた。
 ふいを突かれた冴子は、高まりまりのおさまる間もなく、頂上からさらに中空に投げ揚げられたような感じに煽られて、最後には気を失っ
ていた。          
 残り火がまだ燻りつづけている胎内で、時々痙攣のような収縮がおこり、その度にどっと溢れたものが流れ出して濡らしている股間を、

 田宮の指が軽く冴子の背中を叩いた。 
  「なにか塗り薬あるかなあ…」                     
 指を動かせ続けながら田宮がぼそりと言た。                
  「肩の血が止まらないんだ…」                     
 冴子の顔の上に寄せた堅いか肩の肉に、鮮やかな歯型がくっきりとついていて、その一部の皮膚が切れて血が細い雫になって流れて
いる。         

  「誰がこんなお悪戯したんでしょうね?」                
 口元に肩を引き寄せ、ちろりと出した舌で、傷口を嘗めながら甘い声で冴子が言った。遠くで豆腐売りのラッパが聞こえていた。硝子戸
の外がもうすっかり暮れ果てて、昏く沈み込んだ室内に、二人の裸身だけが、仄白く浮かび出ていた。

  リビングで鳴る電話のベルが暗い廊下を伝って聞こえてきたのはその時である。 
  「あら、どうしましょう…」                      
 あわてふためいて身を起こした冴子は、弛緩して萎えた脚でよろめきながら、手探りで見付けた割烹着を素肌に纏って、電話に走った。           

  「ああ、ママ?… 僕です…」                     
  いきなり浩二の変わらぬ声が、そこに居るような近さで受話器に飛び込んできた。                                  
  「お帰りなさい。で…今どこに居るの?」                
 懐かしさに込み上げてくる感情を抑えながら冴子は訊いた。        
  「今、箱崎の東京エアーシティーターミナルです。これからタクシーでそちらに向かいますから、あと一時間もあれば着きます。お腹す
かせてますからよろしく」                                   
  「相変わらずね。それで貴方一人なの?」                
  「青い眼の嫁さんでも連れて帰ったとでも思っているんですか? 生憎ひとりです。今日パパはいるの?」                       
  「千葉の学校に行ってるけど、夜は帰って来るわ。お客さんが一人いるけど、心配ない人だから、早くいらしゃい…」                  
  電話を切って振り返るとそこに田宮が、服装を整えて立っていた。     

  「貴方の時間と違うじゃないの。嘘ばっかり言って……。もう箱崎まで帰ってきてるのよ」
  「おかしいなあ……。いつ時間が変更になったのだとう」         
  「あとどのくらいしたら来るかしら」  
  「箱崎からなら全部高速道路だから、四十分もすると着いちゃうね。早く支度しないと拙いな」                            
  「どうしましょう。一体何から手をつけたらいいのかわからないわ…」   
 うろたえる冴子に近寄って、田宮が優しく抱いた。            

  「まず米を出すこと。僕が炊飯器はセットしてあげるから、そのうちにきみの部屋を片付けて……ああ…それも僕がしてあげるから、
君はともかっくシャワーを浴びること…」                            
 「あたしの顔変じゃない?」                      
 田宮の顔を見上げて、羞恥を浮かべながら訊いた。            
  「とてもきれいだよ。眼が潤んでいるところがいい。まだ余韻が残っていて、君が一番美しく見えている時だよ」                    

 田宮は割烹着一枚で、背中から臀にかけては露なままの冴子の身体を愛撫しながら言った。それが困るのよ…浩二さんも、この表
情を知ってるんですもの…とも言えず、冴子は田宮の腕からすりぬけて、米櫃を田宮に教えて、風呂場へ走った。

 
  「そんなに厚化粧したら、せっかくの女らしい美しさが隠れてしまうじゃないか」                                  
 冴子が買い忘れて来たワインを買いに出掛ける時、そう言い残した田宮の言葉を思い出しながら冴子が料理の準備をしている時、
玄関が勢いよく開いて、  
  「ただいま!」                            
 と元気のいい浩二の声がキチンまで響いた。               

 冴子は料理に濡れた手を割烹着で拭いながら玄関に走り出ると、三和土に突っ立て、大きな旅行用のスーツケースを両脇に抱えた
浩二が、白い大きな歯を見せて笑顔で立っていた。二人の目があった瞬間、白い割烹着の冴子の肩が波うつように大きく息づいていた。
 冴子は感動に声をつまらせた。          
  「お帰りなさい…」                          
 やっと言った冴子に、にこりとしてから、                 

  「お客さんは?」                          
 と訊いた。                              
  「お客さんと言っても、パパの後輩で、同じ先生なのよ。今お買物に行ってもらってるの」                              
 スーツケースの一つを取ろうとして三和土に腕をのばした冴子を、浩二が横から抱き取った。はっと、浩二を見上げた冴子の顔に、
いきなり浩二の顔がかぶさてきて、唇を奪われた。短い接吻だった。                 

  「会いたかった!」                          
 そういう浩二の言葉に感激しながらも、会った時にはどんなに感動するだろうと予測していたほど、もう一つ感動がないのは、先ほ
どの田宮の名残がまだ股間に流れているせいだろうかと冴え子は思った。               
  「お風呂湧いてるわ。旅の汗を早く流しなさい。それともお茶にする?」  
  「風呂が先だな………」                        
 浩二は二階に荷物を置くと、勝手知った家の廊下を、大股で歩いて風呂場に消えた。                           

  「浩二さん着替え持ってって…………」
あわてて浴衣を抱えて風呂場に浩二を追い、勢いよくドアを開けると、目の前に浩二が裸身を輝かせて立っていた。
田宮の毛深い大人の躯を見慣れた冴子の目に、艶やかな革のような茶褐色の肌を鈍色に輝かせ、若鹿のように精悍な幼さがまだ残
っている健康で清潔そうな浩二の裸体は、男の精にでも出会ったようにまぶしく映った。

その男の精は、冴子を認めると、一瞬信じられないような顔をしたが、すぐ顔面いっぱいに朱を滲ませて、いきなり冴子を掬いとるよ
うにして抱き締めた。
言葉はなかった。冴子の唇を奪いながら、片手で冴え子の乳房の盛り上がりを割烹着の上から揉んだ。先ほど慌てて着衣した時に、割
烹着を脱ぐときに、ちゃんと服装を整えればいいと考えて、下穿だけつけてスリップもブラジャーも省略し、その上に綿の普段着の紺の
タイトスカートと、薄いカシミヤのブラウスセーターを着ただけだったから、浩二の大きな掌の温たたか味が、直接触れられたように伝わ
ってくる。

 浩二の掌の中で乳首がしだいに硬くなってくるのが、よくわかる。浩二がその掌で、うっ、と思わず声が出そうになる痛さで乳房を強く
握りしめた。その粗野な愛撫が、清冽な清水を浴びせられたたように、冴子の躯に思いがけない刺激を与えて、冴子は朦朧となった。
足が萎えたように力を失い、ずるずると崩れ落ちようとして、冴子は慌てて浩二の裸体にしがみついた。細く硬い浩二の腰に両手をまわ
して体を支えようとしたとき、偶然のように浩二の硬直した男根が頬を突いた。羞恥が全身をはしり、思わず浩二の股の付け根に顔を埋
めた。

 ざらざらとした浩二の陰毛が頬に当たり若い男性の強い体臭が臭い立っていた。
片膝を突いた冴子の不自然な格好を、いきなり崩すように、浩二が冴子の上にのしかかって、ふたりは互いに、足の付け根当りに顔を
付けるようにして折り重なった。浩二の掌がすばやく冴子のスカートをまくり、薄いスキャンティーの上から、口を付けてきた。田宮の溜
ったものが溢れ出ている上に、今の刺激ですっかり濡れそぼり、スキャンティーだけでなく、股間から太腿を伝って流れはじめている体
液が浩二に見られてしまうと、慌てて起き上がろうとしたが、浩二の屈強な力で押さえつけられているため、びくとも動かない。
  「浩二さん、やめて! お願い 」
冴子は思わず、大きな声を上げた。

田宮は、玄関から上がり、キッチンに入りかけたところで、思いがけない冴子の悲鳴を聴いた。
 買ってきたワインの包を置くと、足音を忍ばせて声のした風呂場に向かった。
若々しい青年の裸の背中がまず目に飛び込んで来た。体は大きいが、まだ肩と腰と臀に幼さの弱々しい線を残したような青年の裸体
だった。

 やや浅黒い肌が、若者特有の光沢を滲ませて、脱衣場のほのくらい電灯に照らされて鈍色に輝いている。その青年の乱れた黒い髪から
はえたように、女の白い足が白鳥が羽を広げているようにくの字に開かれているのが見えた。青年の貌が羽の中心に埋まっていた。青年は、
冴子を逆さに組敷いているようである。注意してみると、青年の長い足の膝が、冴子の両肩を押さえつけ、その股間から冴子の白い貌が覗
き見えた。                                  

 互いにクリニングスをしているのかと思ったが、そうではなく冴子は、青年の太い腿を下から手で突き上げて、起き上がろうとしてもが
いているらしい。屹立した男根が、冴子の貌に当たっている。割烹着が腹の辺りまでたくし上げられている。青年の手が、股間で細い紐のよ
うになったスキャンティーを横に引っぱって陰部を丸出しに、そこに青年の貌がかぶさっている。暴力沙汰ではないことが、冴子の抵抗の弱さ
で解る。

  「浩二さん、今はいや! お客さんがもう帰って来るから………」
  「こうしたかった! イギリスにいる間、こうすることばかり考えていたんだ」 「あたしだって、あなたのこと忘れたことないわ」
青年の股間で、くぐもった冴子の酔ったような甘い声がして、冴子の白い掌が青年の太股の下から現れ、隠れていた怒張した陰茎を取り出す
ように持ち上げた。太く大きな陰茎だったが、亀頭はまだ粘膜の薄い紅で、茎も味経験者らしく清潔な肌色をしている。冴子がそれを口付けをし
た。短い口ずけだった。

  青年もふただび冴子の陰部に貌を埋めた。
  「ああ、浩二さん………」
冴子の声が震えた。馴れた男女のしぐさだった。
  「さあ、浩二さん、本当にお客様が帰ってくるわ」
冴子が浩二の太股を押し上げた。
田宮は、するりと廊下を出ると、もう一度玄関から入りなおした。

(相変わらず読みにくい編集で申し訳ありません。目下研究中です)

花  濫 9
夢想原人 12/6(日) 14:55:09 No.20091206145509 削除
異常な契約



 「そうか、君は写真がうまいんだったねえ」               
 惣太郎が言った。                            
 「冴子、田宮君はねえ、写真は玄人なんだ。日本写真クラブの会員でもあるし、日展入賞のカメラマンなんだ。そうだ、冴子も一度撮っ
てもらうといい」    
「あら、ぜひお願いしたいわ。若いうちに………」            

 今から思えば、夫と田宮がたくらんだ芝居だったと冴子は思っているが、その時は全く疑わずのせられてしまった。丁度田宮はカメラも照
明も持って来ているから、即実行しようということになり、冴子はうまく二人の甘言ににせられて、ネグリジェ姿のまま化粧だけほどこして、カ
メラの前に立たされた。     

 大きなライトが三つもセットされ、狭いリビングがスタジオに変わった。強いライトを浴びて、食に家中の花を集めた花瓶を置き、その前
に民芸風の椅子に凭れて冴子は立たされていた。三脚の後ろから田宮が何度もシャッターを切っていた。ライトの熱が冴子の肌を汗ばませて
いる。               
 「冴子さん、片脚を椅子に上げて、その膝に顎を載せて下さい。………そうそう……いいですよ………とても魅力的です。いきますよ……
…」       

 田宮の巧みな言葉に酔わされていたと、後で冴子は思ったが、その時は、本当に自分がポーズを変え、ライトが変わる度に、しだいに美
しく変化しているようなナルシズムに酔わされていた。                      
 「やはりネグリジェの下のスリップが邪魔だなあ。折角の胸の線が台無しになっているんだ。先生、冴子さんの魅力は何といっても、豊
満で真っ白い躯の線にあります。ほら、見て下さい。折角の胸の膨らみが、スリップのレースに邪魔されているでしょう。あれがなければ、
きれいな線が出ると思いませんか?」  

 惣太郎はうなずいて冴子にスリップを脱ぐことを命じた。薄い絹のネグリジェだけにされて、透ける乳房と股間を気にしながらポーズをと
っていたが、その内に、ネグリジェの胸のホックを一つ外し、二つ外して大きく胸を広げた撮影が続き、はっと気が付いた時には、乳房が
露出していた。              

 乳首が尖っていないといい写真にはならないと、田宮に乳房を愛撫され、表情をもっと妖艶にしたいと、惣太郎がカメラの見えない後ろか
ら、しゃがんだ格好で冴子のネグリジェの裾を巻くって、花芯に愛撫を加えた頃から妙なことになっていた。三人とも何時の間にか淫蕩な感
情に憑かれていたのである。     

 低い民芸調の漆塗りの角椅子に腰を降ろした冴子が、片脚は伸ばし、もう一方を引き付けて踵を椅子に載せ、その膝を抱くようなポーズ
をとっていた。ネグリジェの前ホックは全部外されていて、身体の両側にはおったようになっている。形のいい乳房が片方覗き、L字型になっ
た脚の付け根には、淡い翳りの下に縦筋になった割れ目がはっきりと見えていた。強い照明に上気した冴子の眼が潤んでいるのがよくわか
る。紅赤の鮮明な口紅を引いた唇と、桃色の乳首、片膝を抱いて前で組んだ指の珊瑚色のマニキュアの色彩を白い肌が引き立ていた。三
月末の夜にはライトの熱が強すぎた。冴子の肌が滲んだ汗で光り、撮影途中で何度も化粧を直したりバスタオルで肌を拭わなければならな
かった。

 二人の男もいつの間にか浴衣の上半身を腰紐まで肌脱ぎにしていた。顔も脂汗と異常な刺激に酔ったように赤らんでいる。深夜の静寂の
中で、冴子の躯が発散する女の甘酸っぱい体臭と、煙草の臭いが混じり合って、ライトに熱せられたい澱ん部屋の空気を隠微な情緒にして
いた。

 惣太郎が田宮の後ろから、冴子に向かって放たれているライトを遮って冴子の後ろへ回った。                     
 「そうだ。どうせここまで撮ったんだから冴子、いっそのこと全裸のヌードを撮ってもらおううね。若い時は一度しかないんだ………。さあ
………脱ごうね………」      
 惣太郎が冴子の背後からネグリジェを剥ぎにかかった。           
 「いやよ………いやよ………。辱しいわ。こんな明るいところで………」  
 胸を両手で抱くようにして、いやいやをする冴子に構わず、惣太郎は無理矢理ネグリジェを、裾から剥くようにたくし上げた。

下半身が露わになって、冴子は飛び上がるようにして椅子から立ち上がり、前から見ている田宮の視線から下腹部を隠すように腰をひねった。
強烈なライトに照らし出されて、乳房と下腹部を手で覆った冴子は、腰を屈めるようにして立っていた。            
 「さあ、その椅子に足を組んで座って下さい」              

 田宮はカメラから離れて、立ったままの冴子の腕を取って、椅子に導いた。観念したのか、冴子はおとなしく椅子に腰を下ろし足を組んだ。
カメラは見ず、俯向き、脚を組んだために陰部が隠れたためか、両腕で乳房を抱くようにして隠していた。        
 「右手を椅子に突いて、もう一方を頭の後ろに回して下さい」      

  素直に冴子は田宮の言う通りにポーズをとった。照明に浮かび上がった、真っ白い豊かな肉体を、照明のあたらない昏い陰から二人の
男の目が凝視していた。丸い肩がハレーションをおこしているように輝き、豊かな乳房が灯を吸いあつめて、薄い肌ににじんだ凝脂が鈍色
に照り返している。
 薄桃色の乳首がつんと上を向き、まろやかに張り詰めた皮膚が照り輝き息ずいている。

田宮が二、三歩進み出て、その乳房を軽く撫でた。         
 「いや!」                              
 冴子が慌てて片手で乳房を押えて前屈みになった。             
 「すみません。きれいに撮るために、乳首を固くしたいんです。先生いいですか?」  
 田宮は、窺うように部屋の隅の昏がりに椅子を持って行って座り、ブランデーグラスを片手でいじ
っている惣太郎に訊いた。                
 
「生涯に一度しかない、成熟の極まりの美しさを残すんだから、思い切って美しく撮ってくれ。冴子も折角の機会だから、田宮君の言う通
りにして、最高にきれいに撮ってもらおう」 
 「じゃあ、失礼しますよ。プロのモデルでも、これだけは必ずやりますね 」
 腰掛けて脚を組んでいる冴子の前に跪くように、脚を折ってしゃがんだ田宮が、両手を伸ばして、貴重な品物でもあづかうように、冴子の
乳房の両方を、広い裾野の方から掌で愛撫しはじめた。田宮の掌にあまる乳房が弾力をみなぎらせて弾みながら形を変える。 

 しばらく沈黙が続いた。ライトの熱気に煽られるように、室内に隠微張り詰めた緊張感の中で、しだいに冴子の呼吸が乱れていくのが、か
すかに聞こえた。惣太郎は二杯目のブランデーを飲みながら、昏い陰から二人の様子を眺めていた。

 惣太郎は酒のせいだけではなく、ライトに照らし出された妻の裸身の美しさにも酔っていた。惣太郎からは、椅子に腰掛けた妻が、斜め横
に眺められた。すでに発情をはじめているらしく、躯の内部から滲み出た、紅を刷いたように頬が紅潮し、目がすでに潤みはじめている。硬
い田宮の陽灼けした上半身が、組んで伸ばした白い冴子の脚の向こうから、ひざまずいたまま、冴子の乳房を愛撫してい
る。今は片手を、冴子の組んだ脚の、太腿辺りに置いて、静かに腿の内側を愛撫している。片手は相変わらず乳房を愛撫し、顔を冴子の剥
き出しのもう一方の乳房に寄せて、唇で乳首を愛撫しはじめた。         

 真っ白く柔弱な冴子の躯と、茶褐色で剛健な田宮の肉体の対比が、一層妻を女らしくうつくしく見せていた。妻はポーズしていた手を、今は
田宮の肩にかけ、やや上向けて目を閉じ、貌をかすかに揺らしている。羞恥がしだいに官能に侵されて、観念したようにも、没我に浸っている
ようにも見える恍惚とした表情で、口を少し開けて、小さく喘いでいるようすである。              

 「あっ……」                              
 短い冴子の叫びに目をこらすと、田宮が、思い切ったように、太腿を愛撫していた掌を冴子の股間く差し入れて、微妙な揺らし方をしていた。
指先が冴子の敏感な部分に触れているに違いないと、惣太郎は思わず身を乗り出していた。乳房を愛撫していた掌も、強く乳房を掴んでゆす
り、もう一方の乳房に吸い付いていた唇が、完全に乳首を含んでいた。冴子の上体が揺らいで、田宮の肩に凭れかかり、艶やかな両腕が田
宮の頸を抱いている。耐え難い官能に襲われているらしく、冴子は眉根に苦痛のような縦皺を刻ませ、白い歯をのぞかせた唇からは、押し殺
した溜息が、熱さを含んでひゅうひゅうと鳴っていた。田宮は写真撮影を放棄して、このまま冴子の肉体にめり込んでしまうのかと、惣太郎が
思った瞬間、田宮が敏捷な動作で立ち上がると、急いでカメラを覗き込みながら、     

 「さあ、ポーズとって! 」                      
 凛とした声で、冴子を制した。つられたように冴子が、はっとした表情でポーズをとった。長い髪がすこしほつれて額にはりつき、上気した
桜色の頬が羞恥を刻んでいる。濡れ濡れとうるおって輝きをたたえた瞳をカメラに向け、まだ先程の愛撫の余韻を充分に残している息づかい
で、小さく口をあけたままポーズをとっている妻の姿は、自分の妻とは信じられないほど魅惑的だった。艶やかに息づいている躯全体にも、
美しい牝の発情が、内部に燃え上がった官能の炎を照り輝かせ、成熟した女体のぬめぬめと吸い付くような肌が上気して桜色に染まっている。

 田宮がシャッターを切りながら、冴子にさまざまなポーズを指示している。最初照れたり、羞恥にもじもじしたりしていたが、田宮の巧みな
言葉に呪詛にでもかかったように、身体の位置を変え、ポーズを変えて行く。       
 「そうそう…………とってもチャーミングだよ。右脚をもう少し開いて………ああ、大丈夫、毛は後で消すし、割れ目ちゃんは、見えないよ
うに撮るからね………。はい! そこで、仰向けになり、腰を両手で支えて………そうそう………。両脚を上に伸ばして、そうそう………きれ
いだよ。大きな白鳥になったんだ君は………脚が翅………大空に舞い上がる………もっともっと、大きく翅を羽ばたいて………」              

 大きな食卓の上に冴子が今夜のために敷いた、ブルーのテーブルクロスを巧みに使って波を造り、その上に冴子を仰向けに寝させ、両手
で腰を支えさせて、両足を宙で、大きく開閉させている。照明の強い光りが、煌々と冴子の股間を照らし出し、淡い陰毛の一本一本から、大
きく開く度に、赤貝のように口を開ける秘肉の複雑な襞の微細な陰影や、体液の滴りまで克明に浮き出しているのを、田宮はロングやアップ
で漁るように何枚も写し撮っていく。時々、撮影を中止して、田宮は冴子の肌に流れる汗を拭いてやったりしている。ガーゼ地のタオルで、愛
撫するように全身を拭きながら、股間にまで掌を伸ばす。その度に冴子が耐え難い吐息をつくのを惣太郎は見逃さなかった。            

 「こんなものを着ていたら、自由に動けない……………」         
 田宮が惣太郎とも冴子ともつかずに言って、腰紐まで剥いでいた浴衣を脱ぎ捨てて、下穿だけになったのがチャンスだった。                  
 「田宮君が冴子に触れる度に、冴子が上気してとても女らしく美しくなるような気がする」                              
 惣太郎が冗談とも嫉妬ともとれる固い口調で言った。           

 「アメリカで見たスタジオでは、ポルノグラフィーを撮る時には、恍惚の表情や、緊迫した筋肉の動きを出すために、実際に性交させたり
刺激を与えながら撮るのが普通なんです。そのほうが美しく撮れるんです」          
 「よし。滅多にないチャンスだ。俺がシャッターを押すから、田宮君少し冴子を刺激してやってくれんかねえ」                     
 惣太郎と田宮の視線が微妙に絡んだが、すぐに互いが了解した。      
 下穿のまま、田宮が冴子の腰を抱え、その中心に顔を埋め、溢れはじめた花芯に唇をあてた。冴子が遂に声を出した。暗黙の了解が三
人にあった。カメラを三脚から外して手持ちに変えた惣太郎が演出者になって、次々と指示を与えた。  
 「君の下穿が邪魔で仕方ないんだ。取ってくれ給え」           

 冴子の恍惚とした表情や姿態を撮影するために、出来るだけ陰になって、冴子を刺激していた田宮
に、惣太郎が声を掛けた。田宮も冴子も、惣太郎の意図を理解したが、さすがに田宮ははにかんで、                  
 「いよいよ本物のポルノ撮影になりますね」               
 と照れながら、下穿をはずした。すでに怒張した陰茎が、跳ねるように飛び出した。  
 「冴子の横に寝て、斜め横から抱いて………」              
 惣太郎の指示が、しだいに露骨になり、                  
 「それじゃあ冴子が可哀想だし、最高の表情を撮るためには、君が言ったように、思い切って挿入
してくれ………」                   

 惣太郎が怒ったように興奮した声で
 
言うまでに時間はかからなかった。               
 食卓の上で、強烈なライトを浴びて、正常位で挿入し、互いに身を揉んでいるふたりを、惣太郎はカメラのレンズの中で、美しい映画でも
見るような恍惚とした感情でみとれていた。
 冴子の柔らかい太腿が、生ゴムのように弾力をみせて、田宮の大きな手が掴んだ部分をめり込ませている。田宮の腰の動きにつれて、乳
房が揺れ、テーブルクロスに散った髪がくねっていた。           
 ふたりの後ろに回って見ると、冴子が巨大な田宮の陰茎を咥えて、腰で円を描いている。田宮がそれに答えるように腰を激しく波打たせた。
そのたびに、冴子の臀が田宮を一気に呑み込む勢いで収縮する。濡れた田宮のものが、冴子の白い臀の間でちらついている。田宮が冴子
の脚を肩にかついだ。

 繋った部分が、上から惣太郎にはっきりと視えた。見慣れた冴子の局所が、無慚に歪み攻め立てられてながら、体液をほとぼらせている。   
 蒼いテーブルクロスが揺れて、田宮の律動につれてしだいにずりあがり、頭がテーブルから落ちかかった。のぞけった冴子の白い頸筋に
血管が蒼く浮き上がって見えた。惣太郎にはそれが冴子の極まりのように思えた。

 テーブルの上で、汗光りする浅黒い鋼鉄のような固い男の体に押え付けられ揺り動かされて、喜悦にのたうっている冴子は、点灯したまま
の強烈なライトに射られた白い肌が、ハレーションをおこして薄い皮膜のように光沢を輝かき、眉間に寄せた縦皺が、肉欲をむさぼっている。
成熟した女の官能のたぎりを見せている。         

 惣太郎はふと、カーテンも閉めてなかった硝子戸に、ふたりの肉欲の争奪を没我になって見ている自分の姿が、終局を目前にして狂喜の
極みにもだえているふたりの姿の奥に映っているのに気が付いて、鞭で叩かれたような気持で我にかえり、煙草に火を付けた。

 外ではいつの間にか霰混じりの小雨が寒々と降っていた。濡れた葉のない雑木の幹が、汗に濡れて輝いている冴子の肌のように艶を帯び
て夜目にも輝いて見えた。        

 成熟した男女の媾合が発散する熱気と気迫の満ちたこの部屋は、真冬の深夜とも思えぬ暖かさになまめいているのを、惣太郎は窓外の無
数の銀の糸のように降りしきる雨と対象させながら、うつろな気持で眺めていた。         

 冴子は霰混じりの冷たい雨の降る早春の夜に、嵐のようなふたりの男に紊亂されて、狂気の一夜を送って以来、自分が逃れられない性の
深淵に落ち込んだことも、ふたりの男が共謀した企みにうまうまと載せたれたことも自覚してはいなかった。         
 それは冴子が軽薄だということではなく、浩二との半年前の出来事以来、今まで体験したこともない蠱惑的な未知の世界が、冴子の前に
俄に次々と開かれて、冴子にとっては未曾有の体験の連続が冴子の神経を麻痺させてしまったということだろう。丁度、未知の国を旅して
車窓に次々現われる風景に驚嘆しているうちに、やがてそれが普通のことのように思えてくるのと似通っている。    

 その夜以来、田宮との情交が、いつの間にか、当然の慣習のようになって続いている。当初は夫に隠れるようにして需めて来ていた田宮
が、肉に関してだけは夫のように、いや夫以上に熱心に執拗に冴子を需めるようになったのは、そう時間を必要としなかった。 

 浩二の時のような衝撃的な緊張や愉悦はないが、冴子と同じ歳上の田宮との情交には、世間並みの夫婦のような落ち着きとゆとりがあ
る反面、田宮の熟達した技巧と強靭な体力は、外国女性を扱い慣れた優しさを加えて、性の歓びの深淵に目覚めかけたばかりの冴子の心
と肉を限りなく堪能させていた。田宮のどちらかというと学者らしくない世間ずれしたエリートサラリーマンのような小利口さや、大袈裟な身
振りの話し方や、歯の浮くようなお世辞を平気で使う性格は、平素の冴子は不潔そうで好きにはなれないが、こと性を共有すると、それが
呪詛にだもあったように冴子を魅了してしまう。
      
 だから、田宮が昨年の正月アメリカに一月ばかり出張していた時や、しばらく仕事で、冴子の前に現われなかった時など、かって経験し
たことのない悶々の情に躯が火照り、身をさいなむような鬱屈した心境になる。裂かれるような想いをしたこともある。    

 夫と田宮の間で、冴子の知らないどんな会話がなされているのかは知らないが、夫の出張の夜には田宮は間違いなくやって来たし、そ
れを夫も承知しているらしいことは、出張先から必ず電話してくる夫に、田宮が用件があって代わって出ることもあって、冴子にも推察出来
た。                   

 冴子が男二人の共謀にはっきりと気付いたのは、半年ほど前のことだった。夫が在宅中に田宮が訪ねて来た時のことだった。夫は田宮
が来たことを知らせても、調べ物が途中だから、あと二時間くらい待っているように言って書斎から出て来なかった。冴子が書斎に入った時
も、アイヌ語のぷテープを聞きながら一心にメモをとっていた。次の日にたまたまあるパーティーに出席する冴子は、丁度自分の部屋で着
て行く衣装選びをしていたのだが、どうしても最後の選択が出来ず迷うばかりで困っていた時だっので、田宮に相談して見ようと自室に招い
た。田宮の忠告にしたがって、つぎつぎ衣類を出して着替えている間に、突然、田宮に抱き締められた。                        

 藤色の着物を決め、それに似合うかどうか、海棠を刺繍した帯びをあてがっている時だった。口付けしながら合せただけの着物の前か
ら冴子の素肌に手を差し込んでくる田宮に、                            
 「うちの人が気付きます。止めてください………」            
 その時冴子は、とっさに夫の書斎に向いた襖が閉まっているのを確認した。  

 「大丈夫だよ。心配ない。」                      
 押し倒され、着物の裾を腹のあたりまで捲り上げられて挿入された。すぐ傍の夫に隠れて微かに睦むスリルと異常さに、思いがけない興
奮のるつぼに陥れられて、冴子は声をこらえるだけで必死だった。

 かすむ意識の底で、一刻も早く田宮が終ることを念じ続けた。 やっと田宮が終って部屋から出る時、閉ていた襖が細く開いているのを
冴子は発見して思わず声を出しそうになった。しかしその時は、冴子が襖を見たのと、田宮が襖を開けて出て行ったのとが同時くらいだっ
たから、もしかすると自分の錯覚だったのだろうと思い直した。                    

 冴子がまだ弛緩した躯を横たえたまま、恍惚の霧に包まれている時に、突然、入れ替わって書斎に
篭っていた筈の夫が入って来たにである。         
 「あなた!………………」                       
 絶句して飛び起きようとした冴子に夫がかぶさってきた。
 冴子の躯には田宮の残していったものが、まだ溢流しているのに、夫はそれを無視して冴子の中に入ってくる。そして満足そうに交わりを
続ける。練れているお前が一番いい、と最近ではよく言うし、弱くなった自分には、弾みが付いているお前が最高だ、とも言う。言葉を返せば、
冴子の躯が田宮との情交によって、高められ燃えている余韻に巧みに
便乗して、夫は冴子を征服した錯覚を覚えることで満足しているのだろう。          

 初めてそれに気付いた時は、そんな夫の行為に嫌悪を感じたものだが、いまではそうしてまで自分を愛したい夫に、同情とも感謝とも愛
着ともつかぬ、夫のおおらかさとでもいうようなものを感じて
いる。何にも増して言えることは、冴子がすっかり、こんな奇怪な生活を異常とも感じないように慣らされた事実である。

Beginning  最終回
古川さとし 12/6(日) 08:03:30 No.20091206080330 削除


「う〜ん、なかなか、すごいですよぉ。やっぱり、さすが、志織が見込んだだけはある」

 相澤は、にこやかに、すばらしいと、小声で連発する。

「いえ」

 遠藤は、どう答えて良いのかわからない。
 お互いの妻に、たっぷりと射精し合った者同士、裸の連帯感は確かにある。
 かといって、自分のモノだけのはずの、妻というパートナーの貞操を奪われてしまった者同士でもあるのだ。

 しかし、そこには、そこはかとない満足感があるのも確かだった。
 
 ビールをお互いに注ぎ合って、男達は、満足した顔で小さく「カンパイ」と言った。

 遠藤は、何かを言わねばならぬ気がした。しかし、何を言えばいいのか。

「しかし、お恥ずかしいです、優子のヤツ、あんなになるなんて。すごい。あそこまでなるのは見たことがないです」

「いや、ウチのヤツだって、君に失神させられたんだから、さすがだよ、『抜か3』は、ダテじゃない」

「いやあ、相澤さんのそれ、ホント、凶器、反則ですよ、それぇ、知っていたら、受けなかったですよ、ホント」

 冗談めかしているが、本音でもある。
 かろうじて、志織も失神させたことで、遠藤もプライドを保っていた。
 しかし、優子が、見たこともないような壮絶な反応をしてしまったのをこの目で見て、内心は、夫としてのプライドがズタズタかもしれないと、自分でも思っている。

 目が覚めたら、優子が何というのだろうか。

 志織を失神させた満足感よりも、優子が、どう思っているのか、不安だった。
 相澤の凶器に「目覚め」てしまって、もう、遠藤のモノでは満足しないのではないのか。一抹の怯えがある。

「いや、いや、オレのは、まあ、珍しいってだけでね。慣れれば、たいしたモンじゃないんだよ」

 それはウソだろうと遠藤は思う。
 それに、こんな凶器のようなモノに「慣れ」たら、優子がどうなってしまうか。考えたくもない。

「いやあ、それにしても優子ちゃん、すごいなあ、素質があるよ」

 グッと、コップを空けて、優子の方に、コップを掲げてみせる。

「そうですか?」

「うん。絡みつく、って言うのか、オレのを受け入れると普通は、それで一杯一杯になっちゃうんだけど、優子ちゃんは違うんだ」

「へえ?」

 自分の知らない妻の「肉」を聞いて、嫉妬もあるが、興味を引かれるのも当然だ。

「グッと、一度広がってさ、その後、きっちりと締め付けてきたんだ。あれには参ったよ。ホントは、もっと粘りたかったんだけどね。我慢できなかった、お恥ずかしい」

 照れたように頭を掻く姿は、まるで、タッチの差で、電車に乗り遅れた仕草のような、ごく普通のもの。

 ついさっきまで、自分の妻を、かつて見たこともないほど啼かせていた人物と同じだとは思えない程だった。

「すごいよ。せひ、また、後でお願いしたいね」

「え、いや、もう、あの」

 まだ、優子を「使う」つもりなのかと、遠藤は、驚く。本音では、これ以上やったら妻がおかしくなってしまいそうで、二度とゴメンだと思う。
 とっさに、話題を変えようと、志織の話に持っていく。

「でも、志織ちゃんのオ○○コは、すごいです。胸も、すごいし」

 なれなれしい呼び方も、今となっては違和感がない。何しろ、究極のスキンシップをしたのだから。

「うん、すごいだろ、でかいと、反応が悪かったりすることもあるが、志織の胸は、乳首よし、絞ってよし、揉んでヨシ、おまけに感じてヨシ、だからなあ」

 何のてらいもなく、そうのろけて、ハハハ、と相澤は笑いながら、自分の妻の寝姿に目をやった。

 釣られて、遠藤も、妻を見る。

 二人とも、しどけなく脚を広げたまま、ゆっくりと呼吸をしていた。

 失神したままの二人の股間からは、お互いの出した白い毒液が、トロリとこぼれているが、後始末もできるはずがなかったのだ。

『優子のヤツ、どうなってしまったんだ』
 
 抜か3をフルに発揮して、徹底的にやれば、ちょっと、意識を失うことはあっても、身繕いをせぬまま、こうやって長々と横たわっていたことなどかつて無かった。
 まして、夫以外の精子を子宮にため込んで、満足げに寝そべったままだなんて。

『まだ、失神してるのか?』

 その時だった。

「はぁ」

 微かな声が、優子の口から漏れた。さっきのセックスを夢見ているのだろうか。
 何とも悩ましい声だった。

「ふふふ。ほら、みてよ、それが、スワップの良いところさ」

 相澤が、指さしたのは、遠藤の股間。

「あ、いえ、こ、これは」

 腰に巻いていたバスタオルが、見事に天をついていた。
 ついさっき、志織を失神させながら、3度目の放出をしたばかりなのに、まるで、半年も、オンナを抱いてないような、切迫した「飢え」を感じているのが、ひどく奇妙だ。

「いや、照れなくても。オレもだよ、ほら」

 バスタオルをさっと取り去ると、そこには、さっき優子をメチャメチャに感じさせた凶器が、そそり立っている。

「スワップというのは、相手の奥さんを抱いた時より、自分の妻に戻った時の方が、嬉しいんだよ」

「妻に、戻る?」

「ふふふ。悪いけど、優子ちゃんにした時より、今の方が、元気なんだぜ」

「え?」

「じゃ、第二ラウンドと行こうか」

 そそくさと、自分の妻のベッドに上がっていく相澤。

「ほら、優子ちゃんが待ってるよ、スワップの醍醐味は、ここからなんだぜ」

 そこまで言うと、相澤は、一気に志織にのしかかっていく。

「え?」

「あうう、あなたあ!」

 気を失っていたはずの志織の、いきなりの嬌声だ。

「ほら、ほら、3回も出されたな。失神しやがって。気持ち良かったのか、うん?どうだ?うん、おお!ぐちゃぐちゃじゃないか」

「あう、あう、ああ、良かったわ、あう、あう、だ、だめぇ、ゆ、ゆるしてぇ、まだ、無理よぉ」 

 唖然とする遠藤を残したまま、相澤と志織は、淫らな睦言を交わしながら、一気に盛り上がっている。

『優子は?』

 ふと、見ると、優子が、反対を向いて丸くなっている。
 慌てて、遠藤が近づくと、イヤイヤイヤと激しく首を振りながら、そのくせ、目一杯の力でいきなり抱きついてきた。

「あなたぁ!」

「ゆうこ」

 もはや迷っている場合ではなかった。
 ぐっと優子を押さえつけるようにして、脚を割るように身体を入れた。

「あなた、あ、ダメ、まだ、身体、洗ってないから」

 まるで処女のようなことを言って、遠藤の身体につっかえ棒をする。

「遠藤君。そのままだ。一気に、入れてやれ」

「いやあぁ」

 志織と激しく交わっているはずの相澤が、親指を突き立ててみせる。

「オレので、ドロドロになっているオ○○コに、君が出すんだ。オレも、君がぐちゃぐちゃにしてくれたここで出すからな」

 激しく拒否しようとする優子の手を押さえつけて、遠藤は身体を重ねた。
 硬くそそり立った怒張は、たやすく入り口を見つける。

「ああ、だめ、だめ、だめぇ、あううう!」

 ドロドロになっている優子の中は、いつもよりも緩い気がしたのは、つかの間だった。
 次の瞬間強烈なケイレンとともに、美肉がキュッと締め付けてくる。

「うぉ」

「ああああ!」

 訳がわからなくなっていた。
 ただ、優子が、かつて無いほどの快楽を、あっという間に味わっていることと、自分のが、味わったことのない妻の中にいることだけが、現実だった。

「いいぞ。もし、また、優子ちゃんが、気を失ったら、志織を貸すからな」

「あん、あなたったらあ、あうう、あう、また、あうう」

 志織が、また、甘い声を出しながら達している。
 一方で、優子は、夫を搾り取ろうとするかのように、腰を使い出した。意識してのことではない。
 おそらくは、夫が、他のオンナに行ってしまうのを防ぎたい、と頭ではなく、子宮が考えたのだろう。

「あうう、あう、あう」

 それは、同時に優子自身を追い上げることにもなるのだ。
 強烈なオーガズムにブリッジを造りながら、遠藤の怒張を、美肉がヒクンヒクンヒクンと搾り取るようにケイレンする。
 まるで、初めてのセックスの時のように、遠藤は、我慢などできなかった。

「優子ぉ」

「あ、あなたあ」

 グッと妻を抱きしめながら、相澤の精液をたっぷりと注ぎ込まれた子宮に、夫として、たくましく精液を注ぎ込んでいた。

 味わったことのない快美感に、もはやこの世界と縁を切れなくなったのだと、思い知っていた。

スワッピングの醍醐味の中でキスしたまま抱き合う、幸せな遠藤。

 しかし、やがて、相澤と生涯の最高のコンビを組むことになると、まだ、知るよしもなかった。 


            〜fin〜

恵美子の年下の浮気相手 1
たむ 12/5(土) 17:41:49 No.20091205174149 削除
妻の恵美子は43歳です。浮気相手の男は30歳の信一で、妻とは13歳年下です。僕が浮気の事を知ったのは5年前の妻38歳で信一25歳の時。初めは月1か2ぐらいの外出で日が替わる前には帰ってきて居たのが、次第に朝帰りになりました。僕も誰と逢って居るのか聞きましたが友達やら子供の学校のママさん達と逢ってると、言っていました。5月22日の土曜日も仕事から帰ると妻の姿は無く子供に聞くと友達と飲みに行ったとの事、その日は珍しくam2時頃に帰って来ました。僕は気が付きましたが寝たふりをしていると、妻の携帯のメールの着信音が鳴り、妻がニコニコしながらメールを見て、お返しの送信メールを打ち終り、僕の隣に入って眠りました。妻はお酒の匂いもしませんでしたし、お風呂には入って無いにもかかわらず家とは、違う石鹸の匂いがしています。僕は30分ほどじっとしてから、妻が寝たの確認して、静かに布団から起き上がり、枕元に置いて在る妻のバックを持ち、違う部屋に行きバックの中を探ると、妻の携帯と手帳が在りました。

花  濫 8
夢想原人 12/5(土) 15:16:44 No.20091205151644 削除
異常な契約



 夫が田宮とのことに気付いたと知ったのは、その日の帰宅した夜だった。  
 疲れたから帰るという田宮を、これから帰って夕食の準備をするのも大変だろうからと、なかば強引に引き止めたあげく、自分は急に
三鷹の古本屋に頼んでいた用事を思い出して、十時には帰るからと、そそくさと出て行った。惣太郎の家から三鷹まではバスで三十分
の距離だったのに、その時はまだ五時にもなっていなかった。

 疑訝の表情で見送る冴子に、
「先生は、古本屋が市で仕入れて来た本の中に、思いがけない書物を発見する名人なんです。今日は土曜日で、市の開かれた日だ
から、きっと掘り出し物でもないかと、急に思い立たれたのでしょう」                 
 こともなげに言った。                         

「だって、こんなに疲れて帰ってすぐに行かなければならないほど、重要なことなのかしら」                             
「疲れたのは、僕達だけです。先生は昨夜も早くから寝ていらっしゃるし、往復の車中もあの通り
お休みだったから…………」              

 ふたりだけになった調布の家の居間で、机を挟んで冴子は田宮の言葉に、思わず頬を染めて俯向いた。しばらくして、ちら、と田宮
の顔を見上げ、じっと自分を見詰めていた田宮を見ると、                      
 「いや! そんなに見詰めないでください。恥かしくって顔が上げられないじゃありませんか」                            
 とまた俯いて顔を染めた。                       

 それから二時間後、冴子は入浴を済ませた躯に、袷の着物を着てリビングの椅子に一人座っていた。夫の命じた通り寿司を取り寄せ
ていたが、自分と夫のはまだラップをかけたまま残っていた。

 田宮が寿司を食べて帰ったのが四十分くらい前だった。       

 夫が出て行ってすぐ田宮が求めて来た。冴子の部屋の畳みの上で、冴子はスカートを捲り上げられたままだった。いつ夫が帰って来
るかわかわないのが気になって、冴子は最初拒んだが、田宮の怒張したものが当てられた頃から、しだいに冷静さを失っていた。                             
「これで最後にしましょうね」                     

 冴子は何度も最中に田宮に言った。実際そうする気だった。こんなことが続くとは思えなかったし、続けるべきではないと、今日帰る
車のなかでそう決心していた。これが最後、という思いが、逆に冴子を興奮させた。さすがに昨夜からの連続のせいか、田宮はなかな
か果てなかった。それも結果的には冴子を狂わす結果になってしまった。それまで、外でしか果てなかった田宮に、本当は今は大丈夫
な時期だから、中でいって、とねだったのも冴子の興奮の度合いを語っている。
 
 「先生には、やはり今夜は運転が疲れたので帰ったと言って置いて下さい。怒りなんかされませんよ」                         
 田宮が、実はこれ以上いると、また奥さんが欲しくなるから、と言い残して、そそくさと寿司を片付けて帰ってから、冴子は慌てて風
呂を涌かして入った。中で果てた田宮のものが、溢れ出て困ったからである。            

 玄関に音がして夫が帰って来た。夫は酒を飲んでいた。熟し柿のように赤らめた顔で、数冊の本を
小脇に抱えていた。慌てて迎えに出た冴子に、       
「なんだ。田宮は帰ったのか。彼のためにいい本を見付けて来てやったのに……」           

 口ではさも残念そうに言っていたが、それでは電話なさいますか、と言う冴子に返辞もせず、そそくさと風呂に入った。                 
 疲れたから早く寝よう、と寝室に入った夫が、珍しく冴子を需めて来た。入浴を済ませたとはいえ、冴子の躯のなかには、まだ先程田
宮が射出したものが粘く澱っており、子宮の奥から時折溢流して陰唇を濡らしていた。冴子は慌てた。疲れているからと拒否する冴子を
夫は、酒の酔いに紛らわせて強引に抱いた。いつになく力強い夫だった。何かに挑發されているような焦りを冴子は夫に感じた。

 夫の手が股間に伸び、その指が陰唇を割って潜り込んでくる。冴子自身の体液とは異質な、もっと粘質を帯びた重い感じの粘液が陰
唇から膣の襞に、べとりと付着して、その粘液に溶かされかかったように、膣内の粘膜が高熱患者のように熱く、練られたように柔らかく
なっていた。             

 夫が冴子の浴衣の裾をまくり上げ、下穿を下げて陰部を露わにして、顔を寄せてきた。広げた陰唇の奥から、濃い精液の匂が温めら
れて立ち昇っている。夫にはない若い男性の臭いである。夫には一目瞭然に田宮との性交の痕跡を発見されたと冴子は驚愕した。  

 しかし、夫は知ってか知らずにか、特別な反応を示さない。もしかすると、暗さと、最近鈍ってきた夫の臭覚では、発見出来なかった
のではないかという安堵が、半信半疑ながら、冴子に希望をつながせた。冴子はいつになく張り切った夫のものを探し当てると、 
 「早く欲しいの………」                        
 
はしたなさを考える前に、露見の恐怖が先にきた。夫のものを自分に導くと、意外と素直に夫は、身体の体勢を整えて埋没して来た。
潤滑な膣は迎合して、いきなり子宮口まで入り込んだ陰茎を、膣襞が蠕動しながら包んだ。先程の慌ただしい田宮との交わりに、取り
残された感じだった冴子の肉は、すぐ反応を示して燃え上がった。              
 今日のお前は、とてもいいよ。いつもと違って、柔らかいしとても練れていていい感じだ。やはり、田宮のような若い男と一緒だった
のが、何かお前の躯に刺激になったのだろうか」                        

 浅く深くさすが田宮にはない甲羅を経た夫の老獪な技巧に、冴子は先程の切迫した感情がしだいに消えて、夫の律動に触発された官
能の靄に包まれていった。
 「昨夜、田宮はお前になにかしなかったかい?」             
 律動を小刻みに変えて夫が言った。                   
 「何かって………どういうこと?」                   
 冴子の昇りかけた官能の火が、冷水を掛けられたように一瞬にして消え、胸の鼓動が異質な早まりを見せた。                      
 「お前の躯に悪戯をしかけるとか…………しなかったかい?」        

 「だって、あんなにお酒いただいたので、朝までなにも知らずに寝てましたわ」
 「そうか…………それじゃあ田宮の奴……こっそりお前に触っていたんだ」  
 「まさか、そんなこと…………」                    
 「いや、おれは見たんだ。もう明るくなった頃だ。咽喉が乾いて、ふと、目が覚めて見たら、隣のお前が、浴衣の胸を開いて寝てる
んだ。両方の乳房も露わにしてだ………」                             
 「まさか、そんなこと…………、嘘でしょう?そんな…………」      

 冴子の中の夫が、一段と拡充し律動を強めながら、            
 「直して蒲団を掛けてやろうと、起き上がりかけて、はっと、気が付いたんだ。なんと田宮の黒い頭がお前の股間で揺れているでは
ないか。気付かれないように見ると、お前の浴衣の腰紐が解かれ、ほとんど全裸の状態にされたお前の脚を、田宮が大きく広げて、
お前のアソコを嘗めていた。お前も夢の中で、何か感じているらしく小さく呻いていた」 
 「それ貴方の夢でしょう?」                      

 「夢なもんか。おれはすっかり目覚めて、掛蒲団から、わずかに顔を出して、奴に気付かれないように見ていたんだ。少し上体を斜
めに起こして視るということが、あんなに力が必要だとは考えても見なかった。指を挿入してもいた。彼がそうすると、お前はまるで起き
ているように嬌声を上げるんだ。彼が乳房にむしゃぶり付いた時なんか、お前は、はっきり、いい………いい………って言ったぞ。だが
寝むっている証拠に、彼がお前の躯から離れると、すぐお前は、心地よい寝息をかいていた」               

 嘘とは思えない夫の言葉である。たしかに、暁方の交わりの後、風呂から帰ってから、田宮が蒲団の中でまた愛撫をはじめたのに応
じる閑もなく睡魔に襲われて、眠ってしまったのは事実である。奈落の底へ落ちるような眠りを、乳房や陰部から鋭く沸き起る官能の疼
きに呼び戻されて、何度か声を上げたような気がする。それを夫が見たとしても、自分は眠っていたのだから共犯ではない。

 むしろ被害者の立場だ。夫と一緒に不埒な田宮を攻撃すればいい。冴子の中で、安堵の安らぎが生れた。                 
しかし、夫は 田宮の不届き極まる行為を、どうして夫は黙って見逃したのだろう。自分の妻が目前でいたぶられているという侮辱で非道
な行為を、それも叱責出来る自分の部下がしたというのに、黙認したのはなぜだろう。夫は温厚だが侮辱には厳しい男だ。
 
冴子が東京に来た頃庭掃除をしていて、近くにある競輪場の酔った客に抱き付かれ、唇を奪われたことがある。縁側でそれを目撃した
夫は、木刀でその男を滅多打ちして、腕の骨を打ち砕いた。その酔っ払いは近くの公共施設に勤める中年の公務員で、必死に陳謝し、
表沙汰になれば首になってしまうから許してくれと泣きながら訴えても、夫は巌として聞き入れず警察に婦女暴行罪で突き出した。そん
な夫がなぜ田宮を見逃したのはなぜだろう。    
 
「それで貴方は、どうして黙っていたの?」               
 すっかり覚めた目で、冴子が真上で揺れている、視野に余る夫の顔を見て聞いた。   
 「それが不思議なんだ。まだ仄暗い室内に、お前の裸体が白く浮き出て輝き、田宮も浅黒い艶々した裸でお前に絡んでいる。それが
不潔でないんだ。とても奇麗に見えたんだ。お前の白い肌が、田宮の若い滑し革のような肌に触れられて、水を得た植物のように、瑞々
しく潤っていくんだなあ」           
 「そんなにはっきり見たの?」                     

 「ああ、田宮が切なさそうに溜息を吐きながら、宝物でもあづかうような丁寧さで、お前を愛撫する。するとお前は耐え難くなるのか、
時々それを逃げるように腰を引く。田宮のここがかんかんに勃起していた………」         
 夫は挿入したままの自分の物を、思い切り深く突き立てて、田宮の陰茎を表現した。 
 「あぁ……そこまで見たのね……」                   

 冴子は奇怪な衝撃を受けていた。それは自分と田宮の交わりを、夫が見ていたという衝撃ではだけではなく、奇怪な心理だが、夫へ
の貞淑を破って他の男に狂ったあの時の状況が、夫によって克明に語れれるという異常な状態に、性夢にかき乱されているような
昂ぶりを感じていた。田宮と夫の二人の男に同時に犯されたような披虐な官能に火を付けられたような感じだった。消えていた官能が甦り、
いつの間にか夫の煽りに乗って腰を動かせていた。  

 「田宮がお前の乳房を唇に含み、もう一方の掌でここを愛撫し出したら、お前は顔を顰めて、いい……いい……と、はっきり言って腰
を振るんだ。例え夢心地でも、官能に酔う自分の妻の表情をはじめて客観的に見て、まるではじめてお前を見るような新鮮さで、美しく
見えたんだ。田宮という若い男の肉体とお前の若い女の躯が触れて発散する、若さの命のたぎりの美とでもいうのだろうか、それを離れ
た場所で見て、まずお前が若い男から歓喜を与えられて恍惚とした表情と躯の線が、妖しいまでに美しくなるいのを知った。つぎに、田
宮の若い男の肉体が、お前に触れることによって、一層逞しく稟々しく輝いて、男の俺から見ても魅力的だった。お前がもし起きていて
そうなったら、あの田宮の肉体には抗し切れないだろうと思った。お前が深い眠りにあるだけに、お前のその表情には不自然な感情がな
く、自然でのびやかだったし、それだけに田宮がどんなにお前に興奮しているかと思うと、男の俺には自分が田宮になったようで、とても
興奮したよ」      

 今朝を思い返して興奮したらしく夫の動きが大きく強く深くなって、冴子にもその情感が伝染して、しだいに席巻されていく。              
 「田宮は何度か、お前の脚を肩に載せて入れようとしたんだ」        
 「まさか、そこまでくれば、あたしだって目が醒めるわ」         
 「一度か二度は入ったと思うよ。お前だって声を出していたもの。しかしお前が夢の中だから、躯を横にしたりするから続けるわけにい
かないんだ。不思議に嫉妬も怒りも感じないんだ。田宮に頑張れと声援を送りたい気持だった。田宮はしばらくお前を抱いていた」。

 「俺の方からはお前の裸の右側が、白く光って見えていた。しばらくして、お前の胸に掌を置いたままの田宮が俯向いたまま寝息をたて
ていた。俺の方は完全に目が醒めてしまたので、起きて風呂に行った。その時に、お前のここを見たら、濡れて流れていた。女は夢の中
でも出るのかと、あらためて女の性の深さを知った」             
 夫が青年のような熱情を込めて突き立てて来た。              
 「もしあたしがその時目醒めて、もし………もしよ……田宮さんに応じたら貴方どうする?」 
 「多分黙って見ていたろうな。あの時は、田宮にやられて、もだえるお前をぜひ眺めたいと真剣に考えた」                       
「 それ本気?」

冴子の言葉には期待感があったのを、惣太郎は見逃さなかった。      
「ああ、やってくれるかい?」                     
 夫が一体どこまで見ていたかわからなかった。本来なら決然と拒否すべきであるが、それを考えると、ここは夫に服従しておいた方が安全
だと判断した。それに夫の誘惑は、冴子に呪詛に捕らえられたような興奮を呼び起こす。     
 「ほんとうに、そんなことしてもいいの。あたしが淫らな女になっても知らないわよ」                                
 「いいんだ。お前だってまだ若い。これからまだまだ性の奥を知っていくんだ。俺の代わりを田宮がするんだ。田宮と俺は一身同体と思
えばいい」      

 「あなたまさか、もう田宮さんに、こんなこと話てるんじゃないでしょうね」
 「そんなことはしてないが、田宮を口説くことは簡単だ。あいつは身体も剛健だし性格もいい。それに第一、前にも言ったようにお前が好
きだ。男同志にも相性があって、田宮なら俺の身代りをさせてもいいと思っている。若いだけにきっと徹底してお前を歓ばせてくれると思う」                  

 夫が最後の律動を開始した。                      
 「あなた……いい……」                        
 冴子は眩むような陶酔の中で、夫と田宮の二人の男を受け入れているような感情に包まれて昇り詰めていった。
 にわかに捕縄から解かれたような気持が、さらに官能を強めていく。先ほどまで田宮の帰った後、一人で悩んでいた背徳の罪の悲嘆は、単
なる憂慮だったが、これでいいのだろうか。これからどうなっていくのか不安は残ったが、ともかく一つの大きな疵後が、これで完全に払拭さ
れたのは事実である。解放感を冴子は純粋に感じていた。もう絶対繰り返すまい、と心に誓ったばかりの田宮が、急に身近に擦り寄ってきた
ように感じられ、冴子は田宮の肉の甘さを思い返しながら、夫の胸にすがり付いた。  

 冴子が惣太郎と田宮も意図に、はっきりと気付きいたのは、惣太郎が冴子に、暗に田宮との情交を勧めるような話をしてから、数日後だっ
た。
 惣太郎が出版社から依頼されていた 
 「日本方言辞典」の締め切りが近付き、田宮が校正を受け持って、毎晩学校が終ると冴子の家に来て惣太郎と徹夜の状態で仕事をし、二
人共疲れ切って倒れるように、書斎で寝ていた。実はその間にも、一、二度田宮と冴子は惣太郎の目を盗んで交わりを持ったのだ が、そ
れははかないものだった。                         

 やっと全てが脱稿した夜、三人は祝宴を開いた。酒が入り、すきやきの鍋を片付け、三人共風呂から出て、男達は浴衣に、冴子は絹の淡
いオレンジ色の胸の広く開いたネグリジェに着替え、リビングに落ち着いて、さらにブランデーを飲み出した時だった。    
 「田宮君はセックスの日本語を幾つ言えるかね」             
 惣太郎が急に話題を変えた。                       
 「そうですねえ。交わり、交接、交媾、性交、肉交、交悦、媾合、房事、淫事、閨事、陰事、秘戯………それから………」              交わり、濡れこと、そんなところかな。古語ではつままぎ、くながひ、みとのはまぐはひ、方言では無数といっていいほどあるが、おまんこ、
おめこなんかが一般的だね。おめこは御女子で実は非常に上品な言葉だったんだ」     

 「知らなかったわ。あたしの育った岡山の田舎では、大変下品な言葉で、女の子なんか絶対に口に出来なかったのよ」                 
 冴子が酔いに染まった顔を、ブランデーグラスを頬に当てて冷やしながら口を挟んだ。                                
 「でも、つままぎ、とか、くながひとはどういうことかしら」       
 「そう、それが問題なんだ。つままぎは妻間技とも妻魔戯ともいわれるが、前は妻との間の技だし、次は妻と魔羅の戯だろう。つまりど
ちらも妻とのセックスのことで、夫と妻とのセックスではないの。昔は一夫多妻だった。その前は母性中心社会だった。だからセックスは女中
心だったのじゃないのかと最近思い出したんだ。妻イコール女と考えると女との技、戯なんだな。技とか戯、特に戯は戯れであり遊びという
ことだ。一人の妻と一生遊ぶというのはおかしい。これは不特定多数の女でなければならない。その女を妻と言っているのが面白い。

 昔は結婚しても結構他の男と遊んでいたのではないかと想像させられる」     
 「なんだかこじつけの理屈みたい」                   
 冴子が少し酔った舌足らずの言葉で言った。                
「いや一概にそうとも言えませんよ。昔は旅人の接待に、自分の妻を貸す地方だってあったんだから」                        

 田宮が顔をしかめて真剣な顔で言った。                 
 「話はそれるが、その妻を貸すって話だけど、それは本当に旅人を慰めるためったのだろうかねえ。何だかそうではないような気もするん
だが」       
 「例えば昔は大家族制度で労働力に子供を沢山生む必要があったし、地域が限定されていたから、血族結婚の劣勢遺伝などもあって、他
の男の種を貰う必要もあったと、考えていいのではないでしょうか」                

 「そうだね、いずれにしても性もおおらかだったのだろう。この雑誌最近見付けて来たのだけど、君達知っているかい?」                
 惣太郎が取り出した雑誌を田宮が受け取って、ぱらぱらとページをめくっていたが、                                  
 「これは驚きですね。皆家庭の主婦ですねえ」              
 「なんのこと?」                           
 冴子が田宮に身を寄せてその雑誌を覗き込んだが、            
 「まあ、これ本当なの?」                       

 顔を上気させて羞恥を浮かべた表情で言った。そこには、各ページに三枚くらいづつ、全裸の女の写真があった。上品にすましてポーズ
をとった写真もあったが、殆どが脚を開いたり、自慰の格好だったり、ひどいのは性交のクライマックスを撮ったものまである。そしてその写真
には、必ず……妻が貴方との夜を待っていますとか、若い男性との三人のプレーがしたい………などと書かれている。
いわゆる夫婦交換雑誌である。      

 「現代でもこういうことが行なわれているんだ。現代には、血族の劣勢遺伝も子供の問題もない。ただ性のエンジョイなんだ。娯楽の少な
い昔にもきっと、こんな遊びはあったと思うなあ。旅人を泊めるのも、地域の中の男では後が煩わしいが旅人なら、一夜限りだし、そんなとこ
ろだったのじゃないかな」     

 田宮が熱心にページをめくていたが、                  
 「それにしても皆写真が下手だなあ。かえって美しい女体が汚く写っている。興味ががた落ちですね。
これなんかまだいい写真ですが、これくらいのモデルなら、もっと美しく魅力的に撮れるんだがなあ」               
 ブランデーを干しながら、残念そうに田宮が言った。           

知られたくない遊び18
道明 12/5(土) 09:27:06 No.20091205092706 削除
うららかな陽射しの午後
理絵が岩井の屋敷の書斎へ向かっていた
書斎といっても、中央に大きな大理石のテーブルとその回りに8人が座れる豪華な椅子
壁には有名な絵が掛けてあり、木彫の本棚が並ぶ
大きな窓の近くにオーナー愛用の机が置いてある


理絵が部屋に入ると、岩井は読んでいた書類から顔をあげ、眼鏡をはずした

「やぁ、理絵さん・・・・ここにお越しになるということは、お返事を頂けるのかな?」

「はい、そのつもりで参りました」


清い澄んだ視線が岩井の視線と交差する
私服を纏った理絵は一段と知性美が増し、首筋の色の白さが際立ちスカートから覗く脛から足首までのラインの素晴らしさが、この男のフェチ色欲を煽る



「あの、先日・・松田チーフのご主人がお店の方に来られたのですが、チーフはお屋敷の方でお仕事中と、お伝えすると
 珈琲を飲まれて、会わずに帰られました・・・なにやら、お元気がなさそうでしたが・・・」

「そう・・チーフのご主人が・・・・いっ!?・・理絵さんがそう感じられたのも無理もない
 ご主人は現在、失業中で職探しをしておられる・・・私もチーフから頼まれていて
いずれご主人にも私の仕事を手伝ってもらうつもりでいるんですよ」



「そうなんですか!それはさぞかし松田チーフも喜ばれることでしょう」

「うん・・彼女は今、銀行に行ってもらっている・・戻ればそのことを伝えておこう
 それより、理絵さん・・・私へのお返事はどうなんでしょう?」



「そのことですが・・・夫を亡くしてからオーナーのご好意に甘えるばかりで・・・
 経理の仕事をお手伝いするのは、当然の務めとしても、オーナーの事業パートナーとして役員になるとなると、あまりにも・・・・・」

「うっっ!?」

理絵との会話中もその魅力にうっとりとしていた岩井が、椅子に座ったまま机の上に肘をつき、握り拳を口にあてた



「どうかされましたか・・・オーナー?」

「いや、何でもない・・・続けてください」

「はい・・・役員に就任するというのは、あまりにも厚かましく・・」


岩井が、ふぅぅと息を吐く



「理絵さん・・そんなご遠慮、謙遜はされなくていいですよ
 あなたが来られてからの立ち振る舞い、お仕事振りだけを見ていても
 素晴らしい能力をお持ちなのを、私は十分に感じました
 それよりも、何よりも・・・・私は亡くなったあなたのご主人には恩義がある」

「恩義?ですか・・・?」


目の前に立つ美貌の未亡人に、岩井の目がこよなく優しく向けられる
この視線にこれまでに騙された女は数知れない

Beginning  第9話
古川さとし 12/5(土) 07:19:09 No.20091205071909 削除


 扱くと言うより、確かめる動き。

 優子のしなやかな手は、思わず、相澤の松ぼっくりをなで回している。

『こんな、太いの、私、受け入れられるのかしら。でも、ああ、もう、あの人はしてしまってるし。しかたないのね……』

 覚悟を決めた優子は、眼を閉じた。
 全てを相澤に委ねる、と言う意思表示。
 もちろん、相澤は、それを分かってくれる。
 ゆっくりと身体を起こすと、相澤は、ヒザで動いて優子の両脚の間に来る。
 グッと両脚を広げて腰を進めてきた。

『来る……』

 魂への衝撃を覚悟した。
 グッと、塊が押しつけられている。股間に押し入ろうとする異物感。
 拒みたい、でも、拒めない。
 逡巡の、わずかな間に、異物が自分をかき分けてくる。

「あぁ、いやぁ、いっ」

 一瞬、痛い、と言いかけて、それは違うと、口を閉ざす。痛みではない。しかし、自分のそこが、無理矢理引き延ばされる感覚だ。
 メリッと軋む音が聞こえた気がした。
 それは、ひょっとして、平凡な主婦としての心のどこかが、壊されてしまった音かも知れない。
 濡れに、濡れそぼったそこは、持ち主に、まったく抵抗を許さなかった。
 拒もうと思った時には、ズルズルと巨大な何かが、身体の奥に挿入されてしまっていたのだ。
 身体の奥に、異物の塊が押し込められている。

「あぁっ!」 

 それは、快感のためと言うより、あきらめの吐息かも知れない。
 異物が押し入ってくる恐怖に、自然と閉されようとしていた脚は、今や、違和感を和らげようと、逆に目一杯広げてしまっている。
 もちろん、自分の「モチモノ」の効果を十分に知り尽くしている相澤は、身体が馴染むまでじっとしている。

『何、これ、お腹が、下から……』

 内臓が、押し上げられるような感覚があった。それは不快なのかと言われれば、そんなことはない。かといって、それは、快感なのかと言われれば、ウンというわけにもいかない。
 強いて言えば、猛烈な存在感だけが、そこに、ある……

「あぁ」

 だから、ため息のように、声が漏れるのも、快感のためではない。
 ただただ、オンナとして、身体が広げられてしまっている切なさ、と言って良い。

「どう?」

「なんか、苦しいです」

「大丈夫、すぐ馴染むからね」

「えぇ」

 夫の横で、違うオトコを受け入れている自分が不思議な気がした。

「一度入っちゃうと、楽でしょ?」

「え、えぇ」

「すごくしまってますよ。良いオ○○コだ。ヒクヒクと締め付けてくれる」

「あぁ、いやあ、おっしゃらないで」

「私のようなチ○チ○は、どうです?」

「あぁ、だめえ」

 いやいやと、処女の娘のように顔を覆ってしまう。
 別に、純情ぶりたいわけでもないが、夫の横で、睦言を話すかのように、お互いの肉体の感想を語り合うなんて、優子の許容範囲を超えてしまっている。
 そのくせ、合間に伸ばしてくる指先に、乳首をくじられる度に、短い嬌声が出てしまうのも、身体をくっつけてしまっている者同士の親密さに他ならないのだ。
『ああ、なんか、ヘン……』
 子宮の奥に、何かが芽生えようとしていた。
 それが何かを、自分に問いかけようとした瞬間、夫じゃない男と優子の二人の空間は、切り裂くような啼き声に、破られた。
 突然、優子も、そして相澤も、ギョッとして顔を横に向けた。

「あ、ああ!あう!あああ、あううう、いく!いくう!」

 志織が、ロケットバストを揺らめかしながら、遠藤を乗せたままの腰からブリッジを作り出していた。
 すぐ隣のベッドの派手なオーガズムだった。
 遠藤が、打ちつけた腰を、グッと押しつけたまま、尻をヒクリとさせる。

『あなた、出しちゃったのね、志織の中に』

「あう、あ、あ、ま、また、あううう、ぅくうう!」

 志織は、射精に合わせて、さらに深いオーガズムに達しているようだ。
 夫がイクところを、すぐ横から見ているのは、何とも不思議な感覚だったのだ。

「あっ」

 優子は、赤くなった。

『コンドームを……』

 そうなのだ。
 せめて、と思ったコンドームを夫がつけていなかったことを思い出したのだ。
 着ければ誰とセックスして良いというモノでもないが、そのまま、男の精を流し込んでしまうなんて人妻として、してはいけない気がした。
 もちろん、自分と同じように志織もピルを飲んでいることは聞いている。
 しかし、夫の、あの熱い精液が、注ぎ込まれているというのは、女の本能が嫉妬を紡ぎ出すのを止められない。

『それに、志織にしたってことは』

 夫がナカに出してしまった以上、自分も、相澤の熱い液体を受け入れるべきなのだと、思いつくのに時間はかからない。
 その愕然とした表情で、相澤も優子の考えていることが分かったようだ。

「そうですよ。これから、あなたに、私のモノを受け入れてもらいます。とっても、気持ちの良いオ○○コだから、たっぷりと出てしまいますからね」

「あっ」 

 不意に、子宮がズキンとした。
 快感の予兆のような衝撃。

「だいぶ馴染んできたようですね」

「はふっ」

 返事をするつもりなど無かったが、相澤が、わずかに身じろぎをした瞬間、口から、ため息のような何かが飛び出してしまった。

「え?え?え?あ、ああああ!」

 快感の声、と言うより、それは、驚きの声だったのかもしれない。
 腰が持って行かれるような気がした。
 強烈な異物が、美肉を掻き取ろうとしていた。
 まるで、抜かれるのを恐れて追いかけるように、優子の腰が、相澤を追いかける。

「さて、ゆっくりと、行きましょうか」

 ニッコリと笑った相澤の顔を、優子は、ハッキリと覚えている。しかし、次に何が起きたのか、もはや覚えていられなかった。
 相澤のモノが反転した。 
 ゆっくりと押し込まれ、また引いていく。

「あうう!あう!」

 鋭い声が出ている。
 それだけだ。
 いや、自分の中で何かが蠢いて、その度に、自分が止めようもないほどのはしたない声を上げていることを意識していた。
 夫は、既に消えていた。

「あん、あん、あん、あああう、もう、あうう」

「早いなあ。良いですよ。いくらでも。逝っていいよ」

「あん、あああ、あん、あん、い、いっちゃう、いっちゃう、いくぅ!」

 頭の中でハレーションが起きた。目の前が真っ白だ。
 しかし、相澤の動きは、止まらない。

「あう、はふうう、はう、はう、あ、あ、あ、あ、あう、ま、まって、あん」

 待って、と言っているはずなのに、言葉が意味を持たない。真っ白になってしまった頭の中で、美肉の中だけが灼熱の存在感。
 次々と、マグマを脳に流し込んでくる。
 腰が、熱で溶けていく。
 いや、このままでは、下半身が熔けてしまう。

「ああう、あう、ま、また、あう、い、いいい、いうう、いくうう!」

 柔らかな優子の股関節は、オトコを目一杯受け入れようとするオンナの本能に、真一文字と言えるほど広げられている。

「はう、あう、ああ、あう、あううう」

 ゆっくりと出入りしているだけではない。
 松ぼっくりは、押し入ってくる度に、優子の肉ヒダの一枚一枚、違うところをかき分け、違う場所をこそぎ取っていく。

「あうう、い、いう、いい、いいのぉ」

 ピタリと重ねられた相澤の背中を、掻きむしるように爪を立ててしまう。もちろん、それを意識などできないのだが。
 する前は、一番抵抗があったキスも、自分から舌をゆだねていた。

「ふぐっ、はぐっ」

 夫じゃない男の唾液をコクリ、コクリと飲み下しながら、それだけでも、また快感が破裂してしまう。
 優子は見ている余裕もなかったが、夫である遠藤の顔色が変わっていた。
 一度、発射した余裕がそうさせるのか、はたまた、妻の乱れた姿がそうさせるのか、身体を重ねたまま、猛烈なピストンを始めていた。

「あう、ま、また、うああぁ、い、いっちゃう、あうう、ああ!」

 たちまち、また強烈なオーガズムの志織。
 しかし、志織を、また逝かせても、なお、射精の気配はなかった。スピードを一切緩めない。
 もちろん、単純な往復ではない。

 浅く、深く、浅く、浅く、右、左、上、下……

 男のプライドが、志織の口から屈服を、自分の妻が屈服させられている以上の、屈服を引き出すために、あらゆる動きをさせていた。

 そうなれば、何度もオーガズムを味わって、行きやすくなっている身体は耐えられぬ。

「あう、は、あう、ま、また、い、いっちゃう、あう、いいわぁ、あう」

 志織の声が、また極まりを告げる。

「あう、あ、あなた、あう、い、いく、いくうう!」

 志織の「あなた」は、誰に向かっての言葉だったのか。
 ともかくも、その声は、二人の男のスイッチを押したらしい。

「あ、あ、あ、あ、あ、あ、ああ、あうう」

 猛然とスパートした相澤の動きに、息も絶え絶えになる優子。
 射精に向かって、一気にスイッチを解放する遠藤。

「うっ」

「あううう!」

 志織と同時に、遠藤も、また、射精していた。
 一方で、同時に、相澤も、尻をひくつかせていた。引き金を引いたのだ。
 松ぼっくりの先から、胞子達が白いマントをまとって子宮めがけて駆け抜けていく。

「む」

 ドクリ。

 優子の動きが止まった。

 身体の中に充ち満ちたマグマが、一斉に解放された。
 熱い「胞子」が流し込まれたのを知った子宮は、猛烈な収縮を見せて、優子の身体全体も、ケイレンさせてしまう。

「ふぐっ!」

 もはや「イク」と叫ぶ余裕もない。

『あう、と、とけるうぅ、身体が、とけちゃうぅ』

 体中を硬直させ、背中でブリッジを作った優子は、溶ける、とだけ頭に浮かんで、そのまま暗闇に落ちていった。




知られたくない遊び17
道明 12/4(金) 17:21:30 No.20091204172130 削除

逞しい男の腕の中で、女が喘いでいる
男はその女の顔を見ながら、自慢の剛直を叩きつけるように女陰深く差し込んでいく

北陸の温泉旅館の一室


(この女のように・・・亡き夫を慕う、あの知性的な美人の逝く顔を、早く見たい)



「あんんん・・・オーナー・・・強すぎます・・・」

「強すぎ?・・・何を甘えているんだ、翔子・・・・・これぐらい辛抱しろ」



「あっあぁぁ・・ねぇ・・・優しく、ねぇ・・・お願い」

「そうだった・・お前はロマンチックなセックスがお好みだったな」



「あぁーん・・・嫌、そんなにきつくしないで・・・お願い、オーナー」

「淫乱女のくせに、何を言っていやがる・・・もっと、もっと、ねぇ・・もっと、だろうが!!」



心の屈折した男の執拗な女責めが続く



「翔子よ、俺の言いつけをちゃんと守っているだろうな、え!
 ここの穴は、もう俺様だけのもの・・・旦那はマスで辛抱してもらうって!」

「はい、主人とは一切・・性交渉をしていません
 恐らく、私のあの写真で・・・主人は・・・・・・」



「そうだ・・・それでいいんだ・・・いいか、ここが汚い穴になった時・・・お前は首だぞ」

「わかっています・・オーナーの仰るとおりにします・・・ですから、主人を」



「ああ・・・旦那の就職のことだな・・・・・じゃ、一度面接しなきゃなぁ・・」

「有難うございます・・・主人も喜ぶと思います」



「なら交換条件に・・・なぁ、翔子・・・お前に一働きしてもらうぞ
 なーに、相手はエロ爺だ・・・・直ぐ終わる・・・ただ、入れるところがケツの穴」

「嫌!!・・・そんな変態・・・・そんな人」



「ばーか・・・変態って・・・・・お前も淫乱女だろうが!!
 心配すんなって・・・本番までに俺が鍛えてやるから、安心しろ!」

「嫌・・・嫌・・・・そんなの嫌・・・・」



男が見つめている女の涙顔が、亡夫の通夜式で理絵が見せたあの時の悲しげな哀顔に見えてくる
現実はドラマチックだ、この獣男がそんな理絵に一目惚れしてしまった
誰しも、喪服姿の未亡人・・それも若くて美人とくればそんな気も起こらぬものではない
しかし、この男の執着心は尋常ではない



岩井は嫌がる裸の翔子に白足袋を履かせ、喪服に着替えさせると
再び、獣のように襲いかかる
襟元を広げ豊満な乳房を引っ張り出し、揉みくちゃに搾り込む
舌を襟足に這わせ、乳首を弄る
喪服の未亡人の股を広げ、白い素足の足首を両手で掴み自分の両肩に置く


(逝くぞ・・・・理絵)


もう既に、愛液で濡れ光る女の女陰に男の剛直が突き進む



(俺の女になれ・・・俺を愛せ、愛してくれ、理絵・・・何としても、何としてもだ)



心の歪んだ男が、尊い淑女の真心を射とめんと、がむしゃらに、膣道を突き進んでいく
相手の気持ちなど一切考えていない、否・・・感じられない自己中だ
悲しいかな!これがこの獣男の愛情表現・・・狙われた女は堪ったものじゃない

Beginning  第8話
古川さとし 12/4(金) 05:40:35 No.20091204054035 削除


 自分でも意外なことに、結局、結婚まで、優子は男は一人しか知らなかった。

 みんなわりと遊んでいるようだ。

 それなのに、十分モテるはずの自分が経験ないなんて。

 あまりにも、整いすぎた顔立ちに、男達が牽制し合い、気後れをされているウチに、いつの間にか、時だけが経ってしまった、というわけだ。

 さすがに、カッコ悪くって「経験は片手に余るけど」と友だちには、そして夫にも言い続けてきた。

 まあ、さすがに、そんなに経験をしてないのだと、夫には見抜かれているらしい。しかし、遠藤は、それを指摘するほどデリカシーに欠ける夫ではない。

 たった一人との、一度だけの体験は、闇の中での、思い出したくもない悲惨な処女喪失。痛みと、恥ずかしさしか覚えてない。

 夫は、優子の言葉を認めてくれてるし、優しくセックスを教えてくれてきた。だから、夫以外としたいなんて思ったことなどない。

『もっと恥ずかしいと思ったけど』

 それなのに、なぜか、どこか覚めている。

「あああ!」

 相澤は、そのまま入って来ようとしなかった。
 
 顔を埋め込んで、ジュブジュブと音を立てながら舌を遣ってくる。

「あう、や、あう、やめ、あううう」

 繊細で、時に激しい舌遣い。

 夫では味あわったことのない快感。

 強い衝撃。

 夫より年上で、志織の話では、経験豊富な相澤。
 スワッピングも体験している。

『さすがに、上手、気持ち良い』

 クリトリスに舌を遣いながら、指も盛んに動いている。中もかき回されているのだが、快感にまみれて、どうなっているのかよく分からなくなっている。

「あうう、い、いい」

 快感の声を思わず上げてしまう度、眼を閉じたままでも、夫がこっちを見るのが分かる。しかし、声が止められない。

『ああ、こ、これ、違う、彼と、全然』

 夫とのセックスと比べても意味がない。

 夫とのセックスは気持ち良い。だけど、これは、また別の快感。それも、すごくキモチ良い。

 このまま逝かせて欲しいと思うほど。

 だけど、夫以外に初めて秘所を見せているというのに、恥ずかしさはあっても冷静だった。

 むしろ、気になるのは、相澤の怒張を握らなくては、お返しを、と言う意識と、夫がどうしているのか、と言うことだ。

「あうう!」

 とはいえ、優子の身体は勝手に反応して、快感のうめきを次々に漏らしている。その度に、夫の視線を感じて、それが、なぜか背徳的な快感となってしまう。

 そっと目を開けた。

 その瞬間、立て続けに、下がクリトリスを弾いてくる。

「あうう」

 思わず声を漏らす。 

 自分が声を出すと、腰のひねりを入れる、お得意の方法で、志織から快感の声を絞り出そうとするのが、ハッキリとわかる。

『競争してるみたい。可愛い』

 自分の妻が、他人とセックスしているというのに、素朴な競争心を出してしまう男というものが、なんだか可愛く見えてしまうのは不思議だった。

「ああ!あうう!あん!ああ!」

 志織の声が、また、一際高くなる。
 
 他人のことはよく分からないが、また、あの、ふわっと宙を舞うようなオーガズムになったというのだろうか。

「あうう!あう!」

 思うヒマもなく、優子の秘所に舌と指が、激しく遣われて、クリトリスと、入り口の同時攻撃。

 また、短い閃光のような快感が、鋭く身体を突き抜けていく。

 そうなのだ。
 冷静そうに見える相澤も、志織が甲高い声で、達する度に、自分への刺戟を強くしてくるのだから、競争心とは無縁でいられないと言うことだ。

 そうやって、競争するように快感に翻弄されるうちに、優子の心も変化する。

 何度も快感を与えられたせいもあるかも知れない。男達を可愛いと思えたせいもあるかも知れない。

 何度もためらったはずの手は、今度は、サッと伸ばせてしまった。

 その気配を感じた相澤は、応じるように、パッと優子の横に来る。

 バスタオルを外した

 手が届く。

 いっきに、張りつめた怒張をつかんだ瞬間、その異様さに気がついて、思わず、顔を上げてしまった。

 目を丸くする優子。

「すごい」

 つい、そうつぶやいていた。

「いやあ、体力には自信がないんですけど。でも、私がイク分以上に楽しんでもらえるように、頑張りますよ」

 やはりそれなりに自慢なのだろう。優子の視線を受け止めた怒張は、自慢げに、ヒクリと動いた。

『なに、このカタチ、ヘン〜』

 経験豊富な、成熟した女なら、ほれぼれするかも知れないが、実質的に遠藤のモノしか知らない新婚2年目の優子には、それが何を意味するのか分からなかった。

 幹の太さは、遠藤のモノと、そう変わらないだろう。
 異様なのは、先端だ。

『松ぼっくり?』

 そう、亀頭の部分が松ぼっくりのように、異様に膨らんでいる。遠藤とて、亀頭は、それなりに大きい。
 しかし、相澤のモノは、膨らんでいる、というものじゃない。後から、松ぼっくりを先っちょに付け足したようなカタチなのだ。

『こんなの、入るの?』

 さりげなく、のつもりで、まったくさりげなくならない手つきで、その松ぼっくりの周りに手を回そうとする優子。

 優子の小さい手では、まったく指が届かない。

「大丈夫ですよ。最初はゆっくりしますからね」

「あ、で、でも」

 優子の声に怯えが走る。たとえ、人妻でも、こんな妙なモノが入るのかと、演技でもなく、怖くなるのは当然のことだろう。

 もちろん、そんな反応は、相澤も慣れている。

「大丈夫。さっきご主人のを見ましたよ。あんなに太いモノを入れているんだもの。簡単ですよ。ほら、もう、志織と、ご主人は、つながってる」

「あぁ」

そうなのだ。

 もう、夫と志織はセックスしている。自分だけ、ここから拒むわけにもいかないと、相澤はダメを押しているのだと、優子も気がついた。
 もはや、優子は、松ぼっくりを受け入れる以外にないのだ。

知られたくない遊び16
道明 12/3(木) 20:30:09 No.20091203203009 削除
高級純喫茶『飛翔』の店の窓から
岩井の屋敷の玄関の前で、旅行荷物を積み込む男女を見つめる鋭い女の視線


(優しかった夫の突然の死・・・・もしも、誰かによって為されたのであれば
あなた・・・・私が必ず恨みを晴らしてみせます)


この視線の主は、この店で働いている女性・・・名は吉沢理絵、32歳
理絵の夫は大手銀行の融資課長の職にあったのだが、突然横領の嫌疑をかけられ、その日の帰宅途中に、駅のホームから落ちて電車に轢かれて死亡したのだ
銀行は被疑者が死亡したことで、世間での体裁も考え横領の告発を見送った
銀行の話では、数千万円になるという横領の疑いだった・・・

しかしどう考えても、質素で堅実な生活を送っていた夫に、そのような金銭は必要としないし、夫の精錬潔白な性格からして誰かに陥れられたとしか考えられない
愛する夫との幸せな生活・・・この幸せをぶち壊した人間を見つけ出し復讐する
今の理絵にとって、その一念が生きる支えとなっていた


その夫に再三融資を求め、断られ続けていたのが・・・・・岩井惣一
夫の葬儀の時、このような事情で弔問客がいない中、唯一人、岩井は弔問に訪れた


「奥様、私はあなたのご主人に大変お世話になった者です、こんなことになって本当に残念です
 私にできることがあれば、何なりと仰ってください」

と、丁重に接近してきた



「それにしても・・奥様はお美しい、さぞ、ご主人はこの世に未練を残されたことでしょう
 何か・・・奥様宛てに残されたものでもあるのでしょうね?」

「いいえ・・・・突然の事故でしたから、そのようなもの、ございません」

「そうですか・・・・しかし、本当にお美しいお人だ・・・」

舐めるような岩井の視線に、喪服姿の理絵は悪寒を覚えたのを今も忘れられない


葬儀が終って夫の書斎の整理をしていると、夫が綴っていた日記帳が出てきた
その中に記載されていたのは・・・・飛松支店長の不正の疑いと執拗に融資を求める岩井の姿
夫が死亡したその日、岩井への多額の融資の決定が飛松支店長決裁でなされていたという事実を、夫の親しい同僚から聞くに及んで、彼等が夫の死に関与しているとの疑念を深めた
そして、岩井の好意に甘える振りをして、一番の疑わしい人物に接近しているのだ


その岩井が翔子と市場調査の出発前に、店の方に顔を出した

「理絵さん・・・松田チーフとこれから出かけますが、後は宜しくお願いしますね」

岩井の理絵に接する態度は、他の女性店員とはまるで違う・・・



「ご心配なくお出かけ下さい、オーナー」

「あなたが居てくれて、私は本当に助かっている
 流石に、あの吉沢課長さんの奥様だ・・・・・
 理絵さん、前にお願いしたことのご返事・・・・・期待していますよ
 それじゃ、行って来ます」


理絵は、岩井に頭を下げた

その岩井のお願いとは・・・・
経理が堪能な理絵に、事業のパートナーとして役員への就任要請だった
表向きには、岩井が世話になっていた銀行の融資課長の未亡人へのお礼ととれるのだが・・

Beginning  第7話
古川さとし 12/3(木) 06:17:45 No.20091203061745 削除


「あううう!」

 志織が、細い頤をのけ反らせて、ソプラノの淫声を放つ。

 向こうのベッドで、二人は息を呑んでいるのが分かった。

 十分濡れているクセに、締め付けてくる。優子とは違う締め付け方。

 恐らくは、自分以外に、ろくすっぽオトコを知らない優子は、まだ、力の入れ方を知らないのだ。志織は、意図的に、きゅ、きゅと締め付けてくる。

 入り口付近の締め付けも良いが、奥の方で、カリを直接撫で上げるような「うねり」は、志織独特のモノのようだ。

『これは、けっこう名器だ』

 しかし、遠藤の動きは止まらない。それに、童貞でもあるまいし、いくら締め付けが気持ち良くても、この程度では、まだ余裕がある。

「あう、あん、あん、あん」

 遠藤は、自由自在に志織の声を絞り出すことができた。

『ふん、どうだ。見たか。オレをバカにするからだ』

 怒張を締め付ける美肉が、ヒクンヒクンヒクン、と痙攣してくる。

 さっきまでのテクニックで、十分に準備してあるだけに、遠藤のカリが、ナカをごりごりと、こすり取るように動いただけで、あっという間に、最初の頂点に達したのだろう。

 オトコに馴染んだ、敏感な身体だった。しかし、それを余裕綽々で啼かせている自分の力が、思わず誇らしくなる。

『どうだ。オレのは…… え?』

 得意になった遠藤がチラリと見ると、なんと優子が、しどけなくヒザを開いていた。

 ちょうど、半分ほど立てたヒザを、そのまま外側に倒したような格好だ。

 女を全て差し出しているような、その姿では、優子の秘部は、丸見えだろう。

 じっくりと、隠しもできない優子の秘部を見下ろしながら、相澤は、思いのままに指を使うことができる。

 いつも、夫婦の暗いベッドルームでも、恥ずかしがる優子だ。その大胆すぎる格好を、夫の目の前で他人に見せている。

『くそっ、優子のヤツ、あんなに、パックリ広げやがって』 

 遠藤は、嫉妬心を燃やす。

 それを紛らわすのは、怒張を包む、美肉だけだった。

 腰を大きく遣って、また、志織のケイレンを呼び起こしていた。


 一方で、優子は、自分がいつの間に、こんな淫らな格好をしてしまったのか、分からない。

『ああ、恥ずかしいのに、見ないで、相澤さん』

 レースのカーテン越しに、真昼の光。

 考えてみれば、真っ昼間から、夫でもないオトコに、恥ずかしい場所を覗かれているのだ。

 しかし、脚を閉じようにも力が入らない。

『ああ、なんで、私、こんな恥ずかしい格好を』

 気がついてみれば、自分でも恥ずかしくなるほど濡れそぼった場所を、もっと、もっととせがむように、広げてしまっていた。

 しかも、一度広げてしまった脚を閉じようにも閉じられない。どうにか力をためて、わずかでも、脚を閉じる気配があると、途端に、敏な場所を強く刺激されてしまう。

 その度に、ヒクンと脚が逆に広がってしまうのだ。

『ああ、恥ずかしい。だけど、だけど、あなたが先にしちゃうんだもの、ずるい』

 優子にしてみれば、自分が恥ずかしがっているウチに、友人が、先に夫を受け入れてしまったのだから、逆に嫉妬心がメラメラと湧いていると言うことだった。

 それなら、自分も見せつけてやろう。だって、夫が先に、他の人としちゃったんだから。
 恥ずかしさをこらえながらも、さっきから囁かれていた、恥ずかしい格好をしてしまった自分の淫らさを、自分に言い訳できる。

 でも、思った以上に恥ずかしい。

 ふと見ると、バスタオルを巻いたままの遠藤の股間が、すぐ横にあった。見事に、テントを張っている。

『私ばっかり。相澤さんにもしなくちゃ』

 こういう時に、男がどうして欲しいのか、常々、遠藤に聞かされている。しなやかな手で、扱かぬまでも、握り締めて上げると落ち着くのだという。

 優子は、左手を動かしかけて、やはり、と途中で手が固まってしまう。

『ああ、ダメ、やっぱり。オトコの人のモノを自分から握るなんて。あん、でも、この人上手だし。こんなにしてくれてるのに』

 夫とはまた違ったテクニックだった。
 肝心の場所にちっとも触れなくて、恥ずかしさに身をすくませている優子が、さすがにじれったくなるほどの悠長さで、脚を撫で上げられ、肩を甘噛みされ、背中を舐められた。

繰り返し、繰り返し。

 柔らかな愛撫の合間に、繰り返し、言い聞かされたその姿勢。

「ヒザを軽く持ち上げて、そのまま外側に倒すんだ」

 志織が、夫のモノにキスした瞬間、優子は、ヒザを持ち上げていた。
 
 続けて、甲高い淫声が聞こえた瞬間、ヒザを外に倒していたのは、やはり、どこかに対抗意識があったのかも知れない。

 ともかくも、優子の「オンナ」は、相澤に広がってしまった。

『ああ、とうとう……』

 いよいよ、優子は、夫以外の男を受け入れねばならぬ時が来た。

 優子は、あきらめと好奇心、そして認めたくないけれども、オンナの本能で、美肉を蹂躙してくるオトコを待ち構えていた。

知られたくない遊び15
道明 12/2(水) 19:15:16 No.20091202191516 削除
 会社訪問も不採用が続くと、さすがに哲平の心もすさんでくる
 辛い仕事をしているにも関わらず、明るく振舞う翔子の態度に余計に気が滅入る


 「翔子、すまない・・・・今日訪問した会社も駄目だった」


 台所で夕飯の後の水洗いをしている翔子の背に向かって、哲平は沈んだ声で報告した


 「・・・・そうだったの?・・でも、大丈夫・・・私が頑張るから
  あなたは、あなたを必要とする会社をじっくりと探して・・・・
  オーナーがよく言うの・・・人は一握りの米と小さな夢、そしてほんの少しの勇気さえあれば生きていけると・・・」

 「優しいんだ・・・有難う、翔子」



 夫の茶碗を洗う、翔子の手が止まる
 形の良いお尻、今夜の翔子は珍しくミニスカートだ
 ストッキングをしていない白い素足に、哲平はお店で見た淑やかな女性店員の姿をダブらせてしまう
 自分の妻も大勢のお客に、この白い素足を見られている・・・・・・
 そう考えていると、ムクムクと男が起きだしてくる


 人間とはこんな時であればあるほど、歪んだ想いが頭がもたげる



「ねぇ・・あなた、うちのオーナー・・今度、京都に料理のお店を出すのに、市場調査に行かれるんだけど
 体調がすぐれないので、ついでに北陸の温泉で療養したいとおっしゃるの
 それで、私に一緒に付いていってもらえないかと言われてるの・・・・・・」

「オーナーって・・・お幾つなんだい」


「そうね・・・40歳後半ってとこかな、頭は切れるんだけど健康がおもわしくないのよそれに・・・どうも、あっちの方がサッパリなので仕事に精を出しているって噂なの」

「まだそんなお歳なのにか?・・・じゃ、行ってやれよ、世話になってるんだ」



「あなた、有難う・・オーナーもきっと喜ぶわ・・・それに、私にも勉強になるし」

「おいおい・・仕事に夢中になるのは良いが・・・妻や女性の本分を忘れるんじゃないぞ」



「それは・・・あなたから見て、私って、女の魅力が無くなっているってこと?」

「いいや・・・前よりずっと、魅力が増した気がしている・・・その・なんだ・・
 腰付きといい・・振る舞いといい・・・随分と素敵になっ た・・・どこでそんな
 あっ、そんなことじゃない、どんなに仕事に打ち込んでも家族や自分を大切にしろってこと」

「・・・・そうね、忘れないようにする・・・あなたにそんな風に見えるのは、きっと毎日、上品な大勢のお客さんに接しているからかなぁ・・・自然にね
 でも、やはり今は目的を持って活き活きと働いているからと思う・・・・」



翔子の言うように、人間の最大の魅力は「活き」かもしれない
しかしそれは、女の魅力とはあまり関係がない、ましてや魅力的な肢体への変化は全く違う要素なのだが
哲平は・・・


「そうだよなぁ・・・俺も早く遣り甲斐のある仕事、目的を見つけるよ、翔子」

「その意気よ・・・・頑張って、あなた」



二人の夫婦生活はセックスレスが相変わらず続いている


その夜も、哲平は何ヶ月振りかの夫婦の契りを翔子に求めたが
翔子は、明日が早いからとやんわりと拒否したのだ

しかたなく・・欲望を抑えられない哲平は、パソコン画面の中の妻に精を放つ
この男は、画面の中の淫らな妻の姿に群がる男たちを妄想し、己が精を放つ快感に酔うことで満足し始めていた

花  濫  7
夢想原人 12/2(水) 10:36:09 No.20091202103609 削除
異常 な契約

   四

 田宮と酒場で共謀をした時、田宮は別れ際に、じゃあ奥さんに、そんなことが出来るかどうか伊香保で試してみます、
と気楽に言っものだった。
自分も、それで冴子が若く美しくなれば俺も満足なんだから、と気安く答えた。
今それが悔やまれる。       

 しかし、こうなった以上なんとか事態を収拾しなければならない。一体自分は何を望んで、こんな取り返しのつかない
ことをしてしまったのだろうか。酔いが回ってくる頭で、惣太郎は前方の襖に描かれた、野菊の墨絵を見ながら考えてい
た。          
 妻に男を与えて性の深淵を教え、より女らしく美しく変貌させ、さらに妻が若い男と官能に狂う姿に刺激を受けて自分も
再起したい、というのが、そもそもの願いだった。そして事実、田宮に組敷かれて恍惚に悶える妻の姿態に、いままで妻
に見たことのない、女の美しさを見出したし、妻を犯す田宮と自分が何時の間にか融合していて、はじめて妻を抱く田宮
の心の高ぶりや、いつまでも強靭な体力にものをいわせて、さまざまな体位で縦横無尽に妻を攻める快感に陶酔し、つい
には自分も達してしまうほどであった。

多分この刺激は、どんなに美しいほかの女を抱くよりも刺激的だろうし、事実惣太郎自身、これ以上の快感を覚えたことは
ない。                           

 妻が、あんなに安々とほかの男に身体を開いたことには驚いたが、それとて自分と田宮がそうし仕向けたことで妻に罪は
ないのだから、妻が背信行為をしたと怒る気もない。それどころか、いままで味わったこともない、田宮の強壮で巨大で持
続力のある攻めを、けなげにも受容して歓喜に悶える妻の姿がなんと美しく華麗に見えたことだろう。頑張れよ、と声援しれ
やりたい衝動に駆られたくらいである。

結局は、自分という性の敗者が、健康な若い田宮という男の肉体を使って、自分の疑似行為として妻を満足させ、かつ自
分も、女が男から与えられる快感の情緒を、男でありながら心も躯も知り抜いた妻を通して受けるという、男と女の両方の官
能の歓びを同時に味わい、さらに自分の最愛の妻が男に犯される嗜虐と犯す男の加虐の双方の悦楽を甘受出来るという、

常識では考えられない悪魔の行為を思い付き実行した。
そしてめくるめくような満足すべき結果を得た、ということだ。                               
先程の発狂しそうな程の官能の刺激と興奮は、惣太郎にとって、今となっては、もう手離せない麻薬のように思われる。

今後も、妻と田宮の交歓を続けさせながら、それを盗視することによって、自分は若返りたいし、妻も満足させていけばいいの
だ。

田宮の人格など考える必要はない。
我々夫婦にとって、田宮は最良の性具であればいいのだ。彼とて滅多に味わうことの出来ない、冴子のような若く美しい人
妻との交わりが、堂々と憚ることなく出来るのだから、言うことはあるまい。妻に心粋し、愛する妻子があって性戯に卓越し、
かつ後を引かないように、一定の時期に我々夫婦のもとから必ず去る男。そして若くて、清潔で、健康で、性格のいい男。
さらには惣太郎に柔順で絶対反抗出来ない男。悪魔のたくらみを実行するには、このような非現実的ないろんな条件が満
たされた男が必要だった。

 しかし、現実にそんな条件に合った男が居る筈はない。惣太郎は、妻をほかの男に抱かせるということは、非現実な空想
の世界の出来事として、思いの中でだけ楽んできた。そうした頃、惣太郎は互いの妻を取り替えて媾交するという夫婦交換の
雑誌を書店で見つけた。雑誌には、夫婦交換を希望する大勢の夫婦の妻達の、様々な姿態を露わにした写真が掲載され、

また実際の性の交換体験が微細な表現で生々しく書かれていた。
現実に、自分の想いを実行している者がこんなにも居る。
自分の想いは夢ではない。夫婦交換誌との出会いは惣太郎のとって衝撃的な事件だった。大学の教授である惣太郎がまさか、
そんな雑誌に投稿することも冴子の裸体写真を掲載するわけにもいかないが、冴子に若い男を与えるという考えが、そのとき
以来夢ではなく、現実に可能な計画として惣太郎の脳裏にこびり付いて離れなくなっていた。                       

時計が一時をさしても田宮と冴子は帰ってこなかった。酒は大きな銚子に五本も残っていたのに、もう最後の一本だけになっ
ていた。こんなに呑んだのは久し振りだが、まだ酩酊はしていないぞ、と惣太郎は自分につぶやいた。一人で部屋の布団の
上で呑む酒は、動くこともしゃべることもないので酔いの程度を判定する基準がなかった.

………それで、やっとその条件に適合した男として田宮を選んだのだ。………いや違う。田宮が妻のマッサージをしたあの
時に、妻と田宮の間に渦巻いた、男と女の熱い情緒を、ふと垣間見た時に、田宮の存在に気が付いたのだった。
その後、田宮に冴子を与える空想は、しだいに惣太郎の中で幾度も繰り返され、その度にしだいに現実味を帯びて来た。空
想が現実になるにつれて、惣太郎は幾度も慎重に考え抜いて見ると、それまで考え続けた男の条件を、田宮は偶然にもすべ
て兼備えていたのだ。さらに幸運だったのは、冴子も田宮に好意を抱いているということだった。

自分と妻と、そして男が、互いに好感を抱いている、という事実は惣太郎に勇気を与えた。                 
妻と田宮が、こんなに遅いということは、あれから一体、何度交わりを繰り返しているのだろう。酔いと疲れで、惣太郎の身体
は反応を示さないが、脳裏には、狂乱状態で官能にもだえている妻の白い躯と嬌声が浮かんでは消えた。

そして、三人が互いに好感を抱いていることを想い付いたことと、自分が眠っていると信じているとはいへ、この時間になっても
帰って来ない妻はもうすっかり田宮の肉に溺れ切っているに違いない。妻が、田宮に溺れれば一番いいのだ。そうなれば妻は
田宮の言うことを神の言葉にように素直に聞く。そうなれば田宮と自分で共謀すれば、妻は想うように操縦出来るのだ。       
 律儀で物事をいい加減に処置出来ない性格の惣太郎にしては、悪魔の囁きとはいえ、あまりにも放埒な気構えになってい。
冷酒の酔いが回ってる証拠だった。

 正気に返った冴子に、いきなり自省の言葉を聞かされて田宮は慌てた。前にアメリカでマッサージのアルバイトをしていた頃、
田宮好みの素敵な人妻が治療に来たのを、マッサージの技術で誘惑し犯したことがあったが、その時に理性を取り戻したその
人妻が、狂乱状態になって田宮を罵り、そればかりか自宅に帰ってその人妻の主人に告白してしまい大騒動になった苦い経験
があ
る。      

 今度の場合は、主人の惣太郎と共謀であるから、その心配はないが、今、冴子に泣かれては面倒であるし、今日はじめて
知った冴子の躯の魅力は、当分失いたくない。人妻の主人の公認で浮気出来るというようなことも、そうざらにあることではない。
このチャンスは失いたくなかった。          

 田宮は冴子をもう一度抱いた。三時近くに部屋に帰り、三つ並べて川の字に敷かれた布団の端に寝ている惣太郎に気を使いな
がら、田宮はその反対側に寝た。冴子は丹前を脱ぎ浴衣姿で、鏡台の前に座っていた。深夜の室内には惣太郎の鼾が、規則
正しく獣の咆哮のように響いていた。

 髪を梳く冴子の白い二の腕が、肩の付け根まで捲くれた浴衣から抜きん出て、弱い明かりにむちりと白く浮き出ていた。まだ
血の色が消えない鏡のなかの顔は、ほんのりと目許に朱がさし、上気した頬が余韻の火照りを残している。布団に入った田宮
が、横臥して、鏡の中の冴子と目だけで話し合っていた時、突然、轟くような地鳴りの音が静寂を破った。鏡が少し揺れ、そ
中の驚いて櫛を取り落とした冴子の顔が恐怖に引きつって一緒に揺れていた。
 冴子が小さく悲鳴を上げた。                       
「屋根から雪が落ちた音だよ」
 囁くように言ったつもりだったが、惣太郎の鼾が、つっと止んだ。

 冴子が慌てて立ち上がり電気を消して、真ん中の布団に潜り込んだ。暗闇のなかで、冴子の寝化粧の匂いが、微風に混じっ
て甘く漂った。惣太郎の鼾は止んだままだったが、規則正しい寝息が続いていた。起きている気配はなかった。

 暗黒の中で田宮はなかなか寝付けなかった。疲れ切ったような気もするが、体内にはまだ消化し切れない欲望が渦捲いてい
る。すぐ隣に寝て、息を潜めているように身動きもせずにいるらしい冴子に、食べはじめを中断された馳走を目前にした食欲の
ような焦燥をを感じていた。

 田宮が冴子をはじめて見たのは、まだ学生の頃で、調布の古刹のような屋敷を訪れた時だった。
 屋敷のまわりに幾本かある欅の大木が、緑の霞のような新芽を萌え出しはじめた季節だったと思う。早春の麗らかな陽の中か
ら入った昏い玄関に、大島紬にき黄八丈の帯をしめた、うら若い女が出迎えた。磨かれた一枚板の鈍い反射の上に、背後の庭か
らの光を背負って正座して掌を付いた挙措の美しい女が、学校で話題になっている惣太郎の新妻であった。

 抜けるように色の白い女で、瓜実顔の伏せがちの目に、長い睫が美しく震えているが、どこか尼僧のような冷やかさが漂ってい
た。その冷たさは処女の青さのようでもあり、また湿り気のない冷淡な女のようにも見えた。
少なくとも、当時の二〇才の快活な田宮達には似合わない陰湿な女だった。その後も何度か田宮は冴子に会っているが、彼女
の印象は、初対面の時と変わることはなかった。

 冴子の変貌振りに驚かされたのは、アメリカから帰国した二年前の夏だった。帰国の挨拶に訪問した時、別人のようにぬれぬ
れとした黒い瞳が、男心を誘うように輝き、表情も明るく豊かになっていた。ピンクのノースリーブから抜きんでた腕がむっちり
と艶かしく、大きく開いた胸からこぼれそうな乳房の膨みが、思わず生唾を呑み込むほど妖艶である。ミニスカートの裾を圧倒
してのぞいている豊かな肉付きの太腿や引き締まった脛も吸い込まれるような白い光沢に輝いている。古いくすんだ部屋に、そこ
だけ明かりが灯ったような冴子の輝きに、田宮は驚愕の目を離せなかった。

 それ以後、田宮はアメリカに残してきた妻子への恋情を忘れがちになっていた。惣太郎の家にいき、冴子に会うことですべて
が慰められた。        
 惣太郎から今回の共謀の申し出を受けた時、躊躇した理由は、冴子は欲しかったが、なぜか冴子に憐憫の情を抱いたからだ。
狡猾な惣太郎の性の餌食にするには、冴子はあまりにも清純過ぎるように思えた。たしかに成熟した女のしたたるような瑞々しさを
たたえた冴子の躯は、田宮を魅了してやまないが、野菊のように素朴で清純な冴子の心を思うと、そんな冴子を蹂躙しようとする
惣太郎の汚さに怒りを感じたし、躊躇しながらも押え難い誘惑に駆られる自分にも嫌悪を感じ
たからだった。                  
 
 しかし、あの酒場で惣太郎が熱心に口説く言葉に、田宮は妻を愛する夫の真実の姿を垣間見た気がしたし、肉体の衰えに憂悶
する男の救いの声も聞いた。
 よく考えて見れば、冴子の美しい心だけ何とか解決すれば、三人三様に悪いことではない。

 そう考え始めていた矢先に、田宮は惣太郎の家で冴子にマッサージを施した。その時の冴子の恍惚の表情に、冴子が素朴で清
純なだけに、惣太郎とうまく共謀すれば、冴子の心を瑕付けることなく、実行できる自信を感じた。
 まだもの心もつかぬ少女を籠落するのに似た痛みは残ったが、それも彼ら夫婦が倖になる手段とすれば、さして問題はない。
勿論、帰国以来羨望の的であった冴子を味わえる自分に異存がある訳ではない。                     

 冴子が電灯を消したあと、暗黒の闇だと思っていたのが、目が馴れて見ると、庭側の丸窓から、暮色のように雪明りが差し込
んでいて、隣に掛布団で顔を隠して寝ている冴子の長い髪の散っているのさえ見える。惣太郎の寝ている部屋の奥までは見えない。    
 枕から垂れてシーツを流れ畳の上まで散っている艶やかな冴子の髪を、横目で見ながら田宮は困惑に溜息をついた。惣太郎の
申しでに承諾をしたのも、一度だけ羨望の冴子の躯を味わわせて貰うつもりで、案外気楽な気持だったのに、躯を合せてからは、
まるではじめて女体を知った少年のように夢中になってしまった自分を我乍らどう御することも出来なかった。

 冴子の躯が素晴らしかったのは言うまでもないが、同時に、彼女の清純な性格から来るいとしさは、自分の心が自然に冴子の
中に溶け込んでいくような陶酔を誘った。
 強引な田宮の性戯に、何の技巧も演技もなく、純粋に昇華していく冴子のすなおさに、田宮は圧倒的な征服感を満足させられた。
 それはとりもなおさず自分への柔順さえのいとしさでもあった。

 与えられる強烈な快楽に逡巡ながらも、躊躇も偽態も拒否もなく、率直に反応してくるいじらしさは、田宮に押え難い欲望の炎を
幾度も燃え上がらせて止まなかった。共謀どころか、完全に冴子という女に溺れ切っている自分を発見して、田宮は慌てていたの

である。              
 冴子の髪が昏い闇に溶けながら、白いシーツの上だけ鮮明に見える。その髪がかすかに揺れた。
 布団を被ったまま寝返りを右に打って、こちらを向いたらしい。掛け布団の襟から、白い額が半ばのぞき、富士額の生え際が見
えている。田宮はゆっくりと冴子の布団に手を伸ばした。
 やがて、ごわごわとした木綿の奥に、柔らかい暖かさに包まれた女の肉の弾みが伝わってきた。
 田宮は惣太郎のまたはじまった鼾を確認すると、はじかれたように冴子の布団の中に身を移した。   

 部屋の空気の異常なざわめきに、惣太郎が目を覚ました時、もう闇は裂けはじまっていた。ふと隣の布団を見た惣太郎は、そこ
に横向きにしゃがんで、乗馬の騎士のような奇怪な動作を激しく繰り返している影絵のような黒々とした男の裸体が浮かび上がって
いるのに仰天した。
 よく見ると、その黒い男は薄昏い中にもはっきりと白さをにじませている女の足を、肩に担いでいる。 田宮と妻の媾交であること
はすぐわかったが、肌の匂いが届くほどの至近距離で展開されているあられもないふたりの狂態に、惣太郎の方があわてたのだっ
た。

 もう終期に近いのか、男の動きと妻の呼吸が興奮の極みに達している。片方の耳元で聞こえる打ち合うふたりの肌の音や水を叩
くような体液の飛び散る音が、昇り詰めたふたりの熱気を散らしている。

 突然、惣太郎の掛布団がぐいと引かれたような感じがした。
 間を置かず掛け布団は規則正しい隠微な響きを伝えてきた。ラストスパートの深い陶酔にふたりは気が付かないらしいが、田宮
の膝が惣太郎の掛布団の端を踏んだらしい。まるで肌を合せて懸命に律動を続ける田宮と妻の熱気に巻き込まれているような感じ
った。田宮の圧倒的な力に妻と一緒に席巻されたような嗜虐の陶酔が惣太郎の脊椎に奔った。布団がもう一度大きく動いて、振動
が止んだ。

 体位が変わっていた。田宮が担いでいた妻の足を肩からはずし、今度は両手で踝を掴んで妻の股間を両側に押し広げた。オー
で船を漕ぐように妻の足をあやつりながら、その中心で激しく腰を使いはじめた。            

 ひゅうひゅうと熱病患者のような荒い呼吸を、掛け布団で口を覆って押し殺して吐いている妻が、耐えられなくなったのか、小さ
く声を放った。田宮があわてて広げていた妻の脚を離して妻に蔽い被さり接吻していった。声を上げさせないためだろう。妻の脚が
開いたまま布団に落ちた。片方の妻の足が惣太郎の掛布団に重く鈍い衝撃を与えて落下した。それでもふたりは気が付かない。

 「いく……! 
 と噛み殺したような妻の声をたしかに惣太郎は聞いたと思った。それと同時に田宮の腰が狂ったように激しく動き出した。ふたりの
大胆さが惣太郎をも大胆にした。
 惣太郎は思い切ってゆっくりと横になり、布団で顔を半ば隠し、目だけを出して、片手を掛け布団のなかから、静かに絡んだふた
りの方に伸ばしていった。
 指先に伝わるふたりの律動が、伸ばすにつれてしだいに激しく伝わり出したと思った瞬間、指先に暖かい妻の肉が触れた。広げた
太腿のあたりらしい。妻は全く気付かず、恍惚の絶え入るような荒い息を弾ませながら、田宮の動きにあわせて腰を振っているのが、
触っている太腿の筋肉の緊張振りでよくわかる。

 惣太郎は思い切って掌をさらに奥に進めながら、太腿の内側に回して見た。掌の腹で感じていた妻のたぎるような熱い内腿の感触
に、掌の甲に固い田宮の腿の感触が重なった。どうなったのか分からないが、終局を迎えて、夢中で躍動するふたりの肉に、惣太郎
は挟まれていた。汗ばんだ二つの肌が熱く燃えて、互いに牽制し合うように、惣太郎の掌を挟んで揉み合いぶつかり合っている。
 惣太郎は自分がふたりと今一体になっているのを感じていた。手のひらにじかに感じるふたりの動きと熱気が、惣太郎にも官能のた
かぶりとなて乗り移って来る。惣太郎もふたりの歓喜に合わせて、眩むような快感を感じていた。                     
 いよいよふたりの果てる時が来たらしい。狂ったような激しい動きの後、ふたりはぐったりと弛緩した。最後の激動の瞬間、惣太郎
は掌を抜いて、ふたりに背を向け目むった格好になった。
 二人に背を向けたまま惣太郎も自分が果てたように荒い呼吸をしていた。  

「風呂に入って来る」                         
 田宮の囁くような声がして、立ち上がっ気配がした。            
「もう何時かしら。あたしも行こうかしら。もう起きてもおかしくない時間?」
 机の腕時計でも見に行ったのか、しばらく間を置いてから、        
 「そうだね。六時半だから、起きてもおかしくないね」          
 田宮のやはり押し殺した声がした。妻の起き上がる布擦れの音に、今なら起きたのが見付かっても不自然ではないと思って、惣太郎
は寝返りを打って、ふたりの方を見て、思わず布団に顔を隠した。

 田宮は窓を向いて浴衣の帯びを締めていたが、冴子はまだ全裸のま腹這いの格好で浴衣を探しているらしい。斜め向こうにむき、さ
しはじめた朝焼けの茜色に肌が染め上げられている。満ち足りた肢体が艶々と輝いている。惣太郎のすぐ横にある豊かな臀部の割れ目
から太腿も内側に、筋になって流れている体液が、血のように赤く見えた。        

Beginning  第6話
古川さとし 12/2(水) 06:19:56 No.20091202061956 削除


 スゥイートのベッドルームには、キングサイズのベッドが、50センチの間隔で並んでいる。

 オンナ達は、シャワーを一緒に浴びた。

 男もシャワーを浴びねばならない。先に、遠藤、相澤が後。

 相澤が出てくるのを待ちかねて、腰にバスタオルを巻いただけで、二人そろってベッドルームへ。

 オンナ達は、ベッドに先に入っている。

 相澤に習って、パッとベッドをめくれば、二人そろって、一糸まとわぬ姿。

 羞恥のポーズで、胸と秘部を手で隠し、からをわずかに捻る。

 思わず、遠藤は、ロケットバストを覆う手をふりほどいて、むしゃぶりついてしまう。

「はっ」

 わずかに漏れる、志織の声。

 左のベッドに、遠藤。向こうには、相澤。

 ハッと気がついて、遠藤は自制心を取り戻す。なんといっても、相澤は、優子を責めるのだ。

『みっともない真似はできないぞ』

 遠藤だって、それなりに遊んできた口だ。妻には遣ってこなかったテクも、存分に発揮してやろうと決める。

 一転して、ゆっくりとした責め。

 微妙な力加減、絶妙の角度で、ロケットバストをサワサワと、絞り上げ乳首を焦らしながら、脇腹を責め、内股から微妙なラインを責める。

「あっ」

 早くも志織の吐息は、甘い物へと変わっている。

 遠藤のテクニックがあるとしても、ひどく敏感な女体だった。

 責めに反応しやすい女体は、オトコの征服欲をくすぐる。遠藤は、額にうっすらと汗を浮かべながら、あらゆる攻撃を続けている。

 しかし、集中できない。

 右利きの遠藤は、志織を愛撫しながらも、相澤の動きをチラチラと見てしまう。

 一方で、スワッピング経験者だという相澤も、ちょうど、遠藤と向き合うようにかがみ込み、左手を優子の股間に伸ばしている。
 
 遠藤もまた、こちらが気になるらしい。
 
 時折目が合うのが、遠藤には何とも気まずかった。しかし、優子に視線をチラチラと送ってしまうのを止められない。

 そのくせ、ロケットバストを心ゆくまで楽しみながら、得意のテクニックで、志織の甘い声を引き出している。

 いつのまにか「焦らし」から、直接攻撃に変わっていた。焦らしているだけの余裕がなくなっているのか。

 一方で、感じやすい志織も、既にビショビショだ。
 
 早くも濡れそぼってしまった秘唇を、自由に動く遠藤の器用な指。

 既に甲高い淫声をたっぷりと引き出しているから、遠藤の股間も、準備万端に、いつ入っても、大丈夫。

 志織の美肉は、トロトロと柔らかくこなれ、遠藤を求めているかのように、ヒクリ、ヒクリと反応している。

 一方で、さすがに向こうの優子が、まだ緊張しているのを、目の端で確認していた。
 それを解きほぐすのに、相澤は、時間を掛けているらしい。

 それでも、さすがに、ため息のような切ない声が漏れ始めているから、優子の美肉も、いまごろ、秘液を満たしているはずだ。

 そこかしこ、あちらこちらをなで回し、指先を刷毛のように使う。ロケットバストに及ばずとも、胸だってそれなりにある。ウエストから腰にかけのラインなら、二人とも遜色ない。

 おまけに、優子の肌は、オトコを惹きつける魔性を帯びている。全身、思わず、撫でまわしたくなるような、きめの細かい肌。手を吸い寄せるようだ。

 相澤の手が、さっきから、一時も止まらずに動き続けている。

  その度に、微妙な快感が沸き立つのだろう。恥ずかしげに、盛んに足を組むように動くから、その度に相澤の手で、脚を広げられていた。

 優子の漏らす、甘いため息に、つい、気を取られていたのか。身体をうねらせるようにして、志織がねだる。

「あ、あぁ、ね、も、もう、ちょうだい、ね、一杯できるんでしょ?」

 優子の動きも気になるが、ここで志織を悦ばせねば、プライドにも関わる。

 遠藤は、ゆっくりと身体を起こして、志織の脚の間に腰を進めた。
 その気配に、優子も相澤も、こっちを見ているのがわかる。

 そそり立つ股間は隠しようがない。

 他人の、それも男の目の前で勃起するなんて、初めてだし照れくさかった。しかし、その男の妻に、これから挿入するのだと思うと、なんとも妙な気がした。

 風俗に行けば、かならず「カサの開いた、良形」だと褒められる。

 水泳部時代には、勃起こそしてないが、男同士のバカ騒ぎで、大きさ比べも何度もした。

 極端に大きくはないが、それなりに立派なモノ、だという自信はある。だから、どうだ、と見せつける気持ちも手伝って、ついつい、そそり立つモノを志織に見せつけた。

 中腰になって、目の前に持っていく。

 志織は、それに手を伸ばすと、身体を少し起こしてくる。

 ちゅっ。

 既に先端ににじんだモノをすするようなキス。

 ペロリと唇に付いた粘液を舐め取る仕草が、ひどく淫猥に見えた。

『やってやる』

 一気に、態勢を整えて、のしかかる。

 貫いた。

夫のすぐ横で、人妻の美肉を貫いていた。





知られたくない遊び14
道明 12/1(火) 23:13:00 No.20091201231300 削除
哲平は久しぶりにスーツ姿で家を出た
今日はハローワークに紹介された会社の面接の日だ
やっとのことで、自分の希望にあった建設系の会社に出会えたのだ

しかし、面接を終えてみると印象が良くない
『芸は身を助ける』とはよく言ったもので、これといった資格を持っていない者には会社は非情だ
案の定・・・・・「この度は、ご縁が無かったようです」との返事


(くよくよしても仕方が無い・・・そうだ、翔子のお店で美味しい珈琲でもよばれよう)



哲平は、昼食を簡単に済ませ、翔子から聞いていたお店に入る
翔子が言っていたとおり、そこは落ち着いた雰囲気の高級な純喫茶だ

30代の淑やかな女性が水を運んできた


「いらっしゃいませ・・・・・こちらは初めてですね?」

「はい・・・あの、ここで働いている松田の家の者ですが・・」



「そうですか、では松田チーフのご主人?・・ですね」

「はい・・・翔子はいますか?」



「いいえ・・今は店にはいらっしゃいません・・・チーフが店にいらっしゃるのは午前中のみで
 午後はオーナーの屋敷の家事をしておられます・・・」

「家事をしている?それは知らなかった・・・・」



「オーナーは、お一人で隣の大きな屋敷でお住まいです・・・それで毎日、家事を手伝っておられます」

「そうなんだ・・・私が不甲斐ないから、翔子はここでもそんなことまでして・・」


女性の顔が気の毒そうな表情に変わったのを、哲平は気付かない振りをした
同情を買うのは嫌いな男だ



「松田チーフをお呼びしましょうか?」

「・・・いいえ、もういいです、それと、私がここに来たことは妻には言わないで下さい
 一生懸命に働いている妻に余計な心配はさせたくない、お願いします
 そうだ・・・・・・折角だから、この店の一番人気の珈琲をください」

「畏まりました」


注文を聞いた女性が戻っていく
高級な白のブラウスに黒のロングスカート
スカートには腰骨までの深い切り込みがされていて
歩く度に、その隙間から形の良い脹脛と太腿が見えるのだが卑猥には感じない
落ち着きがあり、清楚で知性美が魅力的な感じの良い女性だ


(翔子もあの制服で働いているんだ・・・・)



哲平は店をでると、オーナーと翔子がいるという屋敷を眺めた
とても、一般庶民が持てる屋敷ではない
あんな大きな屋敷の家事を一人でしているなんで、大変な苦労を掛けると・・・哲平は頭を下げた

花 濫  6
夢想原人 12/1(火) 09:51:58 No.20091201095158 削除
異常な契約


三       
 「あっ、あっ、ああ…………」                     
 冴子が澱んだ空気を切るような叫びをあげた。あんな巨大な陰茎が、自分しか知らず、まして子供を生んだこともない冴子の膣
に納まり切る筈はないと、凝視している惣太郎の目の前で、彼の巨根は蛇が大きな獲物を呑むように、苦しそうに煽動運動を繰り
返し内腿を痙攣させている冴子の胎内に深々と埋め込まれていく。いっぱいに押し広げられた膣が、さらに深く呑み込もうと微妙な
うごめきを繰り返している。

 惣太郎は自分が犯されているような衝動に襲われて、鼓動が連打し、もう断念していた自分の股間が、痛いほど漲ぎっているの
を感じ、思わずそれを自分でしごいていた。                       
 巨根は田宮が腰に力を入れるにつれて少しづつ埋没し、その度に冴子はあられもない悲鳴を上げた。
 白い腕が下から差し上げられて、田宮の盛り上がった筋肉の見える背中を抱き、きりきりと爪を立てている。田宮の下で白く見え
る冴子の躯が、田宮の身体の筋肉が盛り上がるたびにはげしく痙攣し、横にあふれていた長い髪が漣立って震えている。                      
 目の前に、妻が下になって、ぴったりと身体を合せて折り重なって抱き合い、股間は巨根が妻の秘所を極限まで拡張させて埋没
している。繋ったままのふたりは、腹部だけ荒い呼吸に波立たせてじっと動かない。時々、妻が「うん……」とか「はっ…」という、
短い声を上げ、わずかに身をくねらせている。
 冴子の胎内の粘膜と陰茎が微妙な動きと刺激に、互いしか分からない会話を交わしているのだろう。
 時々結合部分がひくひくと微妙に蠢き合っている。視ている惣太郎は、今まで自分も田宮と一緒に冴子を犯しているような錯覚を
覚えていたのが、その微妙な感触がわからない焦燥感に身を揉む一方で、生れて初めて若く逞しい男の巨根を捩込まれて、妻は
一体いまどんな快感を感じ、どんな感情で陶酔しているのだろうか、と妻が今の瞬間味わっている官能の響きを自分も一緒に感じて
いるような錯覚にも襲われる。                        

 広い額に髪を垂らし、眉根に皺を寄せ、苦痛の表情で妻に接吻している田宮が、いま妻の奥深くに埋没して感じている妻の躯の
あふれ方や柔らかさや熱さや包み込む力の強さ、そして微妙な収縮の痙攣が彼の亀頭に与える快感の具合も、また自分の分身の
ような妻が味わっている、田宮の巨根の埋没による膣の拡張感、子宮の圧迫感、陰核の快感、そして男の脈動の刺激が粘膜に伝
わる感触も、妻の躯のすべてを知り抜いている惣太郎には、手に取るようにわかる。惣太郎はいま妻を媒体として、性交時の男と
女双方の官能の業火に同時に身を灼かれるという異常な体験に我を忘れていた。                       

 しばらく深々と埋まったまま、肉の会話を楽しんでいた田宮の陰茎がゆっくりと抽送を始めた。                             
 「あぅっ、ああ………」                        
 田宮が動き始めると、妻が突然激痛でも受けたような叫び声を上げて喘ぎ始めた。自分との場合に妻がこんなに最初から声を出
すことはない。やはり田宮の壮大で硬度を維持した男根は、とてつもなく激しい刺激を妻にあたえながら妻のすべてを席巻していくの
だろう。注意して視ると、冴子の陰部からは田宮の巨根が抜き出されると、愕くほど多量の体液が流れ出て股間を筋になって流れ、
肉柱の侵入時には陰嚢にそれがべったりと付いて、猫が水を呑むような音を立てている。

 冴子は鮮烈な快感に我を失っていた。最初田宮の巨根を掴まされた時には、それが入ったら壊れてしまうような恐怖に駆られたが、
実際に埋没してくると、ずんと重い衝撃が秘所に奔った。その衝撃が痛みに変わって、引き裂かれる恐怖に悲鳴を上げた。それに
気付いた田宮が奥深く入ったまましばらく静止して休んでくれている間に、冴子の胎内に思いがけない快感が滲み込むように広がっ
ていくのを覚えた。

 強い圧迫感を感じる田宮の陰茎に深々と貫かれ、じっとしていても男らしい力強さで脈動を伝えながら、さらに圧倒的な勢いと硬
度で膨張感を増してくる。子宮が灼けつくように熱くなり、膣がさらに強い刺激を欲して陰茎の動きを需め、いつの間にか自然に腰を
揺すっていた。田宮が動きはじめると、躯を貫くような強い快感が脊椎を奔り、目の中には深紅の霧が涌いて視覚が麻痺し、冴子
は自分が何を言っているのかわからなくなった。            

 田宮の動きがしだいに早くなった。妻がしっかりと田宮の陰茎を咥えたまま腰で円を描いている。喜悦にのたうつ妻の白い躯が光
沢をおび、腹や腰の柔肉が、硬い男の筋肉に打ち据えられて音を立てている。田宮が激しく腰を波打たせた。小さな田宮の臀が抽
送のたびに強く締まり、そのたびに妻の躯が浮きあがるように橈った。濡れて光る巨根が妻の股間でちらついた。            



 田宮が妻の脚を肩に担ぎあげて攻め出した。交合の部分が惣太郎の目にはっきりと見え出した。妻の柳眉を歪めた喜悦の顔も揺
れ動かされる妻の担がれた脚の間から見える。見覚えのある妻の秘所から体液がほとばしり出て、激しく出入りする憤怒の様相の陰
茎が、妻の体液に、ぬめった光りを放っている。
  薄い桃色の粘膜が節くれた陰茎の出入りのたびに歪んで捲れている。妻が身も世も無い風情で腰を波打たせた。思い切り突きま
くっていた田宮の陰茎が、暴れ過ぎて目標を外して抜け出て歪んだ。開いた妻の秘所からどっと体液が流れ出た。     
 田宮は妻の担いだ脚を離して正常位に戻ると、再び挿入した。妻のぬれぬれと練れた陰門が、今度は一気に根元までの挿入を許
した。妻の臀のあたりのシーツに体液が垂れ落ちている。田宮が、妻に無者ぶりついた。妻が田宮の頭を掻き抱いて田宮の唇を吸っ
た。田宮が狂ったように腰を打ち振りながら、田宮の腰の動きに合せて揺れている妻の大きな乳房を田宮の手が揉みしだく。        
 「いく! いく!」                          
 妻の絶叫が静寂を破って空気を震わせた。                
 しっかりと抱き合い、一つのリズムに同調して、ふたりの身体がひとつになって激しく躍動している。
 妻の両足は、田宮の黒く細い腰を締め付けて背中で組まれ、合さった脚首が、男の激しい腰の動きに一緒に揺れている。
 田宮が呼吸を荒げ、冴子が連続的に嬌声を発し、天蓋の中は、二人の汗と体液の隠微な湿った匂に満たされた。                             
 田宮が最後の激動の後、腰をひねって冴子の白い腹に放った。冴子の躯が、快楽の余韻を残してひくひくと痙攣している。
惣太郎は、ふたりの最期を見届けた時に、自分の躯が妙に弛緩したのを覚えて、思わず股間に手を入れた。ふたりと同時に自分も果
てていたのだった。                    

 二人が愛撫を交わす前に、惣太郎がその時の冴子の様子を見て、それ以上の行為に進ませるかどうか判断し、承諾ならばそのま
ま帰り、拒否ならばライターの灯をそっと点すことに田宮と約束が出来ていた。

 だから惣太郎が承諾をあたえた後すぐ還らずにこの場にとどまり、秘事であるべき二人の交接のなまなましい一部始終をつ
ぶさに視ていたことが田宮に知れたとしても、たいしたことはないが、男二人の企みも知らず田宮にそそのかされて、女の業
に無理遣り火を付けられて、無我夢中で悦楽に狂奔した妻には、それだけで生まれて初めての激しい衝撃を受けているのに、
まして夫がその一切を盗視していたという事を知ったら、本当に発狂するか卒倒しかねない状態に陥ることはたしかである。
 
そのために惣太郎は終焉を迎えた二人を残して消える必要があった。ふたりで一つの業火に飛び込み、
一体に溶け合って、歓喜の苦闘と狂乱のエクスタシーに身を焼き焦がした二人は、いま終局を迎えて、その余韻を互いの身
体で愛惜しながら、弛緩して折り重なっている。田宮の浅黒い身体が、弛緩して両腕をシーツの上に投げ出した妻の白い躯に
覆い被さっていたのが、死体が投げ出されたように、ごろんと妻の横にもんどりうって転がった。                

 その田宮の股間には、萎えはじめてはいるが、まだ力を消失し切っていない陰茎が、曲がり胡瓜のように頭をもたげている。
その巨根をいっぱいに含んでいた妻の陰唇は、まだ閉じ切らず、喘ぐ金魚の口のように、ひくひくと開閉しつつ、体内に残留し
た体液を滲み出させている。ようやくあえぎの治まりかけたぬめぬめと白い滑らかな下腹には、田宮が放出した色濃い粘質の
体液がしみのようにあちこちに付着して光っている。                      

 しばらくして冴子は、脚も大きく開いたまま、田宮が抜け出したままの格好で、放心状態でいたのを、やっと正気を取り戻し
はじめたのか、けだるい動作で脚を閉じ、ゆっくりと田宮の方に横臥した。
 問題はこれからだ、と惣太郎は田宮の萎え切らぬ陰茎を見ながら思った。自分と違って、若い二人のことだから、このまま
終わるとは限らない。さらに熱く燃え上がる場面が再会される可能性は充分ある。そうだとすると、この場を離れ難い。しかし
終りなら一足先に部屋に帰っていなければならない。
 
 惣太郎がそう逡巡していた時、田宮がごろりとやはり緩慢な動作で妻の方に横向きになり、上側の右腕をけだるそうに挙げて
妻の背中に回した。すると妻もそれに応じて、するりと田宮の躰にすがり付くように身を寄せた。惣太郎は戻りかけた体の向きを、
もう一度なおして杉の幹からふたりを凝視した。

 「うちの人どうしているかしら。心配だわ」
 田宮の胸の中から妻のくぐもった声が聞こえた。小さいが意外にはっきりした声だった。                               
 「先程部屋に還った時、大きな鼾をかいて寝ていたよ。咳払いを何度かしてみたけど、全く気付かない
ほど、よく寝ていた」
 田宮は真実そうに嘘を付いた。                      
 「それなら安心よ。お酒に酔って寝てしまうと簡単には起きない人なの。………………それにしても、
あたし達一体どうしてこんなことになったのか知ら…」

 悲嘆にくれたような妻の声だった。その声が終らないうちに妻が、あっ、と一瞬息を呑んで、小さく言った。田宮の妻の背中
に回した手が、いつの間にかさがって、くの字に曲げている妻の後ろから股間に伸びている。惣太郎からは見えないが、後ろか
ら妻に触れているのだろう。囁くような会話が途切れて、二人は横向きに寝たまま口を合せた。妻の手が田宮の肩にそっと掛か
った。浅黒い陽灼した肩の妻の真っ白な手は、最初、静かに置かれたままだった。田宮の接吻と愛撫に、拒否を示さないしる
しのような触れ方だと惣太郎は思った。       

 官能の火が消えかかると同時に正気にかえり、後悔を示す冴子に驚いた田宮が、慌てて冴子に触れたのは、まだ官能の余韻
が冴子に残っている内に、再度冴子を歓喜の業火で狂わすことで、彼女の理性を奪おうと思ったからに違いないと惣太郎は考え
た。惣太郎も田宮も、行為の後の冴子の反応までは計算していなかった。
 その後、ふたりはひしと抱き合ったままで、互いの唇を求め合っているだけである。冴子の中心に触れていた田宮の手も、今
はややまるくして横になている冴子の背中を静かに愛撫しているだけで、互いに声もない。いつまでも続く長い抱擁である。                               
 惣太郎はしだいに自分の脚に疲労が滲み出すのを感じていた。そっと、時計はして来なかったが、もう二時間近くは立ち続け
ていると思った。田宮の肩に置かれていた妻の手に力が入りはじめている。必ずもう一度ふたりが狂うのは時間の問題だと思った。                            
 貞淑な妻がまたあられもない姿態で狂う。今まで妻の躯の奥で眠り続けていた女の業が田宮によって目覚めたのだ。本来は、
これが健全な齢相応の冴子の性の姿だったのだ。一度の交歓さえままならぬ、自分のような初老の男しか知らなかった冴子が、
相応の男性の強烈な性を体験して脱皮した。妻はイブのように悪魔の林檎を食べてしまった。妻はもう自分など男とは思わなく
なってしまうだろうか。惣太郎は強い悔恨に襲われた。目前で、若い男に抱かれている妻が、もう自分を捨てて遠くに去った他
人のようにも思えた。馴れ果てた妻の裸身がまばゆく、悩ましく、輝いて見える。                        

 妻の少し曲げて揃えた脚に、田宮の鋼棒のよな脚が被さっている。妻の上半身だけが仰向になり、こんもりと盛り上がった乳
房を田宮の掌が揉みしだいている。一度満たされた後の愛撫は念入りで落ち着いている。浅黒く硬そうな身体と白く軟らかい躯
が複雑に密着して、ブルーの天蓋の中でうごめいているのが、突然、黒と白が絵具を混ぜたように滲んで溶け合って揺れた。
 それが自分の目眩いだと気付くには少し時間がかかった。                     

 脚が萎えるような感じで、その場にしゃがみ込みたかったが、杉の幹にしがみ付いて耐えた。幸い目眩は一度で消えたが、
惣太郎は自分の体力が、これ以上不自然な格好で立っておれないと判断した。異常な刺激と強烈な興奮が身体の調子を狂わ
せたのだろう。                          

 後髪を引かれる思いで惣太郎は杉林を出た。              
 雪の降りしきる庭に面した渡り廊下で、しばらく冷たい風に身を曝していたら、身体がしゃんとしてきたし、安酒に酔ったよう
に頭に溜っていた悪い血も下がって、悪夢から目覚めたような気分になった。                

 部屋に帰るともう十二時を過ぎていた。呑み残した冷酒を湯呑みに注いで独酌で飲んだ。薄暗い部屋の昏い翳に、今また激
しい交歓に、汗と体液の飛沫を散らしながら、抱悶している妻と田宮の狂態の姿が妖々しく揺らめいた。岡山の山奥で、隠遁
暮らしの父と二人で、静謐の中で孤高の白百合のように育った妻は、自分と結婚してからも、挙措のうつくしい無口なたおやか
な人妻だった。その妻が見せたあの妖婦のような狂態と嬌声は、一体どういうことなのだろうか、と惣太郎は冷静さを取り戻し
考えていた。                

 いままで妻が自分に見せていた優しさ、純情さ、素朴さなどというものは、実は妻の身慣れた天性の演であって、真実は淫
蕩で放縦で没義道な性格の女だったのだろうか。どう考えても、結婚してからのこの長い歳月を隠しおおせることは出来まい。
すると妻は田宮の圧倒的な性に触発されて、突然豹変したとうのだろうか。そうとしか考えられない。性愛は肉の歓楽である。
特に女は肉愛に抗し切れない生理的な本能を備えている。                  
先程妻が田宮に囁いた言葉が脳裏に甦ってきた。性宴の狂乱から目覚めた妻は、開口一番に夫である自分のことが気にな
った。次に、どうして自分がこんなことをしたのかと後悔と悲嘆の気持を田宮の語った。

 いつもの妻に還った証拠だ。泥酔から醒めて、一体自分がなにをしたのか、どこにいるのか解らないのと似通っている。
 やはり妻は女の宿命である、性への服従という生理的欲求から狂ったに違いない、惣太郎はそう結論付けた。               
 惣太郎は改めて、冴子ほどの貞淑な妻も豹変さす女の性への陶酔の深さと、生理的貪欲さに驚嘆していた。
醒めた妻に冷静さが還るのを恐れて、田宮が妻の肉体に再度火を付けたのは、田宮の立場からすれば当然だと思った。

 我に還った妻が、事態の重大さに気づき、悲嘆と驚愕に愁嘆場を演じられたら、田宮は自分と共謀だとも言えず、収拾の方
法がない。やむなく一時しのぎであっても、妻をもう一度官能の夢の中に閉じ以外に術はな い。勿論、田宮自身も、新しい
欲望の火がおごり出したのもいなめない事実でる。                

 今夜は酒の酔いも手伝い、田宮も強靭な肉体にものをいわせて、妻を官能の檻に閉じ込めて目覚めさせないことが可能だろ
うけれども、一体明朝妻は、どんな反応を示し、自分や田宮はどう妻を扱へばいいのか。
 自分は一切知らぬ事になっているのだから、平静を装っておればよいが、田宮自身はそうはゆかぬ。冴子が夫である自分
に告白して謝罪するということも、考えられないではないが、それではこれからの夫婦生活に大きな破綻を招くことにならない
とも限らない。

 だからといって妻が田宮に傾注し切って、自分から離れても困る。惣太郎は小さな蝋燭に火を付けた筈が、突然周りに引
火し燃え広がったような不測の事態に頭を抱えた。冷酒を注ぐ手が震えた。                                                                                                                                

Beginning  第5話
古川さとし 12/1(火) 06:23:58 No.20091201062358 削除
 
「は〜い」

 優子の、くっきりとした声。

「!」

 遠藤が飛び込むと、そこには、さっき分かれた時のスーツ姿のままの優子が、少し顔を赤くして立っていたのだ。

「優子!」

「なによ。もう〜 遅いんだからあ」

 ちょっと恥ずかしそうに、遠藤の肩をたたいた後は、うつむいて、口を尖らせている。
 怒っている顔ではない。
 むしろ、甘える表情だった。

「いったい、これは……」

 後から入ってきた志織が、ガチャリと後ろ手で扉を閉めた。
 そこに相澤の、奥から招く声がする。 

「遠藤さん、私は、賭に勝ったようですよ、どうやら」

 相澤は、テーブルに座っている。その前には、ワインとオードブルが4人分用意されていた。

「これはいったい」

 抗議しようか、怒りを見せようか、と言う前に、遠藤には、わけがわからない。

「ご説明いたしましょう。まあ、その前に、お座りください」

 志織は、さりげなく遠藤に寄り添うようにして、イスを少し動かして座る。それを見た優子は、さりげなく、相澤の横に座った。

 それを見ると、志織は、大胆にイスを相澤の横にくっつけてきた。優子は、それをチラリと確認すると、顔色を変えるようにして、一度、わざわざ立ち上がり、イスを相澤のすぐ横に移した。

 まるで恋人同士のように、肩がくっついている距離。
 そして、遠藤に、いーっと可愛らしく拗ねる顔してみせるのだ。
 遠藤には、ますます、何が何だかわからない。

 その間に、優子も、さりげなくイスを寄せてきて、こちらも、身体がくっついてしまう。

「相澤さん、これは、いったい?」

「済みません。実は、かねてから考えておりましたが、今回、遠藤さんに、お願いしようと思ったことがありまして。で、さっき、女性軍に話しましたら、賭けてみろと」

 なぜか、親しげな視線を横に送る。
 優子は、頬を赤くし、はにかむ表情だ。
 .持ち前の気の強さより、女らしさにあふれんばかりの優子がそこにいた。

「優子さんの発案なんですが。こうして、遠藤さんが、いつまで我慢できるか、と言うことでして、あの、決して他意は、あの、ホントに、どうもすみません」

 相沢は、手を突いて遠藤に頭を下げる。

「はあ?」

 どうやら、遠藤は試されたのだとわかった。
 しかし、事態が飲み込めないから、怒る前に、戸惑うしかない。

『賭けって言うのはいったい何なのだ?』

 相澤の説明を聞くウチに、遠藤は唖然としていた。賭に負けたら優子も、志織も、スワップに応じると言ったらしいのだ。

 その賭とは、遠藤が、いつ部屋を飛び出すか、ということ。

 優子は、最初の電話で飛び出すと言った。志織は、シャワーに行くと言ったらだめだろうと言った。
 相澤は続けて言った。

「優子さんが勝ったら、あのBMWを差し上げることになってました。いやあ、負けなくて良かった、ははは。ちなみに、志織が買ったら、ヴィトンのケリーバッグでした、ふう」

 助かった、と言いながら、相澤がワインがトクトクトクと注いできた。遠藤は、憤りを通り越して、そのワインを一気に開けてしまう。
 とてもではないが、乾杯などする気分ではないが、素面でもいられそうになかった。

「さて、遠藤さん。だまし討ちをしたカタチになったのはお許しいただきたい。ただ、女性陣からは、これでお許しが出たことになる。後は、あなただけだ」

 グッと身を乗り出した相澤は、また、ワインを注ぎながら、どうです?と尋ねる。

「は?」

「スワッピングですよ。どうやら、あなたの肉体はかっこよくて志織もあこがれているらしい。それに、たいそう、あっちの方がお強いそうで」

「え?いったいなにを……」

 思い当たることがあるだけに、遠藤はドキリとする。しかし「あの事」を優子が話すわけもないではないか。

 ニヤリと笑った相澤は、志織に目配せする。志織は、小さく「ごめんなさい」と、遠藤にだけ聞こえる声でつぶやくのだ。

「ご存じないんですか?二人は、結構あけすけな話をしてるんですよ。志織はみんな教えてくれました」

 遠藤は、思わず優子をにらむと、優子は、身体を縮めて、ごめんなさい、と拝んでくる。
 どうやら、本当に話しているらしい。
 遠藤は唖然とするしかない。

「優子さんを、満足させられるかどうかわからないが、精一杯頑張ります。いかがですか?志織の気持ちを、かなえてやってくれませんか?」

「しかし」

「私も経験豊富というわけでもありませんが、すごいですよ、スワッピングというのも。『抜か3』のあなたと違って、いつもなら、一晩に2回が限度ですけど、それが4回は可能になってしまいますから、ハハハ」

 照れたような笑いを見せる相澤。
 遠藤は、思わずワインを溢しそうになる。

『そこまであけすけにしゃべっているのか』
 優子はひたすら恥ずかしそうに下を向いている。
 真っ赤な顔。
 そこに、相澤が何かを囁いて、いやいや、と恥じらってみせるのに、思わず嫉妬してしまう。

 その時、まるで、優子の代わりに、と言いたげに、志織がそっとテーブルの下で手を握ってきた。
 柔らかい手だった。
 そっと近づいた志織の反対の手が、つっと遠藤の腕を辿った。たくましい腕だ。

『ぬか3、まで、しゃべってやがるのか』

遠藤は、水泳で鍛えたせいなのか、一度始めると、今でも、射精3回までなら、抜かずに持ちこたえる精力がある。

 それは、すごいことなのだと優子に常々言って聞かせたが、反応は糠に釘。

 なぜなら、好奇心旺盛な優子だが、実はセックスだけは奥手だったのだ。
 大学に入るまで処女。最初の彼が童貞で、悲惨なロストバージンだったらしい。だから遠藤と出会うまで、あまりセックスをしたことがなかったらしいのだ。

 だから、男はみんな遠藤のようで当たり前だ、と思っている節があって『抜か3』の遠藤に感動してくれないのが、かねがね、不満だったのだ。

「私じゃ、おいや?」

 小さな、小さな声で、志織が、上目遣いで聞いてきた。いや、そう言う問題じゃないんだ、と言おうと思った瞬間、遠藤の目は信じられないモノを捉えていた。

 テーブルにのせた小さな手に、相澤の手が重ねられた。優子は、その手を振り払うどころか、反転させて握り返して見せたのだ。

 相変わらず、下を向いたままの、優子。
 しかし、それを見た瞬間、遠藤の心は決まった。

『くそ、バカにしやがって! やってやろうじゃないか』

 まるで、みんなにバカにされたみたいな気がしたのだ。

『このままにしておけるか。見返してやる』

 蒼白になった顔の下で、激しい意地がメラメラと燃え上がった。
 ここまで来たら、もはや引く道など無いのだと、自分に言い聞かせながら、相澤に向かって、やりましょう、ときっぱりと宣言したのだ。 

 優子が、顔を赤くしているのが分かる。

 しかし、遠藤が「やりましょう」と宣言した後も、下を向いたまま、何も言わなかった。

知られたくない遊び13
道明 11/30(月) 18:57:01 No.20091130185701 削除

台所で遅い夕食の準備をしている翔子を、居間で寝転んで眺めている哲平

(女という生き物は逞しい・・・)


哲平が会社倒産の残務から開放され、自宅に戻ってみると
妻は時間制限のあるアルバイトから隣の市にオープンしたオーナー直営の喫茶店に移ったという
なんでも、自分の才能をオーナーに認められ8時間勤務の正規の従業員にしてもらったらしい
午前7時に家をでて、午後8時に帰宅する・・・・そして、夕食の支度
いつものジーパン姿は以前と変わらないが、少し腰周りがふっくらとして大きくなった気がする


「翔子・・・少し、お尻・・・でかくなったんじゃないか?」

「えっ!・・お尻?・・そんなことより、あなた・・ハローワークどうなの?」



「うーん・・あまり気に入った仕事がない」

「あなた、今はこちらが選べる時ではないのよ・・大学4年生新卒者の内定も難しいって・・頑張ってね
 いくら私が、正規社員になれたからといっても、お給料は少ないから」

「ああ、わかってる」



哲平の就職活動は、芳しくない
失業手当が半年間もらえるとしても、のんびり構えていることはできない


「おい、今夜・・・久しぶりに」


いつの間にか、寝そべっていた哲平が、台所の翔子の背後に立っている
先ほど感じたヒップの感触を確めようと、哲平がジーンズの上からヒップの丸みに手を当てると
翔子のお尻が逃げる


「・・・ちょっと、やめて・・・夕飯の準備が遅れるでしょ!」


それでも、哲平の手がヒップから腰へと昇っていく


「やめてって言ってるでしょ!・・ごろごろしているから、そんなことばかり考えるのよ」

「キツイなぁ、翔子」



「そう?・・・ご免、でも・・今はあなたが就業するまではと、頑張ってるのよ、私」

「そうだな、翔子は正規社員で働いていて、旦那が扶養家族だもんな・・」

「そんな厭味に言わなくても・・・・・機嫌直しに、後で美味しい珈琲入れるわ
 家でも練習しておくようにと、オーナーが・・」



夕食後、店から借りてきたという道具で翔子が珈琲をいれる
そして、哲平をお客に見立てて珈琲を差し出す



「うーん・・・これはいける、美味しい珈琲だ・・・香りもいい」

「そうでしょ、でも高級純喫茶のお店なので・・・お客さんは上品だし、私、緊張しっぱなしで」



「わははは・・それで翔子、ストレスが堪ってんだ」

「何が可笑しいのよ」

「ごめん、ごめん・・・・翔子、本当に頑張ってるんだ・・・俺も気合い入れるよ」



哲平はにこやかに笑う翔子の顔を見て思った


一度、翔子がそんなに頑張って働いているところを見てみたいと
反面、少し寂しくもなった
あれほど、哲平の身体を欲しがり燃えていた妻が、今は仕事に夢中になっている






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