BBS2 2009/04 過去ログ



春が来た 33
道明 4/30(木) 22:49:03 No.20090430224903 削除
新藤が本庁の知事室で面談の順番を待っていた
なぜ、知事に呼び出されたのか知らされていない
新藤は知事に面識はなく、不安が胸をよぎっていた

「新藤所長、お入り下さい」

新藤が知事室へ入っていく
広い執務室には豪華な応接セットが置かれていた
知事がデスクに座って、書類に目を通している


「君が新藤君か?・・忙しいのに、呼び出してすまなかった」

「いえ、お呼びがあれば何を置いても駆けつけて参ります」

「うん・・君の職員人材育成プログラムの提案書、読ましてもらったよ」

「はい?」

そうだった、知事命令で県の幹部職員全員にリポートの提出を求められていた
確か、テーマは「あるべき県職員の姿」だったか


「私は、この100年に1度といわれている未曾有の経済危機の時こそ
 県は率先して県民に範を示さなければならないと思っているんだ」

「はい、そのように私も」

「しかるにどうだ・・・職員のモラルは、地に落ちている
 社会の動静すら何処吹く風、やる気があるのかも疑わしい
 無気力で、自己中心の職員が多く、全く情けないと思っているんだ
 地方公務員法で身分が保障され、よほどのことをしないと首にならない
 それを、いいことに、働くこと、いや夢を持たない職員の多いこと
 私は、この際、徹底的に職員の脳ミソを改革したいんだ!
 やってくれるか?君」

「はっ、はい・・・」

「それで、知事直轄の新部署を組織する
 そこの最高責任者に君を充てるつもりだ
 君のプログラムは良くできている、しかし大事なことが一つ欠けているぞ!
 いいか、君の作成したプログラムにもう一つ付け加えて実施するんだ
 それは、命令に従わずやる気のない職員を合法的に退職させることだ
 そのやり方を考えろ・・・・・いいな、不要な職員には県を去ってもらう」

「合法的に職員を退職させる方法・・・
 知事、それはいつ頃を目処にと?」

「今の県の財政、職員構成を考えると猶予はない
 来月、組織を立ち上げる・・・必要な人材は人事局長に言って揃えてもらえ
 執務場所は、知事室の隣だ、私が今最もやりたい事だ、頼んだぞ」


余りの急な展開に、新藤は戸惑いながらも決意を固めざるを得ない
ノーと言えるはずがない・・・・


「どうした?怖くなったか?同僚を、職場の仲間を叩くのは嫌か?」

「いいえ、知事
 ここに就職した時から、私は県民に対して忠誠を誓っております
 県民の為にならない者を整理していくのは、当然のこと
 民間では、先の不況の時には生き残りを賭けて、実施されたことでもあります
 身命をとして全力で取り組む所存です」

知事が新藤の顔を見て、目を細めた

「期待しているよ、新藤君・・・・我が県にも君のような職員もいたんだ
 実は、人事局長が君のことを私に話したんだ
 君が怒鳴りつけた江島という職員には、私も人事局長時代に手こずってね
 苦い思い出があるんだ・・・・・確か、あの時も女性職員が絡んでいた
 気をつけろよ、新藤君・・・・・敵も死に物狂いで向かってくるぞ」

「心得ております、知事
 悪に、私は決して屈しませんし、許したり致しません」

「・・・悪に屈しないか・・・強い、いい言葉だ」

県庁舎の外は激しい雨が降り始めた
新藤の頭の中で、瑞希の顔が浮かぶ

(これは・・・・家族をも巻き込んでの激しい戦となる)

知事室の窓を打つ雨の音が、新藤の耳の奥で砲火となって鳴り響く


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生けられた妻 その21
家元 4/29(水) 13:21:33 No.20090429132133 削除
 カレーの火を止めた和花が、振り返った。

 他のことをする気もおきなくて、牧野は、やはり、じっと妻の後ろに立っていた。

 その立ち尽くす夫に、和花は、あっと何かを思い出した表情だ。濁った目が、その瞬間だけ、いつもの瞳に戻っていた。

「ね、あなた、そういえば、今週、してないよね」

 既に、月曜日になっていた。週末のオヤクソクの夫婦関係も、それどころの話ではなかった。

「え、あぁ、そうだね」

 妻からこんなことを言ってくるのは珍しい。牧野は、ちょっとドキマギしたが、妻からこんなこと言ってくるのなら「犯された傷が癒えたのか」とも思えて、うれしくなる。

「かーくん、きっと、今日は一緒に寝ようとするよね」

 妻の視線は床を向いている。

「そりゃ、久しぶりだからな」

「じゃ、夜はできないよ、今、時間ないから、こっちでいい?ごめんね」

「お、おい、のど……」

 妻の名を口にしようとした時には、既に、その目の前に、ひざまずいた妻がいた。

「お口で。我慢してね、ごめんなさい」

 いくら恥ずかしがり屋の妻であっても、夫婦は、夫婦。そこは手慣れた仕草で夫の下半身を脱がしていく。

 驚きながらも、あっという間に、牧野の男根は、ピンク色の唇に包まれていた。もちろん、久しぶりの妻の唇は、思った以上に気持ちいい。
 
 眼を閉じたまま、牧野の男根を飲み込む妻の表情には、淫靡さより必死さが出ている気がして、気が気ではない。しかし、久々の妻のフェラに、反応してしまうのも、男なのだ。

 おまけに気のせいか、今までにない熱心さで舌を絡みつかせてくる。激しく、すすり上げながら、カリに舌を絡めるようなテクニックまで使ってきた。初めてのことだった。

 驚くべきほど、熱心で、巧みな妻のフェラに、牧野はたまらず、あっという間に発射してしまう。腰の奥から絞り出すような、最高の射精だった。
 
 コクリとのどの奥深く出されたモノを、目を閉じたまま飲み下す妻の横顔は、限りなく澄みきった表情をしていた。

 まるで、どこまでも透けていって、そのまま消えてしまいそうな透明な美しさを持っている。

「すごいよ、こんなことしてくれるなんて」

「ごめんね。ずっと…… だから」

 そっと唇をぬぐう表情は、一転して暗い。あのときのことを思い出させてしまったのかと慌てる牧野。

「あ、いや、まあ、えっと、良かったよ。ありがと」

「ううん。さ、あなた、もう迎えに行かないと。かーくん、きっと待ってるから」

「ああ、そうだね、行ってくる」

 とにかくも、もう少しで家族が再び一緒に暮らせるのだ。妻もだいぶ回復しているし、何よりも、愛情のこもったフェラで、妻の気持ちを確かめられた。

 妻の柔らかい身体を、一度、ギュッと抱きしめてから、牧野は息子を迎えに出る。目を合わせぬまでも、ちゃんと玄関まで見送りに来る妻の姿は、今まで通り。
 
「行ってきま〜す」

 牧野の声は弾んだ。やっと、元の生活が再開するのだ。ハンドルを握る手にも、力が入ろうというものだ。

 その途中だった。

 姉の家では、きっと待ちくたびれている息子が待っている。その姉の家まであと5分と言うところで、牧野は、メールを受け取った。

「おや、どうしたんだ?」
 
 ちょうど、信号待ちになる。上機嫌の牧野が、一人つぶやいてから、携帯を取り上げた。

 妻からだった。

「む?」

 胸騒ぎの中でメールを開く。

 メールを読んだ瞬間、驚きと怒りのない交ぜになった、悲鳴とも怒号ともつかない雄叫びを上げていた。

<ごめんなさい。しばらくの間出かけなくてはなりません。しかたないの。かーくんにごめんなさいって伝えてください。>

 慌てて電話をかける。

 妻の携帯は、既に、電源が切られていた。

春が来た 32
道明 4/29(水) 10:50:10 No.20090429105010 削除
伊藤家の寝室では
夫の一介が妻の瑞希を犯している?
そうだ、夫が妻を陵辱していた

瑞希は休暇を出していたこと、土曜日の出勤はしていなかったことは認めたものの
何のためにそのようなことをしたのか?の問いに
「ストレスの解消のため」と言い張り、男関係は完全に否定した
納得できない一介が、凶行に及んでいるのだ


その瑞希の目からは涙が零れ
ぼうと天井を見つめている天井の白いクロスに
忌まわしい過去が蘇り、映し出される

当時、瑞希は21歳、宴会のコンパニオンのアルバイトを始めての最初の夜だった
初心で、細身の女の周りには、酔客が集まってくる
男たちは、経験のないコンパニオンに酒を注ぐ
ノースリーブから伸びる白くて長い腕
その滑るような若い肌を男の手が擦っている
休むことなく飲まされたアルコールが、若い女の警戒感を麻痺させていた
いつの間にか、50歳代の恰幅の良い男が、しっかりと右腕で女を抱きしめ
左手でミニの奥へと手を忍ばせている

男が耳元で囁いた

「瑞希ちゃんだったっけ、先に、外へ出ようか」

「外へですか?勝手にそんなことをしては・・・」

「大丈夫だよ・・・少しの時間だ、お駄賃はずむよ!
 おーい、チーフ、構わないよな?」

男がチーフにそっとお金を握らせ、瑞希に見えないように片目を瞑る
チーフは意味ありげに告げた

「それじゃ、瑞希ちゃんを最上階のラウンジに連れて行ってあげて
 そこなら、大丈夫・・・・きっと楽しいから」

瑞希は酔いがまわって頸がふらふらしている

「瑞希ちゃん、チーフのお許しがでたよ、さぁ、行こう」

・・・・・この後、ラウンジで更にアルコールを飲んで酩酊する瑞希に
この男は遊びと称して、有らん限りの陵辱を加えたのである


今、まさにこの時の陵辱を夫の一介が実行している
夫の両手が瑞希の細い頸を絞めるように、当てられた

瑞希が言った

「信じて!あなた
 私は、あなた以外の男と関係を持ったことは絶対にありません
 優しいあなたが大好きで結婚をした
 そして、子どもを産んだ
 あなたのご両親と一緒に暮らせて、幸せだと思っています
 だから・・・・あなたを裏切ったりは絶対にしていません
 信じて、あなた・・・・・」


一介の顔が歪む
大粒の涙が、一介の目から零れ落ちる
そして、瑞希の頸に当てられた男の手が緩んだ

(私にこんな目を合わせた所長・・・上司の立場をいいことに、私をこんな目に!
 許さない、絶対に・・・・・思い知らせてやるわ)

生けられた妻 その20
家元 4/29(水) 02:51:24 No.20090429025124 削除

 和花が、やっと起き出してきた。あれから、もう、四日も経っていた。

 妻が、まず、しようとしたのは、料理だったというのが、牧野にとっては意外すぎる展開だ。

「ごめんね、心配かけて。もう大丈夫だから。明日から、教室の方にも行くって、さっき電話したのよ」

 ようやく起き上がった和花に言われるがまま、買い出しに出かけた牧野は、そんな言葉に迎えられて、安心もしたが、そんなに慌てて仕事に復帰しなくても、と思う。

 なるほど、言葉どおり、キッチンで出迎える和花の姿は、パジャマを脱ぎ捨て、ワークシャツの腕まくりも勇ましい。腕まくりから覗く白い二の腕が、まぶしく、そして、どきりとさせる色気があった。

『やっぱり、こいつのおかげでオレは生きてるんだな。お、いつもと違ってスカートか』
 
 パンツスタイルが多い和花が、いつになく、ふわりとしたスカート姿なのは、いつもと少し違うと言えば違う。しかし、ロングスカートの先に覗く白い脚が、健康的だが、なぜか、エロスを醸し出している気がして、牧野の心をドキドキさせてくる。

 見慣れた妻の、垣間見えるふくらはぎに、まるで、初めて妻と会った時のように、なぜか、胸がときめいてしまうのは、いったいどういう作用なのだろうか。

 それにしても、家の中が明るい。妻が動いているだけで、牧野の家は、何百倍も明るくなった気がした。

 とはいっても、言葉通り「大丈夫」というような顔色ではない。蒼白とはこのことだ、といえるほど真っ白な顔色だった。

 しかし「無理するな」という牧野の言葉を受け流して、キッチンに立っている。

 妻は、決して、牧野と眼を合わせようとしなかった。眼を合わせぬ妻を気遣いながらも、何と言葉を返せばいいのかわからない。

『電話か…… あぁ、なるほど』

 あの日以来、電源を切ったままだった。

 帰ってきた晩は、あの日の衣類と一緒に枕元に置いていた。牧野は、その服をハサミでジョキジョキに切り裂いて捨て去ったのだ。

 あの日のことを二人の記憶から消し去らねばならなかった。

『二度と見たくない。こんな服』

 さすがに携帯に罪はない。その時に、カウンターにそのまま置いておいたのだ。

 それが、久しぶりに電源が入った状態でキッチンのカウンターに置かれていたのが目に停まった。

 仕事を気にするのは当然と言えば、当然だが、回復するやいなや、真っ先に仕事先に連絡をするというのは、和花らしいと言えば、そう思える。

 妻の心と体の回復は心配だが、こういう時は早く日常に戻った方が良いのかもしれないと自分を納得させて、牧野は、反対するのをやめた。

 妻の、あの、見る者の心まで溶かしてくれるような笑顔が見られないのは寂しいが、このまま行けば、刺して時間をかけずに元の通りになってくれるだろうと、思えた。

 牧野の感慨も知らず、和花が早速、料理を始めていた。大量のタマネギを炒め始める。

「大丈夫なのか?」

 手付きは、危なっかしさを感じるわけではないが、まだ、億劫そうな様子が垣間見える。なによりも、横から垣間見える瞳が、いつものように澄んでいない。それどころか、どこかしら不健康そうな濁りを止めているのが、心配でたまらなかった。

「大丈夫よ、病気じゃないんだもの」

 確かに、熱があるわけでもない。ただ、料理を進めながらも、何かの拍子にイライラっとした表情を見せるのが珍しい。文字通り、腫れ物に触るかのように、妻の様子を、当たらず、触らず心配するしかできることはなかった。

 妻の後ろ姿を見つめながら、どんな言葉をかけて良いものかもわからず、かといって、このまま妻の背中を見つめるこの場所から動くのも嫌だった。

 かくして、妻が働く姿を見つめているうちに、時間だけが経っていった。

「かーくんの好きなカレーだよ〜 あなたには、ちょっと甘いでしょうけど」

 相変わらずも、牧野と目を合わせないが、曲がりなりにも笑顔を左の頬に浮かべる妻の表情に痛々しさを感じてしまう。

「おいおい、ずいぶん作ったなあ。これじゃ、3人でも、3日はかかるぞ」

 カレーは、たくさん作った方がおいしい、というのが和花の口癖だ。ひょっとして、昔、病気の父を気遣いながら、カレーどころか、一人でぽつんと食事するしかなかった生活の反動だろうとも思うが、そんな分析を自分の妻にしても始まらない。

 とにかく、牧野家では、一度、カレーを作れば、全員でひたすらにカレーばかりを食べる2日間になるのが、いつものことだった。

 それにしても、多かった。

 一番大きな鍋に、たっぷりと作られている。

「うん、そうかな。ちょっと、作り過ぎちゃったかも」

 ふと首をかしげた後で、和花が、ちょっと寂しそうな笑顔を口の端に浮かべる。

「もし、食べきれなかったら、冷凍しちゃえば、また、食べれるよ」

 鍋の方を向く妻。

「そりゃ、そうだけどさ」

「おいしいよぉ〜 このカレーはぁ〜」

 鍋をかき回しながら、和花の肩が震えた気がした。

『泣いてる?』

 いや、向こうを向いた妻の独り言は、けっして、涙声ではない。しかし、しゃくり上げるような肩の動きだった。

『やっぱり、まだ、不安定なのか』

 妻の体験のすさまじさを、暗然と思うしかない牧野だった。

生けられた妻 その19
家元 4/28(火) 21:08:02 No.20090428210802 削除
 翌朝になっても、妻は目ざめなかった。

 牧野は、あれから、写真もDVDも、クローゼットの中。一張羅の礼服をしまった箱の中に、そっと隠してしまったのだ。

 もちろん、中は見なかった。知ってはいけない気がしたのだ。

「妻に何があったのか」

 それは、決して聞くまいと心に刻むしかない。おそらく、和花にとっても、その方が良いだろうと思う。和花が何を体験してしまったのか、それは、夫である自分が知らない方がいいのだ。和花も知られたくないと思うに違いなかった。

 牧野は、己の優柔不断を呪い、妻の不幸な体験を申し訳思うしかない。かける言葉も見つからなかった。

 だから、昼近くになってようやく目覚めた妻を抱きしめた。

 お帰り、とだけ言って。

 抱きしめた瞬間、とっさに妻の手が、牧野を突き飛ばしかけたのだが、構わず、妻の名を呼びながら抱きしめ続けていた。

「和花、和花、和花……」

 もがいていた妻がおとなしくなって、胸の中で、ただ嗚咽が聞こえてくるだけとなる。

 牧野はやはり何も言葉をかけない。かけられなかった。

 何時間もそうしていた気もする。

 そっと、妻の手が背中に回され、そのままギュッと力が込められるまで、抱擁していた。

 ふと気がつくと、妻の身体から力が抜けている。

 再び、眠ってしまったのだ。今度は、安心したかのように安らかな表情で。

熟睡だった。そっと、布団に横たえて、見守ることしかできなかった。 

 夜中、再び目ざめたらしい。

 わずかな身動きの気配を感じて、牧野も目を覚ましたが、横になっている牧野の息づかいを窺うようにする気配を感じて、慌てて、そのまま寝たふりを続ける。

 和花は、寝ている夫に安心したかのように息を大きく吐き出した後、風呂に籠もってしまった。

 風呂にのんびりと浸かっているような気配ではない。ただひたすらに、身体を洗い続けているようだ。

 決して中に気取られぬように細心の注意を払って様子を窺っている牧野の耳には、シャワーの音に紛れて、妻の嗚咽が聞こえてくる。

 もちろん、その意味がわからぬ男はいないだろう。

『やっぱり、犯されたのか』

 しかし、犯されたことを夫が知ってしまった、と和花に気取られてはならない。それこそが、和花のせめてもの、心のよりどころのはずだった。

 ついさっき、自分の寝息を確かめていた妻の、鬼気迫る、真剣な気配を思い出していた。

『忘れよう、二人で』

 それしか、自分がしてやれる優しさはないのだと牧野は思い詰めていた。

 妻の前ではのんびりと、しかし、実は常に気持ちを張りつめさせたまま、牧野は妻の様子を窺っていた。

 数日は、まるで生気をなくした和花だった。姉の所には、病気で起きられないから、もう数日頼むと連絡をした。実際、ろくろく食事も取ろうとしない妻の頬はやつれてしまっている。瞳には、ドロリと濁った膜が張ったようで、生気がない。

「お母さんが起きれるようになったら、すぐ迎えに行くからね」

 短い言葉だが、和花自身が一樹に言い聞かせたのが一番効いたのだろう。一樹は、大切にされていることもあって、びっくりするほど安定しているようすだった。

 やはりどんなに大切にしてくれる「おばさん」達よりも「母親が家にいる」というのが一番なのだ。一樹はさして、むずかることなく、姉夫婦の家で暮らしが伸びたことを承知する。むしろ、それなら、つかの間「チヤホヤしてくれるおばさん家」での暮らしは楽しいのかもしれない。

 それなら、後は、安心して、妻の横に付き添うだけが牧野のやるべきことだ。その妻は、息子への電話に力を使い果たしたかのごとく、ひたすらに、寝ている。わずかに目覚めても、夫の声にぼんやりとしか反応しない。

 時折、水を求めるが、布団から起き上がるのもおっくうそうだ。熱もなければ、苦しさを訴えるわけでもない。ただ、だるそうな妻。

 妻の表情に、生気というものがまるで現れてこないのを、牧野は、内心ただオロオロと見守るしかなかった。

春が来た 31
道明 4/28(火) 20:48:18 No.20090428204818 削除
 女将が襖の外で立っている
 歳の離れた男と女の楽しそうな話し声が、襖越しに聞こえてきた

「進ちゃん・・・御免なさいね、少し遅くなってしまって
 お世話様でした、遼子さん・・・代わりましょう」

「はい、女将さん」

 部屋から出て行く女の耳元で、女将が何か囁いた
 女の顔が明らかに動揺している
 女将が再び囁くと、女は頷いた


「新藤様・・・・有難うございました」

 女は来た時と同じように、お辞儀をして新藤の顔に眼差しを向けると
 新藤は名残惜しげに、笑みを送った



「進ちゃん・・・どう、今の遼子さん?」

「どうって・・・いい人じゃないか
 若いのに、淑やかで、落ち着きがある・・うーん、それに会話も上手い
 久しぶりに楽しかったよ、それに、彼女はなんというか・・・・・」

 女将は、遼子のことを話し続ける新藤の様子を微笑んで聴いている



「進ちゃん・・・どう、抱いてみる?遼子さんを」

「えっ!?・・いきなり何を言い出すんだい
 彼女はそんな女性じゃないだろう!冗談はよせよ」

「冗談じゃないわよ、進ちゃん
 あの人は少し事情があってお金が必要なの
 だから、今の遼子さんはお金で何とでもなる女よ」

「なに!?・・・お恵ちゃん、私がそんなことをする人間じゃないことは・・」

「よーく知っているわ、子どもの頃からの長い付き合いだもの
 でも、私ずっと思っていたのよ・・・進ちゃんは潔癖すぎると
 時には羽目を外す男にもならないと、潔癖だけでは世の中は渡れない
 いいチャンス、遼子さんは了解しているのよ
 気に入ってるんでしょう!あの人を!
 さぁ、遼子さんが待ってる・・・・思いっきりあの人と好きなことをしてきなさい」

「でも、やっぱり・・・」

「進ちゃん!あなた、女性のことで悩んでいるでしょう!」

「えっ?!」

「そんなことぐらい、私には直ぐにわかるの
 進ちゃんは、女性に盲目的に惚れてしまうところがある
 でもね、その相手が、女の私から見ると、とんでもない相手にね
 分かるでしょう・・初恋の人もそうだった
 二度と、同じ過ちをしては駄目!それこそ奥さんが不幸になる」

「うーん」

「あなたは女を知らな過ぎる
 世の中には、大勢いるのよ素敵な女性が!
 心が清い人、肢体に魅力のある人・・・・いっぱいね
 遼子さんも、その内の一人・・・素敵な女性よ
 なにをグズグズしているの!早く行きなさい」


 女将の目を口を開けて見ているのは、子どもの新藤
 女将は、新藤が甘えて、困らせていた優しい母親の顔だ

春が来た 30
道明 4/26(日) 22:19:42 No.20090426221942 削除
その頃、新藤は馴染みの料理屋にいた
いつもの奥の座敷に通され、女将を待っている
流石に今日は自分自身が嫌になった
なぜ、あんなことを瑞希の夫、一介に言ってしまったのか
新藤の心は暗く、重く沈んでいた

すっと襖が開く

「進ちゃん、ご免ね・・・今日は、お客さんが多くて」

「いいよ、お恵ちゃん・・いつもの料理とお酒があれば、一人でやってるから」


女将が幼馴染の新藤の顔を見ている
優しい笑顔だ

「進ちゃん・・・何か悩み事でもあるの?」

「いいや、そんな風に見える?・・・・今度の異動で、少し疲れたのかな?」

「疲れた?・・・進ちゃんが疲れた?」


女将は改めて新藤の顔を見た
今夜は、少しこれまでの雰囲気と違う、そして直感した・・・
(進ちゃんのこんな苦い瞳を見たのは二度目、・・・これは、きっと女ね)

女将は盃を口に運ぶ新藤の横顔を、確めるように見つめて言った

「後で、話しを聴いてあげる・・・待っててね
 その間、お願いなんだけど、今夜から、お店に新しい人が入ったの
 それで、まだ何も知らないので、進ちゃん、相手をしてあげてくれる?」
 
「ああ、いいよ・・お恵ちゃん」


女将が出て、暫くして若い女の声がした

「失礼します」

「・・・失礼します??・・・か、ははは・・・どうぞ」

着物の似合う・・・30歳ぐらいの女が入ってきた
襖の開け、閉めの作法はできている
三つ指をつき、お辞儀をした
その動作を新藤は見つめ
そして、女が顔をあげて新藤を見た

(似ている・・・伊藤さんに?いや・・・私の初恋の娘に!)

生けられた妻 その18
家元 4/26(日) 18:01:43 No.20090426180143 削除
「ああん」

 切羽詰まった声が、早くも響く。ソプラノの和花の声が、微かにかすれていた。

「和花、オレだ。わかるか?」

「あう、あう、あう、あん、いや、いやあ」

 目ざめているのか、いないのか。

 いくら名を呼んでも、夫をちっとも認識できないようだ。そのくせ、身体の反応は、今までの夫婦関係にない、激しいモノだ。

 蜜壺がキュッと締め付けては、尻と太腿がフルフルと震える。背中を何度も仰け反らせている。強烈なオーガズムが駆け抜けているらしい。

 これ以上ないほど感じているクセに、まるで何かを拒みでもするように、懸命に顔を振り立て、拒否の表情を見せつけている。

「和花、大丈夫か?」

 それにひるんで、硬く膨らんだ男根を引き抜こうとすると、今度は、和花のしなやか脚が、腰に巻き付くように回されて、さらに奥へと誘い込まれる。

『いったい、なんなんだ、この反応』

 淫靡と言うより、淫乱そのものの反応だった。男根を飲み込んだまま、離さない。

 腰を打ち込む度に奥へと引き込まれた先端は、子宮口に当たっていた。

 突き上げる度に、仰け反った和花の白い喉から、すすり泣きと言うより甘やかな悲鳴というのに近い声が、響いていた。

 前戯もしないまま、突き入れた男根をひたすら激しく動かすだけの、女体をむさぼるような交合だ。だが、和花の身体に強烈な快感が湧き上がっていることは、夫として、男として、手に取るように伝わってくる。

 すらっとした背中が幾度もブリッジを作って、その度に、男根を飲み込むように蜜坪が収縮していた。男のエキスを搾り取るうごめきだ。

 そんな、強烈に淫らな姿を見せるセックスに、耐えられる男は多くないだろう。自分の妻であっても、まるで違う女を相手にしているようなものだ。

 たちまち、牧野は限界に達してしまう。

「あぁ、ダメだ、ダメだ、出る、出るよ、和花」

 相手が夫だと気がついているのかどうか。しかし、男が胎内に放出しようとしていることだけは、メスの本能が理解したらしい。

「ああう、あう、あ、あ、あ、あ、い、イク、イク、いくぅ!出して、出してくださいませ、だしてぇ!」

『和花、いったい何を叫ぶんだ?』

 出して、と言えと強制したこともなければ、もちろん、そんなことを夫にねだったことなど無い。いつだって、思いっきり感じているクセに恥ずかしそうに、短く「イク」と叫ぶだけだった妻が、男の精をねだっているのだ。

 驚きと同時に、妻のいやらしい言葉は強烈な刺激となる。

 たちまち、限界を突破した牧野は、ぐしょぐしょに濡れそぼっていながらも、強烈な締め付けを見せる蜜壺の奥深くへ、塊のような精液を射出していた。

「あう、あ、あ、あう、あう、し、しんじゃう、あう、いい!」

 子宮口を突き上げるまで深く侵入した先端からの放出は、そのまま奥に届いたのだろう。強烈なブリッジを作ったまま、柔らかな女体を硬直させた。

 息までできぬほどの強烈なオーガズムが妻の身体を駆け抜けていた。

 引き金を引き絞り続けた牧野から、やがて力が抜けて、妻の柔らかな身体に、ぐったりと身体を乗せてしまう。
 
 その身体を受け止めて、ようやく、和花の荒い呼吸が再開した。

 とてつもない射精の快感が、潮が引くように去っていきながら、牧野はいつにない妻の反応に茫然となってしまう。

 一人で孤独な射精をした時と違って、たっぷりと妻の胎内に放出した男根からは、急速に力が抜けていく。

 意識していないはずの蜜壺が、ときおり、ヒクンと収縮を見せるのも、過敏になりすぎた亀頭には、苦痛に近い。
 
 牧野は半ば力を失った男根を、そっと抜こうとした。

「あん、いやぁ」

 抜ける瞬間、確かに妻は、そう言って、腰をヒクリと突き上げていた。強烈なオーガズムの後なのに、和花の身体は確かに、もっとと、男を求める仕草をしたのだ。

『いったい、どうしちゃったんだ、おまえの身体。いや、オレだって。どうかしてた』

 狂乱のような射精の後で、ようやく牧野に理性が戻ってきた。

 いったい何があったのかわからないが、妻が羞恥の責め苦以上の、何かを体験したことだけは、もはや間違いない。その身体に、夫である自分もまた、狂ってしまったのだ。

 自己嫌悪の嵐の中でも、妻のことばかりが、思考を占領する。

『ひょっとして…… やっぱり…… 犯されたのか』

 懸命に、それだけは考えないようにしていたが、やはり、それなしには考えられなかった。

 魂が抜けてしまったかのように、脚をだらりと広げきった、しどけない姿だった。息だけを荒くしたまま、和花はぐったりと横たわっている。

 それを見つめる牧野の目は、暗く濁っていた。




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春が来た 29
道明 4/25(土) 16:50:13 No.20090425165013 削除
 女が抵抗できないように、ベッドの上に大の字に両手、両足を縛られている
 女が何度も頸を左右に振る

 「あなた・・やめて
  なぜ、こんなことをするの?
  ねぇ、あなた、やめて・・縛りを解いて」

 「うるさい!黙れ!」

 男が女の首筋から乳房そして括れた細腰へと、匂いを嗅ぎまわる


 「シャンプーの匂いがするぞ、瑞希
  お前の職場はシャワー室でもあるのか?」

 「シャンプー?・・そ、そうなの
  今日は・・・・・動き過ぎて汗がでて、気持ち悪くて、それで」


 男の手が女の女陰を弄りだした・・・愛情の欠片もない冷たい動きだ

 「嫌!やめて!」

 「愛撫もなしで、簡単に2本の指を飲み込むなんて!
  お前、縛られると興奮する性質だったのか?
  それとも、男根との摩擦の余韻が残っているのか?」

 「あなた!馬鹿なことを言わないで・・・変よ、今日のあなた」


 「瑞希、瑞希・・・頼むから・・もう嘘をつくのはやめてくれ!」

 一介の指の動きが止まった
 そして、目には涙が溢れている


 「嘘じゃない!今日は汗をかいたので職場でシャワーを使っただけのこと
  あなた、本当にそれだけよ」

 「そうなんだ!そうなんだ!・・悪かったよ、瑞希、疑ったりして」

 「・・・そうよ、あなた・・わかってくれたの?あなた」

 「ああ・・でも、瑞希の言うことが本当だとすると・・・」



 一介は、涙が溢れる目を瑞希に向けた

 「嘘をついているのは、あの所長さんだ!」

 「あなた今、何んて!所長?」

 「ああ・・所長さんに今日会いに行ったんだ
  健康に不安のある妻に無理をさせないでくれと頼みに
  その時、お前は朝から休暇を出しているって言ってた
  それに、土曜日はおろか時間外勤務を命じたことなどないってさ
  そんな筈ないよなぁ、瑞希!確か、毎週土曜日にお前は出勤していた
  俺の稼ぎの少ない分を、私が稼いでくると言って」

 一介の目から流れる涙が、瑞希の透き通るような白い肌
 形の良い二つの乳房の間に、零れ落ちた

生けられた妻 その17
家元 4/25(土) 14:29:29 No.20090425142929 削除
 もともと、和花は敏感な体質だ。
 
 男嫌い、というのがおかしくなるほど、男好きのする身体なのだ。牧野のつたない性戯にすら、恥ずかしがれば恥ずかしがるほど、思っても見ないほど激しく反応してしまう。

 結婚前に初めて求めたあの日。さすがに破瓜の時に痛がりはしたが、それから、数度の数えるほどの経験で、牧野の男根での絶頂を覚えたほどだった。

 今でも、恥ずかしがり屋の和花から夫婦生活を誘ってくることなどないが、週に一度、牧野が挑むと拒否したことなど一度もない。

 生理の時は、ごめんなさい、と言って、ちゃんと口で処理してくれることも覚えた。妻が恥ずかしがるのがわかっているから、牧野は指摘したことはないが、夫を口で処理する時にも、モジモジと腰をうごめかす妻をちゃんと見ていた。

 夫に口で奉仕しながら、自分自身も感じてしまう。少しの刺戟でも感じやすい身体の中に、思っても見なかったような豊かな性感を持っている証拠だった。

 それが、子供を産んで以来、ますます、妻の反応は鋭く、深いモノになっていた。

『だからって、こんなに反応するのか、和花……』

そんな和花ではあっても、眠ったまま、こんなに敏感に反応するものだろうか。牧野の脳裏には、何とも言えない黒い疑問が、音を立てて渦巻き始めている。

 目の前の妻の身体は、まるでたっぷりと前戯をされた後のように、乳首をツンと硬くとがらせている。わずかに触れたことへの反応だって、まるで、諫、これから夫婦の営みに、というくらい激しい。いや、いつもの妻に比べても激しすぎる気がした。

『一体全体、どうしたって言うんだ』

 驚きの連続に唖然とする牧野の目の前で、さらに驚くべきことが起きていた。

妻のスラリと伸びた脚が動いていた。イヤイヤをするかのように妻の顔は動いている。足首の間に拳一つ入るかどうかというくらいに、自然に伸びていた脚が、なぜか、次第に広がってくるのだ。

 まるで、男のものをぶち込まれたがっているかのごとく、膝が軽く曲げられて、そのまま外側へと倒されていく。

 白く張りつめた太腿が、大きく外側に開いていた。

 目の前で、無防備な牝芯が剥き出しになってしまっている。

『ダメだ、このまま見たら、見ちゃったら』 

 このままではまずいと、妻から離れようとした。まるで、男を誘い込むような妻の姿態に、牧野の股間は、激しく疼いてしまったのだ。

『部屋から出なくては』

 このままでは自分が抑えきれない。しかし、疲れ切って眠っている妻を犯すような真似をしたくはないのだ。

 グッと眼を閉じて、淫靡な姿態を脳裏から振り払って、ぐっと、立ち上がろうと前屈みになった瞬間、妻の身体に不用意に顔が近づいてしまった。

 眼を閉じた牧野が不用意に吸い込んだ息に、甘やかで、心蕩かす匂いが、たっぷりと混ざっていたのだ。

『ああ、この、匂い』

 妻の懐かしい、優しい匂いと、何かの花だろうか、牧野が嗅いだこともない、かぐわしい空気を鼻腔に入れた瞬間だった。

 気がついたら、目の前にあるやわらかな乳房に顔を埋め、硬くしこった乳首を、唇にくわえていた。

「はうう、あうう」

 和花は目覚めているのか、はたまた夢の中なのか。もはやわからない。しかし、部屋に響いた声は確かに、妻の淫声そのものだ。

 男の悲しさと言うべきだろう。

 硬くした男根をぶち込みたい衝動をこらえている目の前で、淫声を上げる女体があれば、もはや理性は、どこかへ行ってしまった。それでなくとも、牧野の「オトコ」は、妻の肉体と、そして心を求めていたのだ。

 和花のしなやかで長い両脚は、男の侵入を望むかのように既に広がりきっていた。

「和花、和花、和花ぁ!」

 牧野は、妻の名前を呼んでいた。妻の名前を呼びながら、立ち上がって、侵入の体勢を取ってしまった。
 
僅かに、和花の長い足が、さらに広がった気がした。

『オレを望んでいるんだ』

 勝手な考えだった。しかし、牧野なりの真実なのだ。
 
 長い脚を抱えるようにして、妻を求め続けてきた男根を、深々と、妻の牝芯に突き入れてしまう。

「ああ、和花、お前は」

 妻の牝芯は、今までの夫婦の交合の、どんなときよりも、熱く濡れていた。

妻の母
変態女装かなえ 4/25(土) 11:22:49 No.20090425112249 削除
お友達といろいろメールしてる時に妻にセクフレが居て昔はよく、中出しマンコやザーメンまみれのパンティ舐めさせてもらいながらオナニーしてた話になっちゃて、
妻は昨夜も浮気してて帰って来たのは朝方でマンコとパンティはザーメンまみれだろうと言う話から、久しぶりに舐めオナニーさせてもらったらと友達のメールの後、
様子を見て 居間に居る妻に舐めオナニーを頼みに行きしつこくお願いしている途中で妻の母親が、居間に来たので、話しを中断して、 黙っていると
母親が「何話ししてたの?聞かれて困る事?急に話止めて」
私が「別にたいした話じゃ無いし、考え過ぎですよ」妻「たいした事ないなら
もういいやんか」
私「そんな事言わんと、お願い!」
妻「お母さん居るのに、何考えてるん!」
母「何の話、してるん?」私「ちょっと大事な話を」しつこいなーという顔で
妻「そんなにしたいん!」私「したいから、お願い」妻がお母さんの方を少し見て「そんなにしたいの?」私もお母さんを気にしながら「したいから、お願い」お母さんは少しニヤニヤしながら話聞いてます。
妻「お母さんのでしたら〜、お母さんに頼んでみたら」お母さんがニヤニヤしながら「何の話?」
妻「お母さん話聞いてて、入って来たんでしょ」
お母さんは知らん顔してますが
私は穴が有ったら入りたい気持ちで凄くドキドキしながら黙ってました。
少し沈黙の後妻が「そんなにオナニーがしたいの?」私がお母さんの前で〜と思って居るてと「お母さんには あんたの事話して有るから、今もパンティ穿いてるんやろ」と言ってお母さんの前で、私のパジャマのズボンを脱がせ、仰向けに寝かせると
「そんなに精子まみれのパンティ舐めながらオナニーしたいんかー」と言いながら足でペニクリを踏み付けます。
お母さんが私を見ながら、申し訳なさそうに「ごめんなー知ってたんよー、けど本当だったのね、○○代が浮気の口実に嘘言ってると思ってたわー」二人で笑ってます。お母さんが「○○さん毎日パンティ穿いてるやろー、洗濯どうしてたの?Sexより汚れたパンティやあそこ舐めながらオナニーするのが好きで、
○○代の汚れたパンティでオナニーしたり、洗ってないあそこを舐めながらのオナニーしてたらしいなぁ、変態やね」私はペニクリを踏まれながら「はい、変態です」と興奮しながら答えました。
お母さんが続けて話かけてきます
「エスカレートしてパンティやブラ付けて、汚れたパンティやマンコ舐めでオナニーするようになって、○○代のだけでは物足りないから私の汚れたパンティや、あの娘の知り合い達の汚れたパンティ舐めながらオナニーした事も有るんでしょう、それに汚れたパンティでは物足りなくなって○○代のオシッコも飲んだんでしょう、私のも飲める?喉渇いてない?」私は頷いてしまいました。お母さんが「トイレ行きたかったからちょうどいいわ」と言って立ち上がるので妻が「お母さん、マジ飲ませるつもりー」お母さんが「いいやん、飲みたい言うてるし、直接は恥ずかしいからコップに入れてくるし、」妻が「良かったな〜お母さんのオシッコ飲めて全部飲みや〜今日から毎日飲まされるで〜、お母さんおしゃべりやから友達に言うかも知れへんでー」お母さんはコップじゃ無くジョッキー片手に帰っ来て、私の目の前に突き出し、「飲みなさい」と言って、じっと見ています。
私は全部いっきで飲みました。「本当に飲むんやー、嘘やと思ってた○○代の話本当やったんやねー、じゃあもっと汚れたマンコが舐めたいから○○代に浮気をさせて、洗わずに帰って来させて舐めながらオナニーした話も、中出しの後のマンコも舐めながらオナニーしたのも本当の話?」頷きました。「精子も舐めるんやね、どんな感じ?」私「舐めてる時に中に出されてると思うと興奮して、ドロッと出て来た時○○代が性処理に使われてるマンコ舐めてると思うとよけいに興奮して、精子も浮気相手のチンポももっと舐めたいって思います」その時私はテンションが上がっていて、なんでもお母さんに話てしました。妻は付き合ってられないという感じで話を聞いてます。
お母さんも興奮してたみたいで「本当に変態なんやね、ここでオナニーしなさい」と言ってパンティを脱いで私の顔に被せました。
妻は何も言わずに踏むのを止めました。
私は出そうになるのをこらえながらペニクリを摩りました。
お母さんが「一人でオナニーする時はどんな事想像してるの?」私は「浮気相手が 中出ししてる所を想像したり、○○代に命令して、、浮気した後のマンコや精子だらけのパンティを舐めながらオナニーさせるように命令して、○○代が実行して、メールで報告したり、わたしが精子まみれのパンティだと知りながらオナニーをしてる所を○○代が携帯ムービーで撮って皆に送って見せてる。のを想像してオナニーしてます。」と言った後我慢出来ずに射精してしまいました。
お母さんが、出した精子を被っていたパンティのクロッチ部分で拭き取り、私の口に押し込み「これからパンティの洗濯は変態さんにさせてあげるし一緒に居る時はトイレ替わりに使ってあげるから」と言って妻と一緒に部屋から出て行きました。私はまたオナニーしてしまいました。

春が来た 28
道明 4/25(土) 00:35:22 No.20090425003522 削除
 瑞希が帰宅すると、珍しく夫の一介が先に帰宅していた
 瑞希は、リビングのソファに座っている夫の背に声を掛けた


 「あなた、今日は早かったのね」

 「ああ、たまには早く仕事を切り上げて、瑞希といる時間を持たないとなぁ」

 「そうなの、有難う・・あなた」

 瑞希は、優しい夫、一介に笑みを送る


 「それで、昨日の徹夜できなかった分の仕事、取り戻せたのか?」

 「ええ、それはもう十分にね・・・所長も驚いていたわ」

 瑞希は話しながら、着替えに向かう
 一介は、ソファから立ち上がり寝室へ向かう瑞希の後を追っていく


 「あなた・・私、着替えるから少し待ってて、直ぐにお茶を入れるから」

 「いいよ、お茶なんて・・・それより、早く裸になれよ」

 「えっ?今、なんて言ったの」

 「裸になれと言ったんだ・・・確めてやるよ、今日の瑞希の仕事の成果をさぁ」

 一介が瑞希の上着に手を伸ばす


 「嫌!やめて!あなた・・どうしたの?」

 一介は容赦なく、瑞希の頬を張る
 そして、身につけている衣服を剥ぎ取っていく
 逆らう瑞希の頬を何度と無く、一介の張り手が襲う
 その手が、もう逆らうことを諦めた妻の下着を剥いでいく
 ベッドの上で裸体を震わせ、豹変した夫に涙を浮かべる瑞希

 「本当にどうしたの?あなた」

 「何度も言わせるなよ、瑞希
  今から、お前の今日の仕事の成果を確めるんだよ!」

 「なら、どうして叩いたり、裸にするの?」

 「俺を今まで騙しやがって!
  仕事をしてきたんだろう?女のあそこを使ってさぁ!
  夫の俺が妻のあそこの仕事ぶりを確めるんだよ」

 「何を言ってるの?あなた・・・何のこと」

 「ふん・・・この雌豚が!俺をコケにしやがって」

  夫婦の寝室から、瑞希の泣き叫ぶ声が響き渡った
  今まで優しかった夫が、瑞希の最も恐れる暴力を振るう男になった

生けられた妻 その16
家元 4/24(金) 20:55:05 No.20090424205505 削除
 目の前の白い裸体が生々しい。慣れ親しんだはずの妻の身体だ。それなのに、乳房が、腰が、ふわりとした黒い茂みが、信じられないほどの飢餓感と共に目の前に横たわっていた。

 飢餓感。

 そう、牧野は飢えていた。

 妻の身体に、だ。

『挿れたい……』

 混乱と絶望の中で、自分自身を許し難いほどの、獣のような黒い性欲が湧いている。

 考えられないほどの羞恥の体験をして疲れ切った妻に対してだ。

 よりにもよって、その、疲れ切り、クスリでようやく眠り込んだその裸を盗み見て、欲情してしまう自分が腹立たしい。

『ケダモノだ、俺は』

 クスリのせいなのだろう。いくら名を呼んでも、揺さぶっても、全く起きようとしない。

 自分だけが知っている、この妻の身体。しかし、その白い裸身は、紛れもなく他人の視線にさらされてしまったのだ。

 人前にさらされてしまった妻の身体。それを思うと、なぜか、息が苦しくなるほどの生々しい迫力を裸体から感じてしまうのだ。

 目の前にあるのは、紛れもなく、見慣れた「自分の妻」の裸体であるはずだった。それなのに、まるで見知らぬ美女のヌードが、ドサリと投げ出されているように、いや、それ以上の強烈なエロティシズムの光が放たれている。

 牧野の股間は、はち切れんばかりに硬直していた。

 恐る恐る揺さぶったその手の中で、妻の裸体は、これ以上ないほど柔らかく、牧野の手を誘うようにフルフルと乳房が揺れた。

『和花。うぅ、抱きたい、和花ぁ……』

 抱きたいと言うよりも、己の硬くした男根を、妻のやわらかな牝芯に強烈なまでにぶち込みたいだけだった。性欲と言うよりも「犯す」ことだけで頭がいっぱいになっている。

 こんなことは初めてだった。

 もちろん、異様な体験をしてきたはずの、疲れ切っている妻にそんなことができるはずもない。懸命に股間をなだめるしかない。

 しかし、血走った目を、横たわる妻の裸身から離すことができない。

 そして、すべてを見ねば収まらないその目は、キスマークと思えるような痣を次々と見つけてしまった。そのつもりで見ると、妻のしなやかな裸身に、キスマークだけではない異様な痕跡をあちこちに発見してしまうのだ。

 キスマークは、よく見ると、もはや薄くなっているものの、あちこち残っている。全身に散らばっているのだ。それに、よく見ると、手首と足首、そして、首の回りにうっすらと何かの痕が残っている。

『まるで、縛られた跡みたいだ』

 それだけではなかった。

 己の意地汚さに自己嫌悪を覚えながらも、ついついのぞき込んでしまった、わずかに開いた細くしなやかな両脚の間が、弱い光に慣れた目に止まる。

 牧野は戦慄した。

『剃られたのか?』

 仰向けで寝ている妻のふわりとした茂みを上から見ると、つい最近、風呂でふと見た時と一見同じに見える。しかし、先週末の夫婦の交合では、ごく普通だったはずの入り口を縁取る毛がまったく見えない。

 やわらかな秘毛は、前側だけを残して、きれいに刈り取られているらしい。

「ああ、あうぅ」

 つい、妻の秘めやかな場所に伸ばしてしまった指先には、やわらかな肉の盛り上がりが触れるだけ。しっとりした手触りだった秘毛は、全く触れなかった。

 それよりも、ほんの少し触れただけなのに、妻の口から、出た声に驚かざるを得ない。

 驚いて、とっさに手を引っ込めてしまったが、まるで、アノ時の声そのものだ。普段なら恥ずかしがって、懸命に声を抑えようとする妻らしからぬ反応だった。第一、ほんの少し、外側に触れたくらいで、声が出るほど感じるはずもない。

『いったい、どうしたっていうんだ』

 それだけはなかった。肉体そのものが、明らかにいつもと違っていた。

『乳首がこんなに尖ったままになってるなんて』

 セックスの時にこうなることはあっても、大抵、翌日には、ごく普通の、いや、ちょっと陥没気味の小さな乳首に戻ってしまう。それが、ついさっきまでセックスしていたかのように尖りきっているのだ。
 
 ちょこんと、突き出た乳首は、一樹を育てて以来、少しくすんだピンクになってしまった。しかし、それすら、男を知った人妻の身体に似つかわしい変化で、まるで男の指にいじめられたがっているかのように魅了する。

『何で、こんなになって』

 思わず、その先端に手が伸びていた。

 それは決して、けっして、いかがわしいことをしようと思ったのではない。愛しさ故の何気ない仕草のはずだった。

 しかし、ほんのわずか、牧野の指が、硬くしこった乳首に、そっと触れた瞬間、さらに驚くべきことが起きたのだ。

「はうん!」

 夜の夫婦の営みで出す声そのものだ。それも、今にも、達しようとした時に、決まって牧野が乳首をいらい、たまらずに和花が漏らす、切羽詰まった声にそっくりだった。

 それは、夫であれば見まがうはずのない、妻の淫靡な反応だったのだ。

『和花、いったい何が?』

 ズボンの中では苦しくなって、とっくに脱ぎ捨てた下半身に、今日、幾度も自らの手で放出したはずの男根が、今にも張り裂けそうな勢いで天をついていた。

 妻を気遣う心を、男の本能が覆い尽くそうとしていた。

いけられた妻 その15
家元 4/24(金) 09:00:30 No.20090424090030 削除
 なるほど、ちょっと冷静になれば、なんてことのない結び目だ。結んだ端を引っ張れば、ぐるぐる巻きになったロープはいともあっさりと解ける。

 しかし、そんな簡単なことに10分以上の時を過ごして、ようやく取り戻した自由だった。

 もちろん、家元達は、とっくに立ち去っているはずだ。それを追いかけるより、今は、まず妻だった。

 部屋の明かりは、天井の小さな豆球一つ。開け放したドアから、リビングの明かりが漏れて、妻の白い顔を横から照らしていた。

「和花!」

 よく寝ている。

 叫ぶ必要もないのに、妻の名を口にしながら、妻の寝かされている部屋に飛び込んでいた。この腕で掻き抱きたい気持ちを懸命に抑えた。

 白い頬が気のせいか、少しこけている。

「疲れたのか?」

 すやすやと寝ているはずの妻の顔が、ひとつも安らいで見えない。

 呆然と妻の顔を見つめたまま、牧野はしばし動けなくなる。後悔と安堵。自然と目頭が熱くなっていた。

「ごめん。俺が。俺があの時」

 熱いものがポタポタと、自分の手に落ちている。ぬぐうこともできず、ごめんな、ごめんなと繰り返すことしかできぬまま、しばし、妻の顔ばかりを見つめていた。

 しかし、牧野は不思議なことに気がついた。

 ときおり、妻の頬がゆがむのだ。苦悶の表情に見える。

「夢…… か?」

 かすかに、顔が横に振られるのも、あるいは、夢の中の何事かを拒否している姿にも見える。

「和花?」

 がっくりと妻の布団の横に膝を突く。その膝が布団の端を踏んだのか、その拍子に妻の身体にかけられている布団が少しだけ動いた。  

 チラリと白く覗いたのは、剥き出しの薄い肩。

「え?おい、まさか」

 気がついた時には、妻の布団をはぎ取っていた。

「和花……」

 布団の下の妻は、何一つ身につけていなかった。

「何で、裸になんて」

 ふと見ると、枕元には、あの日来ていた妻のスパッツとトレーナーが、きれいにビニール・パッケージに包まれたまま置いてある。手を伸ばして確かめると、ご丁寧にもクリーニングのタッグらしきモノが着いていた。
 
 もちろん、いつも使っているポーチも、ちゃんと横にある。確かめもしないが、あの時持っていったままなのだろう。

 しかし、さっき着せられていたはずのバスローブのようなモノは、影も形もなかった。下着すら見あたらないのは、ひょっとして、初めからつけていなかったのか。出かけた日に付けていたとおぼしき下着は、やはり、クリーニングの袋に包まれていた。

 だとすれば、妻は、バスローブ一枚の姿で、男達と車に乗ってきたことになる。どれほどの時間、乗っていたのかはわからないが、いくらなんでも、それは、あまりにも羞恥の行為に違いない。

『さっきの男達のいやらしい笑いは、その時の和花のことを思い出していたのか』

 牧野の心は怒りに震えるが、その瞬間も妻の輝くような白い裸身から目が離せない。

 贅肉など少しもないが、そのくせ、これ以上ないほど柔らかなシルエットを持った裸身が布団に横たわり、ゆっくりとした呼吸で、腹が上下する。かわいらしいへそが、その度にかすかに形を変えていた。

 膨らんだ乳房が、少しだけ重力に歪みながらも、天をツンと突いている。自分の重みに耐えながら、その大きさを誇示しているかのようだった。 

「あいつらめ……」

 おそらくは、妻を運んできた、あの若い男達が、妻を裸にしたのかと思うと、やりきれなかった。家元とらちもない会話をしている間に、妻のヌードが、しっかりと見られていたなんて。
 
 家元の後ろに立った若者達の、何か淫猥な冷笑が、これにあったのかと牧野は腹を立てながらも、わかった気がした。

 しかし、怒りを覚えるのは、少々早すぎたのだ。

 豆球の明かりに慣れた目に、白い裸身の、首に、かわいい胸に、太ももにと、所々に、痣のようなものを見つけたのだ。

 子供を産んではいても、シミ一つ無い、ピンと張り詰めた弾力のある裸身は、牧野のお気に入りだ。それなのに、これはいったい何なのかと、顔を近づけていた。

「なんだ、これは……」

 見れば見るほど、キスマークにしか見えなかった。

『しかし、確かに、花を生けるモデルだって』
 
 花を生けるモデルというだけの仕事をしたはずなのに、と半ばうろたえるようにして妻の裸身を見つめる。

『それなのに、なぜ、キスマークが?』
 
 妻の額に縦の筋が浮かんだかと思うと、今度は激しく首を振る。

「和花?」

「いやぁ」
 
 寝言なのかどうか。

 微かな声ではあったが、それは、牧野が聞いたこともない、確かな拒否の言葉だった。

いけられた妻 その14
家元 4/24(金) 08:59:35 No.20090424085935 削除
「あ、失礼。というのは、男性経験もあまりない方がいきなり、大勢の方々に囲まれて経験するわけですから、それは、当然、神経が極度に研ぎ澄まされてしまいますので」

『たしかに、俺しか男を知らない妻が、いきなり大勢の目にさらされたら、その心は、どうなっちまうか』

 その精神的苦痛が、どれほどであったことか。しかとは、わからなくても、それが和花にいかに辛いことだったのかは、牧野にも想像に難くない。

「いずれにせよ、奥様は、見事に御台の大役を果たされました。お客様からも賞賛の嵐でした。というわけで、こちらを」

 弟子から、紫色の袱紗を受け取って、手早く広げた。中身が牧野の目の前に差し出される。

「お客様からいただいたご祝儀をおまとめしたものです。奥様宛のものですから、安心してお受け取りください」

 牧野は、水引の掛かった白い祝儀袋を思わず受け取っていた。

「妻は、いったい何を……」

 手にした祝儀袋の思わぬ厚さに、驚きながら、妻がいったい何をさせられたのか、思わず尋ねていた。

「御台というのは、ご披露会の華として、幕開けでもあり、フィナーレでもあり、主役でもあります。その大役を、見事果たされたのですから……」 

「違う!違う! 具体的に、妻が何をしたのか、どんなことをさせられたのか、それを知りたいんだ」

「う〜ん、それは。一応、御台の最終形態は、そちらに収めてありますが、う〜ん、具体的にどんなことをしたかとおっしゃられても」

 初めて、少しだけ困った顔をした家元に、牧野は何か嫌な予感がよぎった。

『教えろ』

 思わず、つかみかかろうとした瞬間、身体が、がしっと固定された。

 気がつくと、さっき玄関に狛犬のように控えていたはずの二人が後ろに回り込んで牧野の左右の腕を押さえていた。

「少し、落ち着いてください。そうですよね。人妻が御台を務めることなど、あまりありませんが、当流派をあまりご存じない方の場合、大抵は、お知りになりたがります」

「じゃあ」

「しかし、奥様が、それを望まれるかどうか」

「なんだと?夫には、俺には、教えられないというのか!」

 気色ばんだ牧野の腕をつかんでいる力が、グッと強くなっている。

「落ち着いてください。我が会では、決して、奥様の意志を無視していないと言うことの証拠に初めからビデオをきちんと撮っています」

「ビデオ?」

「はい。もちろん、それをごらんいただけるようにもできますが、奥様のお許しがないと」

「許すも何も、俺は夫だぞ」

「かえって、夫にだけは見せたくないとおっしゃる方もいらっしゃいまして」

 その言葉を聞いた瞬間、妻の羞恥の極限を他人にあからさまに覗かれた気がして、もはや我慢できなかった。

 とっさに腕を振り解こうとしていた。牧野には珍しく、暴力的な衝動が身体を突き動かしたのだ。

「てめぇ、ぐ、ぐふっ」

 ふっと、世界が回転していた。

 あっという間に、そのまま二人がかりで床に取り押さえられたのだ。そのまま後ろに回された腕が、何かで縛められていく感触が伝わってくる。

「申し訳ない。少々、手荒になってしまいました。この結び目は、ゆっくりと、ほら、この端っこを引っ張れば、ほどけます」

 指先に、ヒモが当たるような感触が一瞬。次の瞬間には、パッと取り除かれてしまう。

「あっ、こら、離せ!離せ!くそっ!」

「落ち着いてください。端っこは落ち着けばすぐに見つけられます。ご主人が冷静になって、奥様の承諾が得られたら、こちらにご連絡ください。置いておきます」

 ダイニングテーブルに、家元が紙片を置いているのが見えた。

「それでは、手荒になってしまったご無礼の段、平にお詫びいたします。それでは、また」

 後ろ手に縛られて、這いつくばったまま見上た牧野の目に映ったのは、ガチャリと閉まった扉だけだった。




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春が来た 27
道明 4/24(金) 00:50:52 No.20090424005052 削除
夕暮れ時というのに
濃いサングラスの似合う美女が運転する車
その車が、勢いよくラブホテルの門を駆け抜ける
助手席の男は、シートを深く倒し姿が見えない
男の手は運転する女の生の左太腿を擦っている
女は、何も感じないかのようにスピードを上げ、市街地へと車を走らせる


江島が駅前をぶらぶらと歩いている
今日はゴルフ仲間との飲み会であった
その集合時刻にはまだ少し、時間がある

江島は、今朝の瑞希との話し合いで、所長へ対抗するため
二人がかりで所長を無視し、今まで以上に仲の良さを見せ付け
イライラを募らせ、堅物所長の脳天を叩く・・・という作戦を瑞希に了承させた
そして、二人の間には確たる信頼の同盟の証が必要だと持ちかけ
少なくとも、瑞希の肢体を拝めるようにと、口説き続けた
しかし、瑞希に上手くかわされてしまっていた

(俺としたことが・・・あんな小娘に手こずるとは
 上手くいったのは、不意をついたあの時のキスのみ
 あれから、伊藤のやつ、防御が堅くなった)


その江島の横を
見覚えのある車が走り抜け、30メートル先の横断歩道の手前で停車した

(あれは、確か・・伊藤の車・・・・あれ?)


助手席側のドアが開き、30代の男が車から降りる
男は車中の瑞希となにやら会話をし、再び上半身を車内に入れた
別れのキスをしているようだ
男がドアを閉めると、車が猛スピードで立ち去っていく
男の目が名残惜しげに車を追っていた

(確かあの男は・・・県の福祉局の・・・
 は、ははん・・・はははは
 いいものを見せて貰った・・・天は、やはり俺にあの女を抱かせてくれるのか?
 伊藤よ、あぁぁ待ちどおしい・・・はっ、肢体をようく手入れしておいてくれ
 まずは・・・・仲良し作戦でお前の肢体をゆっくりと楽しんでからだ)

江藤の脳裏には、しなやかな裸の瑞希の肢体が浮かんでいる
もう・・・口内は、唾が溢れていた

パンティ提供者
変態女装かなえ 4/21(火) 23:47:51 No.20090421234751 削除
パンティ提供者達

妻の浮気を公認してから半年が過ぎました。妻のセクフレは5人になって居ました。
いろんな事されました。妻はセクフレにかなの事や浮気は公認で旦那は下着女装変態だと全て話してるみたいでした。かなは妻に浮気をしているのを見たいから録画して欲しいと頼むと、「その替わりにあんたのオナニー姿も撮って皆に見せるからね」かなの秘密を皆に見られると思うと…見られたくないけど見て欲しい気持ちで興奮していました。先にかなのビデオを五回録りました。下着女装で汚れたパンティ舐めオナニーや中出しマンコ舐めオナニー、4回目5回目にはオシッコをかけたり飲まされました。
浮気は行きますがビデオは見せてもらえません。
そのビデオ実はセクフレだけじゃなく妻の悪友達や仲の良い仕事仲間(○友生命)にもセクフレがくれた面白いビデオがあるからと言って見せてたんです。すぐにかなだとばれたみたいです。
ある日妻がパンティを8枚持って帰ってきました。「今日はこれでオナニーして」かなは誰のか判らないから躊躇していると「汚れたパンティ好きなんでしょ、全部たっぷり汚れてるわよ」オナニーしちゃいました。全部舐め終わるまで射精させてもらえなくて、全部汚れがひどいので1時間くらいかかりましたが、逝った時は凄い快感でした。出した精子は妻のパンティのクロッチ部分で拭きとられ、綺麗に舐めさせられました。これはビデオを見た何人かが、自分の下着でオナニーしてるの見たいと妻に言ったので、それじゃぁ全員のパンティ舐めさせようとゆう事になって、妻が皆にメールしたみたいです。見せてもらったメールの内容は「日曜日、変態くんに皆のパンティでオナニーしてもらいます。夜8時に○○○の駐車場に持って来て下さい。汚れたパンティが好きなので、出来るだけ汚して持って来て下さい。」でした。
後でわかりましたが顔見知りの方も4人居ました。その中にはかなと仲良くない妻の悪友も二人居ました。次の土曜日の夜に悪友の家で皆で色んな事を言いながら見たようです。日曜の夕方皆で見た事を言われました。興奮してると「オナニーしたいでしょう、いっぱいさせてあげるから、下着女装で待ってなさいね。」と言って出て行きました。1時間もすると帰って来ました。「この前のパンティ提供者が二人来てるから」と言って目が見えないようにパンティを何枚も被せられ、オチンチンしごきながら待って居ると、妻と二人がかなの部屋へ入って来ました。何か話してますがパンティが耳栓の代わりをして聞こえません。かなはドキドキです。いきなり空いてる口とオチンチンに唾液がいっぱい垂らされます。妻が耳元で美味しいかと聞くので頷きました、それから二人のマンコ、アナルを代わる代わる二人が満足するまで舐めさせられた後お風呂に連れて行かれ二人のオシッコをかけられました。かなは土下座して二人にお礼と二人の奴隷になる事を告げると、妻が被っているパンティ取って、きちんと目を見て言いなさいと言うので顔を上げると例の二人が下着姿でニタニタしながら見下げてます。それでもかなは、嫌いな二人に、こんな事されて興奮してるんです。嫌いな二人だからよけいに興奮してオチンチンビンビンにしてました。
二人は時々かなを呼び出して、かなを喜ばせてくれました。二人はかなをいたぶってるつもりでも、かなは変態マゾだから興奮するだけなのに、かなも喜びながら嫌そうな顔してましたけどね。

その後パンティ提供者のマンコとアナルは全員舐めさせて頂きました。

歳の暮れにパンティ提供者達の忘年会で酔っ払いのおじさん達(何処から連れてきたのか判らない)のペニスをフェラしながらオナニーさせられたのは凄く興奮しました。

この当時の下着は提供者達の、お古を頂いてました。

春が来た 26
道明 4/21(火) 19:21:30 No.20090421192130 削除
 瑞希は映画館の中にいた

 大帝国の丞相が一人の妙麗な夫人を奪いとるため
 80万の兵を引き連れ、自己の力を見せ付けるが如く、大河に大船団を浮かべた
 己に逆らう者を叩き潰し、女を我が物にする
 当然、勝てるはずだった・・
 美女を手に入れて帰れる筈だった

 しかし、今、呉の水軍が魏の大軍を火責めにしているのだ


(さぁ・・・どうするの?瑞希
 所長は曹操、それとも劉備?・・・孫権ではないわね)


 隣にいる男の手がそっと、瑞希の白い細い手を握る
 瑞希は憂いのある瞳を男に向けた

(この男との関係はどうするの?瑞希
 私との関係が奥さんにばれて、離婚しちゃって・・・もう!不器用なんだから)



 シャワーの音が止んだ
 瑞希が裸のまま男に近づいてくる
 そして、男に纏わりついていく

 男の乳首に口を這わす
 男の顔を下から仰ぐと
 男の目に女の艶かしい首筋から乳房のラインが飛び込んでくる
 女が男にじゃれている

 「こんな私に、あなたは夢中になったのね?」

 「・・・・」

 「夫もいる・・子どももいる・・・でも、私は私・・・私は女」

 「瑞希・・・君は江藤係長ともこんな関係を?」

 「いいえ、お喋りしているだけ・・それで、私たちの関係の隠れ蓑になるの」

 「そう?でも、心配だなぁ、あの人のことは悪い噂がたくさんあって
  特に、女性には手が早いし、暴力を振るうとも聞いているよ」

 「有難う、気をつけるわ
  係長とは厳しい上司に対抗する職場でのパートナーで、私のボディガード
  それだけの人・・・あなたとは違う」


  女と男は互いの目の奥を見つめ合う

  男は思った
  (この瞳に夢中になった・・妻を忘れた、仕事も忘れた、俺だけの女にしたい)

  女も思った
  (今まで楽しかったわ、でも・・そろそろゲームオーバーよね)

  男の手が女の乳房に伸びる
  指が乳首を転がし、撥ねる・・・・
  女の扱い方はこの男も天性の才を持っていた
  男の唇が女の唇を覆う
  もう・・・遠慮はしないぞと、男が攻め、女がそれに応えて逝く
  女の反応は凄まじい・・・・・これが最後の契りだとでもいうように

春が来た 25
道明 4/20(月) 22:31:48 No.20090420223148 削除
「私は職場での服装や執務態度など非常に厳しくやりました
 それが原因で、伊藤さんには敬遠されたようですが・・・
 公務員として、信用を失墜させる行為も処分の対象であると
 不倫などの疑いを持たれることのないように、それとなく忠告したつもりでしたが
 一介さん・・・あなたは、優しいご主人だ、妻思いの良い旦那さんだ
 恐らく、奥さんを疑うことなどしたことがないのでしょう
 ですが、伊藤さんの前の職場でも交友関係で、芳しくない情報も聞かされました」

「それは・・・瑞希が不倫していると?」

「そこまでは、判りません
 ここの職場でのことでは、
 朝夕毎日、特定の男性職員を車に乗せて駅と職場を送り迎えしている
 毎日、向かい合わせで決まった場所で昼食を取り
 必ず、二人で休憩するんですよ・・・ごく自然に、堂々と
 相手は、女性関係に悪い噂のある札付きのサボリ職員
 周りの職員を無視し、二人だけの世界を創っている
 そんな男と、このようなことを良識ある人妻がするはずがない」

「そんな話・・・あり得ない!瑞希はそんな女じゃない」

「そうですか・・・そうですよね
 あなた方夫婦のことを、私はとやかく言うつもりはありません
 私の使命は部下の能力を引き出し、県民のために全力で職務を遂行する集団を築き上げること
 そして、そのような職場集団にしていくために、害となるものは叩き潰すつもりです
 それでなければ、県民の付託に応えられません
 その対象に、あなたの奥さんにならねばいいのですが・・・」

「瑞希は、瑞希は・・・そんな仕事ぶりなんですか?」

「はい
 厳しいことを言うようですが・・・
 これまで、伊藤さんの上司であった者の評価も散々なものです
 仕事の質も量も・・・そして、執務態度も」

「そんな馬鹿なことがある筈はない!
 家では、困難な仕事に全力で取り組んでいると
 上司や同僚とも信頼関係があって、和気藹々とした職場でやりがいがあると・・」

「そう、そのようにありたいものです
 ・・・でも、現実は違う
 一介さん、あなたは本当に正直で良いご主人だ
 そう、私が感じたから言ってはならないことを話してしまいました
 気を悪くされたら、お詫びします
 伊藤さんを立派な職員に育てていくのが、私の仕事
 決して、見放したりはしません・・・これが、私の信条であり責務です
 あなたは、あなたの家庭を守り、良き妻、良き母に育ててあげてください
 あぁ・・出すぎたことを言いました・・・・・」

肩を落とし、去っていく男の後姿を見送る、新藤

(あぁぁぁ・・俺もまだまだ若い、軽率に話し過ぎた
 あのご主人が、正直だけが取柄だったら・・・私も危ない)

生けられた妻 その13
家元 4/20(月) 22:17:21 No.20090420221721 削除
「奥様は、見事、御台を務められました。大好評で、ぜひ、次にも、と要望が出ています」

「次なんて、とんでもない」

 半ば怒りを込めて打ち消しても、家元の表情は冷静だ。

「とりあえず、こちらに、今回の作品の最終形を写真に納めてあります。よろしければ、差し上げます」

「これが?」
 
 厚ぼったい茶封筒が差し出される。中に入っているのは、手触りからして、おそらくは、アルバムではないかと牧野には思われた。

 とっさに、茶封筒を破きかけて、牧野はとっさに、手を止めた。

『こいつの目の前で見たくない』

一刻も早く見たいという気持ちを、なぜか、今、この男達の目の前で見てはならぬという声が、かろうじて押しとどめていました。

 その逡巡を、家元は何気ない視線で観察しているが、表情は全く動かない。

「こちらは、DVDにおさめた分です。一応、プロのカメラマンが撮っただけにデータが大きいので。CDじゃ入りきらなかったんです」

 市販のDVDメディアは、何の変哲もないものだった。しかし、何か、まがまがしい妖気を感じさせる気がした。

「先生、御台にお休みいただきました」

 DVDを手にしたまま、ひょっとして、意識が飛んでしまったのかもしれない。気がつけば、妻を連れて行った若者が目の前に戻ってきていた。

「ご主人、布団を適当に使わせていただきました。失礼いたします」

 二人の若者は見事にシンクロした動きで、草履を履くと、玄関に、狛犬のように控えた。

「御台は、激務です。昨夜から、つい先ほどまで、奥様はお休みになる暇がほぼありませんでした」

 家元の言葉の後ろで、その瞬間、かすかに、若者の頬がかすかにゆがんだ気がしたのを牧野は感じた。

『まるで、スケベな笑いをかみ殺しているみたいな嫌な顔だな』

 この若い男達も、きっと妻のヌードを見ているのかもしれない。妻を破廉恥な会に差し出してしまった間抜けな自分をあざ笑っているのだろうと、漠然と考えてしまう。

 そして、それは、その通りなのだ。牧野は目の前の男に怒りをぶつけるよりも、自分のしでかしてしまった愚かさに、己を呪うしかなかった。

「ご主人?」

「あ、はい」

「ですから、今日は、ゆっくりお休みいただくのが一番だと。しかし、御台を務められた直後は、たいていの方は興奮して眠れないのです」

「だから、クスリで眠らせたと?」

「そうです。こちらに向かう車中でお休みになりましたから、目覚めるのは早くても明日の昼頃かと。あとは、ゆっくりとしてもらえば、数日で疲れはとれるはずです」

「なんで、そんなに、疲れを」

「奥様は、あまり男性経験がないそうで」

「なにっ!」

 牧野の頭が瞬間的に沸騰していた。
 確かにその通りではあるのだが、いきなり、そんなことを他人に言われたくはない。ひょっとして妻がしゃべったにしても、そんな不躾なことを、明日の天気の話でもするかのように口にするべきではなかった。

 思わず、家元に一歩、詰め寄せていた。

妻の下着
変態女装かなえ 4/20(月) 18:35:50 No.20090420183550 削除
「始まり、妻の下着」

下着女装は結婚前からでしたが…

昔妻の汚れた下着で匂いを嗅いだり、舐めたりしながらオナニーしてました。妻は薄々知ってたみたいです。そのうち下着を付けてオナニーするようになって…妻が外出すると、汚れた下着を付けてオナニーするようにりました。 ある夜、いつもの様にオナニーしてる所を妻に何枚も盗撮されてしまいした。オナニーに夢中で気がつかなかったんです。
その頃から妻の外出が増えましたが、かなはSexより下着女装のオナニーの方が興奮するので、好都合でした。
ある夜 あまりSexしないのも変だと思われる。と思いSexしようとすると、「こっちの方がいいんじゃない、いつもの様にしたら!」と言って穿いてたパンティを渡されました。 かなは知らない振りしてたんだけど、「変態さん、知ってるんだから」と言って画像を何枚も見せられました。
変態のかなは、興奮して妻の見ている前でオナニーしてしまいました。
その間質問責めで変態Mなのを白状させられ、かなは「下着女装で汚れたパンティや汚れたマンコを舐めながらオナニーするのが大好きな変態Mです。浮気も公認します、かわりに汚れたパンティやマンコを下着女装で舐めながらオナニーさせて下さい」って言っちゃいました。かなも妻が浮気してるの薄々知ってたから。
それからは、妻の言いなりです。 オナニーは妻が浮気した後だけで、出かける前に下着女装させ穿き替えたパンティを裏返しにして口に入れ、前の日に穿いてたパンティをクロッチ部分が鼻にくる様に被せてでかけます。帰るまでそのままで、オナニーもお預けです。オチンチンも立ちっぱなしです。妻が帰って来て許しが出たら妻の前でオナニーします。時々「汚れたマンコ好きでしょう。」と言って浮気した後、洗わずに帰って来たマンコを顔面騎乗で舐めさせます。興奮します。
そんな状態が二ヶ月くらい続いた夜 帰って来てパンティをぬいでかなの顔を跨ぎます。舐めてると、「美味しい?興奮する?」と聞いて来るので、美味しいです、興奮します。と答えると「やっぱり変態ね、美味しいんでしょう、彼の精子、今まで何回も中出しマンコ舐めてるものね〜精子好き?」興奮してるかなは、「はい!精子好きです。いっぱい舐めたい」って言いました。 精子は毎回口にしました。中出しだったりゴムでお持ち帰りの時は、妻の前で鼻の穴に塗ってから半分口に入れて残りをアナルとバイブに塗って入れます。ゴムはかなのチンコに被せてオナニーします。出した精子は自分のパンティにこぼしてびちゃびちゃパンティ穿いてねます。びちゃびちゃパンティ穿く前に被って舐めながらまたいった事も有りました。

生けられた妻 その12
家元 4/20(月) 06:35:20 No.20090420063520 削除
 もはや、4日目となってしまった。真夜中を過ぎたのだ。

 たった一人で過ごす我が家で、牧野の孤独は濃い。

 しかし、永劫とも思える虜囚の時間は突然、終わりを告げる。

 なんの前兆もなく、いきなり、チャイムが鳴ったのだ。

「のどか!」

 牧野は、化石が突然、生命を吹き込まれたように吹っ飛んでいった玄関先で、3日ぶりに戻った妻を迎えたのだ。

 しかし、「おかえり」の言葉を用意していた唇は、玄関先で「なんで?」とつぶやくことになる。

「どうしたんだ」

 次に口を突いて出たセリフだった。
 
「ご主人、おかげさまで、大変好評でした」

 目の前には、あの「家元」と名乗った男が、端正な和服姿でスッと立っていた。

 その後ろには、やはり、和装で袴を穿いた若い男が、妻を背負って立っている。後ろから、もう一人が支えていた。

 背負われた妻は、バスローブのようなものを着たまま、頭は、がっくりと背中にもたれて、ピクリとも動かなかった。

「そんなことより、妻は」

 妻に駆け寄ろうとした牧野を、やんわりと押しとどめながら家元が、静かな声で語りかけてくる。

「大丈夫です。お疲れになったので、少々、お薬でお休みいただいているだけです」

「クスリ?」

「はい。もちろん、お医者様が出した、きちんとしたものです。害はありません」

 さも当然と言いたげな、静かな表情の家元の返答に、かえって、いらだちが募って、ついつい声が大きくなっていた。

「しかし、いったい、ぜんたい……」

 興奮しかかった牧野に、冷静な表情だ。たしかに、この時間に廊下で大声を出すわけにはいかない。

「しっ。ともかく、奥様にお休みいただいて。おい」

 後ろに声をかけると、妻を背負った若者は、ゆっくりとした動きで玄関に入ってきた。

「あの、どちらに寝かせれば?」

 丁寧だが、若者の言葉は軽い。妻の存在が軽く扱われている気がして、ほんの少しだけむっとした牧野ではあったが、目の前の妻をそのままにしておく訳にはいかない。
 
「奥様を寝かせて差し上げたいのですが」

 家元が玄関の扉を閉めながら、尋ねる言葉に、思わず、夫婦が普段寝ている部屋を指さしていた。

「おい。お連れしろ」

 若者達は、小さく、はっ、と返答しただけで、ゆっくりと、そのくせ、一つ一つの動作がきびきびした動きで、草履を脱ぎ、妻を背負ったまま、部屋に向かう。

 そのよどみない動きには、何か「慣れ」を感じさせるものがあった。決してがっしりした体格の男達ではないが、男4人がリビングに立つと、一瞬、狭くなっている。

 男達が、ドアを開けた瞬間、思わず、背負われた妻を追っていこうとした背中に、家元の声が掛かった。

「いろいろとお尋ねになりたいですよね」

 決して冷たい印象はないが、冷静な声だ。

「もちろん。説明してもら…… えますか」

 説明してもらおう、と強く言うべき時にも、何か、気圧されたように、疑問文のカタチとなっていた牧野は、自分が牙も爪も抜かれた噛ませ犬になった気がしていた。




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生けられた妻 その11
家元 4/19(日) 15:42:51 No.20090419154251 削除
 結局、眠れるはずもない。かといって、他の何かで気を紛らわすこともできない。

 うつらうつらしては、ホンの小さな物音に、妻が帰って来たかと飛び出す繰り返し。一度など、確かに、ガチャリとドアノブが鳴った気がしたのだ。

 そのたびに、ドアを開けて、がらんとしたアパートの廊下を呆然と眺めては、がっくりと肩を落とすしかない。
 
 しかし、苦しいのは、そこからだ。

 一度、目を覚ましてしまえば、どれほど打ち消そうとしても、妻の幻影が牧野の心を占領する。

 見たこともない男達に囲まれた妻が、羞恥の中で、裸体をさらしている姿。

 何とも言えぬ息苦しさがあった。しかし、その息苦しさを、牧野はなくしたいとも思わない。

『こんなのどうってことない。和花の方がもっと苦しんでいるんだ。俺の苦しみなんて、どうってこともないんだ』

 こんな時の時計の音は、異様に大きく聞こえるものだ。カチ、カチっと、確実に時を刻む音が響く中、牧野の頭は妻のことだけでいっぱいだった。

 妻が、衆人環視の中で、一糸まとわぬ姿をさらす姿。あれこれと、男達の嫌らしい視線を間近に浴びている含羞の姿。

 政財界の、と言うあの口ぶりからすれば、客達は、それなりに金を持っているのだろう。当然、それは、初老か中年の男達が中心のはずだった。

 もちろん、芸術なんてことを口に出しながらも、若く美しい女の裸に、ねっとりとしたいやらしい視線をまとわりつかせるに決まっていた。

 妻が、最も秘めやかな部分を隠すことも許されず、身動きすることすら許されぬまま、人目にさらされる。夫にしか許したことのない場所を貫く、遠慮のない、嫌らしい視線に耐えねばならないのだ。

 いや、夫の自分にすら、あの写真のごとく、あんなにあからさまに、秘部を広げたりはしたことなどない。

 それを見ず知らずの他人のいやらしい視線にさらす妻の心の痛みを思えば、牧野の心は痛むどころの話ではない。

 その苦しみに比べれば、と、いくら思っても、何とも言えない重苦しいものが、ずーんと腹の底に沈み込んで、胃をキリキリと締め付ける痛みは止まらない。

 そのくせ、男としてたまらないのは、そんな妻の羞恥の姿が浮かんでくるほどに、なぜか、心を裏切るようにして、無闇と欲望が湧いてくる。男根は、覚えがないほど硬く張り詰めて、性欲を吐き出したくてたまらなくなってしまう。

 情けなさに唇を噛みしめながらも、ズボンを降ろしてしまう自分がたまらなかった。

 一度、右手でしごき始めれば、途中で止めることなど思いもよらず、一気に射精するまで動かし続けてしまう浅ましさ。

 惨めだった。

 どうしようもない自分に愛想を尽かしながらも、そのくせ、不思議と、妻の妖しげな泣き顔が浮かぶ中での射精は、感じたこともないような甘美な快楽をもたらしてくる。

 射精をしたあとの、何とも言えぬ、むなしさが、ぶちまけた精液の後始末をする自分に、いつしか、涙をこぼしていた。
 
 妻のいない、たった一夜で壊れかけた心は、息子との関係にも影を落とす。

 一粒種の、母親の不在に懸命に耐える息子を、何とかしなくてはと思っても、焦りといらだちと、目の前に浮かぶ妻の幻影が、自分を、普段にないほど怒り狂う父親としていた。

『このままじゃ、だめだ』

 結局2日目の夕暮れには、息子の世話を姉夫婦に頼むことしか思いつかなかった。

 父親も、姉夫婦と暮らしていた。さいわい、姉は専業主婦だ。夫婦仲も良い上に子どもがいないから、一樹は小さい時から可愛がられ、また、良くなついていた。もちろん、たった一人の孫を迎える父親に、嫌があるわけもない。さっそく、明日はどこへ連れて行こうと、張り切る父親に、牧野は心から頭を下げる。

 妻の急な仕事で、という言い訳と、憔悴しきった牧野の表情を見て、二つ返事で引き受けてくれた姉がありがたかった。

 もちろん、こんなことは結婚以来初めてだから、口に出さずとも不審がってはいたのだろう。しかし、二人とも浮気をするような性格でもない以上、うっかりと口出しすることを控える優しさを姉夫婦も父親も持ち合わせてくれていた。
 
一樹を預けた牧野は、一人、カチカチと時計の鳴るだけの部屋に立てこもることになる。もちろん、何も手に付くわけがない。

 こんな日に限って、セールスが来る。宛先の違う荷物が届く。

 ドアの気配に、喜び勇んで飛んでいっては、殴りかからんばかりの対応になってしまった。こんな時は、相手の対応がひどくのんびりしたものに感じるものらしい。

 牧野が、つっけんどんな対応をしているのに、にこやかに、なかなか立ち去ろうとしないのだ。

 結局、背中を押すようにして、セールスを、配達員を追い出しては、ため息をつくという空しい作業を、こんな日に限って五回も繰り返すハメになっていた。

『くそっ、何で、こんな時に限って。和花、和花、おまえは、いつ帰ってくるんだ』

 あの家元の話では、3日の約束ではあった。

 まだ2日目の夜に入ったばっかりだった。もちろん、まだ、帰ってくるはずなどない。しかし、それでも、万に一つ、ひょっとして、和花が拒否して、いや、何かの事情でご披露会とか言う物がつぶれるかもしれぬ。

 本気で、そんな甘い期待をできるはずもないが、ドアの向こうに人の気配がするたびに、空しく心を躍らせてしまうのも、止められるわけがなかった。

 今夜は「ご披露会」なるものが開かれているはずだった。

 だとすれば、和花は、今頃……

 いくら考えまいとしても、心に浮かんでしまう光景が牧野の心をかき乱す。

 妻からのメールは、あれからピタリと止まったまま。仕事にも就いていない牧野の携帯は、ただひたすらに沈黙していた。

 だから、がらんとした部屋の中で、まるで傷ついた野生の獣のように、ただ膝を抱えて座り込むしかなかった。

 水すらも飲むことを忘れ、ひたすらに、時が経つのを待つことだけしかできない。頬はこけ、浅い呼吸をする音と秒針が進む音だけが部屋に響いている。

 凄絶な表情だった。

 脳裏には、妻の淫らな姿態が、男達に囲まれた裸体が浮かび続ける。たまらず、むなしい射精をしては、うつらうつらしては、妻の帰宅する幻覚に襲われドアを開け、そして、悲しい現実に打ちのめされる。

 まるで、鍵のない檻に入れられた独房の囚人のように、だた、ひたすら、その繰り返しだけで3日目の夜が訪れていた。

生けられた妻 その10
家元 4/18(土) 20:27:50 No.20090418202750 削除
「あなたは、ちゃんと食事しましたか?こちらの人たちはとても優しくて、途中でいろいろと出してもらったけど、やっぱり緊張しちゃって、あんまり食べれませんでした (^^;)」
 
 一切のメールが届かなくなる前に、結局十数通のメールが届いていた。借りたというアドレスからの、そのメール達を何度も何度も読み返しては、ため息ともつかないうめきを漏らすしかない。
 明かりも付けぬままの真っ暗な室内で、携帯の画面から放たれる青白い光が、牧野の幽鬼のようになった顔を浮かび上がらせていた。

 健気にも夫を気遣ってくれているのだろう。どのメールも文面は明るさを装っている。普段はあまり使わぬ顔文字を冗談めかしていれてさえあった。しかし、牧野には妻の緊張、いや、恐怖は、ひしひしと伝わってきていた。

 もともと、誰しもからチヤホヤされる容姿を持っている妻だ。整った顔立ちとスタイルには、自分から男に媚びる隙はなくとも、言い寄ってくる男はあまりにも多かった。その煩わしさに辟易して、一切の男友達を絶ったのが妻の学生時代だった。

 牧野自身は、女の子と派手に遊ぶようなタイプとは正反対。だから二人が付き合うようになったのは奇跡のようなものだった。

 たまたま、牧野は母親を高校時代にガンで失っていた。

 親がガンで亡くなった学生に、奨学金を支援してくれる団体がある。もちろん、マスコミ受けを狙っての「慈善」ではあっても、親を亡くした学生にとっては貴重な収入になる。

 毎年1回、新たに支給される学生を集めた会が催される。その学生側の世話役になったのが牧野で、悲しみも新たに参加したのが、和花だったのだ。

 この世に、身寄りというものをなくした和花を親身になって世話できたのも、自分の経験からだった。一方で、和花もまた、唯一の身寄りを亡くして誰かを頼りたいという気持ちがあったのだろう。

 二人がいつか愛し合うようになったのも当然だった。

 パッとしない風情で、いかにも、パソコンヲタの牧野と、ミスコンクイーンの和花では不釣り合いだと、仲間達の誰しもから「犯罪だ!」とからかわれたものだ。
 
 牧野は幸せだったが、仲間達からの揶揄には、誰よりもその通りだと思っていたし、自分なんかにもったいないと思っていた。しかし、和花にとっても、幸せだったのだ。

 ミスコン荒らしといわれながらも、男関係は全く無縁だった和花だ。

 華やかなデートで、あっちこっちに引っ張り回されるより、気のきいたことの一つを言わなくても、和花のことだけを考えて、ゆっくりと一緒にいてくれる優しさが、うれしかった。

 牧野の優しさは、和花を傷つけることを恐れるところに現れる。だから、和花が拒否したわけでもないのに、二人が男と女の関係になったのは、付き合いだして、とっくに1年もたっていた頃だ。身体を求めることがいけないとは思わなかったが、身体だけを求めると思われれば、和花が傷つくかもしれない。牧野なりに思いやっての、ためらいの結果だった。

 ようやくにたどり着いた二人きりの夜。破瓜の痛みをこらえながら、幸せ、と涙をこぼした和花を抱きしめて、心の中で結婚を誓ったのもその時だ。

 それ以来、二人がケンカらしいことをしたこともない。もちろん、牧野は浮気とは無縁だったし、和花のきまじめな性格からすれば、どれほどの男が言い寄ってきても、浮気などするはずもない。

『あいつが知っている唯一のオトコは、いや、あの身体を見たオトコは、オレだけのはずなんだ。それを、おれは、それを……』

 その妻が「芸術」の名の下に、破廉恥な行為を、これから受け入れなくてはならない。それどころか、その姿を、おそらくは大勢の目にさらされてしまう。
 
 たった一人、見慣れぬ場所で、見知らぬ人々に囲まれて、羞恥の行為が目前に迫っている妻に、恐怖がないはずがなかった。

 振り払っても、振り払っても、脚も震える妻が大勢の前で素肌をサラしていく姿が浮かんできてしまう。

 妻の大きな乳房を見つめる下卑た目が、柔らかな茂みを品定めする男達の声が、牧野の頭に取り憑いていた。

『あの時、何が何でも止めれば。オレがダメだと言いさえすれば、何が何でも、そうすべきだったんだ』
 
 もはや、取り返しは付かない。駆けつけることすらできないのだ。

 妻の裸体がこれから大勢の目にさらされてしまうというイメージは、激しい後悔と自責の念の嵐の中で、静かに牧野の心をむしばんでいた。

春が来た 24
道明 4/17(金) 23:37:07 No.20090417233707 削除
 新藤のデスクの電話が鳴る

「はい、所長の新藤ですが・・」

「所長ですか?こちらは受付ですが・・・
 職員の伊藤さんの家族の方が是非、所長にお目にかかりたいと来られているのですが」

「伊藤さんの家族の方?」

「はい・・ご主人で伊藤一介さんと仰っていますが」

「ご主人が?
 分かった、私がそちらに行きますから、そのように伝えてください」


 二人は支所近くの喫茶店にいる
 新藤は珈琲を飲みながら、瑞希の夫である一介を観察している
 一介は真面目な設計技術者そのものだ
 確か、瑞希の実家の仕事を手伝っているとか言っていたが

「伊藤一介さんでしたか・・・今日はどのようなご用件なんでしょう?」

「はい、瑞希のことが心配で・・ご相談をと」

「奥さんのこと?・・で、どの様な」

「はい、もうご承知かと思いますが
 瑞希は健康を害して、一度休職しております
 この度の異動で、本人が頑張っているのは承知しているのですが
 昨日のように、自分に原因があったとしても徹夜して仕事をするというのは
 いくら責任を感じたとしても、無理をしているのではと・・・・
 それに、5月以降は土曜日も出勤しているようで
 仕事に一生懸命な姿勢はいいのですが、妻の健康が心配で・・・」

「そうですか・・・彼女は土曜日も出勤して県民のために働いていると
 あなたに、言っているのですね?」

 新藤はやれやれといった顔を見せた



「そうじゃないんですか?所長さん」

「うーん」

「瑞希は今日も、昨夜は徹夜できなかった分を取り戻すといって、朝早くからでかけているんですよ」

「へぇー・・今日も出勤ねぇ・・」

 一介は新藤の返事に腹が立った



「所長さん!その言い方・・少し、失礼じゃありませんか!」

 この一言で、新藤の腹は決まった


「一介さん・・・あなたは、妻思いの良いご主人だ
 奥さんを大事に思っていらっしゃる・・・・・しかし」

「所長さん、何なんですか・・・怒りませんから、はっきりとわかるように」

「いや、御免なさい
 どのように、お話ししたらよいかと迷っていたのです
 あなたを傷つけたくないし、あなたは私の話を信じないだろうと・・」

「所長さん!はっきりと仰ってください
 瑞希は、弱い身体に鞭打って働いているんですよ
 それなのに、上司のあなたは妻を良くは思っていないらしい」

「判りました・・・じゃ、事実だけをお話ししましょう
 伊藤さんの上司である私は、土曜日はおろか彼女に時間外勤務を命じたことなどありませんし
 実際、土曜日に彼女が出勤していた形跡もありません
 それに、今日は休みたいと今朝方、電話があったようです」

「そ、そんな筈は・・・」

 新藤は、ショックで顔色が青くなる一介を哀れに思った

生けられた妻 その9
家元 4/16(木) 20:16:16 No.20090416201616 削除
 息子は、母親の留守を案外と簡単に納得してくれた。

『ひょっとして、勘の鋭いところがあるからな、こいつ。俺に気を使って、納得する振りをしてくれたのかもしれない』

 いつまでも母親離れしていない息子は、いつもなら母親の布団に入り込んでねているクセに、今日ばかりは「僕は一人で大丈夫だよ」と言いたげに、自分自身の布団に寝ている。

 そのくせ、布団の中には、お気に入りの、黄色いクマの、有名なキャラクターの大きなぬいぐるみを隠している。小さい時に母親からもらって、男のクセにと言われながらも、大事にしているぬいぐるみだった。
 
『買ったばかりの頃は、同じ位の大きさだったのにな。いつの間にか大きくなったものだ』 
 ぬいぐるみは、今や、息子の布団の中に押し込められて、あまりにも小さく見えるほど、息子は大きくなっている。牧野は、軽く、その額を人差し指で撫でていた。

 成長した息子が、寂しい時や、親にひどく叱られると、決まって、今日のように、そっと布団に忍ばせるクセを、牧野も、そして、妻もよく知っていた。

『ムリ、させてるんだな。ごめんな』

 ぬいぐるみのように、あどけない顔で眠る息子にそっとつぶやいたのは、自分自身の不安を紛らわせるためなのを自分でも気がついている。しかし、どうしようもない。

 牧野は、携帯を取り出して、もう何度読んだのか、わからないメールを読み返していた。

「和花です。もうすぐ着くそうです。この後、メークさんとか、いろいろとやってくれる予定です。後でまたメールします。大丈夫。心配ないよ (^_^)v かーくんは、そろそろおネムかな?」

 見知らぬアドレスから来たメールは、妻からだった。妻が車に乗ってから2時間は過ぎようとしていた。

 会場には携帯を持って行けないから、なくすといけないので、この携帯を使ってください、と渡されたとあった。

 かーくんというのは、一粒種の息子の名前。「一樹」だから、妻が普段、呼んでいる呼び方だった。

 どうやら、連絡を取ること自体は、時間の許す限り自由にできるのかもしれない。

 ただ、どこにいるのか、と言うことだけは教えてはいけないらしく「今どこにいるんだ」という質問には「さっき高速を降りた」「答えられないの」という短い返信と、もっぱら、息子の様子を尋ねるメールが、いくつかやりとりされていた。メールも、どちらかというと妻が一方的に一樹の様子を聞いてくるものが多くなっていた。

 妻なりに相当緊張しているのだろう。それも当然だった。

「メークの前に、なんか、お清めとか言う準備があるんだって。終わったらまたメールしまあす ハート」

 8時過ぎの、そのメールを最後に、メールが途切れていた。それ以後、何度メールしても何の返事もなくなった。
 
 たまらずに、妻の携帯にかけてみる。しかし、電波が届かないところにいるか、電源が切られているという、おなじみのメッセージが流れるだけだった。

『ひょっとして、GPSを警戒して?』

 ふと、そんなことを考えてしまった。

 今の携帯なら、契約次第で、位置など簡単にわかる。

『ひょっとして、それを警戒したのか?しかし、なぜ、それほど警戒する?』

 これから、いや、あるいは、既に、そうなっているかもしれない、という妻の羞恥の姿態が頭をよぎるたびに、場所がわからないと言うことが不信の念を呼んでいた。

 妻の居場所がわからない。もはや止める手立てはない。

 そうなってくると、見せられた、あの、股間が花に埋め尽くされた、破廉恥きわまりないあの写真が、牧野の心を千々に砕き始める。

『もう、ヘンなコトをされたのか』

 一番知りたい、けれども、決して知りたくない質問を、何度も画面に打ち込んでは、送れるはずもなく、また消して、の繰り返し。

 しかし、それを送っても、もはや返事が来ることはなさそうだった。それでも、牧野の指は、同じ文章を打っては消し、消しては、また打っていた。

春が来た 23
道明 4/14(火) 22:56:46 No.20090414225646 削除
 翌朝、JRの中央コンコースから出てくる男を待つ瑞希の車があった
 江島は瑞希の車に乗り込むと

 「どうだった?所長のこと何か分かったか?」

 「・・・・うーん・・いいところまで行っんだけど」

 「空振りか?」

 「うーん・・堅物?・・違うわね
  私、やっぱり怖くなった・・あんな人、初めてよ
  何か、凄いものを持っていそうなの」

 「ふん!だから言ったろう
  あいつは、普通の公務員と違うと
  なにせ、この俺を初めて怒鳴りつけた上司なんだ」

 「そうね・・・確かに
  でも・・・優しいところも見えたんだけど
  所長はどうやら、私たちに厳しい措置を考えてるの」

 「へぇー
  じゃあ、こちらももっと強力なタッグを組まないとなぁ・・・瑞希」

 「そうね・・・係長」
 


 新藤は一人、執務室で昨夜のことを思い返していた

 瑞希の運転する車が、六甲山麓のラブホテルに滑り込む
 人間を理解するには、話し込み?・・そうじゃない!
 男と女の場合は、セックスが一番の相互理解の早道だと女は言った

 自らビジネス・スーツを脱ぎ、下着だけになるとベッドに横たわった
 そして、男に見せ付けるように大胆に自慰を始めたのだ
 男の分別や理性が飛んでいく
 考え方は、天真爛漫な少女
 しかし、肢体は出産経験のある女盛りの人妻

 何としなやかな肢体なんだ・・・・・それに、この脚の肉付きの美しさは
 堪らない、触れてみたい・・・・いや、触りたい
 男が唾を飲み込む音が聞こえる

 女が目を瞑り、自慰に集中している
 形の良い乳房と女陰を細い白い指が旋律を奏でいている

 「うっ・・うん・・・うーん」


 女の目が薄く開いて、男を捜す
 其処には、男の怒張が聳えていた

 「所長・・・私を抱いて・・私の中に入ってきて」

 
 痛い、痛いぐらいに怒張が天を突き上げている
 自分の怒張を突き入れたい衝動が繰り返し襲ってくる

 「ねぇ・・私を狂わせて、ねぇ所長」

 女が手を差し延べて、男の怒張を己が女陰の入り口に誘う
 そして、怒張の先端を押し当てたところで男の意志を誘発する


 「所長・・・私をあなたの女にして、さぁ・・・あなたのものにして
  この肢体をあなたの自由にして・・・・・・・」

 男の手が女の乳房を力任せに握り潰す

 「あーん・・痛い・・・・あぁぁぁ、うぅぅぅぅ」

 先走りの露で濡れる新藤の怒張が、瑞希の女陰の奥へ突進していた


 「あん・・痛い・・・ねぇ、優しくして・・・痛い、痛いの、ねぇ・・」

 無言のまま犯すように、がむしゃらな突きを繰り返す
 ベッドの軋む音が激しく続く

 「うーん・・・あっ・・・ふぅーん、あぁぁ」

 男の腰の動きが緩やかになった
 男は女の両足首を手で持ち上げ、怒張と女陰の結合を確める
 愛液で黒光りする槍で、初恋の女性の女陰を突きまくる快感が襲ってくる
 男の舌が透き通るような白い女の脹脛から足首を舐めた

 「いやぁーん・・・もう、ねぇ・・・来て、ねぇ」


 男と女の目が交差する
 女は顎をあげ、薄目をしながらも男の目の奥を見つめている
 (来て、所長・・・・これが、私・・・・ねぇ、来て)
 そう、女の目が言っている

 新藤の怒張が一段と膨らみを増して、瑞希の女陰の奥へと突き入れられた

 「ああぁーん・・・うぅぅーん・・逝く」



 ふぅ・・危なかった

 あの時、妻から携帯に電話がかかって来なかったら・・・恐らく、このようなことに
 しっかりしろよ!新藤進よ
 相手は男女の関係に長けた強かな女だ・・・
 男を虜にする妖艶な美女だ
 一つ間違えば・・・・お前は破滅だった
 完全に、この女の手の上で遊ばれていただろう
 お前には、まだまだ何か足りない

 
 新藤は休暇が出ている二人の部下の席を睨み付けた

生けられた妻 その8
家元 4/11(土) 10:50:35 No.20090411105035 削除
 牧野が、言葉にならない言葉を、どう出せばと、思い浮かんだ瞬間、目の前で大きく息を吐き出した妻の白い顔が、ゆっくりと、男を向いていた。

 和花の白い相貌は、微かに、しかし、はっきりと頷いていた。

 強烈な閃光にしびれるように、心が麻痺していた。自分が、何を受け入れたのか、その瞬間、考えることもできなかった。

「そうですか。それは良かった。奥さんなら、きっと良い御台になる。保証します。それに、こう申し上げては何ですが、お役目としてもモデル料も、少しばかり」

 え?と和花が男を見返すと、その視線を無視して、横にいる品の良い着物姿の中年女性に、目配せをする。

「こちらへ」

 和花のしなやかな手は、中年女性の優しげな手に取られ、ふらふらと車にひかれていった。

「あ、のど……」

 妻の名前を呼びかけたその目の前に、和服の若い男が割り込んで深々と一礼した。

 きびきびとしてはいても、どこか冷たい印象のある動きだった。

「それでは些少ではございますが」

「え?」
  
「マキノノドカサマの、オミウケダイとしてお受け取りください」

 牧野は思わず受け取っていた。

 和紙でできた見るからに上等そうな封筒の中身は、ちょっと持っただけで厚みを感じさせている。

 何とも言えない、重苦しい空気をまとった封筒に、しばし、身動きできぬまま、牧野は背中を脂汗のようなものが流れ落ちるのを感じていた。

 手元の和紙の封筒がとてつもなく重い。

 視線は、その表書きにある妻の名前に吸い寄せられていた。

 バタン。

 気がついた時には、車の重厚なドアが閉じていた。
 
 振り向いた妻の顔が、悲壮な表情をして、後ろのガラス越しに夫を見つめていた。

「和花っ」

 思わず、口の中でつぶやいていた。

 しかし、ほんの少しだけ、何かをためらってしまった牧野が「待て」と叫ぶ前に、車は、動きだしてたいた。

 赤いテールランプが尾を引くように映ったのは、ひょっとして、涙ぐんでいるのかもしれないと牧野には思えた。

 和の花と書いて「のどか」と読む妻の名前が黒々と書かれていた。
 
 いつの間に書かれたのだろうか。

「牧野和花様 お身請けお礼」と表書きされた、厚みのある封筒を両手で握りしめたまま、夜の闇にすっかり包まれた街に立ち尽くすしかなかった。

生けられた妻 その7
家元 4/10(金) 23:29:16 No.20090410232916 削除
 男は、蒼白な顔でうつむく和花をのぞき込むように、ダメを押す。

「奥さん、どうなさいますか?いえ、芸術のために、ぜひご協力いただけませんか?」

 紳士的な物言いではあるが、もはや、絡め取った獲物を、頭から飲み込む蛇の動き、そのものだ。和花に選択の余地などありそうもない。

『だけど、やっぱり、できない。あんなこと』

 さっきの写真の強烈なイメージが、和花の足をすくませて、かろうじて踏みとどまろうとしたのだ。

「あの、主人といったん家で……」

 懸命の抵抗だった。蛇に頭を飲み込まれてしまった獲物が、あがく、後ろ足のように。

「ダメです」

 その瞬間の、きっぱりとした拒絶は、大声ではなくとも和花と牧野をハッとさせるのに十分なものだった。

「もはや時間もありません。ご協力いただけるのなら、このままご一緒に。いただけないのなら、残念ながら、こちらも、手配をしなければなりません」

「手配?」

 思わず、牧野が横から疑問を口にする。

「ご披露会を中止するなら、既に地方からお泊まりになっていらっしゃる方々にお詫びしたり、会場の方も、キャンセルしなければなりません。おおごとになりますが、仕方ないですね」

『おおごと……』

 男の言葉は、暗に、さらに金がかかると言っていた。借用証書の数字は、もはや、イメージすら出てこない。もちろん、貸してくれる相手がいるとしてのことだが。

 このまま、座り込んでしまいたい。泣き出してしまいたい。しかし、そんなことをしても何もならないことを、和花はよく知っている。

 和花の心は、すでに、トゲだらけの茨に、絡め取られていたのだ。

 男が改めて和花の正面に立つ。

「奥さん?」

 呼びかけられた声が心に痛い。和花の方がビクッと振るえた。

「は、はい」

 男の目には、熱気はない。しかし、蛇のような深く、冷たいものが蓄えられていた。その静かで、執拗な視線に射すくめられたように、和花は身動きできない。

『ダメ、ダメ、できない。絶対、あんなコトできない』

 和花の心の中で、悲鳴が上がっている。しかし、それを断ればどうなるのか。

『今度は、どれだけになるの……』

 父親の思わぬほど長引いた闘病生活で生まれた借金は膨大だった。借金を返す苦しさを和花はよく知っている。

 結局、小さい時から父と住んだ、つましいマンションを売るしかなかった。なおかつ、結婚数年してようやく夫と二人がかりで返せたのだ。

 ささやかな暮らしは、いくら働いても経済的に楽になることなど一度もなかった。しかし、夫は、その返済に一言も文句を言ったこともない。

 今また、いや、今度は、あの時とも比べものにならない金額の借金ができてしまう。

 そして、今度も和花のせいだ。

 夫は、きっとまた、一言も文句を言わないだろう。しかし、一何も言われないからこそ、辛い、ということもあるのだ。

 和花の横目に、ちらりと息子が映る。

 「できない」と悲鳴を上げているのも、和花の心なら、数億の金がどこから出てくるものでもないことを知っているのも、和花なのだ。

 結局、自分だけが、ほんの少しの間だけ我慢すればすむことなのだと、和花の心に何者かがささやいている。

「ご協力、いただけますね?」

 和花は、コンビニから漏れる白い光にも負けないほど真っ白な顔になる。

 ゆっくりと身体を回して、一度まっすぐに夫を見つめた後で、一つ、大きな息を吐き出していた。





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生けられた妻 その6
家元 4/9(木) 20:41:51 No.20090409204151 削除
「き、君は、どうしたい?」

 和花に突然訪ねる夫。

 もちろん、和花は、夫に断固としてダメだといってほしい。しかし、夫は、自分の意見を言う前に、和花に意志を問うてきた。

『あなたも、やっぱり断れないって思っているのよ、ね』

 不況のまっただ中だ。
 IT業界も例外ではなく、ベンチャーに勤めたことがあるだけの夫には、一向に就職の当てはない。今時、少しくらいコンピュータに詳しくても就職なんてないのだ。
 かといって、他に何かができるわけでもなく、コンピュータを打つ手にスコップを持つほどの体力も、頑丈な身体があるわけでもない。
 そんな状態で、数億の金など夢の外の話だというのは二人とも身に染みている。

 今ですら、和花のささやかな収入で、その日の暮らしを立てるのがやっとなのだ。

 夫はのどかと目を合わせようとしなかった。

『ダメよ、そんな、嫌よ、そんなこと。でも、断れば、数億円って。また、借金ができてしまう』

言葉に出さずとも、本当は二人ともわかっている。拒絶する資格もないのだ。唇をかみしめる。

 しかし、あんな破廉恥なマネを自分ができるわけがない。ちらりと目に入った写真を思い出すだけで身がすくんだ。

 和花のすらりと長い足が、かすかに震えている。 

「恥ずかしがる必要はありません。芸術に女性美が必要とされることなど歴史上いくらでもあることですからね。怪我をしたモデルさんだって、今回が初めてなんですよ」

 男が、突然、和花に話しかけてきた。

「え?」

 突然自分に話が向けられて、驚きながらも、普通の人間が、あんなことをできるものなのか?まさかと思う。

「確かに、普通の方が人前で服を脱ぐなんて、めったにあることではありません」

 和花の心に、茨のトゲを隠した何かが、絡みつき始めていた。男の言葉を聞けば聞くほど、身動きできなくなる気がしたのだが、聞かないわけにはいかないのだ。

「でも、芸術家が、女性の恥じらいなどを考えては、芸術の完成どころではありません。多くの方々のご協力があって、初めて芸術というのは存在できるんです」

 男の口調には、熱というより、説得するような、粘り強さが含まれていた。決して、狂気を感じさせような熱気は感じられない。だからこそ、逆に和花の耳に、そして、心に忍び込んで来るのかもしれない。
 
 普通なら、考えるまでもない話なのだ。人前に肌をさらす、そんな事を考えるだけでも身がすくむのに。

「裸婦を扱う作品は、芸術ではないとお思いですか」

 真っ正面から、尋ねられれば、かすかに首を振るしかない。もちろん、さすがに、裸婦を扱ったら、芸術じゃないなんて思わないが、あれは違うと和花は思う。
 唇をかみしめた和花に、さらにたたみかけるように追い込んでくる。

「ミケランジェロでも、ピカソでも、あるいは、印象派でも、ロダンでも、裸婦をモチーフにしたものなどいくらでもありますね。ああいったものは芸術ではないと?」

 小首をかしげるように尋ねる男。そこには説得すると言うより、教師がわがままな生徒に言い聞かせでもするような雰囲気に近いものがあった。

「我々の流派では、女性美を生命力の象徴と位置づけて、花々と協力することで芸術の完成を目指しています。自分で言うのも口はぼったい物言いになりますが、全国のお弟子さん達のあこがれなんですよ、明日の御台は」

「あこがれ?」

 男の言葉を聞いてはいけない。危険なにおいを感じながらも、男の話を聞かざるを得ない。

「そうです。自分が、芸術にそのまま参加できる。いや、美、そのものになれる」

 一度言葉を切った男は、嚼んで含めるような物言いのまま、和花の目をのぞき込んできた。相変わらず、その目の中に、いやらしさを感じない。冷たい光をたたえていた。

 和花は、もはや身動きが取れなくなっている自分を、心の中で発見していた。懸命に拒絶しようとする心が、男の目に潜む冷たい光に、だんだんと凍り付かされていくのだ。

「自分が芸術作品の一部になる。いや、美そのものになる。そんなことは滅多に経験できるものではない。しかも、その役目の頂点は、ご披露会での御台です」

 男は軽く目を伏せて、首をゆっくりと振った。

「その名誉ある御台のお役目を射止めたのに、あの方は、さぞ残念だったはずですよ」

 いかにも、気の毒そうな顔つきだ。

「そうなんですか…」

 既に街は真っ暗だった。傍らのコンビニの灯りが、牧野と和花の真っ白になった表情を浮かび上がらせていた。

春が来た 22
道明 4/8(水) 20:33:18 No.20090408203318 削除
 100万ドルの夜景の見える高台の駐車場に1台の車が止まる
 男がフロントガラスから見える街の灯を眺めながら、タバコの煙をふぅーと吐いた
 サイドブレーキを引いた女の手が、そのまま男の右手に触れる
 その右手を自らの左太腿の上に導いていく
 女は言った


「どんな人なのか?
 理解する一番の方法は、スキンシップ・・・」

「止めないか・・伊藤さん、あなたは人妻だろ
 こんなことをして、ご主人に申し訳ないと思わないのか?」

「・・・・所長、私、時々我慢ができなくなるの」

「えっ?」

「私、したくて堪らなくなってしまう時があるの・・・でも、誰とでもじゃないわ」

「う・・嘘を言っちゃ」

「嘘じゃない!
 所長は係長とのことを疑っているんでしょう?
 係長とは何もない
 いきなりキスをしてきたけど・・・引っぱたいてやったわ」

「えぇっ!」


 瑞希は新藤の右手を太腿の内側に導いていく
 新藤の手のひらに、ストッキング越しに女の柔らかい肉の感触が伝わってくる
 男の指がピクッと動く
 女の生の肌を指先が感じたのだ
 女は半身になり、向きを男の方に寄せると
 自然と男の手が、女のパンティに届く


「所長は、私が嫌いですか?」

「・・・・あなたは、私の大事な部下だ」

「こんな私・・・嫌ですか?」


 女は男の横顔を見つめ、男は空ろに正面の街の灯を眺めている
 男は返事をしない
 女は焦れて、両の太腿で男の手を挟み込み、そっと右手を男の太腿の上に忍ばせた

「止めるんだ、伊藤さん・・・そんな、風俗の女のような真似」

「風俗の女?」

「ああ、そうだ
 あなたには、毅然としたキャリアウーマンの姿が似合う
 あんな、ヤクザな係長とふざけあってる姿など見たくはない」

 瑞希の目が優しく微笑んだ
(この人、少し本音が・・・・・ふふ)


 そして、人肌で暖められた男の指先を口に含んでいく
 もう既に、殿様蛙は白蛇の術中に翻弄されだしていた
 女のしなやかな指先が男の股間へと延びていく

「あっ・・何を?」

「いいの・・そのままで・・・すべて、わたしが・・」


 男の固くなった塊を手で確めると、男の胸に顔を埋めた
 男の汗の匂いが女を雌に変えていく
 男の胸元から顎を突き出して、男に囁く


「あなたの男が、私としたいと言ってる」

春が来た 21
道明 4/6(月) 20:14:20 No.20090406201420 削除
 瑞希はテーブルの上にある珈琲カップを見つめたまま席を立とうとしない

 新藤は瑞希が言った「意地悪」という言葉に動揺していた
 かつて、初恋の女性から同じ言葉を言われたのを思い出していたのだ
 分別のある大人の管理者の心を、思春期の若者特有の赤裸々な感情が襲っていた

「伊藤さん!私があなたに意地悪をしているって?」

「そうです・・・
 あなたは、何時も私を眺めているだけで、偶にでるのは私への指示や忠告ばかり
 初めて所長にお会いしたとき、私は素敵な上司に巡りあったと思っていました
 それなのに・・・・環境の変化に弱い私に、窓口へ移動しろなんて」

 瑞希は新藤の腕を両手で縋るように抱え込む
 すると、新藤の腕は自然と瑞希の乳房の間に挟まっていく


「所長、お願いです・・もう少し話しを聞いてください」

「あっ・・・でも、家に帰る時間が遅くなって、家族の方が心配されるんじゃ」

「私にとって大変な事を聴かされて、時間なんて気にしておれません!」

 新藤と瑞希のテーブルの近くには、他のお客も沢山いる


「わかった、わかったよ、伊藤さん・・・とにかく外へ出よう
 此処では人目もあるから・・・落ち着いて、ね」

 瑞希は新藤の腕を離そうとはしない
 腕を組み乳房を押し付けながらレジへと向かいながら
 携帯を取り出した・・・そして

「あなた・・私、瑞希
 今日、仕事で大変な間違いをしちゃって・・今夜、徹夜になりそうなの
 それで明日は休暇をもらって休養するから・・・お義母さんに宜しく言っておいて
 急なことでご免ね、あなた」

「おい、瑞希・・県は女性職員を徹夜させるのか?」

「あなた、今は男女雇用機会均等法ができて、妊娠していない限り、男も女も関係ないのよ
 それに、今度のことは私のミスだから、私が始末をしないと申し訳ないわ」

「そう、わかったよ、瑞希・・・でも、無理はするなよ」

「ありがとう、あなた・・・・じゃ」

 瑞希は電話を切ると、新藤の顔を見た
 その目は、天真爛漫な少女の目だ

(似ている・・あの娘と
 そうだったんだ・・・・初恋のあの娘と似ていたんだ、伊藤さんは・・)

生けられた妻 その5
家元 4/4(土) 08:49:02 No.20090404084902 削除
 チラリと横目で夫を見る。

 細くて素直な長い黒髪を、頭の後ろで軽くまとめただけ。化粧は薄く、軽く眉を整えただけのナチュラルメークだ。

 しかし、整った鼻筋は、シャドウをつけなくてもパッチリとした瞳と理想的なTゾーンを作り出している。唇ですら、ごく普通のリップをつけただけで、健康的なピンク色で輝き、決して厚すぎない程の、けれども男の心をくすぐるようなむっちりとした感触を見せつけている。

 身体の線を強調することになるスパッツ。上には、ゆったりしたトレーナー。スパッツの尻は軟らかな肉で満たされ、たっぷりとしたトレーナーの上からですら胸の膨らみを隠しきれない。

 どうせ、教室から直接保育園に行って息子を連れて帰るだけですもの、と考えての、ぞんざいな姿だったが、男達の煽情心をそそらずにいられない体つきだった。

 もちろん、ぞんざいな姿であっても、ヨガインストラクターとして、目一杯スタイルには気を使ってきたということもある。

 今年で28になっても、若い時と体重はほとんど変わってない。プロポーションが、日本人離れしていると言われた学生のころのままだった。

 元々、背は160センチしかないが、手も足も長く、輸入物のデニムの裾は、短くする必要もない。結婚してからも、ヨガで磨き上げたスタイルは、子どもが5歳になった今でも、少しも無駄な肉を許していなかった。

 むしろ、スレンダーな姿態ばかりが強調された若い時よりも、腰も胸もむっちりした女らしい肉がついて、ますますの魅力的なスタイルになっていると、夫がいつも言ってくれる。

 牧野和花。

 和む花と書いて、のどか、と読むが、ミスキャン荒らしの異名を取った頃の友人達は、ノンと呼ぶ。

 「ノンの男嫌い」は有名だった。自分の外見が男をふらふらと引き寄せてしまうことが煩わしくて仕方なかったのだ。だから和花には、昔から、男の友人などほとんどいない。

 まして、ミスコンに出るようになると、どんな口実で近づいてくる男も、和花の身体をいやらしい目で眺めるのが、たまらなく嫌だったのだ。

 そんなに嫌ならミスコンにでなければ、と言われたこともある。しかし、ヨガサークルの部長に拝み倒されて応募した学祭の企画。
 ミスキャンパスになったと知った、父親の喜びようが異様だった。

 歓喜を爆発させた父親の悦びぶりに呆然となりながらも、ふさぎ込む一方だった、父の笑顔がたまらなくうれしかった。

 たった一人の父と娘。その父親は末期がんだったのだ。

 来年の桜どころか、来週まで、命が長らえるかどうか。しかし、本人の生きたいという希望は、何よりも寿命を延ばしてくれる。

 次のミスコンまで。次も、がんばるからね。そう言って父親を励ますしか思いつかなかった。

 舞台で受ける男達のいやらしい視線は、何よりも嫌だったが、父親が一日でも長く生きてくれるなら、それがなんだと思えた。

 かくして、父親が次の春に亡くなるまで、それこそ、よその大学祭から、街のイベントに至るまで、和花はミスコンに出続け、賞を取り続けていたのだ。

 もちろん、そんな和花には、あちこちから「引き」があったが、そんなものは一切見向きもしなかった。元々、そんな舞台は嫌で仕方ないのだから。

 しかし、舞台に立った和花の話を聞きたくて、父親が生への執念を燃やし、優勝の写真を見せるたびに、消えかけた命の炎が、混濁しかかった目に宿るのならと、ミスコン荒らしの名前を不本意ながらも甘受するしかなかったのだ。

 だから、和花と同じ舞台に立つ女達からすれば、さぞ、嫌な女に写ったに違いない。

「男なんて嫌とか、言っててさ、何でこんな所に来るのよ」

 面と向かっても、影でも、いくらでも言われ放題だった。しかし、どんな言い訳もするわけにいかない。そんなときは、ごめんなさいとつぶやくしかなかった。

 今、目の前の、一見、穏やかな紳士然とした、家元と名乗る男が、自分のスタイルに目を付けたのかどうか、わからない。ただ、不思議と、よく出くわすような下卑た視線は、投げかけてこないが、かといって、自分のプロポーションを見ていないわけではないらしい。

 人に見られることは、あの時に、ずいぶん慣れたはずだった。

 しかし、この男の見つめる目つきは、ずいぶん、他と違っている。

『まるで、金魚鉢の金魚でも見ているみたい』

 そんな視線に、当惑するしかないが、いやらしい視線ではないことが救いだった。

 しかし、この家元と名乗る男が、穏やかな口調ながらも、容赦なくしてくる申し出は、要するに、アダルトビデオまがいの破廉恥行為のモデルをやれとと言うことだ。

『そんなことができわけない!』

 普通なら、考えるまでもない。ただちに、ふざけないで、と突っぱねれば良いだけ。

 しかし、断れば、数億の賠償金になる。

 その1000分の1ですら、今の暮らしでは支払える額ではないのだ。金で解決する、というのは初めから無いも同然の方法だった。

「奥さん。ご主人は、拒否なさるとはおっしゃらない。奥さん次第ということですよ」
 
 男の声には、穏やかながらも、最後通牒を突きつける、容赦のない強い響きがあった。
 
 道路の端で、ゲーム機を出して遊んでいる息子をチラリと見てから、夫を、すがるような思いで見上げていた。

生けられた妻 その4 (改訂版)
家元 4/3(金) 16:26:39 No.20090403162639 削除
「絶対いやよ。こんなの」

「もちろん、無理にお願いするつもりはありません。そのかわり、明日のご披露会に間に合うよう、代わりのモデルを用意していただかないと」

「え?そんな。私がモデルなんて用意できるわけ…」

「あなたが、事故を起こさなければ、その必要もなかったのですが」

「だけど」

「御台のいないご披露会はあり得ません」

 言葉を遮るように、家元が、相変わらずも物静かな、しかしきっぱりと断言した。

「今夜の最終リハーサルをキャンセルするにしても、明日の本番までに間に合わないなら、今回のご披露会は、延期せざるを得ません。そうなると、会場その他の準備のために数十億の金をかけて、人の予定を変えねばなりませんが」

「それも私のせいだと言うんですか」

「御台のいないご披露会はあり得ませんから」

 物腰の柔らかい、そのくせ有無を言わせない雰囲気を醸しだしていた。

「そ、それは……」

「その御台が怪我をしてしまったのは、こう申し上げては、なんですが、奥様の車がぶつかったためでしたね」

「でも、あれは、急にそちらが止まるから」

 たまらず、さっき警察官を交えて決着した話を蒸し返そうとする。

「その話は、先ほど警察の方がおっしゃってましたよね。全てを奥さんのせいにするわけではありません。9対1で、こちらにも1割の責任があります。ですから、奥様が代わりを務められるのなら、全てを不問にすると、申し上げているわけでして」

 牧野から見て、横顔が蒼白から、さらに白くなったように見えていた。

 妻の口が、言葉を失うと、今度は、横から口を挟むタイミングを失ってオロオロする牧野の方を向いた。

「ところで、奥様がOKなさったとして、ご主人はいかがですか?芸術の完成にご協力いただくことに、ご賛成いただけますか?それとも、あくまでも、お金での解決を望まれますか?」

「うっ」

 思わず、口の中のうめきが漏れてしまった。

 正直言って、金で解決したい。
 しかし、今の牧野は、大卒後、6年も勤めた会社がつぶれ、ハローワークに並ぶ毎日だ。

 妻が大学時代から趣味だったヨガのインストラクターの資格を生かして、ようやく家賃と生活費の足しを稼いでいなければ、5歳の息子とホームレスを余儀なくされる境遇。
 
 それが今の牧野だった。

 億のカネどころか、明日の暮らしを考えるのが精一杯なのだ。

生けられた妻 その3 (改訂版)
家元 4/3(金) 16:25:57 No.20090403162557 削除
 男の話は、救いと言えば、救いだった。

 ヨガインストラクターをやっている妻の柔らかい身体と、子供を産んでも、見事に戻った身体のライン、そして、大学時代から、ミスコン荒らしと言われた容姿を、おそらくは見込んでの、モデルの依頼だったのだ。

「誰にでもできるものではありませんが、奥さんを一目見て、これは頼めると思ったのです。確かな『御台』は、貴重この上ない。もし、今回うまくいって、今後もお願いできるようでしたら、賠償のことを一切忘れてくださっても良いですよ」

 世の中、そんなにうまい話があるわけがない。モデルをするだけで数億の賠償がチャラになると言うのを信じるほど、牧野も甘くなかった。
 
『第一、華道に、何で、モデルなんて必要なんだよ』

 疑りの目を向ける牧野に、家元は、わずかな苦笑いを返しながら説明を続けた。

「まあ、おわかりになれないのは理解できます。実はモデルと言いましても、我が流派は少々特殊なのです。ちゃんとご理解いただくのは大事なことでしょうな」

 家元が差し出したのは、一冊のアルバムだった。

「昨年のご披露会の作品です」

 その写真を一目見た瞬間から、頭に血が上ってしまった。

「こんなことをできるはずがないでしょ。AVじゃないんですから」

「そうおっしゃっても、これが我が流派の芸術です」

 男は、背筋を一度、ピッと伸ばした。

「ご理解いただける方は、政財界を初めとして大勢いらっしゃいまして、皆さま、明日のご披露会を楽しみにしてらっしゃいます」

 初めて、男の声に強い調子が出た瞬間だった。

「もし、明日成功させられなければ、私の命までも危ないかもしれません」

 声の調子が強くなったのは一瞬で、再び、真面目な顔で、物静かに諭すような口調に戻っていた。

「だって、こんなことを、まさか、妻にやらせようと」

 たまたま広げた一枚の写真に、わなわなと震える指を突きつけていた。

 そこには、頭を分厚いクッションにくっつけて、逆立ちしたまま、あぐらをかいている女性が写っていたのだ。

 しかも、とんでもないことに、その女性は裸で、オマケに、その股間に艶やかなとしか言いようのない花の数々が、生けられている。股間を覆い尽くす花は、をおそらく、女性器そのものに生けているように見えた。

 もちろん、女性の周りそのものにも、花が生けられている。

 まるで、女性そのものを花瓶のようにした姿。

 まさに破廉恥きわまりない。悪夢のような写真だとしか思えなかった。横からのぞき込んだ妻は、一目見ただけで視線を背け、肩口が震えだしている。

「美しいでしょ?」

 爽やかな笑顔を浮かべ、さも、当然と言いたげな表情だ。一瞬、牧野は、自分の方が理不尽な文句をつけている錯覚に陥ったほど、相手の態度は堂々としていた。

「奥さんが、ご了承いただけるのでしたら、今回のメインとなる作品のモデルとなっていただいて。私たちの流派では、それは御台と申しまして、大変名誉ある役目と言うことになっています」

 男は、どういう心の動きなのか、幾分得意そうな表情になる。しかし、牧野からすれば胸を張って、そう言い切られても、自分の妻に、そんな狂気の世界でモデルなどさせられるわけもなかった。

「いえいえ、ずっと、この姿をしているのではなく、みなさんの前で、順次生けて、この形が完成してからは、ホンの30分ほどで、終了ですよ」

 牧野が唖然として声も出せないでいるのを、どう受け止めたのか、家元は「モデル」の仕事を説明し始めたのだ。

「私たちは、常に『動』を意識します。生け終わった花にはもはや命はなく、生けている間そのものが美、と言うことになっているんです。まあ、一応、最終形として作品の写真を残しますが、あくまでも、それは添え物に過ぎません」

 家元は、妻の方にはっきりと身体を向けていた。

「奥さんなら、身体は柔らかそうだし、今年の御台にまさにふさわしい容姿をしてらっしゃる。いかがです?お客様は、政財界の要人で、身元のしっかりした方ばかりですよ」

「でも……」

「もちろん、無理にとは申しません。ご理解いただかないといろいろと誤解を招きそうなこともありますからね。ただ、その場合は、とりあえず、明日のモデルの手配をどうするか、ですけど」

物静かな男の態度には、あからさまな脅迫の臭いはない。しかし、断れば、どうなるのかと言うことを、きっちりと突きつけてくる鉄の意志のような迫力があるのもまた、事実なのだ。

知らない内に、脂汗が流れていた。

生けられた妻 その2(改訂版)
家元 4/3(金) 16:24:52 No.20090403162452 削除
 牧野が来たために、話が少し遡ったようだ。

「明日は、発表会で、モデルを務める予定のその女性は、これからの最終リハーサルのために、衣装をつけて移動中だったのです」

 怒りも見せることなく、男は淡々とした表情だ。

『発表会?何の?和服と言うことは、日本舞踊か何かか?はたまた、和服屋か?』

 今のところ男の話しぶりは穏やかだ。ベンツにぶつけたと聞いて飛んできた牧野は、内心ホッとしていた。

「着物は最高の染み抜きに回しますが、さてどうなることか」

『まあ、これくらいなら保険があるか』

牧野の内心に興味も持たないように、淡々とした男の表情は、まるで農場の野菜に虫が付いた程度のことを話している穏やかさだ。しかし、和服の染み抜きがちゃんとできるかは、大きな問題だろう。

 染み抜きにかかる金だって、今の牧野には目が回るほどの高価なものに違いない。保険に入っていて良かったと牧野は胸をなで下ろす。

『染み抜き代は、たしか、保険で出るよなあ』
 
 牧野は、祈る気持ちになるが、男の続く話に腰を抜かしそうになる。

「ものが、ものでして。和服で血のシミが完全に抜けることは、あまりありませんし、アレを染めてくださったは、人間国宝で有名な……」
 
 牧野は聞いたこともない名前だったが、人間国宝なんて人が染めた着物のシミが抜けないとしたら、損害はものすごいことになるだろうと漠然と思うくらいはできる。

「その染め方というのが辻が花と呼ばれるものでして。この種のものは、、失礼ながら、あまりご存じないでしょうが、億から、と言うことになります」

「辻が花」という名前を、牧野が知ったのは、この時初めてだった。

『ウチの対物は、1億が限度だったよなあ、どうなっちまうんだ。億って事は、まさか。それに、そっくり弁償、って、そんなの無理に決まってるぞ』

 こればかりは、押し隠すこともできず、牧野の頬が引きつるしかない。もちろん、それを横で聞いている妻も、自分と同じように蒼白になっているのを意識していた。

「そんなものより、もっと問題があるんですよ」

 人間国宝の染めた着物が「そんなもの」とは思えないが、男の話では、モデルが唇を腫らしてしまったのが、一番の問題だという。

『どうしよう』

「これは、ちょっと困ったことになりました。おっと、私としたことが。私は、いわば、お花の先生、をしております」

 それは、控えめな物言いだった。

 名刺には「総花婬流宗家 立花気転院」と書いてある。ようするに、華道のどこかの流派の家元、と言うことだろう。
 
 しかし、そんな数億もする着物を着ているって言うのはどういうことだと、牧野はいぶかしむしかない。

「まあ、この着物は、ちょっと他にないもので、もちろん染み抜きはさせますが、おそらくは数億単位で賠償していただくことに。もちろん、その9割でとなりますけど」

「そんなぁ」

 とっさに声を出した妻を軽く手で制して、家元と名乗る男の話を促した。

「素人の方には、わかりにくいでしょうが、辻が花というのは、非常に特殊な染め方をしたものです。今回のものは違いますが、実は、国宝級のものもあるくらいなのです」

 頭の後ろ側がヒリつくほどのピンチだった。

 牧野の鼻の奥で、かすかに焦げ臭いニオイがしている。

『対物は1億が限度なんだ。数億なんて、出せるはずもない』

 胃がグッと縮まった気のする牧野に、相変わらずの淡々とした口調で男は話を続けている。

「まあ、お金の方は、さしあたって、良いのですが、問題は、モデルさんの方でして」

「は?」

 牧野は、男の口ぶりに、何か救いでもあるのかと、思わざるを得ない。

 それとも、もっと難題を突きつけられるのか……



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生けられた妻 その1 (改訂版)
家元 4/3(金) 16:23:21 No.20090403162321 削除
 辻が花という染め物がある。
 絞り染めが開発されたことで、一度は廃れてしまった技術だった。

 しかし、その味わいは、近代染色はもちろん、絞り染めでは絶対に再現できぬ良さがあり、近年、関係者の執念が実り復活した。

 しかし、その希少性と、美的価値から、和服の値段は、もともと天井知らずなものだが、その中でも、数億円は下らぬ高級品の代名詞として知られている。

 不幸にして、牧野がその高級品を知ったきっかけは、妻のちょっとした追突事故だった。

 妻のその事件は、ヨガ教室の帰り。

 ヨガ・インストラクターとしての仕事が少し長引いて、保育園への迎えが遅れたことを気にかけていた。ハザードを急に灯して路肩に寄ったベンツを避けきれなかった。

 幸いにして、軽がベンツに追突、それもブレーキが間に合わなかった程度のことだったら、車の損傷はたいしたことにはならない。事実、ウインカーが割れたが、ボディには細かい傷が付いた程度だった。

 乗っていた後部座席の女性の怪我は、唇を切って血を少し流しただけ。
 しかし、その血が「着ていた着物」に付いてしまったのだ。その女性が着ていたのが「辻が花」と呼ばれる、超の文字がいくつ付いても足りないほどの高価なものだったのだ。

 もちろん、そんなこととは知らず、牧野が着いた時には、警察が入っての実況見分と、当事者の穏やかな話し合いが行われていた。

 事故は、一見軽いものだ。こんな単純な追突事故は、よくあって、話は割と簡単だ。9対1で、追突した方の責任が重い。

 こういう交通事故の場合の9対1とは、相手の損害の9割とこちらの損害の1割の「金額」を相殺することになる。

 軽のフェンダーが凹んだのは、痛いには痛いが、数万円で直せる。しかし、相手の損害と言えば…… 凹んだ車体と、無残に割れたベンツのウインカーを一瞥してから、相手とおぼしき男に、妻の横に立ってから挨拶をした。

「どうも。こいつの夫の、牧野俊介といいます」
 
 職業を名乗るべきだろうかと一瞬迷ったが「無職」と名乗るしかないことに気がついて、曖昧な笑いでごまかすしかなかった。相手はあまり聞かない、華道の流派を名乗っていた。
どうも、かなり前衛的な集団のようだった。

「ああ、ご主人ですか、今回の事故は幸い、お互いの怪我が少ないところは、まことに良うございました……」

 慇懃に頭を下げた和装の男は、ちょうど、牧野と同年配に見えていた。


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