BBS2 2009/03 過去ログ



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管理組合の役員に共有された妻 137
エス 3/29(日) 10:22:29 No.20090329102229 削除
  しばらくすると、後部座席においてあった紙袋を渡されました。
  「うちの会社の制服。持ち出すの大変でしたよ。」
中には、薄い水色のジャケットとスカート、白いブラウスが入っていました。
  「これに着替えてください。」
  「わかりました。」
抵抗しても無駄なことはわかっていましたので、私は素直に従いました。

  車内で着替えるのは大変でしたし、隣の車に気づかれるのではないかと思い、緊張しました。
何とかブラウスを着替え、スカートを履き替えようとしましたが、私はパンティをはいていません。
  「あの…」
と言いかけましたが、黙ってハンドルを握る山本さんの冷たい横顔を見て、あきらめました。

  なるべく周りに車がいないタイミングで、私はスカートを脱ぎました。
座ったままなので、ブラウスを着替えるよりも大変でした。
やっとの思いで腰を上げて、スカートを脱いだところで、運悪く信号に掛かりました。
間の悪いことに隣には大型バスが停車しています。

  思わず見上げると、運転手と目が合いました。
バスの運転手はすぐに私の下半身に気づき、驚いたような顔をしました。
乗客はなぜか高校生くらいの男の子ばっかりでした。
そして、男の子の何人かはこちらに気づきました。
窓を開けて何か言ったり、写真を撮っている子もいます。
あわてて隠そうとすると、
  「隠すな!しばらくそのまま!!」
と、山本さんが大きな声を出しました。

  信号が青になると、山本さんはわざとバスに並行してゆっくりと走りました。
私はバスの高校生たちに下半身をさらしたまま、恥ずかしさに耐えるしかありませんでした。
やがて、バスとは別の方向に曲がり、私は高校生たちの露骨な視線から開放されました。
  「『××高校ご一行様」って書いてありましたね。修学旅行かな?」
山本さんが、にやりと哂いました。

春が来た 20
道明 3/28(土) 12:17:02 No.20090328121702 削除
「駄目だよ、江藤係長は・・・全く駄目だ
 君たちは示し合わせて、休憩を取る
 まるでここの休憩室は君たち二人の休息の場、雑談の場だ
 あなたが席を立つと、彼があなたの尻を追っかけていく
 私を留守番にしてね・・・・よくやるよ、私の神聖な職場でね」

「所長、私は示し合わせてなんてしていません
 確かに、二人で休憩を取るケースは多いですが
 それは、係長がついて来るので・・・・・・・」

「なにを言うんだい・・・・見え見えなんだよ
 私が係長を怒鳴りつけた後も、二人で車の中で相談したんだろう?」

「そんなことしていません」

 この一言が、新藤の倫理観と潔癖性を更に掻き立てる


「そうなの?
 私は、嘘をつく人間は大嫌いだ
 そんな人間、当てにできないし、信用できない
 信頼関係があってこそ、協働や組織が成り立つんだ
 あなたは、人間として持たなくてはならない大事なものを失っている
 先ほどのあなたの話は全部信用ならなくなった
 どこまでが、本当の話やら・・・」

「そんな・・・所長!、勝手に決め付けないでください」

「覚悟しておきたまえ・・・
 秋には執務室の模様替えを行う・・同時に
 あなたには、県民が来られているカウンター近くの席に移ってもらう
 どうせ、江藤係長へはあなたがご注進するだろうから私からは言わない」

「所長、無理です
 私は、変化の多い窓口近くの席では健康が維持できませんし
 それに私は、窓口事務の職員として配属されたのではありません」

「それなら休職して、まずは職務に耐えうる健やかな身体にしなさい
 併せて、素直な心も取り戻して欲しい・・・
 それと・・・支所内の職員の職場配置の権限は所長の私にあるんだよ
 そんなことも知らなかったのか?
 じゃ、私はタクシーで帰るから・・・あなたも気をつけて帰りなさい
 あなたの子どもとご主人、それにご両親が待ってる・・・ふらふらしないでね」

 新藤はこれまでと、捨て台詞を残して席を立とうとした時、瑞希が呟いた



「所長の意地悪・・・」

「なに??」

「私のことをよく知らないで、そんな自分勝手な・・・所長の意地悪!」

 瑞希は、超一級の奥の手を持ち出した

春が来た 19
道明 3/27(金) 23:45:32 No.20090327234532 削除
 夜の波間に月光が揺れている
 海は穏やかだ
 新藤と瑞希は食事を終え、珈琲を飲んでいた
 そして、瑞希が話し始めた


「所長・・実は私、ある病で月1回カウンセリングを受けています
 その病で過去に一度、休職したことがありました」

「その病って・・・心の?」

「はい・・・ストレス性の心因反応とかで」

「それが心配で・・・毎日、テンションを高くしているんだ
 そのことは、もちろんご家族の方はご存知なんだね?」

「はい、知っています
 家族は、再発しないかと心配してくれています
 それに、この不況で主人もリストラにあってしまって
 私の実家の手伝いをしているのですが、あまり元気がありません
 休日も、主人といると息が詰まりそうで、仕事があると言って家を出て
 ストレスの解消をしたりしているんです・・・・・・・・」

(ご主人と上手く行ってないんだ・・・それで、別の男と遊んでいる?)


「そう・・・大変なんだ
 でも伊藤さん、心の病なんて、必ず治るよ、心配しないで
 ご主人がリストラにね・・・でも、頑張らなくっちゃ、お子さんのためにも」

 瑞希は遠くの夜景を眺めている
 少し憂いを帯びた30代の女性の横顔が、ブルーの照明に映える


「私に話しておきたいことというのは、健康のことだったのかい?」

「はい・・それと、所長とは余りお話しする機会が無かったものですから」


 新藤は自分の妻との会話では得られない安らぎの世界の中にいた
 こんな美しい魅力のある若い女性と話をする機会はあまりない
 楽しい、実に楽しい・・心もウキウキとする
 時々見せる女性特有の仕草は、この男を若返らせ
 この女を自分に振り向かせたいという男の欲望が芽を出す

 ところが、この女とキスをしていたという男の顔が浮かび
 自然と、この男女の間に楔を打ち込もうとした
 それが、新藤を現実に引き戻していく


「そうだったのか・・・確かに、あなたとはこんな話をしていないなぁ
 ところで伊藤さん・・あなた、江藤係長とは仲がいいが
 彼は、どんな経歴の職員か知っているんだろうね?」

「私はよくは知りません
 この4月からのことしか
 でも、私の愚痴を聴いてくれて私は何かと助かっています」

(甘えているんだ、50代の男に・・でも、それで、キスをしたりするのか?)


「私もあなたや、彼のことをよく知らないから
 本庁でいろいろ聞いてきた・・・余り良くない話だったよ」

「どんなことをお聞きになったのですか?」

「それは言えない・・・余りにも酷い話で、当人にはとても話せない
 ただ私は、自分の目と耳で実際に感じたことしか信じない人間だし
 今の職場でのあなた方の執務態度を見て自分で判断しているんだが・・・」


 新藤に、人事課長から聞かされた情報が蘇り、徐々に熱くなりだした
 もうこの時点で、美しい妖艶な女との楽しい会話から完全に現実に戻ってしまった
 そして、とうとう瑞希をだらしのない部下として話し始めた

春が来た 18
道明 3/26(木) 22:50:04 No.20090326225004 削除
新藤が支所に戻ってきたのは午後7時、もうとっくに退所時刻は過ぎていた
支所全体は消灯されていたが、所長の執務室は灯がともっている


「あっ・・伊藤さん!残っていたの?」

「はい、お待ちしていました・・・所長は必ず戻ってこられると思いましたので」

「それは待たせて御免なさい・・・食事はしたの?」

「いえ、まだです」

「お家の方は帰らなくて大丈夫なの?話しは明日でもいいよ?」

「心配いりません・・夕食は、義母さんがいますし、主人の帰りはいつも12時ぐらいですから」

「そう・・遅いんだね、君のご主人・・」


新藤の目の前に、昼間では見ることのない妖艶な女がいる
その女が頸を少し上げ、長い髪を後ろで纏める仕草をする
新藤の目は、その女の横顔、髪を撫でる指先
そして姿勢を正した胸の膨らみへと吸い寄せられていた

(この娘には不思議な魅力がある
 清純なのに、妖艶なオーラが漂う・・見ては駄目だ)


「所長・・私の話、聞いていただけますか?」

「ああ・・・いいよ、でもお腹が空いただろう?
 伊藤さん、良かったら食事をしながら話そうか?奢るよ、どう」

「そうですね・・・食事をしながらですか? ありがとうございます、では私の車で・・・・」


瑞希は帰り支度を始める
その姿を新藤が眺めている・・細い肢体が揺れる、そして白い腕が舞う

(この娘が、この女性が不貞をはたらく不埒な妻、悪女で職場を乱す職員?
 本当にそんな女だろうか・・そして、私が壊す、この私が?)

春が来た 17
道明 3/25(水) 22:43:14 No.20090325224314 削除
次の日の朝、新藤が出勤すると
瑞希が自席で既にパソコンを開いている
今朝の瑞希は紺のビジネス・スーツ姿に長い髪を束ねていた
スカートの丈は短く
網のストッキングに包まれた白い美脚が新藤の目に飛び込んでくる


「おはようございます、所長」

「へぇ・・珍しいなぁ、こんなに早くに
 朝の挨拶なんて、久しぶりだ・・・いや、おはよう、伊藤さん」

新藤が席に着き、新聞を広げると瑞希が席の前に来る


 「所長、今日お時間がありましたら、少しお話ししたいことがありまして」

 「話が?そうだな・・
  今日は、本庁の人事課に要件があって、帰ってきてからならいいけど」

 「はい、ではお待ちしています」

席に戻る瑞希の後ろ姿を、新藤の目が再びチェックする

 (昨日の今日だ・・・少しは薬が効いたかなぁ・・服装も清楚だし)



本庁で、人事課長と新藤が顔をつき合わせている
昨日の顛末を新藤が話している

「課長、以上が昨日の顛末だ・・・
 しかし、江藤係長は見かけによらず案外、気の弱い人間で、威勢を張っているだけの胆の小さな男かもしれないな」

「ええ、彼については、強引な住民が訪れたときや地域代表者との交渉時など
 肝心な時には居なくなるとの情報もありました」

「なんだいそれは・・・・弱い女性職員とぺこぺこする男性職員だけに強い男か?
 それなのに、これまで何人もの上司が、あの男を指導しなかった訳か」

「かもしれません・・・あの江藤係長を怒鳴りつけたのは、恐らく新藤所長が初めてだと思います」

「ふーん・・・
 ところで、私は座席の配置転換を考えているんだ
 あの二人の席を離す・・・・併せて
 窓口に来られた県民の目が私の席まで見えるようにしたい
 それで、私の執務室と隣接する前の部署との間にある仕切り壁を取り除くつもりだ
 そうすれば、県民の視線もあり江藤も横柄な座り方ができなくなる」

「それは、いい考えだと思います」

「同時に、公務員としての・・いや一般社会人としても基本的なこと
 朝夕の挨拶、相応しい服装、メリハリをつけた休息の取り方など職務専念の徹底を
 文書にして所員に周知するつもりだ」

「はい・・・ただ所長
 伊藤さんは以前に休職の前歴があります・・・心の病とかで」

「心の病?・・・それは知らなかった
 じゃ、今考えているカウンター近くの席への移動は難しいな」


人事課長は暫く考えて、強く進言した

「いえ、所長、移動させましょう」

「課長!そんなことをしたら・・伊藤さんは病気が再発して・・」

「いいんですよ、所長・・・・彼女は問題ばかり起こす必要のない職員なんですから」

「しかし、家族の方からもクレームがくるんじゃ」

「その時は、職務に耐えられるように、家でしっかりと身体を直してくださいと
 決まり文句で対応すればいいと思います」

「課長・・・我が県の人事も鬼になったな
 職員を我慢強く育てないで潰すのか?
 本当にそれでいいんだな」

「ええ、やってください・・所長!彼女は治りません」

「ああ、気が重いなぁ・・・男は兎も角として、女の方は・・・」


しかし、人事課長の次の言葉が、新藤の人情を完全に消し去ってしまう

「それと所長、今朝・・匿名のメールが届いたんです
 昨日、車の中で江藤と伊藤がキスをしているのを見たと・・あれは不倫だと」

「何だと!!あの二人・・・救いようのない、まさに社会の屑だな」

春が来た 16
道明 3/24(火) 19:03:08 No.20090324190308 削除
「やめて!クラクション鳴らすわよ!」

江藤はビクッとして手を引っ込める



「おお、怖い・・・お前という女は・・職場とここにいるお前は別人だ」

「そうかしら」

「ふん・・・でもなぁ、伊藤よ
 このままじゃ、俺たちの職場での生活が益々暮らしにくくなるぞ
 あいつをギャフンと言わせて、守ろうじゃないか今の暮らしを・・
 その対抗手段として、あいつの命令に従っている振りをする
 そして、俺たちのイチャツキ作戦で脳天を叩き、イライラさせ
 あいつに“もう、言っても駄目だ”と諦めさせる
 どう思う?・・・・・この作戦、二人の強力なタッグで上司と対抗するんだ」

「まぁ待って、係長
 私、一度・・・所長と話し合ってみる」

「なに!まさかお前、俺を」

「そうじゃないのよ、係長
 私は、よく分からないから確めたいだけよ
 今のままじゃ、所長の考えていることは掴めないでしょう
 何か、あったのよ所長に・・・・それさえ分かれば
 対応はもっと的確になるでしょう、係長」

「ふん!なら、あいつが言ったことはつぶさに教えろよ
 もし、裏切ったりしたら・・・・承知しないぞ」

「ええ、もちろん・・・何!えっ!!」

 江藤が瑞希の口に軽くキスをした


「伊藤よ、キスぐらいどうってこと無いだろう・・・お前、子持ちの人妻なんだから
 タッグを組んで闘う同志が、裏切らないように約束するんだ・・・な」

 と言うと、江藤は瑞希に被さり、再び瑞希の唇を塞ぎにかかる
 だが容赦なく、瑞希の強烈な張り手が江藤の頬に炸裂した





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春が来た 15
道明 3/23(月) 23:29:38 No.20090323232938 削除
その日の退所時刻の直前
瑞希の携帯にメールが届く・・・江藤からだ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いつものように車で待っていてくれ、少し話しがある
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 瑞希は新藤のいう・・・江藤のアッシーを続けていた
 瑞希にしてみれば、所長を含めた三人の執務空間
 電車通勤のヤクザ係長のご機嫌をとることで、自分の仕事がやりやすくなり
 時には食事も奢ってくれるし、愚痴も聞いてくれる
 まさに、自分を持ち上げてくれる頼もしい男になっていた
 しかし・・・
 そこにもう一人いる所長の存在を軽く考えていた
 今日の新藤のような対応をした上司は、瑞希の知り得る限り誰もいない
 直属上司の逆鱗に触れるというピンチだ・・大変な大ピンチに直面してしまった
 なぜ、こんなことに?



「あのボケ所長・・・全く、俺たちを馬鹿にしやがって、なぁ、伊藤」

 江島の第一声だ


「でも、係長・・私、所長が分からない・・
 なぜ、所長はあんなに厳しくなったんでしょうか?」

「そんなこと、知るか!」

「でも・・」

「俺が思うに・・・あれは、俺たち二人の仲がいいのを妬いているんだ、きっと」

「えっー!所長がですか?」

「おう、そうよ・・・どうだい、もっとイライラさせてやろうじゃないか」

「そんなこと、私は・・」

「まぁ、俺に任しとけって・・・伊藤よ、時々、あいつの前でこんなことをさぁ」


 瑞希の全身が硬直した
 江島の手がすっとスカートの中へ潜り込んだのだ

春が来た 14
道明 3/23(月) 09:00:17 No.20090323090017 削除
そして、その時がきた


その日の午後の休憩のとき
私と江藤係長は何時ものように珈琲を飲み談笑し
つい、私は会話に夢中になり時間を忘れていた
突然、休息室のドアが開いた


「そこの二人!いつまで休憩しているんだ!
 この時間、窓口の対応で休み無く働いている職員もいるんだぞ
 おい、江藤係長・・・所長命令を無視しているな
 前に言ったが一度も実行していないだろう!
 エリア内の公共施設の点検をしに巡回に出ろと、それが君の職務だろ
 忘れたか?」

「忘れていませんよ、私は・・・・行きますよ、必要なときにね
 でも、あなたも毎日、暇そうに本を読んでいるだけで
 何も、していないじゃないですか?
 あなたの本音は
 ここでこうして二人でお茶しているのが、気に入らないだけだ」

「馬鹿か?お前は!」

「お前と言うな!お前と!」

「それは悪かった、係長と呼べばいいのかな
 だが、私の命令をはっきりと理解していないようなので
 改めて、再度命令するよ
 毎日1回、必ず巡回に出なさい・・・計画を立て、1年以内に全ての施設の点検を
 所長命令だぞ、江藤係長!
 それと、労働基準法が改正されて、以前のような休息時間は無くなったんだよ
 あるのは、手待ち時間のみ、要は待機時間だ
 君たちが毎日、午前と午後の2回、1時間近く珈琲タイムを取ることは許されない
 それに、私が読んでいるのは職員管理の本だ
 私の職務のための勉強だよ
 私の仕事はね、県民の期待に応えられるように部下を育成し、個々の持てる能力をいかに発揮させるか
 つまり、君や君の前で色気を振りまいている事務員を働かせるのが私の仕事なんだよ、係長・・分かったかい!」

「ふん!ここではあんたが一番えらいからなぁ・・」

「一番えらい?・・・この捻くれ者が」

この時、怒鳴り声を聞きつけた他部署の職員が駆けつけてきた


「所長・・どうかされましたか?」

「いや、ご免、ご免・・大声をだして悪かった
 今、江藤係長に再度、仕事の命令をしたところなんだ、  さぁ・・・仕事に戻ろう」


この時、私はただ、ただ・・・小さくなって震えていた

春が来た 13
道明 3/22(日) 18:49:15 No.20090322184915 削除
瑞希は新藤所長への対応が上手くつかめない
学生の頃に両親にこっ酷く叱られた、水商売のバイトの経験を以ってしても
新藤の心を掴めないのだ
大概の男は振り向かせる自信がある瑞希だが、新藤はどうも勝手が違う

4月は、大らかで、明朗・・・そして何よりも優しさが溢れていた
ところが、5月の連休明けから様子が変わってきた
あれほど寛大であった所長が、細かいことまで叱ってくる
机の上には「上司が鬼とならねば部下は・・・」の本
時々見せる鋭い視線
江藤係長との休息時の会話に割って入って、私を馬鹿にする

優しかった所長
私のセンスを褒めてくれた所長

「今日の伊藤さん・・・素敵だよ」

所長が朝、私が席に着いた時、何気なく言ってくれたことがある
驚いたし、嬉しかった


「伊藤さんの家族は?・・・ご主人とは恋愛かい?
 へぇー、お子さんは小学4年?そんな子がいるお母さんには見えないよ」

思いやりがあり、親しく接してくれた


「これお土産・・お守りだよ、身体が弱いと聞いていたから」

それは、どこで調べたのか私の干支のお守り
ほんとに優しくて、いい人、安心できる上司・・・・・・だった
それが、今は違う
私を完全に無視している・・・・なぜなの?


そして、こんなことも・・

江藤係長が言った

「おい、伊藤・・お前、この支所で美人だとの評判が立っているぞ
 そのスタイルとその顔、その服装のセンス・・ここの男性職員の噂の的だ」

所長が口を挟む

「そうかなぁ・・人の良し悪しは外見じゃない
 人柄や知性など内から滲み出るもので決まるものだと思うけど
 見栄えで逆上せる男もいるだろうけれども
 私は、伊藤さんはちょっとなぁ・・・・」

ショックだった
人の前で、あの優しかった所長のこの言葉・・・・・忘れられない

なぜ?なぜなの・・・・所長

そして
「伊藤さん・・・いくら暇でも、することはあるだろう?
 暇な職場に移った時こそ、英気を養う絶好の機会だ、勉強したまえ
 あなたは、休憩が長すぎるんだ・・他の職員が汗を流して働いているのに
 サボリの係長と程度の悪い話題で会話に夢中とは情けない
 あなたはまだ若いんだ、メリハリをつけて休息したまえ」

「なんだ、今日のその服装は!仕事をする気がないなぁ
 ここへ、遊びにきているのか?公務員に相応しい身だしなみを考えろよ」

酷い、酷すぎる・・・・所長

管理組合の役員に共有された妻 136
エス 3/22(日) 18:42:26 No.20090322184226 削除
 ちょうど一時間ほどたったころ、山本さんが戻ってきました。
 「おまたせしました。さあ、いきましょう。」
 前に座っていた男性が、山本さんと私を交互に見ました。
いっしょに立ち上がるのかと思いましたが、席に座ったまま動きません。

 山本さんは、私を連れ出すと、足早に歩き出しました。
 「これに乗ってください。」
 そう言って、駐車場に停めてあった軽自動車の助手席のドアを開けました。
 「今日は、お付き合いいただき、ありがとうごさいます…」
 そう言いながら、ゆっくりと車を発進させます。
いくつかの交差点を曲がり、広い通りに出ると、山本さんは話し始めました。

 去年の秋口に、勤めていた会社をリストラされたこと。
その後、小規模な保険会社で嘱託として働いていること。
今までと違い、給料は歩合制であること。
愚痴としか思えませんでしたが、毎日真面目に通勤しているように見えた山本さんにも、こんな身の上があったことに驚き、少し同情しました。

 「そう言えば、さっき喫茶店で私の前の方に座っていた人はお知り合いですか?」
私は、ずっと気になっていたことを聞きました。
 「いや、全然知らない人ですよ。奥さん、朝からサービスしてたみたいだけど。」
山本さんは、ニヤリと笑い、下卑たおじさんのような口調で言いました。
 「まさか、僕がいなくなった間も、オマタ広げて奥さんのアソコ見せてあげてたとか?」
 「そんなことしません。」
私は真っ赤になった顔を悟られないよう、窓の外に顔を向けました。

  …また、騙されました。
私は、全く関係のない男性に、自分の恥ずかしいところを見られていたのです。
それも、自分から脚を拡げるようにして。
あの男性から見て、私はどんな女に見えたのか…。
想像するだけで、死にたくなるくらい恥ずかしく、山本さんを憎らしく思いました。

 「今日は、奥さんに営業のお手伝いをしてもらいます。」
 「営業?保険のですか?」
 「そう。今日のお客さん、いいとこまで行ってるんだけど、最後の決め手がなくて」
 「でも私、保険の営業なんて…」
 「大丈夫。横でニコニコしてくれるだけでいいですから。
男ってやつは、きれいな女性がいるだけで、いい格好したくなるもんですから。」
 「はあ…」
 「とにかく、ちょっとエッチな格好して、座っているだけでいいから。」
 「エッチな格好…って。」
 「まあ、いいから、いいから。」
山本さんは、カラカラ笑いながら私の方を見ましたが、その目は笑っていませんでした。

管理組合の役員に共有された妻 135
エス 3/21(土) 23:44:37 No.20090321234437 削除
 席に着くと山本さんからのメールが着いていました。

  『約束どおり、ノーパンになりましたか?
   私にわかるように、脚を拡げてください。』

 予想通りの内容でしたし、山本さんに恥ずかしいところを見られることくらい、もう平気な気もしていました。
でも、私と山本さんの席の間に座っている男性客の視線をチラチラと感じ、どうしても脚を開くことが出来ません。
 
 どうしたらいいのかわからなくて、携帯電話の画面に見入っている振りをしていると、また山本さんが大きな咳払いをしました。
 ドキッとした私は、反射的に脚を開いていました。
太ももまでたくし上げたスカートの奥は、山本さんからは丸見えのはずです。
それに、前に座っている男の人の視線がスカートの奥に注がれているような気がして、私は顔を上げることができませんでした。

  『よろしい。ちょっと奥さんを試してみました。
   これなら、大丈夫そうですね。』

 山本さんからまたメールが着ましたが、何のことかわかりませんでした。

  『では、脚を閉じて結構です。
   前の男性には目の保養になったみたいですね。
   私は、1時間後に戻ります。
   それまで、ここで待っていてください。
   その間、今みたいに、奥さんの恥ずかしいところを、
   時々見せてあげてくださいね。』

 そうメールで言い残して、山本さんは席を立ちました。

 『この人も、山本さんの知り合いなのかしら…?』
 山本さんを視線で見送った私の視界に、紺色のスーツを着た、普通のサラリーマンって感じの人が写りました。
この人も山本さんが仕込んだ人なら、指示通りしておかないと、また何をされるかわかりません。
 私は、コーヒーを頼み、心を少し落ち着かせました。

 やがて、一人二人席を立ち、会社に向かいましたが、前の男性はずっと座ったまま、時々チラチラとこちら視線を泳がせているように見えました。
 私は、思い切ってもう一度、脚を開きました。
目の前の男性の頭が反射的に動き、無表情のまま、私の太ももの奥の方を見ました。

 やっぱり、気づかれていました…
 でも、見られていることがはっきりとすると、かえって踏ん切りがつきました。
私は、コーヒーを飲みながら、時々脚を開きました。
そのたびに、男性の視線がそこに向かいます。
最初は遠慮がちに、そのうち、凝視するように…。

 脚を開いたり閉じたりするうちに、私の股間は熱くなり、湿り気を帯びてくるのを感じました。

春が来た 12
道明 3/20(金) 09:38:22 No.20090320093822 削除
 江藤は4月から休暇を取っていない
 毎日、職場に出てくるのが楽しみになっているからだ
 目の前に可愛い女がパソコンを叩いている
 頸を傾げ、合間に自分の方にちらっと視線を投げかけてくる時がある
 視線が交わると、ドキッとする・・久しぶりだこの感覚は
 いい女だ・・・・いい雰囲気を持っている
 その女の顔を今日も眺めている


 あれは・・4月の歓送迎会のお開きの後、二人で駅まで歩いた

「おい、伊藤よ・・所長のことどう思う」

「所長ですか?」

「俺は今まで、職場を転々としてきた
 そして、いろいろな上司を見てきたが
みんなほぼ同じ行動、考え方、タイプだった・・・公務員気質そのもの
 俺を怖がり、無視を決め込み、裏で早期の異動をさせることを考えていた
 だが、今度の上司、新藤所長は全く違う
 俺にも声をかけ、仕事の内容を聞いてくるし
 俺を怖がらず、同じ目線で対応してくる・・・そして、仕事の指示までしてくる」

「そうですね・・・
 ただのエリートのぼんぼん所長ではなさそうですね」

「お前もそう思うか?」

「ええ・・・見ていないようで、聞いていないようで、寛大なようで
 でも、鋭く観察しているし、情報も集めているし、細かいことも言う
 何よりも、正義感が強く、誠実で潔癖、人と家庭を大事にして
 本当に、公務員の鏡とでも言えそうな人かな・・」

「俺にとっては、大変な上司が来たもんだ・・・ああ、お前にとってもかな?」

 江藤はさり気なく、瑞希の腰に手を伸ばしたが
 瑞希はその手を払いのける


「俺はこんな人間だし・・ここの職場はみんな傷のある職員ばかりいる
 お前もそうなんだろう・・・ええ、伊藤よ」

「いいえ・・私は何にもありませんよ」

「ふん、そうかい・・・だが、お前とはウマが合いそうだ
 まあ、宜しく頼むわ・・・なぁ、伊藤」

 今度は、江藤の手が瑞希のお尻に向かう
 瑞希は立ち止まり、江藤の目を見据えて言った



「係長!私はあなたが思っている様な女じゃないです」

「ふん!そうですか・・・・
 だが、伊藤よ・・・・俺たち、職場ではタッグを組んでおこうぜ
 恐らく、それが身を守る強い武器となる・・・・いいな」


 江藤は椅子にふんぞり返ったまま、再びパソコンを叩いている目の前の女を見る
 美しいだけでなく、芯のしっかりした・・・いい女だ
 ここのみんなに見せているのは・・・創りものの偽りの姿か?
 瑞希・・お前の正体なんてどうでもいい、先ずはその肢体、どんな味がするか
 俺が試食してやる

春が来た 11
道明 3/19(木) 19:38:20 No.20090319193820 削除
  新藤は人事課からの帰りに
  以前の課で上司と部下の関係でプロジェクトを推進した女性課長の部署に足が向いていた
  このまま、苛ついた感情のままで支所に帰れなかったのだ


 「よう、課長・・お元気そうだね」

 「まぁ、新藤所長・・昇格、おめでとうございます
  お茶をお入れしましょうか?」

 「そう?じゃ・・頂くか」

 新藤はこの女性課長がお気に入りだ
 仕事はもちろんできる
 45歳でまだ独身
 気の許せるパートナーであった
 自然と話は、新しい職場の話題になっていった
 新藤はここでも、瑞希と江藤係長の様子を
 見たまま、感じたままを、率直に話していた


 「所長・・・ご熱心ですね」

 「そうかなぁ」

 「ええ、間違いなく・・・
  その話に出てくる伊藤さんという方が、羨ましい」

 「なんで?」

 「うーん
  所長がその女性に夢中なんですから」

 「えっ!私が伊藤さんに夢中?」

 「はい
  話を伺っている感じからして、所長が伊藤さんに関心を寄せていると」

 「私が伊藤さんに関心を?そんな馬鹿な
  彼女とは年も離れているし、彼女に何もしていないし、話してないし・・
  それに、彼女は子どもがいる人妻だよ・・・そんなことあり得ない」

 「いいえ
  男と女のことに、年齢差も家庭も関係ありません
  世の中にそんな例は沢山あります
  所長とは1年間、同じ職場でしたけど・・・・
  所長は私のことを女として見てくれてなかった
  なのに・・・・伊藤さんという女性にはこんなに」

 「待って!
  私があなたを女性として見ていなかったなんて、違うよ
  あなたは素敵な女性だし、仕事もよくできる良きパートナーと
  いつも思っていた・・・ただ、私は女性にそんな態度や感情を見せない男なんだ」

 「そうなんですか
  私も仕事上の感は鋭いほうですが、男女間のことは素直になれなくて・・」

 「あなたは、本当に素敵な女性で・・・私は大好きだよ
  それに、何と言ってもあなたと話していると心が和む」

 「有難うございます
  でも、その伊藤さんにはちょっと心配ですね・・所長」

 「うーん・・・
  実は、私の家内もあなたと同じ事を言った
  “あなた、ちょっとおかしいわよ”って」

 「やっぱり!それが女の感ですよ
  所長・・・奥様の言ったこと
  当たってますよ・・・・・・気をつけないと」

 「ああ、ここに寄ってよかったよ・・・有難う」


  新藤は自分自身、気が付いていない心の奥底を見通されたことに驚いた

 自分が瑞希に魅かれている?
 そのことに起因して、私が江藤に嫉妬して厳しくあたっている?
 これは厄介だ・・そんな風に他の職員に思われては大変なことになる
 本来の人事管理上の問題が、一人の女を間にした男二人の喧嘩になってしまう
 気をつけなければいけない・・・あくまで、上司からの指導なんだから



春が来た 10
道明 3/18(水) 20:31:43 No.20090318203143 削除
人事課長は更に続ける


「その相手の男性職員もだらしの無い男で
 確か、最近・・・理由はわかりませんが離婚をしています
 その男とまだ彼女は続いていると私は思っているのですが」

「確かか?それは!
 その相手の職員は、何処の部署の誰なんだい?」

「・・・・うーん、県民・・課の・・・という男です。だらしの無い職員です」

「そ、そうなんだ・・・」

「それに、江藤係長の方も・・・・
 少し昔になりますが
 今、・・・課にいる女性職員をアッシーにしていたんですが、ある時、その女性とホテルから出てくるところを職員に見られています
 その女性職員とは、今はもう切れているようですが・・・」

「なにー!それじゃ、あの二人は・・・」

「ええ・・不道徳極まりない屑の職員です
 何処の職場にも馴染めず迷惑を掛け、組織からはみ出し、好き放題を続けています
 まるで、職場に遊びに来ているとしか思えません
 異動できる職場が見つからず、人事課もこの二人には苦慮しています
 県民にとって不要な職員で、どこかで潰れて辞めてくれるか・・事件でも起こして処分できればいいのですが・・」

「おい、おい!そんな二人が目の前の席にいるんだぞ」

「私もまさか・・伊藤さんの配置先に、江藤係長がいたとは・・」

「はぁー?」

「これまで、異動のたびに、それぞれの上司が人事課に相談に来られました
 今、所長が仰られたことと、ほとんど変わりません
 その二人が向かいあわせとは、申し訳ないことでした」

「うーん」

新藤は天井を睨みつけた、そして言った


「課長・・再度聞くが
 江藤係長と伊藤さんは特別な関係にはなりえないと言うんだな」

「ええ・・伊藤さんは前の男と続いていると思いますから
 江藤係長が手を出しても肘鉄をくらうでしょう」

「そうか・・それでこの前そんな気を感じたんだ
 でも、あの二人の馴れ馴れしい関係は何なんだろう
 周りの人を二人の間に入れないというか、周りが目に入らないという感じで
 どうして、そんな二人だけの世界を創りだせるのか・・・不思議でならない
 ああ、そうそう、課長・・
 江藤係長はうちの支所の臨時の・・という奥さんを今、アッシーに使っている
 めしを食べたり、酒をのんだりしているらしい」

「そうですか?それは初耳ですが江藤のやりそうなことです
 それで所長、人事課が手を出せるのは人事異動の時、つまり来春になりますが
 それまでは、相談しながら所長のほうで対応をお願いしたいと思います
 必ず、来春二人とも異動させますので、思い切った手を打たれてもかまいません」

「よーし・・分かった
 私の思うようにだなぁ
 あの二人は県民の敵だ、真面目に働く職員の恥じさらしだ
 全体の奉仕者という崇高な精神、県民の公僕たる使命を忘れた公務員
 私の職場に本来あるべき秩序と執務環境を構築して、部下に徹底させてみせる
 それに、自分の妻や夫を裏切って快楽に溺れる男女・・・
 天に代わって、私が可能な限りの仕置きをしてやる!」

新藤は、人事課長から聞かされた情報を鵜呑みにして、自分を鼓舞していた

春が来た 9
道明 3/17(火) 19:01:38 No.20090317190138 削除
人事課長と新藤は真剣な表情で話し合っていた


「課長・・・全く困ったよ、あの二人・・」

「はい」

「男はヤクザのような言葉遣いの怠け者
 女はピンクサロンにいるエロ事務員
 この二人がエロ話に花を咲かせ、他の職員が影響を受け
 男性職員は落ち着きがなく、競ってエロ事務員のご機嫌取りになってしまっているようだ
 ただ、幸いにも今のところ業務にはまだ失態はないが、いずれ出るだろうし
 何よりも、私の神聖な職場の雰囲気が壊されて、緊張感を欠いているのが心配だ」

「ええ・・」

「課長・・・ここだけの話だが、あの二人は普通じゃない・・・
 ひょっとして・・・もう特別な関係にあるのではと思えてしまうぐらいなんだ」


人事課長は新藤の率直な問いかけに、暫くして

「それは無いと思います」

「えっ?私の目の前で二人だけの世界を作っているんだぞ
 それに、お昼も一緒、休憩も一緒
 話す話題はくだらないことばかり、特に男と女のアノ話に夢中なんだ
 パソコンの操作を教えてくれと言っては
 伊藤さんを側に寄せて、いちゃいちゃしながらキーボードを操作する
 肢体が触れ合っているんだ」

「うーん、でも・・彼女には別の男がいて、まだ・・・」

「なに!!今、何と言った?」

「所長がそこまで仰るので話すのですが
 彼女は以前の職場でも前歴があるのです
 相手は江藤とは別の男ですが、やっていることは全く一緒です
 その課の親睦旅行に
 この二人、もっともらしい理由をつけて参加しませんでしたが
 別のところにいるのを、職員に見られているのです」

「なんだと!」


新藤の目が怒りに溢れる

春が来た 8
道明 3/16(月) 18:43:02 No.20090316184302 削除
5月末となり、新藤はイライラが募る

江藤係長は仕事もろくにせず
午前1回、午後1回決まって珈琲タイムを取る
それも約1時間
その休憩に、瑞希が付き合っている
瑞希は江藤の分まで珈琲を用意し、楽しく談笑の世界に入っている
机の上の電話が鳴ろうとお構い無しだ
話し声が大きくて、新藤の気分を苛立たせる
この間も、新藤が休息室に入ってみると
深い応接セットに二人は対面に腰を掛け
瑞希は丈の短いスカートから覗く長い足を何度も組みかえる
その都度、柔らかそうな太腿が新藤の位置からでも見えてしまう


(なんだ、この雰囲気は?まるでピンクサロンじゃないか!)


二人は、新藤の存在が無いかのごとく、自分達の世界、自分達の会話に没頭している
離席する時も、支所の外へ出る時も何も言わずに出て行く
まるで所長の新藤を無視しているようにも思える・・・・・・・
ある時、瑞希が本庁に用務で出かけ、江藤も一緒に出かけた
帰ってきた二人の様子が、何時もの馴れた雰囲気と異なり距離間がある


(おや・・・なんかおかしい、何時もと違う)


新藤は、江藤が女性職員のお尻を触るのを何度と無く見ていた
それとなく、セクハラ行為は特に公務員には致命傷になると話したことがあるが
江藤はお構い無しで、何処吹く風


(はーん・・・江藤め、手を出したなぁ)


しかしその後、二人の雰囲気は元に戻り、執務状況は益々おしどり夫婦のようになり、他部署の職員もその雰囲気にあてられて行った


(何か手を打たねば駄目だ・・・・もう春は過ぎたというのに色気づく雄と雌)


新藤は外から見えない三人だけの事務室でイライラが益々募る
この支所での最高責任者と言えども、素直に言うことを聞かない二人
1人対2人の構図の執務室ではなんとも手の打ち様が無く、頭を抱え込む

ここで漸く人事課へ相談を持ちかけたのだ

春が来た 7
道明 3/15(日) 23:29:50 No.20090315232950 削除
 新藤は久しぶりに本庁に来ている
 常任委員会終了後、瑞希の異動前の所属課に顔を出した
 そこの課長は新藤と同期の桜だ


「よう、新藤・・・昇格しての新部署はどうだい・・もう慣れたか?」

「おう、慣れるも何も・・・自ら手がける仕事らしい仕事が無いからなぁ」

「それは、良いご身分で結構なこと・・・
 そらそうと、この間お宅の伊藤さんがここに来ていたが
 彼女、何かあったのか?」

 同期の桜が目を細めてにこやかに新藤を見る


「何かって?」

「見たところ・・凄く元気そうに活きいきして
 ここを出るときとは大違い、まるで別人のようでさぁ」

「えー・・・彼女、ここではそんなに元気がなかったのか?」

「ああ・・1日中パソコンの画面をボーとみているとか
 そうそう、確かここに配属された年は半年ぐらい休職していたなぁ
 職場復帰後も無気力感が漂っていて、担当の係長がぼやいていた」

「そうなの?
 私のところでは、毎日喧しいぐらいに話をして元気一杯なんだけど
 その話題がなぁ・・・・」

 新藤の顔が崩れている


「休憩時間もお昼休みも
 ファッション、車、グルメ・・・
 係長の江藤を相手に喋りまくるんだ、係長も奇声を出す始末 で・・・・毎日だぞ
 私は、弁当を食べると嫌になって直ぐに部屋を出るんだけど
 二人とも話す声が大きくて
 係長が下ネタの話をしだすと、回りの職員も同じようにガヤガヤと
 彼女、長身だろ、短いスカートで係長の目の前で足を組みかえるんだ
 すると、係長は覗く様な格好をして、それをまた回りの職員が一緒になって
 囃し立てる・・・・・・・・全く私の職場が安キャバレーのようで」

「おい、新藤・・・お前は人事管理は苦手なようだから
 早めに人事に相談しておいたほうがいいぞ
 その江藤係長は昔からなにかと有名だし、伊藤のことも情報を入れておくことだなぁ
 伊藤も厄介だが、それに加えて江藤係長もいるのか・・・」

「えっー!なに伊藤さんも厄介?」

「ああ・・早く相談をしておくことを薦めるよ」


 新藤は着任してまだ日が経っていない
 地域団体への挨拶回りや本庁の会議が重なり、人事への相談はもう少し先のことになる

春が来た 6
道明 3/14(土) 17:08:15 No.20090314170815 削除
 今日の瑞希の服装は白いワンピースに黒のバンド
 ワンピースの下裾には黒のフリルが付いている
 
 瑞希はいつもの雑談相手が珍しく現場に出かけて居ないこともあって
 落ち着いた雰囲気でパソコンの画面に向き合ってキーボードを叩いている
 背筋を伸ばし、まるで大企業の重役秘書のようだ
 その横顔に新藤は見とれていた
 不思議な娘だ・・・・・・・いや奥さんか


「伊藤さん、ちょっといいかな」

 瑞希が新藤の顔を見る
 瑞希の目が悪戯っぽい少女の目つきになった


「実は先週の金曜日なんだけど・・退所時に、江島係長が臨職の女性の車に乗っていたんだ
 確かその前の金曜日にも同じ様に
 彼はあの奥さんに、駅まで送ってもらっているのかなぁ?」

「えー・・所長は知らなかったのですか?みんな言ってますよ
 花の金曜日!江島係長はあの奥さんとご飯を食べたり、飲みに 行ったりしてるって」

「えっ!そうなの・・・
 まさかとは思うが、二人とも所帯持ちなんだから
 余り疑われるような行動は、慎んだほうが・・・」

「所長・・・心配し過ぎですよ・・食事やお酒を飲むぐらいで」

「うーん、そうかなぁ」

「江島係長は、私の車にも乗せろって言うんですよ」

「君の車にも?」

「はい
 係長は、電車通勤でしょう
 だから、朝の出勤途上で拾ってほしいと
 でね・・この頃、駅付近で車を留めて待っているんです」

「そ、そんなことしていると・・・他の職員から同伴出勤していると言われるぞ」

「同伴出勤って?・・そんなんじゃありません!
 出勤の途中で拾っているだけです
 へへん・・・でね、所長
 それをする代りに、係長には重い荷物を運んでもらっているんです
 私、荷物を持つのは苦手でしょう・・・・助かるんです」

「そ、そう言えばそんなことが・・・」

「そのほかにも・・両手が塞がっていればドアを開けてくれるし、優しいでしょう?
 なので、パソコンが苦手な係長に代わって私がしたりして・・」

 新藤は呆れた顔になった、そして厭味を言った


「そうなんだ・・あなた達、二人はもうそんな仲に・・・
 彼は仕事をしないで、女の扱い方ばかりを磨いているからなぁ
 お昼は必ず対面していつも決まった席に座り、あなたが彼の御茶を入れる
 そして、ワイワイ話をしながら楽しく食事をする
 周りの職員の気配すら感じないかのように・・・・・・
 まるで、新婚の夫婦だ・・いや、あつあつの恋人同士かなぁ
 もしも私の妻がそんなことをしていたら、私は我慢ならないし、即・・離婚だ
 あなたのご主人は平気なのかな?それとも家では上手くごまかしているのかな?
 それに、荷物を運ぶのも、パソコンを操作するのも
 私にはいちゃつくための口実としか思えないけどねぇ」


 瑞希の目が遠くを見つめるように細くなり、新藤から視線をそらした

春が来た 5
道明 3/13(金) 18:17:07 No.20090313181707 削除
今日も瑞希と江島が朝から雑談している


 「お前、その爪、職場でつけてて大丈夫か?俺はかまわないけどなぁ」

 「そう?これ、高かったのよ」

 白く細長い指先の爪には、模様の付いた長い爪が光っている


 「ふーん・・それに、その服も・・センスがいいし、白い肌に似合っている」

 「係長・・・上手なんだから・・」

 「どうだい・・一度飲みに行くか?」

 「うーん、どうしようかなぁ」

 「よう・・いこうぜ」


 新藤が舌打ちをした
 此れといって仕事がない新藤には、二人の雑談は自然と耳に入ってくる


 「ちょっと考えさせてね・・・係長」

 「ああ・・・」

 江島はいつものように、別室に休憩にいく
 休憩にいくと30分から1時間は戻ってこない
 新藤が瑞希に話しかける

 
「えーと・・・伊藤さん、知ってるかなぁ」

「何ですか、所長」

「江藤係長のこと・・・」

「係長のことって?」

「彼、いつもあんな態度だろう
 だから、県庁内では上司に反抗する怠け職員というレッテルが貼られていて
 それに、女の子のお尻をさわるしセクハラの常習犯でもあるという噂なんだ
 気をつけたほうがいいよ」

「でも所長
 係長は職員のゴルフ同好会の代表をしていて、メンバーにいろいろ指示したりして
 面倒見もいいし、しっかりしていますよ
 この間も、ここにメンバーが訪ねてきて、私、お茶を持って行ったら
 その人たち、係長を親分のように立てていましたし・・・
 それと・・うふ!」

「なんだい・・・それと?」

「うーん・・その人たち、私のことを褒めてくれて」

「君を褒めた?」

「もう・・係長ったら、みんなの前で私のことを可愛いとか、美人だとか・・」

「はぁ!・・・もういいよ、伊藤さん
 とにかく、彼には用心したほうがいいと思うよ」


新藤は溜息をついた

自分が席を外したとき、この二人はいったいどんな風に執務しているのか
まさか、雑談三昧?この伊藤さんが江藤係長の暇つぶしの相手方に?
こんな女性職員とやくざ係長など今までの職場で見たことが無い・・・・

新藤は再び天井を見て大きな溜息をついた

春が来た 4
道明 3/12(木) 18:44:15 No.20090312184415 削除
 伊藤瑞希が前任の事務員との電話で騒いでいる

「なぜ私が、そんなことをしなくちゃならないんですか?」


 どうも前任者から
 毎朝、職員のために珈琲を準備して出すように言われているらしい


「インスタントの珈琲ぐらい
各自で好きな時に入れて、飲めばいいのではないですか?」

 相手が好きなようにしなさいとばかりに電話を切った


「もう!ほんとに!いきなり切るなんて」

「おう、伊藤よ・・・どうしたんだ?」

「いえ、前任者の方がいろいろと・・・」

「あの馬鹿ブスのことは放っておけ・・俺の言うことも完全に無視しやがった
 今度何か言ってきたら、俺に代われや、ばしっと言ってやる」

「よっ!係長・・・頼もしいわ」

 瑞希が江藤にVサインを出した



「それにしてもお前、今日も服装が若いなぁ・・歳はいくつだ?」

「まぁ・・20代と言いたいところですが、32歳でーす」

「ほうう、32か?・・・32にしては細くて長い外人のような、良い足してるなぁ」

「そうですか・・・?」

「それに肌の色が、透き通るように白い」

「まぁ・・係長ったら」

 瑞希は白い長い腕を耳に近づけ、長い髪を掻き揚げる
 江島はその仕草を目を細めて正面からじっと見つめている
 所長の新藤も読みかけの新聞をデスクに置き、眼鏡の奥から瑞希に視線を送る
 それに気づいた瑞希は


「あっ、そうそう・・所長、所長にお話ししときたいことがありまして」

 瑞希が座ったままで新藤に話しかける

「ああ、うん・・伊藤さん、上司に話すときは机の前まで来て、話すのが礼儀ですよ」

「あっ、すみません」


 瑞希が新藤の机の前にやって来た
 新藤の鼻に瑞希の香水の匂いが届き、うっとりとした気分になる


「あら?・・所長、うーん・・少し良くなりました」

「ええー?」

「この携帯・・携帯です」

 新藤の机の上の携帯電話には
 新らしく番号が印字された細めのテープが貼られていた



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春が来た 3
道明 3/11(水) 20:09:55 No.20090311200955 削除
私の名は新藤進50歳、定年まであと10年
この春の異動で幸運にも本県の幹部に昇格
まあ、私の実力からすれば遅すぎるぐらいだ
昇格とは言え、こんな支所に配属なんて思っても見なかった
まあ、いいや
1年、英気を養って本庁に戻ればいいんだから
それにしても、目の前の男
厄介な部下だ

県職員の中で札付きの怠け者
上司の命令に従わず、勝って気ままのやり放題
態度も横柄でこの地域住民の評判も悪そう
電話の受け応えを見ても、まるでヤクザ
今日も本庁の技術職員を怒鳴りつけていた
まったく困ったものだ
何か問題でも起こされたら、私の管理能力が問われてしまう

女の方は特に何も聞いていない
なんか幼くて可愛い感じがする
とても、子持ちの人妻とは思えない・・・まるで世間知らずのお嬢さん風
化粧は濃い目だが細身で長身、それに長い髪
時々見せるあの髪を掻き揚げる仕草には
ぞくっとくる
顔は色白で・・

あっ、いかん、いかん
何を考えているんだ、私は!


それにしても、この部屋の座席のレイアウトは何だ
支所窓口の方から見えなくなっていて、まるでこの三人の専用空間だ
それに、なぜ彼が所長の私の前の席にいるんだ?
これと言って仕事もないし
前の二人の雑談ばかりが、嫌でも聞こえてくる
何かすることを見つけないとコレじゃぼけてしまうぞ
しっかりしろ!新藤進よ
ああ、1日が長い・・・・

新藤の視線の先には瑞希の横顔が見える

春が来た 2
道明 3/10(火) 18:40:09 No.20090310184009 削除
私の名は伊藤瑞希32歳、旦那の名は一介34歳、両親と同居で男の子が一人いる
この春の異動で本庁からこの支所に転勤
前の職場では、病気で半年間休職
その後、職場復帰したものの仕事らしい仕事はさせて貰えず
臨職の女性たちとお喋り三昧
そうしたら、こんな異動に・・・・・ああ、面白くない
遣っていけるかしら?

それにしても、目の前のこの男、ヤクザのような話し方
この支所の臨職の女性と金曜は飲み会をしているらしいし、その人のお尻もさわる
年は55歳のおっちゃんで、役職は係長
派手なスーツに髭を生やして、ほんとに変なおっちゃん
ボウーとしていて扱いやすそう
でも、早くこんなところから脱出しないと
年寄りばかりの職場なんて
私の魅力が発揮できない

所長の席の前というのがちょっと気がかり
この所長、やり手の人らしいし、真面目そう
ちょっとカラかってやれ


「新藤所長、私たちメルアドの交換しません?」

「えっ?」

「江島係長と三人で互いのメルアドを登録しておきましょうよ
 緊急時に電話するより安いし、助かると思うんですが・・・・」

「ああ、そうだなぁ・・・」

「じゃ、決まり!所長と係長の携帯だして下さい
 私がみんなの分、登録しますから」


瑞希は所長席に向かった
「所長!なんですかコレ・・・活けてないですう」

新藤所長の携帯は多機能の最新鋭だが
裏に、太字で携帯番号を印字した太目の白いテープが貼られていた

春が来た 1
道明 3/9(月) 22:10:24 No.20090309221024 削除
 私の名は江島晃一55歳、ある県の技術職員である
就職直後の上司と衝突してから、県の出先施設を転々と異動し
ここの支所で4年目を迎える
同一職場で4年目を迎えることができるのは、今回が初めてである
理由ははっきりしている
それは今の職場が余りにも田舎で、地域の人がのんびりしていてクレームがでないこと
そして、他の同僚も病気持ちか、癖のある者か、退職目前の年寄りばかり
要は、そんな職員ばかりを集めた職場なのである
私もここで退職を迎えるか、もう1度、異動があるかというところである

この春の異動で新しい所長が赴任した
この所長はいいとこのボンボンで、まだまだ出世する男である
少なくとも2年経てば、再び本庁に昇格して戻るとの噂である

もう一人、女性の事務員が赴任してきた
私好みで、色気のある一癖ありそうな女、人妻である
着任早々、暴走族の乗るような車に乗り、派手な服装で出勤し、ギャーギャー
喋り捲る・・・・・・・・変わった女だ

私の席は所長の目の前、女の事務員の席は私の前
否が応でも顔を上げると女の顔が見える
この女、やはり癖がありそうだ


「おう・・伊藤よ、お前、昔ヤンキーだろ?」


女事務員は手の甲にクリームを塗り、摺りあわせていたが

「そんなことないです!あの車は旦那の車、私、背が高いから軽四は嫌なんです」

「ほう・・それに、お前の化粧と着ている物、派手じゃないか?」

「そうですか?私、まだまだ女、捨ててないですから・・・」


江島は笑った
こいつは面白い
これで1年間は楽しめそうだ


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