BBS2 2008/12 過去ログ



こころ清き人 45
道明 12/29(月) 23:22:54 No.20081229232254 削除
早朝の電算室長席に電話がかかる

「山本一郎さんよ・・・どうなってるんだい?俺を舐めているのかい?あれからもう1ヶ月以上経ってしまったじゃないか・・ええ」

「やぁ・・蓬莱さん、私もあれからいろいろ悩みましたが、漸く決心がつきました・・今夜、知子に離婚の話をすることにしました」

「そうかい・・・また、怯むんじゃないだろうな?ええ・・一郎さんよ」

「知子が承知するかどうかは別にして、離婚自体は形式上、今日中に成立しますよ」

「えっ?なんだって」

「私を騙して淫乱行為に耽っていた妻を、許したりはしないですよ・・・しっかりと、罰も知子に与えたつもりです・・本人はこれから気付くでしょうが・・」

「知子に罰を?・・おい!言ってることが分からんが・・」

「じゃ、切りますよ・・あなたと話すのもこれで終わりになるでしょう・・後は、あなたと知子の問題だ・・もう、私には関係が無い・・じゃ」


一郎の机の上には離婚届の用紙がひろげてある
一郎は淡々と夫欄に署名して押印する・・そして、妻の欄も筆跡を変えながら
夫婦の協議離婚は離婚届が提出されると成立する・・役所は形式審査なのだ
夫婦と証人2人の署名・押印がされていれば、本人確認などしない
だから・・これに対抗するには離婚届の不受理の申出しかない
今の知子がこの申出をしていることなどありえない
知子は・・・夫の一郎を信じきっている


手に一輪の花を持った美恵子が顔を出す

「おはよう・・美恵ちゃん」

「おはようございます・・室長・・・今日は、お早いですね」

「ああ・・ちょっとね・・美恵ちゃん、君に話があるんだ・・明日の土曜、君のマンションに行っていいかい?」

「私のマンションに・・室長が?」

「ああ・・・大事な話だ・・・いいだろう?」

「・・・は、はい、お待ちします」

美恵子は震えていた、この女の直感が知らせている

・・一郎が何か行動を起こす、それが自分の運命にも関係すると
 そう伝えている・・・・・・・一郎の目と声色が、そう言っている

美恵子の心は一郎と出会った時から決まっている
・・・・・・・どんな運命であろうと、私はこの人とともに生きたいと


その夜

暖かい部屋の外は、白い雪が降り始めていた

そう・・・今年はホワイト・クリスマスになった

知子は一郎の帰りを待ち焦がれている

食卓には一郎の好物が並び

それは、知子が夫のために一生懸命に作ったものだ


玄関のチャイムが鳴る

知子は笑顔で愛しい一郎を迎える


ドアを開けると・・・・・・・・そこには、一郎の顔をした悪魔が立っていた

「知子・・・今、帰ったよ」

「あなた・・お帰りなさい」

「君も知ってる人が、いいビデオを貸してくれた・・・・・今夜は、そのビデオでも見て楽しもう」

「ええ、・・・あなた」

                    完



こころ清き人 44
道明 12/29(月) 23:20:18 No.20081229232018 削除
駅前の鄙びた喫茶店の奥
ひげ面の蓬莱と、スーツ姿の一郎が座っている

「ご主人・・ショックだろうなぁ、どうなんだよ?こんな奥さんとは別れちまいなよ」
「・・・・・・」

「いつまでも、そんな写真を見ていてもしかたないだろう」
「・・・・・・」

蓬莱は嵩にかかって一郎を追い込む
「それに、あんたの奥さんが淫乱で、俺の怒張を大好きと言ったビデオ・・見るかい?・・これだ・・・俺のマラで何度も逝っちゃてさぁ」
「・・・・・・」

「何だって?はぁ・・・その若さで大企業の管理職なんだろう?いくらでもいい女が相手してくれるよ・・・心配すんなって、なぁ」
「・・・・・・」

「もう・・しょうがねぇなぁ・・教えてやるよ、やり方を・・この写真とビデオを見せて知子をギャフンと言わすんだ・・あいつのことだ、私は無理やり犯されました、脅かされましたとか言ってんだろうが・・・・嘘つき女、サインしろ・・こういうこったぁ・・わかったかい?・・知子はあんたを裏切って、騙し続けているんだよ、このビデオを見れば良く判るはずだ」


初めて一郎が声をだす
「・・わかりました・・・妻と別れます・・この写真とビデオお借りできますよね」

「おお!やっぱりもの判りがいいねぇ・・大企業の管理職さんだ・・でもな、舐めるんじゃないぞ俺を・・そのビデオと写真はあげるよ、あんたの元妻の思い出の記念にしときな」


その後も、蓬莱は目的を果たしたことで上機嫌となり、自分が仕込んだ知子の性癖を、自慢げに一郎に喋り捲る

一郎はその一つひとつを頭に書き込んでいった・・・

(よくも私を騙したな、知子!・・・お前には、もっと、もっと・・・)


それからというもの

一郎は蓬莱と会ったことを知子には知らせず

蓬莱から聞き取った妻の性癖の、一つ一つを確認するかの如く毎夜、知子と愛し合う

知子は夫の積極性に驚きながらも、自分が望んでいた夫婦の契りに溺れていく

それが毎夜続く、また続く

もう、知子の身も心も、完全に夫の一郎から離れられなくなる

そうだ・・・これが一郎の描いた知子のあるべき妻の姿、知子が望んだ夫との関係

やがて、一郎の待っていた、その時が来た



こころ清き人 43
道明 12/29(月) 23:17:30 No.20081229231730 削除
電算室長の机には、今日も一輪の花が生けられている
書類に目を通す一郎の姿が、以前より男を感じさせる
それが何か・・・・その男に愛を捧げ、自分を女にした男だからか・・


「室長・・お茶をお持ちしました・・・それと手紙が届いております」

「そう・・・有難う、美恵ちゃん」


近づいてくる美恵子の姿を見つめる一郎
美恵子の心がときめく・・・・・・・やはり、違う、以前と違う
立ち去ろうとする美恵子に近づき一郎が抱きしめる


「イヤ・・・一郎さん、やめて・・・ここは、あなたの仕事場です」

「あっ!・・・ごめん、美恵ちゃん」
一郎は美恵子の言葉で我に返った


美恵子が退室すると、一郎は郵便物に目を通す

(なんだ!これは?)

それは、蓬莱からの封書・・・・開けてみると、手紙と写真が入っていた

 知子の主人へ
 是非、一度会って話がしたい
同封した写真のネガ
その他にも、別途撮影したビデオテープあり、それもあなたに渡したい
あなた自身はもちろんのこと、知子が大切と思うなら、必ずくるように・・・


 写真は、知子が男の怒張を咥えているもの・・・
     騎上位で二人の男と交わっているもの・・


・・・・・あぁ・・知子・・こんなことまでやらされていたのか!

(蓬莱のやつ・・破れかぶれになって、私に絡んでくるか・・・・いいだろう、とどめを刺してやる・・・・・あんたの考えているようには絶対にならないんだよ、蓬莱・・元先生・・・・・・あんたは知子を抱いたことで地獄に落ち、その夫が私であったことで、その地獄からは這い出せないんだ・・・・・思い知るがいい)



こころ清き人 42
道明 12/29(月) 23:15:48 No.20081229231548 削除
11月になり
一郎は東京でのプロジェクトを完了し大阪に復帰した
妻の知子も実家での療養から一郎の元に戻ってきていた
今、二人は寝室にいる
そして、知子は髪を梳かしている・・


「ねぇ・・あなた、美恵子は元気?」

「ああ・・美恵ちゃんはいつもどおり・・変わりないよ」

「あなたと美恵子のこと、疑ったりしてごめんなさいね・・私、あの時どうかしてたわ」


ベッドに先に横になっている一郎の横に知子が腰を降ろす
一郎の鼻に香水の匂いが届く


「ねぇ・・あなた・・今夜、いいでしょう?」

一郎の返事を待つことなく、知子は夫のパジャマのボタンを外す
自らもパンティだけの姿になると改めて一郎の顔を見る

「ねぇ・・・・あなた」

「うん・・・・ここにおいで、知子」


知子は一郎の腕の中に入り込む
久しぶりの夫婦の契りはキスから始った・・・・・

しばらくして愛のかたちが変わる
妻は夫の男根を・・そして夫は妻の女陰を愛撫する
夫も妻も・・・・それぞれ、別の異性と経験している
そのことを夫に知られている知子は、より積極的だ
・・もう蓬莱に教え込まれたテクニックを隠す必要は無いし
・・夫に尽くすことで、夫からも快楽を与えて欲しいと思っている

オスの激しい息遣いとメスの甲高い淫声が混じりあい
夫婦の寝室は果てしなく淫靡な痴態が繰り広げられていく

一郎は知子のしなやかな両脚を自分の肩に担ぎ上げ
激しくピストン運動を繰り返している
知子は頭を左右に振り、夫から与えられる快感を貪っている
そして
これまで夫婦の契りで聞こえることの無かった
知子の絶頂の叫びが、初めて一郎の耳に響いた



こころ清き人 41
道明 12/29(月) 20:23:05 No.20081229202305 削除
月曜日の放課後の職員室
知子に蓬莱が周りを見渡しながら近づいてくる
蓬莱は、調子に乗ってそっと知子の肩に手を置き、服の上から乳房を撫でた

「イヤ!!何をするんですか!・・・蓬莱先生」

知子が大声をあげた
俯いていた先生が驚いて一斉に顔をあげる
教頭が声をかける


「どうかしたんですか?山本先生」

「教頭先生・・蓬莱先生が私の胸を、胸を・・」

「えっ!」

先生全員の疑いの目が蓬莱に注がれる


「私は何も・・・」

「していないのですか?蓬莱先生!教頭の私は見ていましたよ・・さっき、あなたがしたことをね」

「ちぇっ!見てたのか?・・で、どうするの?教頭先生」

「まぁ・・校長室で、お話しをお聞きしましょうか、蓬莱先生・・・私はね、気付いていたんですよ・・あなた、随分前から山本先生にセクハラしていたでしょう!」

俯き胸を押さえている知子を睨みつけながら、蓬莱は校長室へと消えていった・・

地域社会の悪徳教師に対する批判の高まりも考慮して、教育委員会の動きは素早かった
1週間後には、蓬莱に懲戒免職処分が決定された
処分理由は同僚教師へのセクハラ行為を繰り返していたというものだった
その対象教師である知子は、蓬莱のセクハラ行為等による、精神疾患で6ヶ月の自宅療養を申請し、すでに学校から休職辞令が手渡されていた

そう・・このシナリオは一郎が知子に伝えたものだった



蓬莱は自宅で寝転んで天井を睨みつけている
そして、ビデオ再生の映像がうつるテレビ画面に目を向ける
知子との最初の旅行で秘密に撮影したベッドシーン
知子の痴態が次から次と映し出される

よくも知子のやつ
こんなことをして、俺と別れることができると考えていたなんて
・・・・お陰で退職金も収入も消えてしまった

ふん!・・・
これで俺も本気で知子に食らい付かなければ生きていけなくなった
見ていろよ、知子
こちらには、あの最中のこのビデオテープがあるんだ
これを見た仕事一筋のお前の亭主が、どんな顔をするか

お前のからだはもう、俺からは離れられないんだよ・・知子
そんな事も自覚できていないのか・・・・ええ、知子
まあいいや
知子・・亭主からお前を堂々と奪った後で、キツイお仕置きをしてやるから
待っていろよ





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こころ清き人 40
道明 12/29(月) 08:57:24 No.20081229085724 削除
黙々として、美恵子の作った朝食を食べる一郎
その様子を見て美恵子は願った

(昨夜のこと・・決して謝らないで一郎さん)


一郎が箸をおいた、そして美恵子を見つめる

「美恵ちゃん・・・知子は不倫ではなく、2年前の親睦旅行で学生二人と蓬莱に無理やり犯され、脅かされて関係を続けていたと言うんだ」

「知子さんが犯されて?・・・・いちろ・いや、室長」

「美恵ちゃん!もう、一郎でいいよ・・・美恵ちゃんへの誤解は解けたんだけど・・・君とは、知子が心配していたとおりになって・・・」

「室長、いや一郎さん・・・聞いていいですか?」

「何かな・・・美恵ちゃん」

美恵子は核心を問う
「・・・・後悔されていますか?昨夜のこと・・・知子さんが不倫じゃないんなら」

「後悔?・・いいやそんなこと思わないよ、美恵ちゃん・・・私は知子も大切だが、ずっと君を愛していたんだと思う・・・昨夜、そのことが良く判った・・君の気持ちもね・・」


一郎は、腰掛けている美恵子を後ろからそっと抱きしめる

「美恵ちゃん・・・君がいない人生など、私はもう考えられない・・好きだよ、美恵子」

一郎が美恵子と呼んだ・・・

美恵子は頸を傾け、一郎にキスをせがむ
そのしぐさに、一郎は頬を寄せ美恵子を強く抱きしめ、唇を合わせる

一郎が変わり始めている・・・・
この男が心血を注ぐシステム開発の過程には、必ず悪魔と天使が現れる
そう、カオスの世界をシステム化するには・・・・徹底した現状の分析に拠って、天使のように大胆に構想を練り理想の姿を描く、次に実践段階には悪魔の如く細心になって、実行していくことが必要なのだ
この男、一郎はそれを身に纏っている・・・

一郎は美恵子と甘いキスをしながら
ふと鏡に映る自分の姿が目に入った、手は好きな女を優しく抱きとめ、そして目はその女の顔をみる優しいものから、次第に厳しい眼差しに変わっていく・・・・

(兎に角・・・妻の知子を犯したという・・あの蓬莱は絶対に許せん!)



こころ清き人 39
道明 12/27(土) 21:27:04 No.20081227212704 削除
あくる朝、二人はまだベッドの中にいる
今朝は霧がかかっている
霧の中から、仄かに陽の光が部屋中に差し込んでくる
美恵子が先に目覚め、一郎にキスをする
すると、一郎が目覚め美恵子を抱きしめる
二人には・・・・昨夜の余韻がまだ残っていた

美恵子が起きだし、シャワーへと向かう
一郎が暫くして後を追う
部屋を出るとき一郎が振り返った・・・・
シーツに付いた処女の赤い証

シャワー室から美恵子が先に出て、朝食の用意にかかる
一郎はまだシャワーに打たれている

(知子・・私も・・私も、こんな時に美恵ちゃんを)

一郎は昨夜の美恵子とのセックスを思い出していた
あんなに興奮した思いは初めてだ
そして、知子とでは得られなかった充実感

(愛か?互いに相手を思いやる心か?それとも、妻が犯されたことへの腹癒せか・・・)


一郎は強くシャワーの水を顔にぶつける

(夫婦とは何なんだ・・他人も羨む充実した生活・・幸せな家庭と思っていた・・・・それが、妻が他人に犯され、その男との関係を夫に内緒で続けていた・・私も、思いを寄せていた女性をこの手で抱いてしまうとは・・・夫婦なんて・・絆なんて・・信頼なんて)

シャワーの水を口内にぶっかける

(あぁぁ・・これじゃもう夫婦と言えないじゃないか・・)


「一郎さん・・・もう出てきて・・・朝食の用意が出来ましたよ」
美恵子が室長と呼ばずに「一郎さん」と呼んだ

「ああ・・美恵ちゃん、ありがとう・・直ぐに行くよ」

一郎は思った
さあ・・厳しい現実に引き戻されると、それぞれがしたことの責任を取らねばならぬと

(うん?)

 何かが囁く

・・一郎・・一郎・・お前は何を悩んでいるんだ
知子を信じているのか?
犯した男と旅行をし、あんな表情の顔をするもんか、あれは楽しんでいる顔だ
よーく覗いてみろ、お前の妻の心の中を・・・お前は馬鹿にされているんだ
それに比べて、美恵子はいい女だ・・・妻にしたかったんじゃなかったのか
それに、もう抱いてしまった
今からでも遅くはない・・ほんとにいい女だ・・・美恵子は
やり直すんだよ人生を・・・

(美恵子と人生をやり直す?・・駄目だ・・今、妻の知子を見捨てるなんて)



こころ清き人 38
道明 12/27(土) 08:56:52 No.20081227085652 削除
東京本社のシステム開発室にいる美恵子に、一郎から連絡が入った
知子が大阪に帰ったと・・・

美恵子は夕刻に一郎のもとへ戻ってきた
一郎は昨夜からの疲労で、寝室でぐったりと熟睡していた
美恵子の手が、眠っている一郎の髪を撫で、頬へと流れる

(知子さんの前でこの人を好きだと言ってしまった・・でも、この人の心はまだ・・)

美恵子の唇が一郎の唇に重なる・・優しく、さらに優しく
美恵子はまだ男を知らない
そうだ・・・キスもこれが最初だ
ただ、ただ・・優しく重ねる

「うーん・・・」
一郎が目覚める
一郎の視界に優しく微笑む美恵子の顔がぼんやりと映る

「ああ・・美恵ちゃん、帰ってきたのか・・・お疲れ様」

「室長こそ、大変お疲れでしょう」

「ああ・・でも美恵ちゃんには心配をかけたね」

微笑む美恵子に秋の夕日が映える
再び美恵子の唇が一郎に重なる
今度は少し口を開いて、舌で一郎の唇をくすぐる

「えっ!美恵ちゃん?何を・・」

寝室にさしこむ夕日は少しずつ弱まり、部屋の色がブルーに染まる
その中で乙女が衣服を脱いでいく
ブルーの闇の中に、白い裸の乙女が立っている
その乙女は微笑みを絶やさず、そっと一郎の蒲団の中に入っていく


「あぁぁ・・・・・・・美恵ちゃん、どうしたんだ?」

長い黒髪が一郎の頬をくすぐる
そして、乙女の白い乳房がゆらゆらと揺れ
一郎の口元に可憐な蕾が近づいていく
乙女は愛しい男の髪を撫で・・・男の瞳に愛を送り込む


「室長・・・お願い・・・私を抱いて、抱いてください」

「美恵ちゃん・・・君は?・・・私も、君が好きだった、ずっと・・好きだった、美恵ちゃん・・・・・でも、それはもう過去の・・」

「いいえ、まだ続いている・・・続いているの・・・室長、やっと、やっと・・ねぇ・・・私を、私を抱いて・・」

一郎は目を瞑った
甘い蕾が口の中に送り込まれる
自然と舌がその蕾を舐める

何時しか、夕日は沈み月の光が二人を照らしだす

一郎の頭の中に、犯されたとはいえ知子と変人教師の肉交の情景が浮んでくる
そして、あのうっとりとした表情の妻の顔・・・・

(くそ!・・畜生!・・)

目の前には、一郎を愛している女がいる
ずっと、一郎を愛し続けていたという女だ
男根が硬さを増していく・・・・・・・
一郎は美恵子の乳房を強く握り締める
そして、怒張が美恵子の女陰に近づいていく

(美恵ちゃん・・・)

「うっっ・・・一郎さん・・・うれしい・・・あぁ・・」

一郎はゆっくりと・・そして、優しく・・挿入を始め
美恵子の華奢な白い手が、一郎の両頬を撫でた



こころ清き人 37
道明 12/26(金) 20:04:58 No.20081226200458 削除
一郎は昨夜、美恵子から手渡された知子に関する報告書を何度も読み返し
妻の不貞に対する怒りで一睡もしていなかった
それがどうだ
知子が2年前の親睦旅行中に同僚教師と学生二人に犯されていたなんて
その同僚教師に脅かされて関係を続けていたと・・・・

気が付かなかった・・・・
そう言えば・・・・卒業写真に感じた違和感
それに、夫婦の営みで妻に変化があったはず!!
一郎は妻との生活を淡々と送っていた自分に腹が立つ
理由はなんにせよ、自分の妻がもう既に他人と肉体関係にあるという事実
もはや、取り返しが付かない
一郎は、妻への同情や哀れみよりも、妻が汚されたこと
そして、他人によって妻がいいように扱われることに我慢がならない
しかし、もう遅すぎる・・・・


「許すも許さないもない・・知子の話が事実なら、君は犯罪被害者なんだ。君と二人で蓬莱と戦うしかない・・・とにかく、学校には迷惑がかかるが、君はすぐに休職させてもらえ・・そして、蓬莱とは一切接触を断つんだ・・・しかし、君がこんなことになっているなんて」

一郎は深いため息とともに目を瞑る


知子はホッとして、目を細めた・・・・しかし、不安はまだある

夫の理解を得たと思った知子だが、美恵子の存在が気になっていた
主人のことを私の前で、好きだと言った
これは、明らかに妻である知子への戦線布告だ
知子が一郎を試す

「・・あなた・・ベッドの側に女の人の髪の毛が・・」

「えっ・・髪の毛?・・それは、たぶん掃除の時にでも付いたんだろう。昨日、美恵ちゃんが寝室を片付けてくれたから・・」

一郎の言葉には淀みがない

「あなた、あなたは清廉潔白でほんとうに優しい人・・・だから、余計に私は心配なの・・藤崎さんとあなたが一緒にいるのは嫌なの・・・こんな私が言えたことじゃないかもしれないけれど・・・あなたが心配なの」

「そのことは、美恵ちゃんも同じようなことを言っていたよ・・でも、私がお願いした。それほど今度の仕事は、私の将来を決定するほどの大プロジェクトで難航している・・・今、少し彼女の助けが必要なんだ・・・知子、分かって欲しい・・彼女は仕事のパートナーで、この家は寝泊りができる職場なんだ」


知子には理解できないが、一郎の気持ちは本当のことなんだろう・・

「そうね・・・私、心配だけど、あなたを信じます。あなたの言うとおりに、私は学校への休職手続きをして待っています・・・だから早く帰ってきて、あなた」

「ああ、早く帰れるように頑張るよ・・私が帰るまで、君は実家に帰っている方が安心だ・・・絶対に蓬莱と会うんじゃないぞ」

「ええ・・・そうします、あなた・・有難う、あなた」



こころ清き人 36
道明 12/26(金) 00:03:24 No.20081226000324 削除
知子がリビングに入ると、一郎が珈琲を飲んでいる
一郎は昨夜から一睡もしていない

「おはよう・・・あなた」
知子は一郎に目を合わせられない

「あなた・・・・藤崎さんは?」

「彼女は会社に出かけた、何しろシステム開発の大詰めの段階だから・・」

「そうなの・・・土曜日だというのに、本当に大変なのね」
知子は作り笑いを一郎に見せる


「そんなことを君が心配しなくていい・・・それより、なんだ、この写真の君は!!」

その写真は旅館から出るときに撮影された、知子と蓬莱の写真だった
知子は一郎の前の椅子に腰を掛け、目を伏せながら話し出す

「あなた・・あなた、ごめんなさい・・私、2年前の夏の親睦旅行。そこで二人の学生と蓬莱先生に・・私、無理やり犯されてしまって・・」
知子の目には涙が溢れている


「なに?2年前に・・・犯された?」
・・・・・・そのことは報告書には記載がない

「そう・・私を犯した蓬莱先生に脅かされて、3度も二人だけの旅行をさせられたの・・・そして、あなたが東京に赴任してからは自宅にも呼び出されて・・」

「えー!・・・・」

「私、犯されたことをあなたに打ち明けるべきだった・・でも、あんな変人に犯された私を、あなたがどう思うかと考えると、私、怖くなってしまって・・その後、蓬莱先生の要求は酷くなるし・・・・私、もうどうしていいか分からなくて言いなりになってしまったの」

「そんなことが・・それじゃ、この写真、今年の山陰への旅行の時のこの服装やメイクも、蓬莱の仕業なのか?」

「ええ・・そうなの」

知子は満身に恥ずかしさを漂わせ、そして一郎に辛い表情を見せる


一郎が手にしている写真が震えている・・

それは、女性教師の服装とはほど遠く
ストッキングをしていない太腿も露わな原色のワンピース姿
小ぶりな乳房の知子だが、それでも膨らみの見えるほど胸の部分がカットされている
顔のメイクもまるで普段の知子と別人だ


「蓬莱のやつ・・・なんてことをさせるんだ」

一郎はその写真一枚を見ただけでも激しく興奮し、理性がなくなってくる
蓬莱と腕を組んでいる写真・・・蓬莱の手が知子のお尻を触っているもの
肩を抱かれ、蓬莱の手が太腿にあてられ、うっとりとした表情の知子・・

「あぁ・・・」  一郎はため息をつく

「ごめんなさい・・・言うことを聞かなければ、あなたにばらすと脅かされて」


「それじゃ・・・・知子、君は不倫じゃないと言うんだな?」

「ええ、私があんな変人となんか不倫などするもんですか・・犯されたんです」

「でも知子・・君のこの表情!脅かされて無理やりやらされている顔なのか?」

「それは・・・ごめんなさい・・・一緒にいるときは蓬莱の妻の振りをしろと・・愛し合ってる夫婦の顔を見せろと言われて」

「これが愛し合っている夫婦の妻の表情か?知子・・・・今までに、こんな君の顔を私は見たことがない・・・それに、私たち夫婦も愛し合っていたはず・・」

「信じて、あなた・・・その写真の私はやらされているの!私はあなたが大好きなの」

「・・・・そう信じていいんだな、知子」

「あなた、私は嘘なんかついていない・・あなた、信じて・・そして、こんなになった私を助けてくれるのはあなたしかいない・・ねぇ、あなた・・お願い」

知子は涙を流しながら必死の懇願を続ける



窓明かり
BJ 12/25(木) 01:32:14 No.20081225013214 削除
 第十一話〜赤い闇〜


 青木に教えられた六本木の「SEED」は、蒼みがかった照明の印象的な、どこか深海を思わせる雰囲気の小さな酒場だった。ホステスもいない、老いたマスター同様に枯れた雰囲気の漂う店内に、私は足を踏み入れた。


『正確な住所までは分からなかったのですが、どうやらこの「SEED」の周辺に赤嶺は居をかまえているようです。それで、時折、ふらりとここへ立ち寄るらしいのです』

 ―――ということらしい。

 もちろんそれが今夜のことか、明日の夜のことか、それともずっと先のことなのか、もちろん分からない。しかし、それ以外の手がかりが見つかるまでは、ずっとこの店に通いつめる気持ちになっていた。
 かつて前妻の玲子を亡くしたとき、私は一度何もかもを失った気になった。
 そして数年後に出会った詩乃は、私が亡くしたものと同じくらい価値のあるものを私の生活に運んできた。
 私にとって、彼女との出会いは、暮らしは、転機であり、再生であり、何よりもかけがえのないものだったのだ。その大切な中身がいつの間に掏り取られていたことに、私は気づいてもいなかった。

 詩乃、と私は胸の内で妻に呼ぶかける。
 君には分かるか、それが私にとってどれだけ残酷なことだったか。
 そして、まだ会ったことのない赤嶺という男。
 お前にとっては―――遊び半分のことだったかもしれない。詩乃は私より十以上も若く、美しい。その潔癖さを感じさせる美しさは、たしかに汚したくなる種類のものだったかもしれない。私自身、そんな衝動に駆られたことがないとはいえない。だが、お前が汚したのは妻だけではないのだ。
 会わずにはいられなかった。たとえ危険な男だろうが、面と向かってこの老いぼれの憤怒を、やるせない想いをぶつけてやらなければ気が済まない。今まで写真の中だけの存在だった男が、青木の電話で実体を持って近づいてきたときに、私の内側に生まれたのはそんな感情だった。


 店の奥のカウンターに、私は腰かけた。
 古いジャズが流れている。私はドライ・マティーニを注文した。
 ふと携帯を見る。十五分前に、妻からの着信があった。きょうだけで三つ目の着信だ。ふつか酔いの顔面蒼白で出て行った私を心配しているのか、それとも昨夜の今日で、私の態度の変化に何事かを勘づきかけているのか。
 詩乃は焦っているのかもしれない。
 『だいすき―――』、あの囁きで誤魔化しきれなかった嘘に、私がようやく気づいたのを薄々と感じているのかもしれない。
 ずきり、と胸が痛んだ。それがどういう種類の痛みなのか、或いは恐怖なのか、それも私には判然としなかった。分かっているのは―――これまでの自分が道化だったという事実だけだった。
 赤嶺と対決したら、その後には妻が待っている。私は順序を間違えているのかもしれない。この期に読んで、妻との対峙を先延ばしにしているのは―――ただの未練だ。これまでの歳月にぎゅっと詰まったものへの未練。しかし、それが未練にすぎないことも、分かりすぎているくらい、私には分かっていた。


 カクテルの底に沈んだ照明の光が濃度を変えているのを見つめながら、もの思いに沈む私の目に、ふと、バーの扉が開くのが見えた。
 背の高く、肩幅の広い男が入ってきた。鷹のように鋭い目つきにひそむ、どこか不遜なかがやき。
 間違いなく―――赤嶺だった。写真で見た印象よりは幾分年上で、四十も半ばを過ぎた頃のように思えたが、なめし皮のような皮膚も、白髪の一本もない髪も、ただならぬ精気に満ちていた。
 赤嶺はひとりだった。一瞬、その目が私の顔を通り過ぎていったが、何の反応もその表情にはあらわれなかった。
 赤嶺は私とは逆側のカウンターに座った。ウイスキーを注文し、咥えたキャメルに火を点けて、盛大に煙を吐き出している。
 私は―――立ち上がった。ともすれば震えがちになる片手にグラスを抱えて。その震えは恐怖ではなかった。相手はどう見てもまっとうな素性の人間と思えない雰囲気を漂わせていたが、ことここに至って、私が対峙しているのは妻を寝盗った男というばかりだった。ただ、それだけだった。
 だから、私は震えていたのだ。

 隣席に無言で陣取った私を、酒杯を舐めながら赤嶺はちらりと見た。
 そして、私が言葉を発する前に、言った。
「あなたの顔には見覚えがある」
「―――――――」
「秋原真さん、ですね」
 そう言って。
 赤嶺はにかり、とわらった。
 虚を突かれた私は一瞬戸惑ったが、この男が私の顔と名を知っているのは教えた人間がいるからで、その可能性のある者は妻しかいないという事実にすぐ辿りついた。
「詩乃から聞いたのだな」
 怒りで舌が麻痺したかのようだった。
「それ以外にだって可能性はあるでしょう。あなたは月刊Rの編集長で、マスコミ畑の人間には多少なりと知られた存在だ。―――まあ、こんな言い抜けはくだらないから、よしますがね」
 ぬけぬけと口にして、赤嶺はまた紫煙を吐いた。
 その肩を、私は渾身の力を込めて掴んだ。
「ふざけるな―――!」
 赤嶺はひそとも眉を動かさなかった。
「失敬。あいにく、こんな口のきき方しかできない人間でね」
 きなくさい雰囲気をかぎ取ったマスターが振り返り、厭な顔で私たちを見つめた。「お客さん、荒っぽいことをはじめるなら外に出てもらいますよ」
 赤嶺は両手を上げて見せた。「彼もああ言っているし、あと数分は話し合いに努めませんか」
「お前と話すことなどない」
「初対面でお前呼ばわりとはずいぶんですな。だが、聞きたいことはあるはずだ。そうでしょう?」細まった目が私を見つめた。「たとえば、先ほどあなたが口に出した名前について」
 これほどふてぶてしい男を、私は初めて知った。ジャーナリズムの現場でずいぶん場数を踏んできたつもりだったが、今、相手にしているような男は見たこともなかった。
「・・・・・・・いつからだ」
 腹の底から絞り出すように私は訊いた。
「いつから詩乃と知り合った。いつから・・・・・・深い仲になった」
 おや、というように、赤嶺の太い眉が動いた。「それすらまだ聞き出していないのですか? 彼女から」
 私は答えなかった。
 値踏みでもするような目で赤嶺は私を眺め、それから言った。「ふうん―――、年格好や容姿はよく似ているのに、どうやらあなたは『彼』とはずいぶん違う人間のようだ。まあ、それも聞いてはいたが」
「誰の―――ことだ」
「死んだ柏木英輔氏のことですよ。彼女の夫―――前の夫の。先ほど、いつから彼女と知り合ったと聞きましたね? それはまだ、彼が生きていた頃からです。もう十五年ほど前のことになるかな。あなたの後半の問いに対する回答も同じことだ」
 それは。
 それはつまり。
「英輔氏が生きていた頃から―――詩乃と不倫関係にあったということか」
 十五年もの長きにわたって。あいだに前夫との死別、私との再婚をはさんで。
 だが、そう言った私を見返す目に、嘲弄するような光が灯った。
「不倫ね―――。どうやら、あなたには誤解があるようだ。マスコミの人間らしくもない」
「何だ、と―――」
「柏木詩乃―――いまは秋原詩乃ですか。ともかくも私は常に、彼女にとってオブザーバーのような立場だった。つまり、お仕事ですな」
「分かるように言え」
「私がまだ二十代だった彼女と寝たのは、幾度か孕ませたことすらあるのは―――その所有者に依頼されたからです」


 所有―――者?
 孕―――ませた?


「つまり、夫ですよ。あなたではなく、その前の。―――もっとも、あれが世間一般でいうまっとうな夫婦関係だったかどうかは、さだかではありませんがね」

 赤嶺はくぐもった笑い声をあげた。



こころ清き人 35
道明 12/24(水) 18:39:19 No.20081224183919 削除
知子は青ざめたまま黙り込んだ・・・
その様子を見た一郎は、珈琲に一口付けると大きく息を吸い込む

「知子・・知子・・・いったい君に何があったのか、話してくれないか」

知子は沈黙する

「室長・・・これが私に届いた調査会社の報告書です」

美恵子が一郎に分厚い封筒を手渡す


「美恵ちゃん・・・君は先にやすんでくれないか。私の家庭のことに巻き込んでしまって申し訳ない・・妻の君に対する誤解は私から話しておくから、安心して」

美恵子は一郎の顔を見つめ、席を立った


一郎が知子に語りかける

「知子・・・私と美恵ちゃんは何もないよ・・・それは、君ならわかるはずだ。私が女と遊ぶ男かどうか・・ましてや、君を裏切って部下の女性を抱く男かどうか・・・・もしも、もしもだ・・私が君以外の女性を抱くとしたら・・それは、君と別れた後だ・・・私はそんな男だろう?」

「・・・そう・・・そうね、あなたはそういう人だった・・でも、二人が並んで座っているのを見ると何だか妬けちゃって・・あなたを盗られたと思ってしまって・・ごめんなさい」

一郎は傷心している知子の肩を抱き寄せる


「もう今日は疲れたろう・・話は明日にしよう・・君は私のベッドで寝るといい」


「・・・あなた・・有難う・・」


知子は一郎の寝室で薬を飲む
精神安定剤だ、睡眠をとるのに薬の助けが必要な身体になっていた
モンスターペアレントの対応で傷ついた心が、蓬莱との関係で更に深い傷となっている

(ああ、とうとう夫に知られてしまった・・どうしよう?どうしたらいいの・・)



翌朝・・・朝の光が知子の顔を照らす
その光が、知子にこれまでのことを正直に一郎に話すように囁く

(そうするわ・・・そうしないと・・私・・もう、もどれない)


知子はベッドから起き出し、朝の光を全身に受ける
寝室に備えつけられた鏡に知子の全身が映っている
髪をかき上げポーズをとる
パンティを身につけただけの知子の白い肌に陽があたる


(どこまで正直に夫に話すの?・・・知子)


知子の白い肌に、男の手が這い回る
その手が形の良い乳房をギュッと握り締め・・乳首を弾く
知子の横顔にキスをする蓬莱の顔が浮ぶ


(駄目だわ、やはり全ては話せない・・きっと夫は私を許さない、そして藤崎さんに・・)





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こころ清き人 34
道明 12/23(火) 21:00:44 No.20081223210044 削除
知子は攻撃の相手を美恵子に向けた

「藤崎さん、中学の卒業以来かしらね・・・あなたに会うのは」

「はい・・・・・・」
美恵子は知子の顔を見ないで応えた

「あなた・・私の主人をどうしたいの?女の私には分かる・・あなた、色目を使って主人を誘惑しているんでしょう・・・どうなの?はっきり言いなさいよ・・もう主人に抱いてもらったの?」

「知子!!君は・・・なんて事を言うんだ・・美恵ちゃんに謝れ!」

一郎は、矢面に立ち自分の大切なものを守ろうとする
美恵子はそんな一郎の腕を掴んで押しとどめる
その美恵子の仕草を見た知子は更に激高した

「やめて!藤崎さん・・・私の主人に触れるのは!!」

「どうしたんだ、知子・・・変だぞ、今の君は」

美恵子が顔を上げ、知子を見据えて話し出した
「室長は知子さんが考えているようなことは絶対にしません・・ただ、私は・・」

「ただ?・・・なによ」

「私は・・私は室長が好きです・・・ずっと、昔からあこがれてもいました・・・」

(えっ!何を言い出すんだ、美恵ちゃん)

「ほら・・ごらんなさい・・・一郎さん」

一郎は黙って俯いている
・・一郎はかつて美恵子を妻にしたいと思い、何度もデートに誘っている
しかし、その美恵子には好きな男が別に居ると思っていたのだ・・・それが


なんと美恵子は好きな男の妻がいる、このような場面で告白をしたのだ
そして・・

「室長は私に気を遣ってくれて、優しくしてくれました・・でも、それは仕事上のこと・・・室長はいつも仕事が第一で、女性のことは妻の知子さんだけ・・でも、その、知子さんがしていることを何も知らない室長が、お気の毒で、私は苦しくて・・」

「えっ??」
知子と一郎は同時に声をあげた

「奥さんが不倫しているのに、困難な仕事に一生懸命に頑張っている夫・・・そんな室長が可哀そう・・・・だから私ができることは何でもしてあげようと」

知子の顔がみるみる青ざめていく
そして、驚きの表情で美恵子を見つめる一郎

「み、美恵ちゃん・・・知子が不倫をしているって?」

「ごめんなさい、室長・・・私、室長に黙って知子さんのこと調べてもらいました」

「そ、それで・・・美恵ちゃん・・知子が?」

「はい・・知子さん、同じ学校の蓬莱という先生と二人で旅行をしています・・・今年の7月も合わせて、これまでに3回、それに8月からは相手の家にまで・・・」

「と、知子!!今の美恵ちゃんの話・・本当のことか??旅行は友達と行ったと言ってたじゃないか」

「・・・・そ、そんなこと・・」

攻守の立場が逆転した



こころ清き人 33
道明 12/23(火) 12:30:57 No.20081223123057 削除
玄関ドアが開く
知子の驚きと疑いの目が、出迎えた二人の男女に注がれる
夫の一郎と、少し後ろに隠れて見覚えのある女性が出迎えていた

「あなたは確か・・・藤崎さん?」
一郎は妻の第一声に驚き、二人の女性を交互に見つめる

「お久しぶりです・・・・知子さん」

「でも・・・どうして、あなたがここに?」

「ちょ、ちょっと待って・・・二人は知り合いなのか?」
美恵子が先に頷き、そして知子が一郎を見る

三人はリビングに入り、美恵子が珈琲を用意する
知子は黙って肘掛椅子に腰を降ろし、その対面の長椅子に一郎が座る
美恵子は珈琲を知子に、そして次に一郎に出して一郎の隣に腰を降ろす
知子の目に夫の一郎とその側に座る女性・・・美恵子が映る

(なんなのよ?この二人・・・まるで私が余計な者のようになって)
・・心が通じ合う者同士が持つオーラが漂っているように感じたのだ

知子の目がつりあがる

「ねぇ、一郎さん・・・私に分かるように説明して、どうして藤崎さんがこんな時間に、ここにいるの?」

「うん・・・藤崎君は私の部下で、ここの仕事を手伝ってくれているんだ・・知子、それより先に君と美恵ちゃん・・いや、藤崎君はどんな関係なんだ?」

「美恵ちゃんですって!!あなたと藤崎さんはそんなに親しい関係なの?」

「まぁ・・落ち着けよ、知子!・・藤崎さんは私より1年早く入社し、私が配属された電算室にいて、その頃からの同僚だ。今は上司と部下の関係だが、無二の仕事上のパートナーなんだ。今回の東京本社での厄介な仕事にも、わざわざ大阪から来て助けてもらっている。それだけだよ・・知子、変な勘違いをするなよ」

「勘違い?あなた、仕事は昼間にするんでしょう?私が聞きたいのは、こんな深夜にどうして二人でいるのか聞いているの?」

「知子・・・システム開発の仕事というのはなぁ・・昼も夜も、そして曜日も関係ないんだよ・・・教師の君にはわからないのも無理はないが、住まいも職場同然の感覚なんだ。何時プランが浮ぶか・・何処で対処方法に気が付くか・・それが電算システム開発の完成度を決定付ける・・まさに常時戦場なんだよ」

「戦場ね?・・・あなた、おとなの男女二人で楽しく語らい、お茶を飲んでいて戦争なんですね」

「知子!何が言いたいんだ」

知子は、一郎と美恵子・・二人を包むオーラに向けて容赦なく矢を射掛ける



窓明かり
BJ 12/23(火) 12:27:02 No.20081223122702 削除
 第十話〜冬の公園〜


「あなた、起きてください―――起きて」


 そんな声で、私は目覚めた。
 瞳を開けると、眼前に詩乃の姿があった。眉を寄せて、大きな瞳が心配そうに見開かれている。
「こんなところで寝て・・・・・風邪をひいてしまうじゃない」
 足もとの卓には倒れたグラスと空になったブランデーの瓶。そうか、昨夜はあれからぐだぐだに酔いつぶれて、そのまま居間のソファで眠ってしまったのだった、と記憶がよみがえった瞬間、ずきりとこめかみに痛みがはしった。
「あっ―――痛」
「大丈夫?」
「だいじょうぶ・・・・・ではない」
「困ったわねえ、今日は仕事お休みにできないかしら?」
「・・・・・そんなわけにはいかない」
 真実はそうではなかった。
 ただ、このまま家になどいられない、妻と向かい合っていられない―――そんなふうに漠然と感じただけだった。得体のしれない危機感のような感覚で。


 ―――だが、それはなぜだ?


 そんな問いを思い浮かべたときに、蘇ってくる情景があった。
 シーツの上に横たわる裸身。
 その肌身に刻みつけられた縄痕。
 そして―――


『誰でも挿れてOKの♀穴』


 なまめかしい下腹に浮かび上がった、そんな文字の羅列が蘇って。
 私は呻いた。

「やっぱりだめよ、あなた。辛そうだし、顔色が真っ青だもの。せめて午前中だけでもお休みになって。ね」


 散らかった卓上を片づけながら、詩乃は下から私を覗き込むようにして言う。


 ―――その肢体には、今も。


「本当にもう。無茶な飲み方をして・・・・・お年もお年なんだし、これからはもうすこ
し考えて節制しなくちゃ」


 ―――淫猥な男の痕が残っている。


「うるさい―――」
「え」
「うるさいと言ったんだ。すこし静かにしてくれないか」

 私は苛々した声音で怒鳴った。
 元来、悠長な性格で、怒ったり叱ったりすることのなかった私のそんな声に、詩乃の瞳が驚きで見開かれた。
 薄い唇が何か言おうとしてかすかに動き、結局、何も言わないまま閉じられた。そのまま詩乃は、黙ってテーブルを片づけた。ずきずきと痛む頭蓋を両手で押さえながら、私もまた黙ってそんな妻から目を逸らした。



 それからはろくろく言葉も交わさず、一時間も経たないうちに、家を出た。
『仕事へ行って来る』
 そんなふうに妻には言ったが、実のところ、きょうは職場へ出るきがしなかった。こんなとき、融通の効く仕事で、また立場でよかったと心から思った。
 ほんの少し傷ついた表情を残したまま、相変わらず何か言いたげな様子を唇の端に留めて、しかし妻は普段と同じように『行ってらっしゃい』と私を見送った。
 時刻はまだ早朝を少し抜け出たばかりで、冬の外気がひどく頬を刺す。頭の中にはまだ厭な酔いが残ったままで、それ以上に、心には無数の棘が、針が刺さっていた。


 真実を知りたいと思った。
 知らなければならないと思った。
 真実を知ってしまった。
 その後のことなど考えてもいなかった。

 いや、想像はしていたのだ。もしかして、ひょっとして、と―――。だが、最悪な想像はしょせん想像にすぎず、それを上回る現実を喉元に突きつけられた私は、ただひたすら混沌の渦の中にいた。
 怒りはある。哀しみもある。憎悪もある。
 これまで私を騙して、何事もないような顔をして、妻の役割を演じていた詩乃と、そして写真の中でしか見たことのないあの男―――赤嶺に対して。

 いつから始まっていたのだろう。
 あの縄痕。肢体に書かれた卑猥な落書き。
 それはどこからどう見ても、男と女の淫靡な結びつき、それもノーマルとは言い難い背徳的な関係を感じさせるもので。
 私の知る妻とはまるで縁のないようなその世界に、詩乃はいつからはまり込んでいたのだろう。おそらくは男の手に引かれて。
 あの男―――赤嶺は危険だと、青木は云った。


『どんな生硬い女であれ、触手を伸ばした相手を情事に狂わせるばかりか、人格性癖まで一変させるほど強烈に「仕込む」のだそうです』


 詩乃は情事に狂ったのだろうか。あの男に溺れたのだろうか。
 仕込まれたのだろうか。愛した男の快楽に応えるように。それを自身の悦楽とするように。
 それはいつから?
 そして―――


 どこまで?


 昨夜のあの悪夢のような瞬間に、私は詩乃を叩きおこして問い詰めるべきだったのか。細頸をつかまえて、この売女めと罵声を浴びせて、荒れ狂う感情のまま頬に二、三発お見舞いしてやればよかったのか。
 けれど―――それは私にはできなかった。そもそも、そういうことができない人間でもあるし、もうひとつ、行為に及んでしまえば、言葉にしてしまえば、決して戻れない場所へ私たちが行ってしまう、と―――そのことを無意識に悟っていて、怖かったからだ。
 私は酷い臆病者だ。そして愚かだ。
 もう二度と、もとの場所へなど戻れはしないのに。
 つよい北風が乾いたアスファルトの路面を吹きすぎていく。舞い上がった砂埃を避けて、私は目を瞑った。



 自宅から徒歩で三十分ほどの距離にある小さな公園。そのベンチに私は腰かけて、何時間もぼんやりと煙草を吹かした。そのほかのことは何にもする気になれなかった。

 気がつくと、寒々とした公園に人の影がふたつあった。

 ひと組の母娘だった。娘はまだ幼い。小さな赤いコートに緑の襟紐―――そんなクリスマスカラーの衣装がよく似合っている。おぼつかない足取りで、けれど元気いっぱいに毬をつき、また空中に投げ上げるなどして、ひとり遊びしている。
 娘を見守る母は―――藍色のコートに、黒い細身のパンツを履いている。地味な装いだが、長い髪を後ろでくくった横顔は、遠目にも分かるほど整っていた。歳のころは詩乃と同じくらいだろうか。小柄で細すぎるほど細い体型も合わせて、日本画から抜け出したようなという表現がぴったりくる美しい女だった。
 私が彼女らに興味を持ったのは、何も母親が美人だったからという理由ではない。無邪気な娘がひとり毬と戯れているのを見つめる母親の横顔には、たしかに愛しげな微笑が浮かんでいるのに、彼女の顔にはそこはかとない憂愁があって、妙に気にかかったからだ。
 どこか酷く不安定な―――しかしその不安定さこそが、この冬の色合いに沈んだ公園で、母親の存在を異質に浮き立たせていた。
 と、私の足もとに何かが当たった。毬だ。それに手を伸ばそうとしたらもう、娘の顔が近くにあった。瞳のつぶらな、可愛い子だった。髪を母親とおそろいのポニーテールにしていた。
「おじちゃん―――」
 毬を取って、と言われるのかと思ったら、娘はまじまじと私の顔を見つめ、「しつぎょうちゅうなの?」と言葉をつづけた。びっくりした。
「ちがうよ」思わず苦笑が出る。きょう初めての笑いだった。「ただ、ここでほんの少し休憩しているだけ」
「きゅうけい?」
 娘が小首を傾げる。しまった、難しすぎたか。―――だが、それならなぜ「失業中」は知っている。
 説明しようと口を開きかけたとき、遠くから母親が走ってくるのが見えた。
「―――すみません、この子がご迷惑をおかけしましたか」
 落ち着いた声音だったが、急に走った女の頬は紅く染まっていた。
「いや、迷惑なんてかかっていないですよ」
 私はこたえる。娘は母を振り返ってにこりとわらい、「おじちゃん、しつぎょうちゅうじゃないんだって」
「何を言ってるの」母親がめっと、娘をたしなめる。「失礼なこと言っちゃだめ」
「しつれいってなーに?」
 思わず、私はまたわらってしまった。困り顔をした女も、そんな私の反応に安堵の度合を深めたのか、うっすらとはにかむようにわらった。
「かわいい盛りですね」
「何でもかんでも、なーにと聞かれて・・・・・困ってしまいます」
 母親は呟くように言って、本当に困ったような顔をした。そんな表情のよく似合う女だった。
「いや、おめめのぱっちりした、本当にかわいい娘さんだ。きっと、将来はすごい美人になりますよ」
 あなたのような、とはさすがに口にはしなかった。
「ありがとうございます。このご近所の方でしょうか?」
「え? ああ、近所といえば近所ですかね。あなたがたは?」
「最近、こちらに越してきたんです。だから、まだ友達もいなくて」女はほんの少し切なげな目で娘を見た。「この子がちょっとかわいそうです」
「すぐにできますよ。娘さんにも、あなたにも」
 私が言うと、女は娘のように無邪気な、それでいてやはりどこか安定を欠いた微笑を浮かべた。
「ありがとうございます」
 そう言って頭を下げ、母娘は去っていった。母親の細やかな背と、その手を握る、跳ねるような足取りのクリスマスカラーが小さくなっていくのを、ベンチから私は眺めた。
 不意に、携帯の着信音が鳴った。見ると、青木からの電話だった。
 胸が騒いだ。
「あ―――編集長。お休みのところ、すみません」
 こちらの状態を慮るような気づかいあふれる声に、しかし私はそのとき、さざ波のような憎しみを感じてしまった。それを押し殺して、「仕事の用かね」と答える。


「ちがいます。編集長、すみません。あの―――赤嶺の居場所をつかんだんです」


 赤嶺。
 妻の―――相手。
 彼女を―――仕込んだ男。


「どう―――されますか?」


 かじかむ手で握り締めた携帯から、青木の声が聞こえる。
 もう一方の手指に挟んだ煙草から灰がまたぽつり、地面に落ちた。



こころ清き人 32
道明 12/22(月) 19:29:41 No.20081222192941 削除
9月になり、学校は第2学期が始まる

一郎は東京に行ったきり、一度も大阪には帰ってこない
・・それどころか、電話もあまりかけてこなくなった
知子は、さすがに夫の一郎のことが気になり始めていた


「あなた・・仕事は、上手く行ってるの?」

「ああ・・なんとか漸くゴールが見えてきたよ・・それにしても、知子が電話してくるなんて珍しいじゃないか」

「ええ・・私、まだ一度もあなたのところに行ってないでしょう・・・だから、次の土・日にそちらに行ってみようかと思って・・」

「・・・・次のって・明日じゃないか?」

「ええ、そうよ・・・明日、なにか不都合でもあるの?」

「いや・・突然で驚いただけだ・・じゃ、待ってるよ」
一郎が電話を切った・・・


夫の話す口調がどうも何時もと違う
それに、夫は自分から先に電話を置くことはしない
なにか・・・・
知子は一郎の微妙な変化を敏感に感じ取っていた

知子は時計を見る・・・まだ、東京行きの最終には十分間に合う


その頃、一郎は美恵子と夕食を共にしている
週末の金曜の夜には、美恵子が一郎の元に訪れる
そして、身のまわりの事はもちろんのこと、一郎の愚痴の聞き役にもなってくれる
美恵子が話す言葉・・・声、そして仕草が、困難な事業に正面から取り組む一郎の疲れた心を癒し、新たなエネルギーを生み出していた

「室長・・・奥様からの電話ですか?」

「ああ・・知子が明日、ここに来るらしい」

「それじゃ・・・私・・・」

「かまわないよ、美恵ちゃん・・・明日、知子が来たら紹介するよ。私がこんなに頑張れるのは君のお陰なんだから・・・」
一郎がそっと美恵子の肩を抱くと、美恵子優しい笑顔を見せる

「でも・・・・・・」

(この人は、人を疑がうことをしない・・・でも、ほかの人はそうではない)


その日の午後11時
知子が一郎の玄関のチャイムを鳴らす

「どなた?」
一郎の声だ

「あなた・・・私、明日が待てずに今日来ちゃった」

「知子!!」



こころ清き人 31
道明 12/21(日) 17:42:27 No.20081221174227 削除
小学校の夏休みももう終わりだ
知子は化粧台の前で、身につけているミニのワンピースに少し恥じらいだ
30歳前半の女性とはいえ、人妻が着るには丈が短すぎる
乳白色の素足が描く脚線美・・・・それが男の目を釘づけにしてしまう

汚れた台所に立ち、重なった食器を洗う知子
居間に寝転び、その後姿を眺める蓬莱の男根がぴくりと跳ねた
長い時間を費やして、ようやくこの女をここまでさせるまでになった
蓬莱の家庭は既に壊れている・・・・
家庭崩壊の代償として得た、美しい人妻との不倫関係
その人妻の性を自分の手で開発していく・・・・ああぁぁ、止まらない
蓬莱は男一人の気楽な生活だ・・・この女を手放したりしない

「山本先生、朝から申し訳ないなぁ・・・そんなことさせちゃって」

知子は一郎が東京に赴任すると
週に1度、蓬莱の家に呼び出され、家事をやらされている
洗い物が終わると、朝食を作る・・それが終わると、部屋の掃除・・それが日課だ

(そろそろ、ここでも嵌めてやるか・・・)
蓬莱はいきり立つ朝立ちの息子の慰め方を、美人の人妻教師の素足を眺めながら考えていた

「今日は一段といい艶してるじゃないか・・うん、この太腿は・・」

「あっ!やめて下さい・・蓬莱先生」

「いいじゃないか・・先生のこの生の素足を見ているとムラムラしちゃってさぁ」
蓬莱の手は太腿からパンティーの上から、お尻を撫でまわす
更に硬くなった己が男根を背後から押し付ける

「山本先生・・・欲しくないか、コレ・・うん」

「やめて下さい・・旅行の時だけとの約束じゃないですか・・」

「そう、そうだったか・・・しかし、今朝の私はもうこんな状態なんだ・・・いいじゃないか、山本先生・・・・そんな約束、守ったところでもう何にもならない」

「あぁ!やめて・・」
蓬莱は知子のパンティを引き降ろす、そして潤み始めた女陰に指を這わす

「ほらほら、私の息子が貴方の娘さんに会いたがってもうこんなだ・・・それに、娘さんもヒクヒクと喜んでいるじゃないか・・・」

「いや、やめて・・いや・・・・・うっ!」
蓬莱は2本の指で、女陰を甚振り・・・そして、唇を奪う

「やってみたかったんだよ・・・台所での立ちバックをさぁ」

「あっ!・・・」
バックからの挿入を果たした蓬莱の息子は
勢い良くダッシュを繰り返す

「山本先生・・・どうだい?朝の私の息子は元気がいいだろう?」

「あん・・・あぁ・・・」

「さぁ・・・山本先生、旅行の時のように楽しもうや・・・先生が逝くまで、待っててやるさ・・・さぁ、逝きなさい・・・逝くんだ」

台所に水道の水が流れている
蛇口の水が知子の髪を濡らす・・・そして、女の淫声も濡らしていく
・・・・・・人妻の持たねばならぬ、夫への貞操という観念
肢体に擦り込まれる女の快感・・・・・・不倫している罪悪感とスリル
これらが・・・・知子を狂わし、さらに暗い井戸の底へ落としていく



窓明かり
BJ 12/20(土) 23:02:19 No.20081220230219 削除
 第九話〜痕〜


 静かだ。

 あまりにも静かすぎて耳が痛むようにさえ感じられる。だというのに、心音の高鳴りは私の身体全体をざわめきに包みこむようだった。

 夫婦の寝室。
 私たちの寝室。
 しかし今宵、ベッドで深い睡眠状態にあるのは、妻ひとりだった。
 寝室の明かりが皓々とその穏やかな姿を照らしている。朝に弱い私と早起きが信条の詩乃、明るい照明の下で、彼女の寝姿を見た記憶は私にはほとんどない。
 口元をむすび、きつく目を瞑っている詩乃。その面差しだけを見つめていると、まるで人形が横たわっているようにも思える。だが、白のネグリジェに包まれた肢体は、たしかに息づいているのだ。
 見慣れたはずの彼女の裸身にしろ、私にとっては常に暗がりの中にあるものだった。暗闇に仄見える羞恥の表情と、責めるような、それでいて甘えているような涕泣こそ、私にとって最も親しく、愛しさを覚えずにいられない詩乃との夜の感触だった。
 あらためてその感触を思い出し、思わず一息深く息を吐いた。
 私はいったい何をしているのだろう。
 どうしてこんなことになったのだろう。
 なぜ眼前の、この愛しい生きものに、今宵の私は、これほど千々に乱れきった気持ちで向かい合っているのだろう。
そんな今さらの感慨が私を襲い、老いた心身を責め苛む。
 けれど。
 けれど、ここでためらう手をとめてしまったら。
 私は永久に詩乃を疑いながら、それでいて何気ないふうを装いながら、この先の人生を生きていかなければならない。彼女の微笑みに応じながら、心の底では悶えるような猜疑と嫉妬に耐えていかねばならない。
 そんなのは、ごめんだった。私は朗らかに生きていきたい。そして死にたい。一日でもいいから妻よりも先に。
 だから―――
 こんこんと睡っている妻に、私はようやく手を伸ばした。
 最近肩こりがひどくなった、とよく嘆いている細やかな撫で肩に手をかける。ゆっくりとネグリジェを引き下ろしていく。普段の閨の所作とはちがう、不器用でためらいがちなやり方で。やさしい肩のまるみ、眩しいような胸元が少しづつあらわになる。そして―――
 そして。



 私の心臓は止まりそうになった。



 しっとりと吸いつくような柔肌。
 そこに。
 幾つもの紅い線がはしっていた。



 年輪を重ねた女体の微妙な陰影と、歳月を重ねてなお失われない瑞々しさを併せもつ、雪白の裸身。そこに、毒々しいばかりに紅の痣が刻みつけられていた。
 


 その手の経験がほとんどない私にも、一目で分かるくらいに。
 それはくっきりとした縄痕だった。



 眩々と―――目眩がした。


 
 よほど、つよく締めつけられたのだろう。
 なめらかな胸元から腹、そして若々しく弾む乳房の周囲にも紅い縄痕は残り、幾何学的な模様を描いて、均整のとれた女体の美を汚していた。
 そのうえ。
 妻の躯に刻みつけられていたのは、縄痕ばかりではなかった。


 柔肌を荒々しく揉みしだき、つかんだ手指の痕。
 口づけの痕。
 そんな痕跡が、至るところに、残っていた。
 もりあがった乳房の、いつもは可憐な桜色をしている乳首も、男の手で弄られ、口で吸われつづけた形跡をとどめて赤く腫れあがり、いつもより肥大しているようだった。



 かつて想像したこともないほどの衝撃に見舞われて、なぜだろう、その瞬間の私の脳裏には、幻燈器で映写されたように、さまざまな場面が、言葉が巡っていた。



『お風呂わいてますから。夕食を食べたらすぐに入ってくださいな』

『このままでいいの。私は―――このままで十分幸せ』

『じゃあ、お言葉に甘えて、出掛けてきますね』



『だいすき―――』



 そんな、妻の言葉と。



 青木に見せられたあの写真―――箱根の町で、知らない男と腕を絡めた妻をうつした写真の光景が、くるくる、くるくると瞼の裏をまわっていた。



 しかし―――
 私が今夜味わうことになっていた残酷は、これだけではなかったのだ。



 夢の中にいるごとく朦朧とした手つきで、詩乃の秘密を隠していた寝衣を剥がし、彼女の下腹から太腿にかけての肌があらわになったときに、そのことが分かった。






                        変態助平女詩乃

      ちんぽ好き牝犬                  

                                              淫乱おまんこ妻
                              
                            絶対服従永久奴隷
  





 下手糞なマジックインキの文字で書かれた、そんな卑猥な文句が。
 生白い下半身のあちこちに、ならんでいた。
 極めつけの文句は、淡い恥毛の茂みの上にあった。







                         誰でも挿れてOKの♀穴↓







 声が―――聞こえていた。
 狂おしいような歯ぎしりと、喉の奥から洩れる意味のない叫び。


 それはたしかに私の口中から聞こえるものなのに、自分ではそのことが意識されなかった。がたがたと震えながらその場に立ち尽くす私は、まるで壊れたテレビのように言葉にならない声を漏らして、眠りつづける妻の汚されきった身体をいつまでも眺めていた。



こころ清き人 30
道明 12/20(土) 08:53:55 No.20081220085355 削除
美恵子の作った朝食を、美味しそうに食べる一郎がいた

「ご飯に味噌汁・・玉子焼きに漬物と焼き魚か・・・美味い・・うーん、美味い」

一郎の前には、美恵子の笑顔がある

「ご飯のお代り・・しましょうか?」

熱いお茶を入れ、美恵子は微笑みながら一郎を見ている

「うん・・・お願いするか」

美恵子はお代りのご飯を一郎に渡す
・・・・・・・・二人の指が自然と触れ合う

「室長、今日のことなんですが・・私、ディズニーに行きたいのですが・・それで・・室長も・・ご一緒に如何ですか?」
美恵子から一郎を誘うのは、これが初めてだ

「ディズニーか・・ようし、行こう、気分転換して鋭気を養わないとなぁ」
(もう・・・この人は、自分のことを考えてる・・・・でも、それでもいい・・)


ディズニーランドの庭園の中を・・・二人はまるで若い恋人のように歩いていく
夏休み最後の土曜日、家族連れでいっぱいだ

「室長・・・腕を組んでもいいですか?」

「いいよ・・美恵ちゃん」

美恵子は、一郎の左腕に自分の右腕を絡ませ、頬を寄せる・・そして、手をつなぐ
美恵子が一郎としたかったことの一つだ


陽が西に傾きかける頃
ようやく一郎は仕事のことを忘れ、やっと目の前にいる美恵子のことを話しだす

「美恵ちゃん・・・今日、大阪に帰るの?」

「・・・・・・」

「美恵ちゃんとこうしていると・・・ほんとに元気になる、心も軽くなる」

美恵子は、沢山の男性社員が言い寄るほどのいい女だ
しかし、一郎は外見の姿や形を見ていない・・美恵子の個性そのものに魅かれている

「室長・・・私ともっと居たいのですか?でも、私、ホテルも予約していないし・・」

「・・・うーん、じゃ、私のところに泊まるのはどう?」

「でもそんなことしたら、奥様が何と・・・」


一郎は、美恵子の手を取り・・そして、目を見てにっこりと笑う

「美恵ちゃん・・知子は私のことを信頼しているよ・・私は狼には絶対にならないから安心して・・・ただ、ほんとに君と居たいんだ・・もう一日一緒に居て欲しい」

美恵子は立ち上がると、一郎の髪を撫で・・・そして、頬にキスをした
これで美恵子が一郎に、したかったことの二つ目が叶った





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こころ清き人 29
道明 12/19(金) 21:55:00 No.20081219215500 削除
8月も末になり、一郎は東京でシステム開発の仕事に悪戦苦闘していた
大阪の自宅には一度も帰っていない・・それほど本社のシステム開発は難事業だった

「知子・すまない、今週も帰れそうにない・・どう一度、君が東京に来ないか」

「あなた・・ごめんなさい・・また、保護者の人が押し掛けていて、家庭訪問したりして私も参っちゃて・・・・ごめんなさい」

「いや・・気にすることはない・・でも、知子、そんな自分勝手な保護者に負けるんじゃないぞ、困ったら教頭先生や校長先生に相談するんだ・・・いいね、じゃ」

受話器を置くと、一郎は天井を見て大きくため息をついた
さすがの一郎も今回の仕事には疲れきっていた



翌朝、玄関のチャイムが一郎を目覚めさせる
玄関ドアの前には、藤崎美恵子が立っていた

「美恵ちゃん!どうしてここに・・・・」

「室長、お久しぶりです・・・・陣中見舞いに、押し掛けて参りました」

「えっ!!うん、そうなんだ・・・美恵ちゃん」
一郎の顔が、みるみる生き返る

「でも・・なんですかその格好は?・・・室長、これでも私は独身の女性ですよ」

「はあ??いや、ご免・・・今、起きたものだから」

「はいはい・・室長、シャワーでも浴びて着替えてください・・朝食まだなんでしょう?私がお作りしますから」

「ああぁぁ・・有難う、美恵ちゃん・・・それじゃ甘えちゃおか」

一郎に元気が戻った・・・・・・・やはり、一郎にとって美恵子は女神だ



こころ清き人 28
道明 12/18(木) 19:37:33 No.20081218193733 削除
 蓬莱との3回目の旅行の朝
 知子は化粧台の鏡に映る自分の顔を見つめている

 あの親睦旅行での淫行・・・それがこんな深みに入り込む切欠となるなんて
その要因は夫とのセックスでは得られなかったもの・・快感、そう・・快感にある

 その年は、幸子先生が居たこともあって蓬莱はおとなしくしていた
 しかし、新年度になって私が通うフラワーアレンジメントに入ってきた
 さらに悪いことには、蓬莱が私と同じ学年のクラス担任となり
 私に接近してくる・・・私のからだに無神経に触れようとする
 でも・・・私は頑として跳ねつけていた

 それが・・・・
 私のクラスの保護者がクレームに来た
 その保護者は学校では札付きの、どうしようもないモンペだった
 繰り返し学校を訪れ、言いたい放題のクレームに対応しているうちに
 いつの間にか、私は自分の心がコントロールできなくなっていた
 ・・・・・・・学校の産業医は軽い「心因反応」だと診断した

 そんな時に、蓬莱が自分のクラスのように関わってきた
 この時は本当に助かった・・・他の先生方はなんにもしてくれなかったから
 私の話に相槌を打ちながら聞いてくれる・・・それだけで何となく心が軽くなる
 私を無理やり犯した男・・それでも、私は蓬莱と話し込むことが多くなった
 
 そして・・・
 フラワーアレンジメントのお稽古の夜
 蓬莱から離婚したことを告げられた
 離婚の理由は、私とのことが奥様に知られたようだった

 それで、彼に誘われるまま車の中で、話しこんでいるうち
 蓬莱は私の肢体に触れだした・・決して無理やりに攻めてこない
 彼は女の扱いに慣れている
 その行為を私の肢体が撥ね付けることが出来なくなっていた
 肩を抱かれ太腿を擦られると、私は全身の力が抜けていった
 私の肢体に植えつけられる快感・・・あの時の快感が再び蘇ってくる
 しかし、蓬莱が肉交を迫ってきても
 それだけは・・・私は拒否し続けた

 彼は言った
 それなら、手と口で慰めて欲しいと
 さもないと、親睦旅行での出来事をお前の主人に話すと
 もう、従うしかない・・・と思った

 蓬莱は月1度のお稽古の日だけでは満足しなくなった
 学校で他の先生がいても、馴れ馴れしく私の身体に触れてくる
 こんな関係を続けていたら、何れ主人にも知られてしまうと
 やめるよう、蓬莱に懇願した
 すると、一度でいいから旅行に付き合えと・・・
 それで最後にしてやると
 私はその言葉を信じるしかなかった
 そして、主人に親睦旅行に参加すると言って出かけた
 でも、それが、それが・・・・

 夫の一郎は早朝から今日も東京に出かけている
 あの人はほんとに仕事一筋
 でも、こんなになっている私に何時か気づくに違いない
 それが恐ろしい
 もう・・・・・今回限りにしなければ


 知子は自宅を出て、蓬莱との待ち合わせ場所に向かう

 その少し後ろから、知子の様子を窺う一人の男が着いて行った



窓明かり
BJ 12/18(木) 08:55:21 No.20081218085521 削除
 第八話〜暗がりに浮かび上がるもの〜


「―――どうしたの? どこか具合でもわるいんですか?」


 出された夕食を前にして、なかなか箸のすすまない私の様子に、詩乃は眉を寄せて心配げな表情になった。
「いや―――ただ単に食欲がないんだ。帰る前に、仕事で付き合いのある人間のところで茶菓子を馳走されたから。そういう君こそ、一口も食べないのか」
「え? ・・・・・はい、今夜はちょっと遠慮します」詩乃は虚を突かれたように瞳を大きくした。「金沢で美味しいものをいっぱい食べてきたから―――すこしダイエットしないとぶくぶくになっちゃう」
 ぐっ、と口中にわいた苦い唾を、味噌汁でながしこむ。
「・・・・・たかだか二、三日の話でおおげさだな。見たところ、ぜんぜん変わったようには見えないよ」
「女も四十路を過ぎると、見えないところにすぐお肉がつくんです」
 冗談ぽく言って、詩乃はかすかに微笑った。
「―――そうかね。じゃあ、あとでひさしぶりに確認させてもらおうかな」
 あえて冗談のように、私も言おうとした。それは私の真情だったかもしれない。
 何もかもが―――冗談であってほしかった。
 しかし、詩乃はほんのすこし黙って、切れの長い瞳でちろりと私を見つめ、「ごめんなさい、今夜は疲れているから・・・・・」と言った。
 普段の詩乃なら―――、「夕食の席で変なことをいわないでください」と拗ねたようにそっぽを向くのが常の反応だった。或いはそれは、青木の話を聞いた後だから、覚えた異和感なのかもしれない。だが、どのみち、転がり始めた私の疑心は雪だるまのようにふくらむばかりだった。
 私が黙り込むと、詩乃はうつむき、長い手指をもう一方の手指で落ち着きなくさすった。内心の動揺をあらわしているような仕草だった。それとも、これも私の目が疑いで曇っているからなのか。
 いったい何がまともで、何が妄想なのだろう。たった一日の間に、私の世界はまったく色を変えてしまったようだった。
 わずかの間に、さらにほっそりしたような頬を心持ち蒼褪めさせた詩乃は、ふと私と目が合うと、今度は何だか弱々しい笑みを浮かべた。「お茶を淹れますね」―――そう言って、立ち上がる。
 女らしいなよやかな曲線を描く後ろ姿。そのまるみを帯びた腰の辺りを、私の目線は無意識に追いかけていた。



 詩乃が浴室へ消え、私はひとり冷蔵庫からブランデーを取り出してちびちびと舐めた。
 杯を干すたびに喉はかっと熱くなり、頭の芯は白く霞んでいく。

『編集長は聞いたことありませんか? 赤嶺という男のこと―――』

 青木の言葉が蘇る。
 そんな男は―――知らなかった。
 
『もう三年前になりますか。当時の国交相だった東原邦治の不正な金の流れを記載した秘密文書が、大々的にマスコミへリークされたことがあったでしょう』

 それはマスコミ関係者なら経緯を知らぬ者はいない大スキャンダルであり、最終的に東原は大臣の席を追われたばかりか、懲役をくらい、政治家として永遠に葬り去られる事態となった。

『当時取り沙汰されたあの秘密文書は匿名で郵送されたものでしたが、リークの少し前に、東原の秘書が不自然な形で失踪していることが関係者の間で話題になったこと、ご記憶にありませんか』
『あの女秘書―――国崎有香という名前でしたっけね―――現在も見つかっていませんが、どうやら失踪の少し前に男ができていた形跡がありました。報道の連中が血なまこになっても、詳しい裏をとることはできませんでしたが―――』
『国崎秘書をたぶらかし、秘密書類を持ち出させるまでに溺れさせたその男―――きな臭い筋の話によると、当時、東原が糾弾の声をあげようとしていたMUIに依頼されたのではないかと、そんな噂のある男』

 MUIはバブル崩壊以後、宗教界でつとに勢力をふるうようになった新興宗教団だが、以前から関東で三指に入る暴力団との癒着が噂になっていた。

『僕が先ほどあげた赤嶺という名前―――この赤嶺こそ、MUIに依頼されて国崎秘書を情事に溺れさせた男ではないか、と、その筋では囁かれているんです』
『あくまでも、噂です。そもそもこの赤嶺という男、七年ほど前に東京へ移ってくるまでは、近畿方面でエロビデオの制作なんかをやってたらしいんですな。そのころからある程度、裏側の人間と関係を持っていたと聞きます。というのも―――この男、凄腕の女殺しなのだそうです』


 おんな・・・・・ごろし?


『女たらしではなく、女殺し。どんな生硬い女であれ、触手を伸ばした相手を情事に狂わせるばかりか、人格性癖まで一変させるほど強烈に「仕込む」のだそうです。嘘みたいな話ですし、実際確証はない。真実だとしても、それはドラッグか何かの力を使ってのことかもしれない。都市伝説めいて恐縮ですが、現実に赤嶺という男の周囲にはそんな怪しげな噂が流れているのです』
『きょう、詩乃さんのことをお話したのは、このためです。僕はかつて赤嶺を見たことがある。政財界の大物が集うという妖しげな秘密クラブへ、若さ任せで頼まれてもいない潜入取材をした折のことです。取材はあえなく失敗して半殺しの憂き目に遭いましたが、そのときに偶然、赤嶺の顔を見ました』
『それが一年前のことです。そして―――先ほどお見せした写真に映っていた男は、記憶にある赤嶺に見えて仕方がないのです』


 だから。
 だから―――気をつけてくれと。
 青木は云った。
 見たこともないような必死の形相で。


 思い出すだけで―――私の混乱は頂点に達する。
 愛した妻が浮気していたかもしれない。これだけで、普通の人間なら失意、怒り、悲しみ―――それらの入り混じった困惑の極みに立たされる事態だ。
 その妻の相手が、MUIだの暴力団だのと関わりを持っているような胡乱で危険な男だとしたら―――どんな冷静な男であれ、気が狂いそうになるはずだ。

 真実をたしかめなければならない。
 だが、たしかめるのが怖い。
 とはいえその怖さは、少なくとも現時点では、赤嶺とかいう得体のしれない男に感じるもの以上に、妻の真実を―――私の知らなかった真実を突きつけられるのではないかという恐怖が勝っているようだった。
 真実を知って、詩乃と、詩乃が連れてきたこの穏やかな生活を失うのではないかという怖れ。実際、このことよりも私の心を脅かすものなど、この世には存在しないと思える。
 絶対に。
 ブランデーを舐める舌に血の味がまじった。口元を食いしばりすぎて口中のどこかが切れてしまったようだった。
 私は立ち上がり、台所へ向かった。世にも情けないやり方で、真偽をたしかめるために―――。



 風呂からあがってきた詩乃は、いつものように鏡に向って髪にドライヤーをあてた。その傍らには、ミネラルウォーターの入ったコップがある。詩乃は風呂上りに、そして起きぬけにも水を飲むのが習慣の女だった。
 鏡に詩乃の顔が映っている。長く伸ばした髪を丁寧に乾かしていくその表情は、いつものように生真面目なものだった。時折、鏡ごしに背後の私を見て、そっと微笑んでみせる。その度、私は胸を刺す痛みと罪悪感を甘受した。
「今夜のあなたは静かね」
 ふと、詩乃がそんなことを口にした。
「・・・・・おかしいかね」
「ううん・・・・・でも、やっぱりおかしいかな。本当に体調はよろしいの?」
「よろしいよ」
 そう返すと、詩乃はくつくつとわらった。
「うん。そのほうがあなたらしいわ」
「おしゃべりで、子供じみた男が亭主でかなしくならないかね」
「何をいまさらおかしなこと言ってるの」
 化粧台にドライヤーを置き、純白のネグリジェを着た詩乃は、ゆっくりと私のほうへ歩みよってきた。
 哀婉と憂愁の入り混じったような色が、その瞳には浮かんでいた。


「・・・・・・ごめんなさい」


 不意に、そんなかすかな言葉が聞こえて。


 ふわり。


 私の胸にやわらかいものが飛び込んできた。
 おどろいた私に、そっと口づける唇があった。


 そして、また消え入りそうな声が聞こえた。



「だいすき―――」



 一瞬のことだった。

 詩乃の身体はすぐに私から離れた。
 ほんのりと頬の紅潮した顔が、羞恥と照れわらいを浮かべ、私のほうを向いていた。「ああ、恥ずかしい」
「・・・・・どうしたんだい、急に」
「だって、あなたにわるいから。今夜は・・・・これで許して」
 それはどういう心情を含んだ所作だったのか。最後まで、私には分からなかった。
 妻「おやすみなさい」と言った。



 ―――半刻が経った。

 ブランデーのグラスを卓に置き、私は立ち上がった。
 両の足が、情けなくふるえている。それを励まして、妻の眠る寝室へと向かった。
 扉を開くと、明かりの消えた寝室に、静かな寝息が響いていた。
 詩乃が深い眠りについていること―――それは分かりきっていた。
 数年前から私は次第に寝つきがわるくなって、知り合いの医者からかなり強力な眠剤を処方してもらっていた。私の身体を心配した詩乃には、くれぐれも常用はやめるように言われているのだが―――。
 その睡眠薬を、今夜、私は妻に使った。詩乃が風呂につかっている間に、彼女の飲むはずのミネラルウォーターに溶かしておいたのだった。
 妻を騙した罪悪感は、しかしこの時点では、これから行う作業の緊張を前に霞んでしまっていた。
 寝室の明かりを灯し、そろそろと布団を引きめくる。
 ネグリジェを着た詩乃の寝姿があらわになった。やわらかな枕に左頬をつけ、艶やかな髪をシーツの海に浸からせて眠っている。
 呼吸と同時に胸の辺りがかすかに上下している。死んだように眠りの世界に入っている妻が、たしかに生きているという証拠だった。それを目の当たりにする私の心中には、奇妙な安堵と不安が同時に去来していた。



こころ清き人 27
道明 12/17(水) 22:27:44 No.20081217222744 削除
 藤崎美恵子はマンションの一人暮らしだ
 33歳になった美恵子に両親がしきりに見合い話を持ちかけてくる
 その煩わしさから逃げるように、会社近くのマンションに移ったのだ
 一郎を今でも自分の運命の人だと信じているからこそ、独身を貫いている

 しかし、休日に一人でいると寂しさが込み上げてくる
 もし、一郎と一緒に居られたらどんなに楽しい休日だろう
 その一郎は、未だに美恵子の乙女心には気づいてくれない
 美恵子から、ため息がこぼれた

 美恵子はこんなとき、ショッピングで気を紛らわせる

 「あら・・美恵子・・・美恵子じゃない?」
 美恵子を呼ぶ声の方を見ると、中学時代の同級生がいた

 「あら・・・久しぶり」
 この同級生は確か、知子の親友

 「どうしてたの美恵子、今年の同窓会にも顔を出さないし、みんな心配していたわよ」

 「御免なさいね・・・仕事が忙しいものだから、失礼しちゃって・・先生はお元気だった?」

 「ええ、私たちのクラスの担任はまだ現役だもの、お元気だったわ」

 「それはよかった・・・で、みんな元気にしてた?あなたの親友の知子さんは小学校の先生だそうね・・・」

 「そうね・・結婚している人やまだ独身の人がいて・・でも、みんな元気だったわ・・・うーん、でも知子はちょっとねぇ・・・」

 「知子さんがどうかしたの?」

 「うーん・・少しねぇ・・同窓会でも余りみんなと話さないし、ちょっと変わったかな・・・それに、私に電話してきてね・・・一緒に旅行したことにして欲しいなんて言うのよ」

 「はぁ?それって・・・もしかして」

 「たぶん、ふ・り・ん・ね・・・・あの知子がよ・・人って分からないわねぇ」

 「そう・・・知子さんが」

 「他の人に言わないでよ・・・・美恵子、私が困るから・・・」

 「ええ、わかってる・・・でも、あなたも親友なんだから、今みたいに話しちゃだめよ」

 「ああ、そうよねぇ・・・・私としたことが・・・」

 美恵子の胸の中に、ふつふつと知子に対して怒りが吹き上がる
 美恵子が思いを寄せた男と結婚し、子どももいて幸せの象徴のような女性・・・知子
 その知子が不倫なんて・・・

 (そんなこと許せない・・・絶対に・・・)



こころ清き人 26
道明 12/16(火) 19:08:52 No.20081216190852 削除
 乳房が優しく揉みあげられている
 唇を吸われている・・・・・・・あっ!口内に舌が入ってきた
 私の舌とじゃれ合っている
 知子は夢見心地で目を開けた

 「えっ!」
 視線の先には見覚えのある男の顔が映る

 「大丈夫ですか?山本先生・・・どうやら気が付かれたようですね」

 「ほ、蓬莱先生?・・・どうしてここに?」
 知子は蓬莱に抱きしめられている

 「山本先生・・ここは混浴の露天風呂の休息場所、私が入ってきたらあなたが倒れていて、ここに運んで介抱をしてあげていたんですよ」
 蓬莱の手は介抱するというより、知子の全身を愛撫するように撫でまわしている

 「あぁ、止めてください・・もう、蓬莱先生、もう私、大丈夫ですから」

 それでも蓬莱は、にやにや笑いながら、知子を抱きしめた腕は緩まない
 知子の美乳の手触りを楽しむかのように裾から頂に手が舐める
 裸の美人教師を抱きしめている蓬莱の怒張が、柔らかい臀部に押し当てられる

 「ほんとうに、もう大丈夫なんですかね?もっと男が欲しいんじゃないの・・・淫乱の山本先生」

 「なんですって!!」

 「ほら・・あなたの乳首がこんなにとんがってきましたよ」
 蓬莱は、知子の両方の乳首を同時に捻り上げる

 「あっ!何をするんですか・・やめて、蓬莱先生」
 蓬莱の右手が腹部を摩り、知子の女陰へ向かう

 「山本先生、聞いてしまったんですよ・・・ここを出て行く二人の学生の話・・あなたのこと、淫乱女だって」

 「そんなこと・・・」

 「昨夜はあの学生たちから、それぞれ2発ずつ姦られたんだって・・・ここにさぁ」
 蓬莱は、知子の太腿をこじ開け女陰を弄る

 「あーん・・いや・・やめて」

 「そして、つい先ほど・・・手でやられて・・潮、吹いちゃたんだって?」
 蓬莱は知子の乳房と陰核の2カ所を同時に責める

 「いや・・やめて、やめて・・・蓬莱先生」

 「ほら、もうこんなだ・・見てごらん」

 蓬莱は、二本の指を知子の膣奥深く挿し込むとゆっくりと引き抜き、知子の目の前に差し出す

 「いや、いや・・・・ねぇ、もう、おねがい・・・」

 「そうかい欲しいのかい?・・美人先生にお願いされちゃ、しかたがないなぁ・・清楚で誠実な美人教師の逝くところを私にも見せてもらおうか・・・若い活きのいいのとは一味違う、私の一物も十分に味わうといい・・・そうら」

 蓬莱は知子をバックから犯しにかかる

 「そうじゃないの!やめて・・ね、先生・・・おねがい」

 蓬莱自慢の太い怒張が、知子の女陰に突き刺さる

 「あぁ・・ん、いや!」

 蓬莱は・・浅く、深く、また浅く、深く・・・ゆっくりと打ち込んでいく

 「あん・・あーん・・あん・・あーーん」

 「今まで、あなたとは疎遠な関係だったけど・・・これからは、仲良くしような・・・ね、山本先生・・・・・・・ほら、もう他人じゃない、こんな関係だからさぁ・・・・・それにしても、いい声で啼くじゃないか・・・そら、もう一声」

 蓬莱はしっかりと知子の柔腰を抱え込むと、女陰の奥深くへ渾身の突きを入れる

 「いやぁ・・あう・・・・あん、あぁぁぁぁぁぁ」

 「逝きたいんだろう?ほらほら・・・」

 「あん・・あん・・もうダメ・・・・やめて下さい」

 「何を言ってるんだい、こんなに締め付けておきながら・・・早く成仏しろや、人が来るぞ」

 知子の悔し涙が頬を濡らし
 ひと際高い淫声が早朝の露天風呂の湯気に溶け込んでいった・・



こころ清き人 25
道明 12/15(月) 20:36:45 No.20081215203645 削除
 蓬莱は学校の全ての先生から疎まれていた
 当然、この親睦旅行でも蓬莱に話しかけてくる先生など一人もいない
 むしゃくしゃして、蓬莱は早朝の露天風呂にやってきた
 脱衣場で浴衣を脱いでいると、二人の学生の会話が聞こえる


 (なんだって・・この露天風呂の奥で淫乱女がいる?それは面白そうだ・・)
 
 蓬莱は、興味本位で露天風呂の奥へと歩いていく
 そこには、素っ裸で失神して横たわる女・・・・あの女か
 しかし・・いい肢体をしているじゃないか

 蓬莱はその女の顔を見て驚いた


 (山本先生!!・・・うーん・・馬鹿な女だ、東京の若造に引っかかりやがって)


 蓬莱は、裸の知子を抱きかかえて休息場所まで運んできた

 (この女、学校では美人で人気があることをいいことに、俺のことを完全に無視しやがって・・・ふん、姦られちゃって、はぁ・・ざまーないや)


 変人教師の両腕の中で裸の美女が眠っている
 蓬莱の目が妖しくかがやき、そして怒張が硬くなりはじめた
 先ほど、二人の学生によって逝かされた女の匂いが男を狂わすのだ

 (うーん・・人妻の美人教師か・・・ほんとにいい乳してるじゃないか・・・山本先生)


 蓬莱の男の我慢が限界にきている
 唾を飲み込んだ

 しかし、相手は同僚の教師で人妻だ
 どうする?犯るか・・・・こんな美人を抱くチャンスは二度とないぞ
 
 (女なんて姦っちゃえば何とかなるか・・それに、亭主がいるからなお更、他人に言ったりはしないよなぁ・・・・よーし、それじゃ頂くか・・)



こころ清き人 24
道明 12/14(日) 22:04:52 No.20081214220452 削除
知子の回想は続く・・・

その翌早朝
知子は幸子が寝ているのを見て、そっと起き出す
昨夜のアバンチュール・・・学生二人との肉交
知子にとって3Pは初めての経験だった・・・
まだ、二人の男から得た快感が身に染み込んでいる
学生たちが言った言葉を思い出す

・・明日もう一度、それでお別れ・・・・必ず来て、お姉さん

知子は混浴の露天風呂に向かう
脱衣場にはまだ誰も来ていないようだ
知子は浴衣を脱ぎ、タオルを持つと一番奥へと向かう

暫くして、昨夜の学生二人がやって来る
「お姉さん、おはよう・・・よく眠れた?」

「・・・・ええ」
学生二人は、もう遠慮はしない
知子の裸体に纏わり付いていく

「お姉さん・・・誰もいないうちにもう一度楽しもうよ・・ね」

「うっ・・・・」
一人が女陰を・・・そしてもう一人が乳房を

「僕たち昨晩、頑張りすぎちゃて・・・今朝は、まずは手で逝かせてあげるね」
そう言うと、知子を洗い場の長椅子に導く
そして、知子の全身にソープを塗りつけると一人が女陰を2本の指で愛撫する

「お姉さんのGスポットはどこかな?」
知子の中にその指が入り込む

「うっ・・・知らない・・」

「じゃ・・・僕が探してあげる・・・よくあるのはこの辺りだよ」

「あっ・・あぁぁぁ」

「あぁ・・お姉さん・・せり上がっちゃだめだよ・・・」
もう一人が知子の背後に回って壁となり、乳房を握り締めた

「あん・・・あぁぁぁ・・・」

「どうしたの?お姉さん・・・気持ちいいの?」

知子のしなやかな肢体がのけぞると
・・・学生の指は温かい膣の中で来い来いと手招きする

 「あん・・・もう・・もう・・」
学生たちは互いの顔を見合わせて笑った
そして、硬くなった若い怒張を知子に握らせる

 その後は、もう一人の学生に代わる・・・そしてその次、また学生はポジションを替える
 繰り返される愛撫の中で、知子は夢の中をさ迷い・・・・・気を失った





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窓明かり
BJ 12/14(日) 21:25:30 No.20081214212530 削除
 第七話〜不吉の影〜


「ご存知のとおり、この数日、僕は箱根近辺の取材に出ていました。あちこちで写真も撮りました。お手元の写真はその一枚、湯本駅近くの宿街で撮影したものです―――」


 手渡された写真には、たしかに古くからの観光地であるかの温泉街がうつっている。こ綺麗な宿の連なる通りを行きかう人並み。一年でもっとも温かい湯が恋しくなる季節だけあって、人の数は多く、年代性別もさまざまだ。


 ふと。
 切り取られた場面の左隅に、目がとまった。
 これは―――


「お気づきになられましたか?」


 青木の声がする。だが、私にはそのほうを見る余裕がなかった。


 人ごみに埋もれるようにして歩いているひとりの女がいる。
 裾がフリルになった白のブラウスに、ベージュのカーディガンを羽織り、藍色のロングスカートを茶革のベルトで締めつけている。黒のストッキングにハイヒール。長い髪が風にたなびいて、耳元を飾りつける銀のイヤリングをあらわにしていた。
 ちらりとも笑みはなく、むしろ生真面目な表情で道を行く彼女は、私のよく知る女性に―――瓜二つだった。

 女はひとりではなかった。
 並んで歩く男の姿があった。
 背の高く、苦みばしった顔つきの中年で、歳は女と同じころと思われる。太い眉に高い鼻梁、ぎらりとしたものを感じさせる瞳。どこか外国の舞台役者めいた男だった。ダークスーツに黒のシャツを着込んだ、キザな恰好をしていた。

 ふたりが道連れであることに疑いはない。
 なぜなら女の細腕は、男の太い腕に絡めとられていたからだ。
 まるで恋人同士のように。
 いや、この写真を見た百人中百人が、ふたりはカップルだと思うにちがいない。女の表情が不自然なまでに硬いことから、何か後ろ暗い秘密を抱えているような妖しさを、ふたりの関係に想像するかもしれない。
 そんな―――写真だった。

「写真を撮影したときには気づかなかったのです。今朝、帰りの電車に揺られながらデジカメをチェックしていたときに、はたと・・・・・。もちろん、僕は会社にいたころの詩乃さん、いえ、奥さましか知りません。ただ、あまりにも―――」
「・・・・・ああ、よく似ているね」


 そう。女は詩乃にそっくりだった。
 ―――そのうえ。
 悪いことに、女の身に付けている服装のひとつひとつも、私の記憶にあるものだった。


「―――すみません。お尋ねするのが前後してしまいました。奥さまはこの数日、ご自宅にいらっしゃいましたか?」


 一瞬。
 嘘をつこうかどうか、こんな状況下でも、私の脳はせせこましく動いた。
 だが、結局は本当のことを口にすることにした。


「いや、華道をやっている友だちと金沢まで旅行に行くと言って、出掛けている。今ごろはもう自宅に戻っているはずだが」

 そう口にする自分の言葉が、まるで絵空事を口にしているように空虚なものに感じられて、私はひそかに慄然とした。

「そう―――ですか」

 青木は考え込むような表情をした。
 その様子を見るともなく見ながら、私はまたキャビンに火をつける。
 ライターを持つ手が小刻みに震えるのが自分でも分かった
 しばらくして、青木は真剣な目で、私を見つめた。

「編集長―――僕は迷っていたんです。この件について、あなたにお話しするべきか。だって、そうでしょう? 夫婦のことに、僕のような第三者の若造が告げ口めいたまねをするなんて・・・・・・。でも、お話しようと決めたのには、理由があるんです」
「それは」
「この―――男です」青木は写真を指差した。その指は苦みばしった男のほうを向いていた。「僕は―――この男の素性にも、心当たりがあるのです」



 午後は代休をとって、あてどなく渋谷や上野の雑踏を彷徨い歩いた。
 ただ、歩いていたかった。都会の底で息をする深海魚の群れみたいなこの人ごみの中で、自分もそのひとりとなって、何も考えないでいたかった。だが、そんな私の願望は、あとからあとから湧き出してくる思念に破られずにいなかった。
 なぜ?
 どうして?
 いつから?
 詩乃は私に嘘をついていたのか?
 そんな疑問符のひとつひとつが浮かび上がるたび、私の心臓の血管は収縮してきりきりと痛んだ。女の正体が詩乃であるかどうか、それは詩乃の通う華道会に問い合わせれば―――その懇親旅行とやらが本当にあったのか、あったとして彼女が参加していたのか、そのことを問い合わせれば、まず七分くらいは明らかになると思える。だが、謎の答えを知りたいという渇望と、知りたくない、知るのが怖いという怯えの狭間で、心はぎゅうぎゅうと締めつけられ、真冬だというのに私の身体は冷え冷えとした汗で湿っていくのだった。

 そして―――
 夕闇が立ち去り、辺りが昏黒に閉ざされたころ、私はようやくわが家の前に立った。
 窓明かりがついている。詩乃と再婚して以来、その光は常に私の心を慰め、明日への道筋を照らしてくれるものだった。
 だが―――今宵にかぎっては、その明るさがあたかもおそろしいもののように、私の目には映じた。

 明かりのついた窓を見つめながら、私は玄関をくぐり、ドアを二、三度ノックする。そうすると、ぱたぱたと足音が近づいてきて、ドア越しに「どなた?」という詩乃の声がする。
「俺だよ」―――私は答える。


 ドアが開く。見慣れた笑顔が、私を出迎える。


 私は思わずその顔からついと視線を逸らした。そして「ただいま」と言った。
「お帰りなさい。きょうは早かったのね」
「ああ、ちょっとね」
「わたしのほうこそ、ただいまと言わなくちゃ。二日も家を空けてすみませんでした」私の手から鞄を受け取りながら、詩乃は詫び、それから私を見つめてもう一度微笑を浮かべた。「もうお風呂わいてますから。あなた、お疲れのようだし、すぐに入ったらいかが」
「そう・・・・しようかな」
 私はのろのろと玄関に足を踏み入れる。夕食の匂いがする。それは―――わが家の匂いだった。
 顔をあげる。廊下を歩んでいく妻の後ろ姿が見える。それもまたわが家のありふれた光景だった。


 そんな光景の中に佇んで、私は思い出していた。
 会話の最後の辺りで、青木の口にした言葉を。


『僕は―――この男の素性にも、心当たりがあるのです』


『ごく一部の世界では少しばかり名の知られた男です。編集長は聞いたことありませんか? 赤嶺という男のこと―――』



こころ清き人 23
道明 12/14(日) 07:57:27 No.20081214075727 削除
木々の間から、ひんやりとした風が吹いてくる
その先には月が昇り
その明かりが三人を照らす

浴衣姿の知子を真ん中にして、学生二人が並んでいる
学生二人は知子のしなやかな手にキスをし始めた

学生の一人が言った
「お姉さん・・僕たちまだ女性を知らないんだ・・・」

「うーん?」

もう一人が言う
「初めての女性は、お姉さんのような清楚で綺麗な人がいいなぁ」

「からかっちゃ駄目よ・・・私、二人も子どもがいるのよ」

「そんなことない・・本当にお姉さんは綺麗だし、素敵だよ」
学生二人は知子の両腕を片方ずつ占有して、キスの波が手の先から昇ってくる

「あっ・・・うっ!」
若者が知子の頭部を引き寄せながら口を奪う
それを見たもう一人の若者が知子の臀部に抱きつく
若者たちは知子を芝生の上に押し倒していく

「お姉さんの唇・・素敵だ・・ねぇ、キスってもっと舌を絡めるんだろ」

「あん・・・だめ」
キスをせがむ若者の手が、浴衣の襟から乳房を探る
そして、知子の首筋に舌を這わす

「何て柔らかいんだ・・・お姉さんの太腿・・」
もう一人の若者は浴衣の裾を開いて、知子の両腿に顔を押し付けている

「あっ・・・あぁぁ」

月明かりの緑の芝の上で、天女の羽衣が剥がされて行く
知子の白い、白い肌が月明かりに映える
その素肌を二つの舌が這い回り、四本の手が優しく愛撫する

暫くして
天女は一人目の若者を受け入れる
もう一人の若者は天女の髪を撫で、可憐な乳首を口に含んだ



こころ清き人 22
道明 12/14(日) 07:53:24 No.20081214075324 削除
知子は今日は早く帰宅した
そして中学時代の親友に頼みごとをした
・・・知子と旅行に行ったことにして欲しいと


知子の胸に、2年前の夏の親睦旅行での出来事が浮んでくる


親睦旅行の宴会の後、幸子先生とホテルのバーで飲んでいると
二人の大学生が声をかけてきた

「楽しそうですね・・素敵なお姉さんお二人で何のお話しですか?」と

学生たちは、元気がよくて気楽そう
ストレスをもった社会人の知子たちからすると、羨ましいくらいにのん気だった
その後も、学生たちは知子と幸子を上手に煽て上げてくる

知子は自分より年下の感じのいい若者ということや旅行で気分が高揚していて、会話に乗っていった
そして、幸子を置いて学生の一人と踊っていた

踊っている間も、学生は知子を褒めちぎる
お世辞と思っていても気分はいいものだ・・・
もうこれでお仕舞いと知子が言い出すと
待っていたもう一人がお酒を手にして、私もお願いしますと交代する
しかたがない・・・この学生とも踊ってあげるわ
もう終わろうとすると休んでいたもう一人が・・・・
パートナーが代わる度にお酒を一口飲む
何度か繰り返すうちに、知子は上気分ですっかり酔いがまわっていた

「お姉さん大丈夫ですか?」
今、一緒に踊っている学生が知子を抱きとめた
そして、カウンターで待機している相棒にウインクをした

「どうですか・・酔い覚ましに、少し夜風でもあたりに行きましょうよ・・もう一人のお姉さんは私の友達に任せて・・・ね、行きましょう」
知子がカウンターの方を見ると
幸子ともう一人の学生が会話しているように見えた

ホテルの玄関を出ると、夜風が頬に気持ちよい
知子には何処をどう歩いているのか・・もう分らない
ただ、右腕をしっかりと学生に抱えられている
ふと気が付くと、左腕をいつの間にかもう一人の学生が抱えている

「ここらで、少し休みましょうか」

そこは、道後温泉にある公園の中
遠くにスポットライトに照らされた松山城の天守閣が浮んで見える



窓明かり
BJ 12/13(土) 17:11:38 No.20081213171138 削除
 第六話〜不穏〜


 分煙化が進むこの世の中で、月刊Rの編集部にはまだその波が押し寄せてこない。
 ・・・・上に立つ人間のせいだろう。
 その日もわたしは自身の席で、ぷかぷかと煙草をふかしながら、誌面にのる形に組まれた原稿のゲラ刷りを見ていた。

「―――編集長。ただ今、戻りました」

 そんな声にふと目をあげると、ラフなジャンパーにジーンズ、肩にはカメラをぶら下げた青木がいた。
「お、御苦労。箱根のほうはうまくいったかね?」
「まあまあですね。最近はいかに充実した取材をするかより、いかに出張費を抑えるかに頭を悩ませますな」
「そう言うな。この不況で、管理の人間からうるさく言われてるんだ」
 私は苦笑いした。
 まだ若いくせに誰に対しても遠慮のない口を聞く青木を煙たがる者も多いが、私はこのいかにも頑丈そうな、フットワークの軽い青年に、ライターとしても人間としても好感を持っていた。
「きょうはもう直帰してよかったのに。わざわざ会社まで戻ってくるとは律儀だな」
 そう言うと、青木はなぜか居心地のわるそうな顔をした。
「どうした?」
「いえ、実は編集長に個人的なお話があるんです」
「個人的に? 結婚でもするのかね。仲人役なら頼まれるよ」
「そんなんじゃありません」今度は青木が苦笑いした。「少しだけお時間をいただけないですか」
「今からだろう? 一階のビローズでどうだい」
「いいですね。でも十五分ほど待ってください」
「先に行ってるよ」
 私はコートをつかんで、席を立った。


 ビローズは編集部のある雑居ビルの一階に、もう二十年近く居をかまえる喫茶店だ。かつて詩乃がR編集部に事務員としていたころは、一緒に訪れたこともあった。
 いつもの窓際の席に着き、コーヒーを注文した。裏通りとはいえ、窓の外の人波は絶えない。
 店内にはビーチボーイズのゴッド・オンリー・ノウズ―――邦題「神のみぞ知る」が流れている。I may not always love you(永遠には君を愛さないかもしれない)、か。思えばずいぶんとシビアな歌詞だったのだな。メロディーと歌声は神々しいばかりにきらきらとしているのに。
 キャビンに火をつける。紫煙の彼方に、脈絡もなく、妻の顔がぼんやりと浮かぶ。
 先夜の狂乱を思い出す。そうだ、あれはたしかに狂乱だった。
 あの夜のことを、詩乃と話題にしたことはない。詩乃はおくびにも出さない。今までどおり楚々として、生真面目な詩乃のままである。あの夜の媚態―――いや、狂態など、一片の名残りも留めていない。

 だから、いよいよ夢のような気がしてくる。

 けれど―――あれは間違いなく現実だったのだ。身体がそれを憶えている。
 灼けるような悦楽の記憶が。

 あれほどの快美を味わったことはない。それは共鳴のような感覚だった。芯から性の愉悦に身を震わし、逃れられない業のようなものに首輪を嵌められて、苦悶交じりに悶えあえいでいたおんなの熱に巻き込まれたような感覚―――。

 その詩乃は一昨日から家を空けている。通っている華道の銘流会の懇親旅行で、金沢まで行くと言っていた。
『年末のこの時期に、あなたには申し訳ないんだけれど』
 本当にすまなそうな顔で言う詩乃に、私はいつものように『かまわないよ。楽しんでくるといい』と鷹揚な言葉を返した。
 前妻の玲子はよく旅行だなんだと家を離れる女だった。それに比べると、詩乃はほとんど遠出することはない。マスコミの常で、あまり都内を離れられない私にしたって、彼女と旅行に行く機会などそうそうないのだから、たまには女友達と違う空気を吸ってくるのもいい。
 私がそんな言葉を返すと、詩乃はいっそうすまなそうな顔をしていたが、やがて大きくため息をつき、その後でなぜだかすこし哀しそうな笑みを浮かべた。
『どうしたんだい』
『ううん、何でもないの。あなたがそんなふうにやさしいから、わたし―――』
 しかし、詩乃はそこで言いかけた言葉を途切らせ、『じゃあ、お言葉に甘えて、出掛けてきますね』とだけ言った。

 そして、きょう詩乃は家に戻ってくる予定だった。いや、今頃はもう帰ってきている時刻だろう。


 ビローズの扉が開いて、大柄な青木の姿が入ってくるのが見えた。
「あ、コーヒーで。―――すみません、遅くなって」
 かまわないという代わりに、私は煙草を持った手をかるく揺すって見せた。
「君も大変だな。あちこち飛び回って、若いのにろくろく遊ぶ暇もないだろう。そうさせている人間がこんなことを言うのもなんだが」
 今さら何を言うんですか、と青木はわらった。
「好きでついた仕事ですから。取材と称して、普段見られないものを好きに見られるなんて、ほかの仕事じゃできないことでしょ。僕にはこの職しかできませんよ」
「それは頼もしいね」
「編集長だって若い頃はバリバリだったんでしょ。ほかのマスコミの人間と飲むときも、秋原真の名前はよくあがりますよ。迅速で綿密な取材、妥協を許さないペン」
「どこの敏腕記者の話だね、それは。私は昔から自分の興味ある分野にしか頸を突っ込まない、わがまま気ままな奴で、上の人間には煙たがられていたよ。だから君のような型破りには、ついつい採点が甘くなる」
「あ、ひどい。それって暴言ですよ」
 苦笑いして、青木はウエイトレスの運んできたコーヒーを啜る。
「それで。話というのは何なのだね」
 本題に水を向けると、青木は今までのどこか無理したようなおちゃらけた表情を改め、しばし凝視するように私を見つめた。
「なんだい、そんなあらたまった顔して。気になるな」
 肩の力を抜かせるようにくだけた口調で私が言っても、青木はなおためらいを見せていたが、ようやくのことで口を開いた。
「ご足労を願っておいて何なのですが、本当はこんな話をするのは気が進まないのです。けれど―――」
 そこで、また口ごもる。いつも、きっぱりとした言葉を貫く青木にしては珍しい態度だった。これはよほどのことか、と私はすこし緊張した。
「それは、何かね。社内の人間に関する醜聞のようなことなのかい」
 言葉を濁した私に、しかし青木は頸を振った。
「ちがいます。僕がお話しようとしているのは―――」


 柏木詩乃さんのことです―――。


 と、青木は言った。



 なぜ―――
 その名前がここで出てくるのか。
 私は戸惑った。
 柏木は詩乃の旧姓―――亡夫の苗字である。詩乃が以前編集部で働いていた折は、その名前だった。



「ああ、失礼しました。今は―――秋原詩乃さん、いや奥さまとお呼びしたほうがいいですね」
「いや、君にとって馴染み深い呼び方でかまわないだろう。それで―――?」
 話のつづきを促す私の胸は、何かよくない予感で、騒いでいた。
 その予感を裏づけるような暗い目で、青木は私を見た。「まずはこれを見ていただけますか」―――そう言って、抱えた封筒から、何かを取り出す。

 それは写真だった。



こころ清き人 21
道明 12/13(土) 12:00:06 No.20081213120006 削除
知子の学校の職員室
児童の一斉下校を見送り、先生方が戻ってきたところだ
知子も自席に戻り一息つく・・・・
蓬莱が、知子の所に来てそっと知子の中腕を「とん」とたたく
知子は振り向き、目が合うと
蓬莱は教師の休息室となっている用務員室へ向かう
少し間をおいて、知子は席を立つ
その様子を見ていた教頭が舌打ちをした

用務員室に置かれている古い応接ソファーに蓬莱はどっかと腰を降ろしている
後から来た知子は、いつものように珈琲を二つ用意してテーブルに置く

「どうかしたのかい?今日はあまり元気がないなぁ・・・」

「ええ・・・」

「何か悩み事でもあるの?・・なんでも聞いてあげるよ」

「あのう・・・・蓬莱先生、今度の旅行なんですが・・」

「旅行がどうかしたかい?」

「はい・・主人に誰かが、私が親睦旅行に不参加であることをを言ったみたいで・・・それに、先生とこうして話し込んでいることも」

「えっ!で・・ご主人に何と説明したの?」

「旅行は中学時代の親友と気分転換のために行っていたと・・・そして、先生と話し込んでいることも、クラスの運営の相談をしていると説明して何とか・・・」

「うーん・・そう」

「それで、今回も主人は旅行に行ってかまわないと言うのですが・・・今度は何か心配になって・・」

「うーん、でも・・・この旅行は私とあなたの間の約束ごとだ。私はちゃんと約束を守っているんだし、あなたも守ってもらわないと・・・」

「でも蓬莱先生・・・私、今回は主人が気になって」

「ご主人が?うーん・・山本先生から聞いているご主人だと何にも気にすることないと思うよ・・・自分のことばかり一生懸命で、あなたのことは無関心のようだし、心配いらないと思うがなぁ・・・・それより、私とのことを守ってもらわないと私も守れないよ」

「・・・・・・・・」

「大丈夫だよ・・・・なぁ山本先生、予定どおりに」

「・・・・・・ええ、わかりました」



こころ清き人 20
道明 12/12(金) 21:45:07 No.20081212214507 削除
藤崎美恵子は一郎のことが気になっていた
まだ今日は一度も室長室から出てこない

「室長、冷茶をお持ちしました」

「ああ・・美恵ちゃんか、ありがとう」

「室長、本当に今日はどうなさったのですか?先ほどよりも何やら重い感じがして」

「うん・・美恵ちゃんには敵わないなぁ・・・実はプライベートな問題で考え事を・・」

「ご家族のことですか?」

「うーん・・・・美恵ちゃんならいいか・・実は妻の知子のことなんだ」
それほど、一郎は美恵子を信頼している

「奥様がどうかされたのですか?」

「・・・うーん、これは私と妻とのこと、美恵ちゃんには心配はかけれない・・・」

「室長・・室長はもうすぐ東京へ赴任ですし、室長にとって将来がかかっている大事な仕事。失礼ですが、室長はお仕事はすばらしくおできになりますが・・ご夫婦の問題はいくら考えても、あまり上手に解決されるお人ではないように思います。私は人事課所属の時、このような社員の家庭のトラブルを扱ってきましたので・・・」

「美恵ちゃん・・・そうだったね・・・しかし、私の妻のことだから」

「室長、・・・・もし私でよければ、業者も知っていますので調べてご報告いたしますが・・・」

「いや・・いいんだ・・やはり、このことは私と妻とのこと、美恵ちゃんに頼めることではない・・・しばらく私なりに考えてみるよ」

美恵子は思った
一郎には、妻のことを調べることなんかとても出来ないと
それにしても、知子さん・・・こんな良い夫に心配をかけて

美恵子は中学時代を思い出していた
可愛くて、成績優秀な知子・・・学年男子の初恋の人ナンバーワンの女の子
クラス委員を務め、難関の進学高校へ進んだ知子
それとは対照的に就職を考え、高校の商業科を選んだ美恵子

そう、知子と美恵子は同じ中学のクラスメイトだった



裕美子の冒険038
風水 12/12(金) 09:44:59 No.20081212094459 削除

 二人して昼近くまで寝たのは久々の事です。 

 私が妻の中に大量に精を放った後も 裕美子は私の指と自らの指で3回は絶頂を迎えたハズです。

「あ〜あ 昨日はさすがに疲れたわねぇ 久々の爆睡だったわ」
「そりゃ裕美子さん 頑張りすぎだよ」
「だってぇ〜・・・ちょっとアソコ ヒリヒリするかも・・・え〜ん」
「シャワー浴びてきなよ 昼飯でも食べにいこうぜ 裕美子のバイト代で」
「え〜っ・・・まぁいいか・・・」


 さすがに日曜日から数日間 夜のお勤めから解放された私です。


 月曜日 妻は夜のバイトに初出勤をしました。
 初日ということもあり かなり疲れた様子でしたが 仕事自体は楽しいようです。
 
 ちなみに『スナック田中』で妻は 独身30歳の『裕美ちゃん』だそうです (^_^;)

 次の出勤日 木曜には私も飲みに行く事にしました。
 妻はどんな接客をするのでしょう? 
 少しの期待と 大きな不安が・・・


 木曜日の夜 私が会社から帰ると リビングではバカ息子が一人でゲームに興じていました。

「あれっ 健太 おかあさんもう出かけたのかい?」
「うん ちょっと早めに行くって・・・」
「へ〜 やる気マンマンだなぁ」
「お母さん言ってたよ お父さんの給料下がっちゃったから大変だって」
「・・・・」
「ゲームばっかりしてると お父さんみたくなって結婚出来ないぞ なんて怒られた・・・」
「・・・・」
「で ボク反論したんだよ でもお母さん結婚したじゃん って そしたらさぁ・・」
「そ、そしたら?」
「私は結婚詐欺にあったのよ だって はははっ」
「はぁ・・・・」
 これ以上何を言われるか分からないので さっさと風呂に退却です。

 
 風呂と食事を済ませ『スナック田中』に着いたのは10時近くになりました。

 ドアを開けると カウンターに二人連れの30台の男性と 40位の男性が一人。

「あら矢野さんお久しぶり〜 こちらでいいですか〜?」
 花子ちゃんは 40位の男性の隣の席を勧めます。
「ああっ 久しぶり・・・隣お邪魔しますね」
 男性の隣に腰を下ろすとおしぼりを手渡してくれる花子ちゃん
「矢野さん 紹介しますね 今週から手伝いに来てくれてる『裕美ちゃん』・・・」

 二人連れと話していた妻が私に向け笑顔で
「はじめましてぇ〜 裕美で〜す よろしくぅ〜」
 ペコリと頭を下げ ペロリと舌を出しました。。。





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窓明かり
BJ 12/12(金) 00:45:33 No.20081212004533 削除
 第五話〜乱れ〜


 時間は安穏と流れ、そうして三年の月日がたった。


 私はゆるやかに老境の坂をのぼり、とうとうあと二年で定年というところまできてしまった。
 仕事一筋―――というほどでもないが、ライターとして出発して以来、ジャーナリズムの世界で衣食してきた人間が、キーボードを打つやかましい音と煙草の煙うずまく職場をはなれ、さてどんな余生を送っていくのだろう。趣味といえるほどの趣味もない。
 もっとも、不安は感じていなかった。
 むろん玲子が死んで以後ずっと一人きりのまま生活していたら、不安の量は比較にならないものだったろう。

 だが、いまの私には詩乃がいる。

 話し相手がいる。同じベッドで眠る彼女がいる。
 だから―――不安などない。

 そんなふうに。
 私は思っていたのだ。


 詩乃は四十二歳になった。
 三年間で、彼女も相応に歳をとったのだろうが、しかしその顕れ方は、夫の私とはずいぶん違う。
 痩せすぎといえるほどだった肢体には幾分肉がつき、線にまるみが出たようだが、いっぽうで頬のあたりは肉がおちていっそうほっそりした。そのためか、もともと大きな瞳が余計にくっきりして見えるようになった。
 すでに結婚して四年。しかし自分の妻ながら、はっとするほど妖艶に感じられることがあった。



 そんな―――ある日のことだ。
 紙メディアの不況がささやかれるなかでも、ありがたいことに月刊Rはしぶとく生き残っていて、私は私で、まだその編集長のポストにいた。編集部の長としてエゴの強いライターたちをいさめ、けれど時にはそのエゴを認め伸ばしてやることが、長年この世界にいる自分の最後の務めだと―――そんなことを思っていた。
 その日も新企画を持ってきた若手と対立する古株の激しい言い合いを、なるべく第三者の立場で宥めつつ、最終的な決断は保留にして、家路についた。

 さあ、どうしたものだろう―――。

 考えあぐねつつ、ふといつもの場所でわが家を見ると、冷え冷えとした窓に映るは闇ばかりで、一片の明かりもない。

 そういえば、きょうは銘流会の宴席があるのだったな。

 二年と半年ほど前のことになるか。詩乃は新しい何かをやってみたいと、銘流会という華道組織に入った。性格が生真面目なのでつづくだろうとは思っていたが、以来、こうして平日の夜にも時折、集まりの会に出て行くことがあった。
 窓明かりのない淋しげな家のドアに、私は鍵を差し入れた。


 詩乃が戻ってきたのは、夜の十一時をまわったころだった。


「ごめんなさい。きょうはとても遅くなってしまって」

 入ってきた途端に詫びる詩乃は、すこしうつむきかげんだった。インナーに黒のシャツ、瑠璃色の薄いジャケットを着て同色のスカートをはいていた。詩乃の好みにしてはすこし派手のようだが、このところ彼女の嗜好には幾分変化があり、時には私がどきりとするような服装をすることもあった。

 ほんのりと顔があかかった。かなり飲んだのだろうか、と思い、近寄って見ると、やはり酒の香りがした。

「べつにかまわないよ。夕食は用意してくれていたものを食べたよ。それよりも、君は楽しめたのかい?」
「・・・・・・・ええ」
「そうかい。なら、ますます問題ないさ」
 呑気な声で私が言うと、一瞬、詩乃の表情がこわばったように感じた。

 気のせいだろうか。

 詩乃はもう一度、「ごめんなさい」と頭を下げて、浴室へと消えていった。テレビもつけず居間でゆったりと煙草をふかす私の耳に、しばらくして、彼女のシャワーを使う音が聞こえてきた―――。







 ―――とつぜん胸元に触れてきた手は、ずいぶんと熱かった。


 暗い寝室。シーツの海。触れてくる手は妻のものでしかありえない。
 と思う間もなく、私の肩にちいさな顔が押し付けられた。
「どうしたんだい?」
 尋ねる声に、詩乃は答えない。その代わり、乱れた息遣いが聞こえた。苦しげなような、それでいて聴く者の胸をぞくりとさせるような吐息。
 多少の驚きを覚えながら、それをおもてには出さず、私は身体の向きを変えて、妻のほうをむいた。


 暗がりのなか。
 潤みきった詩乃の瞳が見えた。


 見つめると、すぐに厭がって、また私の肩に顔を押し付ける。だが、寝間着の胸元をつかむ手はいよいよつよく、息はいっそう乱れている。
 こんな情態の妻を、私は今まで見たことがなかった。
 あなた、とちいさく呼ぶ声がした。なんだい、と言葉を返しても、詩乃はあなた、あなたとただ繰り返すばかりで、しかもその声は次第に大きく、切なげな吐息は狂おしいほどになっていく。
 と、思う間に。


 するり、と詩乃は私の身体の上に移動した。


 まっすぐに垂れ落ちた長い髪が私の視界を覆う。
 その奥に、先ほどの潤んだまなざしがあった。
 

 詩乃、と私は彼女の名を呼ぼうとした。だが、それが声になる前に、私の陰茎を白く細やかな手が撫ぜた。手はしばしその部分をまさぐった後で、寝間着の下に入り込み、年相応に衰えた肉棒をつかんだ。



 はあ、はあ、はあ。



 あえぎを抑えられないまま、艶やかな黒髪をぱらぱらと振り乱す様には、夜叉めいた鬼気が漂っていた。私の耳から頸筋までのあちこちになめらかな唇を這わせつつ、豊かな乳房をぐいぐいと胸に押し付け―――、詩乃は握りしめた肉柱をさすっていた。
 いつも受け身で、わずかな愛撫にも鋭い反応を見せ、すぐに高みへと駆け上がっていく妻の、まるで人がちがったような娼婦めいた奉仕だった。いや、それは奉仕などというものではなく、ただ私という男の欲情を掘りおこし、肉芯の熱を滾らせるための所作だった。
 驚き、翻弄されながら、しかし私は眼前の妻の凄じい濃艶さに釣り込まれた。そうしていきりたった男根を、私にまたがった詩乃が、根を絞るばかりに食い込んだ手で、自らの内側へ招きいれた。
 そこは。
 息を呑むほどに濡れていた。



 その後はもう、夢幻のようだった。



 あっ、あっ、あっ、あっ、あっ―――



 淫らな嬌声のリズムはどんどんとはやくなった。
 そのたびに私の身体の上で舞うものの動きもはやくなり、やわらかな餅のような臀や腰のうねりは激しくなっていった。乳房が跳ねるように大きく弾んでいた。
 際限なく、詩乃は昂まっていった。昂りの果てに絶頂を迎えても、いつものようにぐったりと弛緩することがなく、その熱はいっそう熱く、その欲望を満たそうとする動きはいっそう淫らさを加えていくようだった。
 涙すら、流していた。それでも自身を衝き動かすものを鎮められずに、乱れ舞う躯を止められないでいる詩乃は、先ほど感じた印象を超えて、まさに夜叉そのものだった。


 男を求めて、喰らう夜叉。


 そんな―――そんなイメージは、私のよく知る控え目で羞じらい深い妻からは、一万光年以上かけ離れたものだった。
 だから―――これは、夢幻にちがいなかった―――。
 




 私が意識を失ったのが先か、それとも妻が先に失神したのか、それすら覚えていない。


 翌朝、目が覚めると、詩乃はとうに寝所を抜け出して台所に立っており、味噌汁に入れる小葱を包丁で刻んでいた。
 陰茎に鈍い痛みを感じながら、私はただぼんやりと立ちつくして、その背中にかけるおはようの挨拶をなかなか思いつくことができなかった。



こころ清き人 19
道明 12/11(木) 18:45:23 No.20081211184523 削除
翌朝の電算室長席での一郎の様子がいつもと違うことを
美恵子は敏感に感じ取っていた

「室長、おはようございます」

「ああ・・おはよう」

「どうかされましたか?東京のシステム開発は難航しているのですか?」

「うん・・・それもあるんだけど・・・」
一郎が再び考え込む様子を見て、美恵子は一礼して部屋を出た


一郎は昨夜の知子との話を思い出していた

「あなた・・ごめんなさい。あなたに心配をかけたくなくて親睦旅行に行くということにしていたの」

「私に心配をかけたくない?」

「ええ、そうなの・・・実は私、学校の先生方とくに女性の先生方と人間関係が上手くいってないの・・それで気晴らしに中学の時の友達と旅行をしていたの・・・ちゃんと話しておけばよかったんだけど・・こんなこと、あなたに相談できないし」

「ふーん・・中学時代の友達と旅行?・・で、その・・女性の先生方と上手くいかない原因は何なの?」

「・・それは、蓬莱先生を私が庇ったから・・・あの先生にもいいところはあると」

「蓬莱先生って?あの変人教師と言われている先生かい?」

「うん・・確かに一般的な教師の仕事はいい加減だけど、保護者には人気があるし、地域の人たちとの揉め事なんか逆に上手く裁いてくれているの。私のクラスの保護者が怒鳴り込んできた時なんか、私を助けてくれたりして」

「そうかい・・・でも、大勢の先生方が同じ見方をしているんなら、そちらの方が一般的かもしれないよ。突っ張っていくのはストレスも溜まるし、職場で孤立する・・辛い道を選択したかもしれないなぁ」

「そうなの・・・職場で話ができる先生があまりいなくなってしまって」

「でも・・その蓬莱先生とばかり話をしたり、行動していると周りから変な目でみられているんじゃないか」

「??・・あなた、学校から何か言われたのね」

「うーん・・・それに蓬莱先生は離婚されたらしいじゃないか」

「そ、そんなことまで・・・あなたに」

「周りのことも考えろよ知子、正義感や親切心も仇になってしまうこともある。旅行のこともそうだ・・・・正直に話してくれるほうが、私は安心だしアドバイスできることもあるかもしれない」

「あなた・・本当に心配かけてごめんなさい」

一郎は知子の話に納得してはいない
親睦旅行の土産だといって帰ってきた妻、それが友達との旅行だった?
卒業の集合写真での蓬莱の仕草の違和感、そして、蓬莱の離婚・・妻との親しい関係?
この時まで、一郎は知子を愛しているし、疑ったりしたことはなかった
だが、胸の中では結婚以来初めて、妻に対して疑いの心が這い回わりだしていた



こころ清き人 18
道明 12/10(水) 19:23:02 No.20081210192302 削除
「どうしたの?あなた・・・なんかおかしい」
一郎は知子の裸体を観察し、匂いを嗅ぐ

「知子・・・横になって・・・」
知子を床に寝かすと両腕を万歳させる
一郎の目は小ぶりだが形のいい美乳を見つめている
(何も形跡はないが・・・・)

知子のパンティを剥がすと、鼻を女陰に当てる
何度も匂いを嗅ぐ
(うーん・・・)

「やっぱり・・・変、あなた、どうしたの?まるで私の身体を調べているみたい・・」

一郎は、知子の自慢の白い美脚を太腿から足先まで手で摩りながら探る
(無い・・何も無い、男の痕跡が・・・・)

「あぁぁ御免・・東京で神経を使って大変だったんだ、それで急に知子を抱きたくなったんだ・・・でも、先にお風呂に入ったほうがいいよな、本当に御免」

一郎は、バスに向かう華奢な白い女体を見送った
知子の肢体は二児を出産した女性特有の丸みを帯び、女ざかりの見本のようだ
夫でさえ見ているだけで勃起してしまう

(なにも怪しいところは見当たらないが・・・うん、知子がいつも持っているバッグか)

一郎は知子が今夜のお稽古に持っていったバッグを手に取り、そして開けようとした
・・・そして、思い直して止めた
一郎は、今まで一度も妻を疑ったことはない
・・・どうかしている・・阿部先生の話しを真に受けて・・知子の話しも聞かずに酷いことを
一郎は妻の知子を疑う自分の心を恥じた



こころ清き人 17
道明 12/9(火) 19:49:23 No.20081209194923 削除
一郎は自宅に戻った
今夜は知子がフラワーアレンジメントを習いに行く日
電気も灯さずに、応接の椅子に腰を掛け、一郎は今までの話を整理している
互いに相手を尊重し、共に働き、信頼し合っていた二人・・・それが崩れる

知子は去年、学校の親睦旅行だと言って夏・冬とも出かけた
それが嘘だなんて・・
そして今度も・・・確か山陰へとか
どうする一郎・・・どうするんだ一郎
それに、確か幸子先生があの変人先生もフラワーアレンジメントに行きだしたと言っていた・・・・その変人先生と仲が良くて、周りから疑われている?

一郎は時計を見た・・・・午後11時前
知子が帰宅する時刻だ

知子は帰宅すると、今夜は今日の作品を玄関に飾った
そして、いつものように居間に入る
一人で珈琲を飲んでそれから風呂を使う
いつもなら、夫の一郎はもう寝ている

「えっ!あなた起きてたの」

「疲れすぎて、寝付けないんだ・・・あれ、今夜はフレアースカート?」

「ええ・・・スラックスより涼しくて」

「そうなんだ・・・」
一郎は知子に近づくと優しく抱きしめ、右手で知子の髪を、左手でお尻を撫でる

「ああ、そうそう今日の出張帰りに阿部先生に出会ったよ」

「阿部先生に」

「ああ、それで阿部先生の学校は親睦旅行に韓国に行くらしいよ。海外だって」

「へぇ・・・韓国に」

「知子の学校は、確か今年は山陰への旅行だったね・・・」

「ええ、そうよ・・・あなたは仕事で大変なのに本当に御免なさいね」

知子は申し訳無さそうに、一郎の顔を見た
一郎は知子を力いっぱい抱きしめる・・・そして、耳元で問いかける

「いいんだよ、知子・・・・でも、その旅行いったい誰と行くのかなぁ?」

「えっ?」

「それに・・去年の夏と冬の親睦旅行も誰と行ったのかなぁ?知子」
知子の目が大きく見開き、一郎の腕の中で身体が固まっていく・・・

「待って、あなた・・学校の親睦旅行なんですよ・・・」

「親睦旅行ね?知子・・本当に、親睦旅行なのか?」
知子の顔が青ざめる

「うーん・・・あなた、お願い・・もう、12時だし先にお風呂に入るわ・・その後でちゃんとお話します。先にお風呂、ね、いいでしょ?」
知子は一郎に甘くねだった

「そうだな・・先にお風呂に入りたいか?・・・いいよ、・・だけどその前に」

「いや!なにをするの?」
一郎は、いきなりスカートを捲りだした

「やめてあなた!私、汗かいているんだから・・ねぇ、お風呂の後で・」
知子を無視して服を脱がしにかかる

「どうしたの・・あなた・・ねぇ・・・あなたっ!いやよ・・やめて」

一郎は、蛍光灯の真下に知子をパンティだけの裸体した



窓明かり
BJ 12/8(月) 22:03:51 No.20081208220351 削除
 第四話〜姉弟〜


 詩乃と連れだって入った赤坂のPホテルのバーには、すでに石倉彰の姿があった。私たちの姿を見て、彰はいつものように颯爽とした笑顔をみせる。

「こんばんは、義兄さん。姉さんも、ひさしぶりだね」

 彰は詩乃の二つ歳の離れた弟であり、私には義弟にあたる。

「きょうはわざわざありがとうございます。―――なんか、すごいな。月刊Rの編集長さまが僕なんかのためにお祝いに駆けつけてくれるなんて」
「いきなり冷やかすなよ。いや、そんなことはどうでもいいか。彰くん、このたびは栄えあるK大文学部教授への昇進、本当におめでとう」
「おめでとう、彰。姉さんも自分のことのようにうれしいわ」
 私の声に唱和するように詩乃も祝いを述べる。
 精悍なおもざしをわずかにゆるませて、彰は「ありがとう、義兄さん、姉さん」と頭を下げた。


 K大仏文学科を卒業し、そのまま大学に残った彰が、大学史上最年少の若さで次期教授に決まったのはつい先日のことだった。
 どちらかといえば普段は感情表現の控えめな詩乃だが、この報せが届いたときの喜びようといったら、ひととおりのものではなかった。むろん私もうれしかったが、それは常にない喜びようの妻を見られたといううれしさのほうが勝っていたかもしれない。
 ともあれ、今夜はその祝賀会というわけで、彰と夫婦ふたりで飲むことになったのだ。


「―――しかし、その若さですごいね。もちろん、ここまでくるためには並大抵の努力じゃなかったろうが」
 乾杯を終えた後で、あらためて感嘆する私に、彰は「もういいですよ。あんまり誉められると背中がこそばゆい」と照れくさそうに手を振った。
「まあまあ。何にせよ、わたしなんかの親戚から大学の教授先生がでるなんて夢にも思わなかった。これも君の姉さんと結婚したおかげだな」
 傍らで穏やかにカクテルを傾けている妻に水を向けると、詩乃は大きな瞳をぱちくりさせて「あら」と口元に手をあてた。それから妙に色っぽい流し目で、「後家の未亡人で渋々手を打ったあなたも、ようやく少し元がとれてよかったですね」などと言う。
「お、その絶妙の切り返し。さすがは石倉教授の姉上だ」
「あなた、ちょっとふざけすぎですよ」
 そんな他愛ないやりとりを眺め、微笑を浮かべていた彰は、「夫婦仲が良くていいですね」と、ほっとため息をつくように言った。
「君はまだ身を固める気はないのかい?」
「今は余裕がありませんね。助教授なんて肩書きがついていたって、実収入は微々たるものでしたから。これからはそういった面では多少ましになるでしょうけれど、残念ながら相手がいない」
「高望みしすぎなんじゃないか。君ならいくらでも寄ってくる女性はいるだろう」
 本心から私は言った。客観的に見て、石倉彰は男前と呼べる容姿の持ち主だ。姉と似た切れ長の二重に黒目がちの瞳。俳優のように高い鼻梁、薄い唇。地位や名誉や収入といった要素を抜きさっても、内外ともに充実した男だと思う。
「どんな女性が理想なんだね」
「そうですねえ。穏やかで、寛容な、やさしい女性がいいかな。思春期の中学生みたいな答えですみません」
「ちいさい頃から母さんやわたしにがみがみ言われて育ったから。正反対の、おっとりとおしとやかな女性に憧れているんですよ、きっと」わけしり顔で詩乃は言い、それからいたって真面目に付け加えた。「でも、早く安心させてね」
「はいはい。最近は口を開くとこうなんだからね」
 降参のポーズで両手をあげて、彰は私に苦笑を向けた。


 詩乃がトイレへ行き、しばしの間、私と彰はふたりで杯をつきあわせた。
「―――義兄さんには本当に感謝しています。義兄さんと結婚してから、姉さんは見違えるほど明るくなった」
 唐突に、彰がぽつりと呟いた。
「どうしたんだい、急に」
「きょうはうれしい日でした。教授になったからじゃない。そのことで、今まで姉さんにかけていた重荷を、ほんのわずか取り除けた気がしたからです」
「重荷ってなんだい。姉さんは君のことをそんなふうに思ってなんて」
「思っていなくても」彰は珍しくつよい口調で、私の言葉を断ち切った。前髪のかかった眉間の辺りに懊悩の翳があった。「事実、僕は姉さんに負担をかけていたんです。大学への入学したときからそうだった。知っていますか? 姉さんが前の亭主を結婚したのは―――しなくちゃならなかったのは、僕のためなんです。僕を大学に行かせるために、姉さんは二十歳の若さで、よく知りもしない男の妻になった」
 およそ二十年も前の話だ。
 当時、詩乃と彰の実家は、経営していた家電の部品工場が押し寄せていた不況の波と大手企業による生産ライン一括化の波にうまく乗れなかったこと、加えてふたりの父が投機に失敗したこともあって、借金で首も回らない状態になっていたという。長男である彰を進学させることすら、ままならなかったらしい。

 そんな苦境に喘いでいたさなかのこと。有力取り引き先企業のひとつであるM社で重役を務める男が、石倉の実家に姿をあらわれた。


 ―――甥の英輔が、あんたのとこの詩乃さんを娶りたいと言っておる。


 石倉家の経済状況を知りぬいた上で、まるで天与の助けを与えるように、男は押しつけがましく言った―――という。

「僕が言うのもなんですが、当時の姉は町でも評判になるほどうつくしかった。今だって綺麗だけれど―――あの頃は、望めばどんないい結婚もできるはずだったんです」
 私は思わず唾を飲み込んだ。
「英輔さんとは―――いい結婚じゃなかったのか」
「はたから見ればそうだったかもしれません。相手はM社でエリートの地位が約束されたひと。歳の差があったことを除けば、まず玉の輿といっていい。でも―――僕にはそうは思えなかった。いや、そうは思えなくなったんです」

 どこか苦しげな表情で、彰は言葉を絞り出していた。


 それは、どうして―――?


 しかし、そのとき詩乃が席に戻ってきて、それきり彰は今まで見せていた苦渋の表情をぱたりとひっこめたので、私も口に出そうとした問いをそっと仕舞いこんだ。


 祝いの席は終始和やかにつづき、詩乃はずっと上機嫌で、いつになく酔ってしまったとしきりに言っていた。そんな珍しい姉の姿を見つめる彰の目には、安堵とともに切なさの色もまじっているようで、なぜ彼がいまだ身を固めようとしないのか、私にはどこかですとんと腑に落ちるものがあった。


 そんな感慨と同時に―――
 私は、先日の出来事を思い出していた。


 あのいかがわしいSMクラブ「玄武」での一件。
 オーナーと呼ばれていた男。
 かつて、詩乃の死んだ夫、英輔の友人であったという男。
 あの男は、詩乃を知っていた。


 いや、そんなことに問題はない。
 たとえ、どんな種類の友人がいたとて、それは個人の自由だ。その友人が、友人の妻と顔見知りだったからといって、そこに何の不思議があるのか。
 けれど。
 あのとき、たしかに詩乃は驚いていた。いや、もっと正確にいえば、その驚きには怯えがいりまじっていた。
 まるで過去から浮かび上がってきた亡霊を見るような―――。


 ―――歳の差があったことを除けば、まず玉の輿といっていい。でも―――僕にはそうは思えなかった。
 ―――いや、そうは思えなくなったんです。


 過去より現れし亡霊―――その名は。



 だが―――
 私はそこで思考を放棄した。



 傍らには慈しみ合う姉弟。
 その姉は私の最愛の女性だ。


 だから―――もう何も考えない。
 考えてはいけない。


「何をぼんやりしているの?」


 気がつくと、詩乃が横から私の顔をまじまじと見つめていた。心配そうな顔をしている。


「いや―――何でもないよ」


 そう、何でもないんだ。
 この胸にわいた厭な予感など、幸福な現在の前には何の意味も持たない。


「身体の具合でもわるいの? 昨日から急に冷え込んだし、あなた、風邪をひきやすいから」
「何でもないったら。熱もないし、身体はいたって健康だよ。ちょっと考え事をしていただけさ」
「そう? ならいいけれど」
 かすかに眉をひそめた表情を柔和なものに戻し、詩乃はまた、妻の顔から姉の顔になった。



 今にして思えば―――
 この時点で、私はひとつの選択をしてしまったのだ。


 酷く、間違えた選択を。


 だが、そのことに私がようやく思い当ったのは、以後ずっと時間が経ってからのことだった。



こころ清き人 16
道明 12/8(月) 00:20:36 No.20081208002036 削除
今、二人はデパートの屋上のビアガーデンで乾杯をしたところだ
会話は大学時代のスポーツ大会の思い出で盛り上がった

「ところで、阿部先生。学校の親睦旅行って色んなところに行かれるのですね」

「ええ、それは・・幹事の先生が旅行業者と相談して良いところを探すんですよ」

「で・・先生の学校はどちらに」

「ええ・・今年は韓国です」

「はぁ?韓国ですか?」

「一応、近いですが海外です・・・はははは」

「でも、みなさん行かれるんですか?小学校の先生は女性が多いですし・・」

「ちょっと都合がつかない先生も出てますね・・・ああ、そういえば知子先生も昨年から参加されてないようですね・・・ご家族のお世話かなんかで」

「はぁ・・・???」

「知子先生の学校の教頭が私の大学の先輩で、残念がっていましたよ・・・なにしろ、知子先生美人だから男性の先生方から人気があって、一郎さん気をつけていないと」

「へぇ・・教頭先生が阿部先生の先輩なんですか・・うーん、知子が参加しないのが残念と?・・・・・・他に何か、知子のことおっしゃってましたか?」

「うーん・・言っていいのかなぁ」

「なんですか言ってくださいよ、阿部先生」

「実は・・・去年から特定の先生と二人きりで話しをすることが多くなったと」

「・・・特定の先生と?」

「ええ・・あの変人の蓬莱先生となんだそうです・・・それが、二人で話を始めると他の先生を無視して会話を続けていると・・・放課後も一緒だって」

「そ、そうなんですか・・・・でも、それはなんか変ですね。知子は家ではそんなことは何も言いませんが・・・」

「それが、あまりにも二人でいることが多いみたいで・・・同僚の先生が仲を疑ったりしているらしい・・・・知子先生に限ってそんなことは無いと否定しときましたが・・」

「ええ!仲を疑う先生がいる?・・・そんな感じを周りに与えているんですか」

「・・らしいです。それともうひとつ・・その蓬莱先生が今年の5月に離婚されたようで、その原因が知子先生じゃないかという先生もいるらしくて」

「ええええっ!そ、そんなことに・・・」
一郎の顔から血の気が引いた

「一郎さん、知子先生がそんなことするはずはないと思いますが、でも、複数の同僚の先生からも聞きましたよ、知子先生は男性教師からは人気がある反面、女性教師とはコミュニケーションが上手くいっていないとも・・・とにかく一郎さん、人の噂は厄介です。早いうちに知子先生に注意されたほうが・・」

一郎は天を仰いだ・・・そして
4月に真一の妻、幸子先生から聞かされた親睦旅行での話が蘇ってきた



窓明かり
BJ 12/7(日) 19:04:32 No.20081207190432 削除
 第三話〜赤い夜のつづき〜


「―――きょうは誰と飲みに行ってらしたの?」

 台所に立って、やかんの水を火にかける詩乃の背中が言った。

「関谷だよ。いつか話さなかったかな。高校時代からの腐れ縁で」
「ああ、あの映画を作っていらっしゃる方」
「当人は映画プロデューサーなんて高級な肩書きの似合わない、およそ無粋で非文化的な男だがね」
 かすかなわらいごえ。こちらからは後姿しか見えないが、おそらくいつものように口元に手をあてているのだろう。
 胸元から取り出したキャビンに、火を点けた。

「大事なひとのことほど、ちょっと悪く言ってみせるのはあなたの癖ですね」

 煙草をふかしていると、唐突にそんな言葉がふってきた。
 
「なんだい、いきなり」
「出会ったころ、あなた、よく玲子さんのお話をしていたでしょう。玲子さんのことを話すときも、あなたはそんなふうにちょっとふざけて、でもとても懐かしそうに話してた」

 そんなこともあったかもしれない。

「玲子はともかく、関谷の場合はちがうね。君も実際に奴に会ってみれば、俺の描写がいかに正確無比だったか、きっとわかるよ」
急須をのせた盆を抱えて戻ってきた詩乃は、含みわらいをしながら「はいはい」と言って、私の目の前で湯呑に茶を注いだ。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
「どういたしまして」
 詩乃はまだ微笑をうかべている。あなたのことなら何でもわかっているわ、というような笑みだった。
 ふと、そんな詩乃から目をそらして、私は白い湯気のたちのぼる茶を啜る。舌がひりひりとするくらい熱かった。

「君は―――あまり話さなかったな」
「何のことかしら?」
詩乃は小首をかしげた。
「英輔さんのことさ」


 連れ合いを亡くしていること―――それは私たちを結びつけた最初の接点で。
 逆にいえば、まだそのくらいの共通点しか見つからなかったころ、先ほど詩乃が口にしたように、私はしばしば玲子の話をした。

 気の強かった彼女。彼女の趣味。彼女の好きだった花。彼女の愛していた仕事。彼女とのささやかな年月―――。

 私は聞いてもらいたかったのだろう。同じような傷を持った誰かに、死んだ妻がどんな女だったのかを―――。
 そんな私の勝手な想いに、詩乃はいつも穏やかな微笑を浮かべて付き合ってくれた。そう、ちょうど先ほど見せたような、深い包容を感じさせる笑みを浮かべて。
 私がいつしか玲子の話をしなくなったのは、そんな詩乃の微笑に―――生きている女のほほえみに心惹かれてしまったから―――だった。
 けれど―――
 思い返してみれば、私の話を聞くばかりだった詩乃は、あのころもあれからも、彼女の夫―――最初の夫である「彼」のことはほとんど口にしなかったのだ。


 柏木英輔。
 それが「彼」の名だった。


 陽だまりのように和やかだった詩乃の顔が、わずかな翳りを見せた。それがどういう心情の変化をあらわしたものか、私には判断がつかなかった。
「そうね」どこか他人事のような口調で詩乃は言った。「あまり話さなかったかもしれない」
「どうして―――と聞いちゃだめかな」
 あら、というように、翳りを帯びた大きな瞳に、かすかに悪戯な表情がまじった。「あなた、遠慮しているの? わたしが傷つくと思って」
「べつに、そうじゃない」
「―――たいした理由はないんですよ。だって、亡くなった夫のことなんて、ほかの男性に聞かせる話じゃないでしょう」
「俺は話したよ」
「あなたはいいの」どうしてだか、やけにきっぱりと詩乃は言葉を返した。「だって、わたしは楽しかったもの。玲子さんのお話を聞いて、幸せな気持ちになったもの」
 立ち上がり、空になった湯呑を片づけながら、詩乃はそんなことを言った。そのまま台所へ向かう細い背中に、私は再び「どうして」と繰り返す。

 振り返った詩乃は、今度は困ったような、すこし疲れたような笑みを浮かべていた。

「こんなことを言っては、若くして亡くなった玲子さんに失礼かもしれないけれど―――わたし、玲子さんってとっても幸せな人だったと思うの。しっかりと自分の意思があって、短くても自分の生きたい人生を生きて、あなたというパートナーにも恵まれた―――」

 その言葉に何とこたえるべきか、私にはわからなかった。

「だから―――あなたがいきいきと話していた玲子さんのお話は、わたしにはすごく楽しかった。楽しくて―――羨ましくて―――、彼女の幸せをちょっぴり分けてもらえた気がしたの」

 詩乃の返事は、「どうして」の回答になるものではなかった。だが、そう言って、また私に背を向けて洗い物をはじめた詩乃に、なぜだか私は、それきり二の句を告げることができなかった。



 ひさしぶりに関谷と飲んだその夜、私が今まで無意識に避けていた詩乃の亡夫―――柏木英輔に話を向けたのには理由があった。

 関谷と訪れた「玄武」は、集客のためのイベントとして、素人女性が出演するという触れ込みでSMプレイのショーを催す店だった。あの夜、全裸で吊られていた女は、当夜のメインゲストだったのだ。
 ショーの前にアナウンスがあった。それによると、かの女はある一家のまっとうな主婦であり、小学生の息子を持つ母親でもある。だが、ふとしたことをきっかけに別の男と知り合い、仄暗い悦びを骨の髄まで教え込まれた。今ではその男の命令どおり股間を無毛に保ち、夫にはさせず、表では普通の生活を続けながら、時折こうして「玄武」の舞台に立っている、根っからの淫乱女だ―――。
 自分に関するそんな紹介が流れる間も、女は蓑虫同然の身体を宙に揺られていた。
 そんな説明が真実かどうかは分からない。すべてはクラブ側の演出にすぎないのかもしれない。だが、もし真実だとすると、仮面をつけて裸身を晒されている女は、普段の生活でこそ心に仮面をつけて、夫や子供の前では違う自分を演じているのだ。そして、今この場では逆に、目元を隠す一方で、剥き出しの自分を晒している―――。


 それは胸がひやりとするような想像だった。だが、何故そんな感覚を覚えるのか、釈然としなかった。こんなもの、私とは何の縁もない世界の話なのに。


 ショーがはじまると、舞台上の女の背後には、男ふたり―――いずれもタキシードにマスクをつけた姿だった―――がつき、手にした黒革の鞭を、なぶるように女の肌に這わせはじめた。ただそれだけで、女は打たれる恐怖に頬を引き攣らせる。
 だが―――その引き攣った頬から頸筋までうきあがった紅潮は、恐怖のためばかりではなかった。こんなことに関しては素人の私でも分かる。恥辱、屈辱、凌辱。その渦中にいる女の表情は、たしかに与えられる責め苦に歪んでいるのに、一方でそれと矛盾した陶酔の色があった。

 鞭がしなる。激しい打擲音と同時に、今度は女の背がしなる。
 あえかな悲鳴があがる。
 苦痛を訴えるその声には、どこかに媚びが含まれている。薄暗い悦びの匂いがする。
 また、続けざまに柔肌を鞭が舐めた。赤い蚯蚓腫れが増えていくと同時に、後ろ手を背中で縛りあげられた不自由な肢体の波立ちは大きくなり、女の声は甲高くなっていく。まるで絶頂への階段を駆け上がっていくように。前髪のはりついた額や胸の谷間に浮かんだ汗の珠がきらきらと跳ね飛ぶ。

 陰惨な光景。
 猥らな女。
 喰い入るように舞台を見つめている男たち。誰もかれもが素顔を仮面で隠し、ただそれだけの匿名性で、普段は心の奥底に隠している獣欲をあらわにしていた。


 ふと―――
 そのとき私は、この虚偽に満ちた空間で、ステージの袖にただひとり、マスクをつけていない男の姿を捉えた。


『彼は―――?』
 傍らの座席についた店の女の子に問う。彼女はああ、とうなずいて、
『ああ、あのひとはうちのオーナーです』とこたえた。

 オーナー、か。

 言われてみればそれらしい雰囲気はある。肥え太った身体を不似合いな白いタキシードに包み、長く伸ばした髪を整髪油でてらてらとひからせた中年の男。腕を組み、壁に背中を預けて、舞台の様子をうかがっている。

 だが―――私はこの時、何とも言えないしこりのような感覚を覚えていた。

 正体不明のそんな違和感の正体に気づいたのは、ステージの男たちが得物を鞭から紅い蝋燭に持ち替え、セピア色のスポットライトに照らされた艶めかしい素肌に、じゅくじゅくとした蝋涙を散らし始めたころだった。

 つんざくような女の悲鳴。噴き零れる吐息には、蝋に劣らない熱気がこもっていた。
 くねくねと芋虫のように、女の肢体が蠢く。それを見ているうち、なぜだか私の胸に蘇る情景があった。



 ―――昔の主人の―――友人だった方です。



 詩乃との待ち合わせの午後、窓越しに見かけた男。
 酷く驚いていた、彼女の瞳。
 
 
 また紅いものが滴り、痛みと喜悦の入り混じった啼き声を絞り取る。だが、そんなものは、もう私の意識からは離れていた。
 そうだ。
 あのとき、通りがかりの妻をつかまえて、下卑た笑みを向けていた男は。


 淫猥な見世物の行われている舞台の端に、私はもう一度目をやる。
 だが。
 そこにはもう、男―――「玄武」のオーナーの姿はなかった。


 その後も、ショーはつづき、関谷は終始ニタニタと下品な笑みを浮かべて、『どうだ、面白いだろう』と何度も言ってきたが、私はそんな感想を同じくする気分ではなかった。ただ、夏の日の入道雲のように、胸の内に不穏なざわめきが広がっていくのをぼんやりと感じていた―――。





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裕美子の冒険037
風水 12/7(日) 17:00:26 No.20081207170026 削除

 寝室に行くのももどかしく 妻をソファに座らせ 
 スカートを捲り上げると 白いショーツには大きな染みが広がっていました。

「裕美子 凄い濡れ方だなぁ」
「ぁぁぁ 言わないでぇ・・・ぁぁぁ」

「風太郎君のオナニー見て興奮したんだね」
「ぁん・・・あんなに激しいの見たら・・・」

「今日裕美子のおまんこ見た学生 みんな自分でしてるよ」
「ぁぁぁ いゃぁぁぁぁ・・・・は、はやくぅ」

「どれ・・・」
 ショーツを一気に脱がし 私もズボンとトランクスを降ろします。

「ぁぁ あなたも凄く大きい・・・」

 一物をいきなり妻の秘唇に当てると 十分過ぎる程濡れた秘穴にヌルッと潜り込みました。
「あぁん・・・いいよぅぅぅぅ」

 腰を前後に動かすと 大量の愛液の為 いつもよりスムーズに一物が出入りします。
『ピチャ ヌチャ・・・』動くたびに卑猥な音が・・・

「裕美子 濡れすぎ・・・なんか緩いぞ・・・」
「あ〜ん だってぇ・・・お、お尻まで垂れてきちゃった・・・あん」

 妻は構わず自ら腰を振ってクリトリスを私の恥骨に押しつけてきます。

「ぁぁぁ いいぃぃぃぃ・・・い、逝きそうぅぅぅ・・逝くぅぅぅぅ」

 両足で私の腰をきつく挟み込み 下半身を震わせています。
「ぁん・・・ダメェ・・・ぅぅぅ」

「なんだ裕美子 もう逝っちゃったの?」
「・・・・ふぅ・・・はぁ つ、冷たい・・・・」

 布貼りのソファーにまで愛液の染みが・・・

「あ〜あ こんなに濡らしちゃって・・・」
「え〜ん どうしょう・・・落ちるかしら・・・あなたのせいよ」
「はぁ?・・・とりあえずシャワーだな・・・」

 シャワーを浴びた私達が2回戦に突入したのは それから30分程後の事でした。



こころ清き人 15
道明 12/7(日) 11:11:13 No.20081207111113 削除
一郎は自宅に戻ると、知子を居間に呼んで転勤のことを告げる

「あなた、それで何時から東京へ」

「うん・・まずは明日から日帰りで出張して向こうでの準備をしてくる。会社は急いでいるらしいが、住居の手配なんかで8月からと思っているだけど」

「そうですか来月から・・・あなた、くれぐれも健康には気をつけてね」

「心配するな・・陸上競技で鍛えてある。大丈夫だ・・それより、知子は一人で大丈夫か?」

「大丈夫なもんですか・・・寂しい・・とても寂しい・」

「おい・・大阪と東京だ、何時でも帰ってこられるし・・・直ぐに片付けてみせるさ」

「ほんとよ、頑張ってね・・・・ああ、そうそう、また学校の親睦旅行が今月22日、23日の予定なの・・今年は、山陰の玉造温泉と出雲大社めぐり・・あなたが大変なときだから、キャンセルしようかな?」

「いや、行ったらいい・・・知子は知子の職場で頑張らないと、先生方の親睦を図る機会なんだから、キャンセルしなくていいよ。しっかりと温泉に浸かっておいで」
知子はにっこりと笑った

翌日、一郎は東京本社へ出張し、夕方には大阪駅に帰ってきた
その顔が厳しい
東京のスタッフの話を聞いただけだが、腹を括って取り組まないと大変なことになると一郎の本能が知らせていた・・・

「奇遇ですね、山本さん・・・・・ああ、ちょっとお顔がきつそうですね」
声をかけてきたのは阿部真一だった

「やぁ・・阿部先生、あなたも出張でしたか?ちょっと出張先のことを考えてしまって」

「それはそれは・・・どうです気分転換に、そこらで暑気払いにビールでも」

「いいですね。行きましょう」
この二人は共にスポーツマン・・・肌が合っている



こころ清き人 14
道明 12/6(土) 08:10:16 No.20081206081016 削除
電算室の慰労会の後、二人は洒落た喫茶に来ていた

一郎が美恵子へ語りだした・・・
本社で開発中のシステムは、会社機能を網羅する人事管理システムで、その成否が社運を左右しかねないほど巨費を投じているという
しかし、システム開発の進捗が思わしくなく、大阪での実績を踏まえ、その開発責任者として一郎が選ばれた
そして、応援に大阪の電算室からも人材を連れて行っても良いこととなり
その人を美恵子にしたいとの話だ・・・

「室長、なぜ私なんですか?私には情報処理の知識なんて・・・・」

「美恵ちゃん、室長はやめてよ。一郎でいいよ」

「でも、仕事の話ですから」

「ああ、わかったよ・・君を選んだのは、コンピュータのシステムエンジニアは向こうでも優秀な社員がいるだろう・・・たぶん、トラブルの原因は人間関係にあると私は思っているんだ。本社のプロジェクトだ、唯でさえシステム開発は神経が参ってしまうだろう。向こうに君のような存在の人がいたらと思ってね。だめかなぁ?」

「うーん・・それはちょっと無理があると思いますが・・」

「無理が?」

「はい、社長は室長の仕事を助ける腹心を一人連れてとのお考えだとしたら、それが情報処理の知識のない女性の私では・・非常識と思うのではないでしょうか」

「うーん・・でも、君が居てくれて本当に私は助かっているんだよ」

「そうおっしゃって頂けるのは嬉しいです。でも、男と女ですよ・・会社は室長と私の関係を疑い、まともに理解しないのではないでしょうか」

「そうかなぁ・・・・プロジェクト推進の真のエネルギーを会社は理解できないか・・」

美恵子は一郎の顔を見つめている
一郎はこんな人だ・・・昔も今も
仕事は素晴らしく出来るが、人の事となると鈍感だ・・特に男女のことは
でも、それが一郎の良いところでもあり強さである
決してへこたれる事のない一郎の本分なのだ

「室長。ここは・・大阪にも迷惑はかけられない。一人で東京で頑張ってみるということにして・・・・・」

「えー???」

美恵子は笑って続けた

「もしも・・もしもですよ。こんな私の顔でも見たいとのことでしたら、お知らせ頂いたら、何をおいても駆けつけますので・・・」

「美恵ちゃん・・、本当に君は私のことをよく理解して・・・・・有難う」
一郎も元気に笑った



こころ清き人 13
道明 12/5(金) 20:43:51 No.20081205204351 削除
翌日、一郎は何時になく緊張して出勤した
午前10時から取締役会が開かれる、その場でシステム開発の状況を報告することになっていたからだ
一郎たちが開発した「総合販売管理システム」は受注・発注・在庫引当がオンラインで検索・更新できるシステムで、同業他社との競争を勝ち抜くための戦略的なシステムだった・・・・そのテストランの完了報告なのだ

「室長・・・」
電算室を一郎が出ようとしたとき、美恵子が声をかけた

「どうしたの?藤崎さん・・・」
一郎は室員の前では美恵子を苗字で呼ぶ

美恵子は一郎に近づくと、一郎の肩に手を伸ばしてスーツに着いていた糸くずを摘んだ

「ああっ・・・有難う、藤崎さん」
一郎は優しい微笑みを美恵子に投げた・・そして、こちらを見ている室員の顔をひとり一人に目線を合わせた・・

「今度のシステムの完成は、みんなの英知と努力の結集の賜物です。みんなを代表してしっかりと役員の方々に報告してきます・・・みんな、有難う」


2時間後、一郎は意気揚々と電算室の扉を開けた
その姿に、室員全員が立ち上がった

「みんな・・聞いて。完成したシステムについて役員全員からお褒めを頂いた。そして、社長が大変感心され、私たちの苦労をねぎらいたいとおっしゃった。それで、今夜は社長のおごりで、みんなで慰労会をすることになった。もちろん社長も出席される」
よっしゃ!!・・・室員の誰ともなしに声が上がった

一郎は自室に入ると、美恵子を呼んだ
「美恵ちゃん・・今夜の慰労会の後で少し付き合ってくれないかなぁ」

「何かお話でも?」

「ああ・・詳しくはその時に話すが・・・実は、私が東京本社に異動になる」

「室長・・それはご栄転ですね」

「うん・・向こうで開発しているシステムの進捗が上手く行ってないらしい。それで私に指揮を執るようにとのことらしい」

「おめでとうございます・・・・室長」
美恵子はこころからお祝いを言った



裕美子の冒険036
風水 12/5(金) 12:03:45 No.20081205120345 削除

 DVDを止めた私に風太郎君は
「矢野さん なんかスミマセン・・・」
 照れながら身繕いをしています

「な、なにか冷たい物でも持ってくるね・・・」
 妻は照れ隠しでしょう 小走りでキッチンに入っていきます。

「風太郎君 今日の事は内緒だよ・・・今度また別なの見せてあげるから」
「は、はい絶対誰にも言いません・・・まだ有るんっすか?」

「はははっ もっと凄いのがいっぱい有るよ お楽しみに」
「期待しちゃいます・・・しかし 矢野さんいいっすね あんな奥さんいて」
「へっ ま、まあね 君にもいい彼女出来るよ」
「は、はぁ・・・」

「はい あなたはビールでしょ 山田さんはコーラでいい?」
 妻がキッチンから飲み物のトレーを持って戻ってきました。

「山田さん さっき見たの忘れてちょうだいね 私恥ずかしい・・・」
「は、はい・・・い、いや・・・」

 お互い顔を見ないで会話をしています。

 風太郎君はグラスのコーラを一気に飲み干し
「ふぅ・・・遅くまでほんとにお邪魔しました・・・ボク帰ります」

「ああっ 勉強頑張ってな・・・」
「は、はい それじゃ おやすみなさい」
「おやすみ ご両親にヨロシク」

 慌ただしく隣家に帰った風太郎君 今日の事を思い出し また自分を慰めるのでしょう。

 玄関の戸締まりをしリビングに戻った私に 妻は抱きついてきました。

「もぅ あなたったら山田さんにあんなビデオ見せるんだもん・・・」
「悪い悪い・・・お前も興奮するかと思ってな・・・俺も興奮したけど」

 唇を合わせ 強く抱きしめると股間を押しつけてきます。
「ぁぁぁ・・・あなた・・・ほ、欲しいよぅ」
 下着に手を滑り込ませると そこは失禁をしたかのような濡れ方でした。



悪夢 その124
ハジ 12/5(金) 06:25:48 No.20081205062548 削除

「―――待ってください」

 羽生の表情は一変していました。

「例え、そうだとしても―――なにも状況は変わらないのではないですか」

 羽生は自分を落ち着かせようとしてか、声のトーンを意識的に下げたようでした。

「やはり木多先生が―――この場合、秋穂さんではなくて旦那さんのほうですが―――なおさら、警察に訴え出ることなど考えられません。彼女とちがって、この人と浩志くんは血の繋がった―――正真正銘の親子なんです」

 しかし、言葉とは裏腹に彼の瞳は自信なさげに揺れています。それを察したのか、弓削は年老いたフクロウのような顔で笑いました。

「きみにも本当はわかっているのだろう―――彼女が犯される映像をじっと食い入るようにみつめていた―――彼の顔をはみていたはずだ」

 言葉を切って、弓削は薄気味悪そうに私の顔をのぞきこみました。
 私自身も息を止めて、思い返します。あのシーンは未だに生々しく脳に焼きついていました。

「この男の彼女に対する執着は異常だ―――新しい女のためになら、実の息子を売るかもしれん」

 彼らはなにを言っているのだろう―――私のことを話題にしているはずなのに、当の本人は蚊帳の外に置かれています。理不尽ないわれように腹も立ちますが、一方で弓削の言い分も理解できる自分がいました。

秋穂を守るために、他の全てを犠牲にする―――要は私が暴走することを彼らはおそれているのでしょう。

「それならば我々にとっては好都合―――」

 羽生が口角から泡をとばして反論します。

「交渉相手があの女から木多先生に変わるわけで、むしろ―――」
「わかっとらんな」

 校長は憐れむように言いました。ただし、同情の対象は羽生ではなく、私のようでした。

「彼女は―――あの女は―――自分次第で夫の意志など簡単に翻すことができる―――そう確信をもったうえで言っているのだよ」

 私を横目に話す弓削の声が苦しそうにかすれました。

「夫である木多氏は自分のコントロール下にある―――と」

 思い当たる―――というより図星でした。警察へいく気になっていた私を妻は止めることに成功しました―――私は彼女に逆らえませんでした。

「あんたには同情するばかりだ。あんな女を嫁にしたばかりに―――」

 くだけた口調でしたが、その奥には真摯な光が込められています。
 弓削は悪魔のことを語る神父のようなまなざしを私に向けました。

「人の心など持たないくせに、他人の心の機微は知りすぎるほど知っている―――あれは、まさに魔性の―――いや、魔女そのものだ。そんな悪魔にすっかり魅入られてしまって―――」



 結局―――

 彼らの言うところによると、私は学校側と秋穂、双方を破滅から救う抑止力ということになるらしい。
 羽生が今回の一件を脅迫のネタにしようとすれば、例え妻自身が動けなくとも、暴発した私が前後の見境を失って警察に駆け込む―――あるいはシャックやその仲間たちが彼女にちょっかいをかけようとしても、私は同じことをするでしょう。それは弓削たちにとって最悪のシナリオです。

 失うものが大きさがちがう―――これは弓削の言ですが、たしかに今回の事件が公になれば、私たち家族は好奇の目に晒され、きっと、この土地にはいられなくなるでしょう。ですが、身内に犯罪者を抱える弓削が受ける被害はその比ではないはずです。さらにその加害者である甥が薬物中毒であることが判明すれば、彼の過去の言動を蒸し返され、非難の声は烈火のごときものとなるでしょう。
 また、学校が騒動に巻き込まれれば、羽生も安閑とはしていられなくなります。怪しい噂が飛び交う彼の劇団が注目を集める可能性もあるのです。特に件のジャーナリストあたりはこれを好機とばかりにねじ込んでくるかもしれない―――学校側としては未曾有の大惨事を迎えることになるのです。



「―――しかし―――しかしですよ」

 羽生はそれでも了承しかねるようでした。

「あまりにも一方的な―――私の命でもある劇団から身を引けなどと―――」

 渋る羽生を弓削は力強く励ましました。

「まあ、私にまかせておけ―――手はある。彼女の顔を立て、なおかつ御前の意を酌む方策が―――」
「はあ、それはどのような」
「ものは考えようだ。要は現役の教師であるきみが劇団の運営に携わっているのが問題なわけだ」

 気乗りしない部下をなだめながら、弓削の視線が何気なく、こちらに向けられました。
 私には彼の意図がわかっていました。しばらく放っておくことで、私に考える時間をあたえたつもりなのでしょう。

 妻に対する不信感を私に植えつける―――その試みは半ば成功半ば失敗していました。

 私には男のプライドなどという、そんなたいそうなものはありません。女である妻にいいように使われた私の反発を彼が期待しても、それは無理な話です。たとえ、「駒」のひとつとみなされていても、夫として彼女の役に立ったなら―――私にとって、それはなにものにも勝る喜びなのです。
 

 しかし―――
 私にはそれとは別にひっかかっていることがありました。

 私の演じた役が果たして、「夫である私」でなくてはいけなかったのか―――

弓削の説によれば、妻があの映像を私にみせるよう仕向けたのは新たな証言者を仕立てあげるためでした。目撃者の資格として彼女が望んだのはまずは味方であること。そして、いかなることがあっても決して羽生や学校側に立たず、彼女の意のままに動かせる人物―――普通に考えれば一番ふさわしいのは夫である私のはずでした。

 ですが、私は選ばれたのではない―――その確信が私にはありました。

 弓削は今回の妻の立ち回りをみて、用意された周到な計画と評しているようですが、私の見解はちがいます。彼は必要以上に彼女を大きくみようとしています。自らの才覚を信じるがゆえに、彼の自尊心がそうさせるのでしょう。
 彼女とて神ならぬ人の身―――最初から全てを画策していたとは無理があります。ただ、犯行をおさめたディスクが実在することを知ったときに―――しかも、それが秋穂にとって容易ならない敵である羽生の手に渡ったときに覚悟を決めたのではないでしょうか。
 このままなら露見は避けられない―――そういう事態におちいって、はじめて今回のことを思いついたのではないか。私はそう推測します

 そのとき、“たまたま”その場にいたのが、私だった―――ただ、それだけのことではないでしょうか。本当は他の誰でもよかったのはないでしょうか。

 例えば、先ほどの水鳥という若い教師はどうでしょうか。あの頼りない男は弓削に他の教師への伝言を命じられたとき、迷うような表情をみせました。そして一瞬ですが秋穂の顔をうかがったようにみえました―――私には彼が校長の下知に従って職員室へ向かったというよりは妻の後ろをただついていったように思えてならないのです。
 他にも彼女に心酔する人間はいるかもしれない―――いつぞやのM高の教師もそうです。

―――理解のある夫

 たとえ彼女が振り向いてくれなくても、私はそうあるよう努めてきたつもりです。

 愛されていないかもしれない―――そう覚悟しつつも、信頼できる人生の先輩でいたい

 そんな最後の心の拠りどころさえ、現実の前に音を立てて、崩れ落ちていこうとしていました。



こころ清き人 12
道明 12/4(木) 18:32:49 No.20081204183249 削除
その年も7月になった
一郎は相変わらず、システムの開発に没頭し、知子は学校に勤めながら、子育てと家事をこなす良妻賢母の見本のようであった

今夜は妻がフラワーアレンジメントを習いに行っている
妻は午後11時に帰宅、フラワーアレンジメントの作品を最近では珍しく玄関に飾りつけ、夫婦の寝室に入ってきたのは午前1時を回っていた

知子は、一郎に声をかけることなく自分のベッドに滑り込む・・・・

その日、一郎は開発中のシステムのテストランが成功し、気分が高ぶっていた

「知子・・・もう、寝たのか?」

「いいえ・・・」

一郎は妻のベッドに移動する
そして、妻のパジャマのボタンを外していく
小ぶりの乳房をいきなりしゃぶり始める・・・・
手を何時ものように、妻の女陰に這わす

(おや?今夜は濡れるのが早いな?)
陰核を嬲りだすと、妻はしがみついてくる

「知子・・私のものを舌と口で・・・」
この前、シックスナインで嫌、嫌させたのは相当前だ・・・・

一郎はベッドの縁に腰をつき、妻を足元に座らせて怒張を顔に近づける
今夜の妻は素直だ・・・
知子が口に含み始めると、乳房を揉みしだく

(あれ・・嫌がらない・・・・それに???)
一郎に快感が走る
知子の顎に手を添えると、口の奥へぐっと押し込んでいく
そして、一郎がゆっくりと怒張を引き抜いた

「うっ!・・・はぁ、はぁ・・」
その怒張は知子の唾の糸を幾重にも絡ませ天を突く

「知子、今夜はバックスタイルだ・・・いいだろ?」

「・・・ええ」
妻をベッドに上げ、四つん這いにさせる
自然と妻は、頭を下げ尻を高く上げた・・・・

(いやに、今夜は積極的だなぁ・・・・)
これまではクリニングスで女陰がべとべとになってからでも、したがらないポーズ

「あん・・」
妻は性交中に声は出さないが、バックスタイルの時はこのような声をたまにあげる・・

「・・知子はこのスタイルを嫌がるが、本当はいいんじゃないのか?」

「あぁぁぁん・・・」

知子はまだ逝くと言ったことが無い
しかし・・・鈍感な一郎も、今夜の妻は何時もの知子とは少し違うような気がした
そして、一郎自身も精力が漲り、ゆっくりと怒張を妻の女陰に打ち込み続ける
妻のものが絡んでくる・・・ああ、いい気持ちだ





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こころ清き人 11
道明 12/3(水) 23:13:17 No.20081203231317 削除
一郎は妻となる知子とデートをするようになって、必然的に美恵子と疎遠になっていた
社内で一郎が結婚するとの噂がたった
上司が一郎に見合いを勧めたが、一郎が付き合っている女性がいるとのことでことわったためだ

こんな噂は美恵子にも届く
美恵子は勇気を振り絞って直接、一郎に尋ねた

「一郎さん、結婚されるんですか?」
美恵子の視線は一郎の目を真っ直ぐに見ていた

「う、うん・・・彼女は大学3年生だから、結婚はもっと先だけど・・・」

「大学生のお嬢さんですか?」

「う、うん・・・・・・・・」

「そうですか・・・」

一郎が切り返す
「美恵ちゃんも、好きな人がいるんだったね・・僕には誰だかわからなかったけど」

「えっ?」

「最初のデートのとき、そんなことを確か言ってたじゃないか」

「???・・・・・」

「僕は君を妻にしたいと思っていたんだ・・だから諦めきれずに、その後もデートに誘ってたんだ、残念だよ」

「私、私の好きな人は・・・・」

「いいんだ、もう・・・僕は結婚をすることになったんだ。君もその好きな人と幸せになれよ。じぁ・・・」

一郎の心に刹那さが走った・・・・親同士が勧めた、もうそれでいい
美恵子には好きな彼氏がいるんだと
そう自分に言い聞かせていた・・・

それから2年後、一郎は知子と結婚したのだ



裕美子の冒険035
風水 12/3(水) 10:49:07 No.20081203104907 削除

「ぁん 恥ずかしいよぅ・・・」
 ワインと恥ずかしさで真っ赤な顔の妻 右手は私の股間で動いています。

「ちょっと恥ずかしいんですけど・・・いつもやってるようにして いいっすか?」

 欲望丸出しの顔に少々の照れを浮かべ風太郎君が聞いてきました。

「おぅ 照れる事ないよ 好きにしたらいい」

「は、はい・・・・じゃ・・・」

 彼はソファに座り直し 揃えて延ばしていた両足を大きく開きました。
 陰嚢から肛門までが覗いています。

「ぁぁぁ か、感じちゃいます・・・」
 右手で陰茎を上下させたまま 左手が陰嚢を刺激しだしました。

 画面の妻 右手の中指がクリトリスを転がしています。

「ボ、ボク いつも こうやってる所 カガミに写してるんです・・・ぁぁぁ」
 彼の左手が自らの肛門を刺激しています

「いゃん 山田君 お尻気持ちいいの?」
「は、はい・・・この頃 肛門が気持ちよくって・・ぁぁぁ」
 
 左手の中指が肛門に潜り込んでるのがわかります。

「風太郎君 凄いなぁ・・・どれ・・・」
 妻のスカートに手を入れると股間の熱と湿気がハッキリ分かります。

「あなた・・・だ、だめ・・・」
 熱い吐息を漏らす妻

 画面には 右手でクリトリスを 左手で膣口を刺激する妻

「ぁぁぁぁ・・・い、逝きそうっす・・・ぅぅぅぅぅ」
 風太郎君の右手の動きが速まりました 左手の中指は肛門で激しく動いているようです。

「ぉぉぉ・・・い、いくぅぅぅ・・・・ぅぅぅぅぅ」

 再び大量の精子を激しくまき散らし絶頂を迎えた風太郎君
 画面の妻が軽い絶頂を迎えた時でした。 
 
 妻はきつく私の一物を握り 股間に私の手をきつく挟み込み下半身を震わせています 
 彼女も軽い絶頂を迎えたのでしょう。



こころ清き人 10
道明 12/2(火) 19:24:28 No.20081202192428 削除
一郎は、席に着くと赤鉛筆を片手に書類にチェックを入れていく・・・
美恵子は毎日必ずその姿を見届けると、一礼をして部屋を出て行く

一郎の精力的な仕事振りのエネルギー源は、間違いなく美恵子の存在だ

彼女にとっても一郎は・・・妻帯者となった今でも特別な存在であった
この会社に就職して1年が過ぎ、それでも業務に馴染めず落ち込んでいた頃
新入社員として配属されてきた男、高学歴それも一流の大学卒、スポーツマンで美男子
社内の女性社員が憧れる存在・・・・・そんな彼が彼女の家に電話をかけてきた

「藤、藤崎さんのお宅でしょうか?」

「はい、藤崎ですが・・・・」

「・・私、山、山本ですが・・・美恵子さん?」

「ええ・・・」

「今どうしてる?・・・もし良かったらドライブにでもいかない?」

「うーん・・」

「行こうよ、ドライブに・・・美恵ちゃん」

「・・・・・ええ・・じぁ」

この一郎との最初のデートを美恵子は今でも覚えている

季節は秋
紅葉が映える坂道を二人で歩いた
一郎は職場の上司のこと、同僚のこと、そして今取り組んでいる仕事のこと
意気揚々と語った・・・
情熱があり誠実で一直線・・・・そして女性には少し鈍感なところ
その背をみながら、美恵子は離れずに歩いた

時々、一郎が振り向き優しい眼差しで語りかける
・・・そして、美恵子が頷き微笑みを返す

一郎が言った
「これからも、美恵ちゃんを誘ってもいいかなぁ?」

「・・・・・うーん、私には・・・」

「えっ!もう?・・・・・そうなんだ・・」

この時、一郎22歳、美恵子19歳



こころ清き人 9
道明 12/1(月) 23:14:41 No.20081201231441 削除
一郎の職場の執務室・・電算室長の机には、何時も一輪の花が飾られている
かつて、一郎が妻にしたいと思っていた女性・・・藤崎美恵子が活けている
彼女は職場の男子社員からのプロポーズを断り続け、未だに独身でいる
妻の知子と同じ33歳になっていた

美恵子は、一度人事課に異動し、再び電算室に戻ってきた
就職当時より女性としての魅力を更に増した
周囲の社員への心配り、温かさ・・・
この殺伐としたコンピュータシステムの開発現場では、ときどき悪魔が顔を出す
いつの間にか喜怒哀楽の感情が薄れ、無気力な人間となってしまう社員もでている
・・・そんな職場にあってどの社員にも、人間らしさを失わせない、とても大切なものを振りまいてくれる女性となっていたのだ・・・まさに美恵子は天使だった

「おはよう・・・美恵ちゃん」

「はい・・室長、おはようございます」
朝一番のこの挨拶が・・・一郎を、今日も一日頑張るぞという気分にさせてくれる

「いつもながら、制服が似合っているね」

「有難うございます」

紺色のタイトスカートから同色のストッキングに包まれたしなやかな美脚が目に入る
髪はスポーティに紐で纏め、耳から襟足の肌の白さが際立っている
そこには誠実で清楚な女がいた



裕美子の冒険034
風水 12/1(月) 10:24:07 No.20081201102407 削除

「風太郎君 裕美子のストリップどうだい?」

「す、凄いっす・・・ぁぁぁ」
 口を半開きにし 食い入る様に画面を見つめ ゆっくり右手を上下させています。

 画面の妻はジーパンも脱ぎ捨て 揃いの白いブラジャーとショーツだけになっています。

「ねぇぇ 恥ずかしいよぅ・・・もうやめてぇ・・」

「だ〜め それとも風太郎君に じかにアソコ見せてあげるかい?」
「そ、そんなぁ・・・無理よぅ・・・もぅ」

 口を尖らせ怒った顔で風太郎君を見た妻

「や、山田君・・・な、なんかさっきより大きいよ・・・」

「ぁぁぁ お、奥さんのストリップ凄すぎっす・・・ぁぁぁ」
 
 画面の妻がゆっくりとショーツを降ろしています。

「ぁぁぁ いやだぁ・・・見ないでよぅ」

「おおぉぉ つ、ついに・・・」
「風太郎君 今日たっぷり見たんじゃないの?」
「い、いえ・・・全然興奮が違うっす・・・ぁぁぁ」

 ショーツを足首から抜いた妻 自ら股間を突きだし陰部を強調しています
 しばらくすると足を開き 両手で陰唇を広げカメラに内部を晒す妻

「おおっ・・・ぅぅ・・・むぅぅぅ」
 言葉にならない呻き声を上げる風太郎君

「いゃん・・・もういいでしょ あなた カンベンしてぇぇぇ」
 哀願する妻の腰に手を回し耳元に
「裕美子 お前も興奮してるんだろ・・・もう少しだから・・・」
 そうつぶやき 軽く唇を合わせると 妻は私に上半身をあずけ 片手を私の股間に置いてきました。

「裕美子 あとでいっぱい愛してやるから我慢してな・・・」
 妻の手は的確にズボンの上から私の一物を刺激しています。

「ああ 奥さんの手の動き・・・感じちゃいます・・・」

 風太郎君は画面の妻と目の前の妻を交互に見つめています。

 その時 画面が数秒ブルーになり いきなりベッドの上で全裸で横たわる妻が映りました。

「ぁぁぁ こ、こんどはなんっすか?」

 画面を見た妻 次にどんな場面が映し出されるか瞬時にわかったようです

「ぁぁぁぁ こ、こんなぁぁぁ・・・・」

 画面の全裸の妻はゆっくりと自らの胸を刺激しだしました。

「オ、オナニーっすか? す、すげぇぇぇ」

 胸を刺激していた右手が徐々に下半身の淡い陰毛に向かっています。







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